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新規事業を立ちあげ、企業として急速に成長しているスタートアップにおいて、採用に苦戦している採用担当者様もいるかもしれません。
スタートアップの採用が難しい要因は「資金の不足」「知名度の不足」「人手の不足」といった3つのリソースの不足が考えられます。限られたリソースの中で採用を行うにはどうすればいいのでしょうか。
この記事では、そもそもスタートアップの採用はなぜ難しいのか、3つのリソース不足の要因と対策を解説し、スタートアップに適した採用手法や採用のポイントについても紹介します。
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目次
スタートアップの採用
「スタートアップ」とは、「起業したばかりの組織」という意味で使われることもありますが、正確には「新たな事業を生み出し、急速に成長する組織」のことを指します。
急速に成長しているということは必然的に「企業規模」と「事業規模」に大きな変化が生まれていきます。
そのため、スタートアップでも事業計画に則った適切な人員計画を立て、事業計画と採用計画を連動させる必要性があります。
たとえば急速に事業が成長しても、組織の人数が変化しなければ事業規模に対して人手が不足していくことが考えられます。その結果、事業成長と並行して組織を成長させることに人手を割かなければならないため、外注を利用する機会が増えるケースが多いです。半年後、1年後、5年後の事業計画を緻密に考え、採用ポジションを決定していかなければなりません。
また中にはアーリーフェーズで人増やしすぎて失敗するケースもあります。人が増えることのコストを考えずに採用した結果、コミュニケーションコスト、人件費が増大し、事業の成長を妨げる要因にもなります。未来の組織図を描き、どのポジションの人が必要かを考えることが重要です。
また、事業を立ち上げても売上につながるまでには時間がかかります。人手不足による外注の利用もあいまって支出は増加し、利益を創出する前に資金不足におちいってしまう可能性もあります。
さらには人手不足や資金不足の中、広報にかけられるリソースも限られているため、組織の規模と知名度に差が生じやすくなります。
スタートアップの性質上、このような人手不足・資金不足・知名度不足といった課題に直面しやすくなります。
スタートアップの採用が難しい理由
前述の通り、スタートアップでは様々な側面でのリソースに限りがあります。
そのため、採用に割けるリソースも十分ではないことも多いでしょう。さらには、リソースがないスタートアップにとって、採用した社員が早期離職に至るなどの採用ミスマッチや、時間と資金をかけたのにも関わらず社員を増やすことができなかったということは大きなリスクです。
一方、リスクを恐れるあまり採用に消極的になっていると、事業成長に必要な人手が不足してしまいます。
大手企業を含む多数の企業と人材の取り合いになるため、積極的に取り組まなければ多くの機会を損失してしまうのです。
スタートアップに不足しているリソース
スタートアップの採用を難しくしているのはリソース不足です。
大きく分けて、以下の「3つの不足」があります。
- 資金の不足
- 知名度の不足
- 人手の不足
まず「資金の不足」です。資金が不足していれば多くの広告を掲載したり、人材サービスを利用したりすることが難しいといえるでしょう。
次に「知名度の不足」です。スタートアップは広報に割けるリソースも限られるため、知名度が高くないケースもあります。前述の「資金の不足」により広告掲載といった手段をとることも難しいことから「興味を持ってもらう」ことや「知ってもらう」ことのハードルも高いといえます。
最後に「人手の不足」です。採用を行うにあたって一人の人事にかかる負担が大きくなります。たとえば、企業によっては他の業務と兼任で採用担当となっており、採用だけに集中できないケースや、採用のノウハウが不足しており、採用成功に繋げられないケースなど、様々な課題が考えられます。
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スタートアップが抱える「3つの不足の解決策」
「資金不足」「知名度不足」「人手不足」それぞれのリソース不足に対して効果的な取り組みを紹介していきます。
資金不足の対策
一言で「採用」と言っても実際には様々なやり方が存在します。ここでは資金に頼りすぎない採用手法を紹介します。
リファラル採用
リファラル採用とは、既存社員の知り合いや友人のなかから、人材要件にマッチする人材を紹介してもらう採用手法です。自社の理念や業務内容等を深く理解している社員による紹介であるため、自社にマッチする人材に出会いやすいというメリットもあります。
紹介した社員にはインセンティブを支払うこともあるためまったくコストがかからないわけではありませんが、リファラル採用でのインセンティブは「1~30万円」が一般的で、「人材紹介」の成果報酬が採用者の年収の35%ほどであることと比較すると、かなり安価であるといえます。仮に採用者の年収が400万円だとすると人材紹介に支払う成果報酬は140万円となりますので、コストは1/3に抑えられています。
求人媒体を利用する
掲載無料の求人媒体を利用することで、より多くの候補者に対してアプローチを行うことができます。
しかし、そうした媒体では既に多数の求人広告が掲載されていたり、スカウトメール送信や上位表示などに料金が発生する場合もあります。また候補者の目に留まるためには、掲載する求人広告やスカウトメールに1つ1つ時間をかけて作り込むことが必要です。
興味をもった候補者を取りこぼさないような工夫が必要ですが、多くの候補者に対してアプローチできることは大きなメリットになります。
【成功報酬型の媒体例】
中途:Green・paiza・OpenWork
新卒:OfferBox・キミスカ
【無料掲載の媒体例】
ハローワーク・engage・求人ボックス・Indeed・Airワーク
知名度不足の対策
スタートアップは設立間もない企業も多いため、知名度がないのも無理はありません。しかし、認知拡大を待って受け身になっていては採用につながらないのも事実です。積極的に自社のことやサービスを知ってもらう機会を作っていかなくてはなりません。
採用広報で自社の魅力をより分かりやすく伝える
採用広報とは、オウンドメディアに社内のインタビュー記事を掲載するなど、多くの候補者に自社のことを深く知ってもらい、応募・採用につなげることです。
知名度がない分、スタートアップには「知ってもらうための場所」と「興味をもった人を応募・採用につなげるコンテンツ」が必要です。
採用広報を行うことで自社のカルチャーや取り組みをアピールすることができ、自社のことをより深く知ってもらうことができます。より興味を持って選考に進んでもらうためにもコンテンツは多い方が良いでしょう。
また定期的なコンテンツの発信が蓄積されることで、コンテンツがそのまま会社の歴史を表す資料にもなるので継続していくことが重要です。
さらにSEOにも留意して制作を行えば、インターネットを利用して求職活動をしている候補者の目に触れる機会にもなります。SEOとは検索エンジンの最適化のことを指し、最適化を行うことで検索結果の上位に表示されやすくなります。
SNSを利用した情報発信とコミュニティの形成
TwitterやInstagramなどのSNSのアカウントを運用し、コミュニティを作ることも効果的です。
利用者も多いため、自社の情報や動きを候補者の目に触れやすい場所で発信することができます。また、SNSを通して繋がった人に対して直接スカウトを送ることもできるのも特徴です。積極的に取り組むことで情報を見た人に与える印象も良くなり、知名度の向上にも繋がります。
参考記事:https://marugotoinc.jp/blog/x_hiring/
人手不足の対策
スタートアップは事業運営・組織運営の双方で人手不足になっていることが多く、担当業務以外にも兼務している組織もあるでしょう。業務量やスキルをふまえて適切な組織配置を行ったり、社員間で業務量が均一になるよう密に連携を取ることも重要です。
職場環境やカルチャーの整備には社内全体の協力が必要不可欠
スタートアップは職場環境やカルチャーが整備されていないことも多いですが、環境やカルチャーは候補者が重要視する項目でもあります。
候補者にとって魅力的な職場環境に整備するリソースも限られていますが、会社全体の協力で取り組んでいきましょう。
また、スタートアップでは複数の社員で面接で行うことも多いため、面接官同士での伝え方を統一していくことも大切です。社内で「どのように伝えるか」「どうしたら魅力的に伝わるか」を密にコミュケーションを取ることがおすすめです。
また、採用ピッチ資料などがあれば、資料をもとに説明するため表現が統一できるといった効果も期待できます。
参考記事:https://marugotoinc.jp/blog/scrum-recruiting/
採用代行会社を利用する
採用ノウハウの豊富な採用代行会社に効率良く採用を進めてもらうことで、長期的に見ればコストカットにつながる可能性があります。
スタートアップでは、専任の採用担当者がいない場合や経営層が自ら採用活動に取り組んでいる企業もあります。
専門的な採用ノウハウを持つ採用代行サービスを利用することで、これまでマンパワー不足で着手できなかった「ダイレクトリクルーティング」に取り組んだり、面接日程調整などのオペレーションを外部委託することで、社員が面接対応や内定者フォローに集中できる体制を構築することができます。
人手が足りない状態で無理に自社で補おうとすると、社員一人ひとりの負担が大きくなり、会社全体が疲弊してしまいます。
そうした状態では満足な採用ができずに採用が長期化し、結果的に支出が大きくなってしまう可能性も考えられるでしょう。
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スタートアップに適した採用手法まとめ
採用にはさまざまな手法が存在しますが「採用にリソースをどれだけ割くのか」「リスクに対しどのようにアプローチするのか」を考えながら適切な手法を選択することが重要です。
以下で紹介する採用手法を参考に、自社の状況や目的に応じて臨機応変に採用活動を行いましょう。
・リファラル採用
リファラル採用とは、先にも記載したように自社の社員の紹介から採用につなげる手法です。
人材紹介や求人媒体の利用と比較してコストが低く、社員からの紹介のため会社との親和性が高い人材を選考できる可能性が高いといえるでしょう。リファラル採用に向けた制度作りや社員教育は大変ですが、自社に合った人材を採用できるため、採用ミスマッチのリスクが少ない手法です。
・ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、自社のターゲットとなる求職者に対して直接アプローチする採用手法です。
認知度がまだ高くないスタートアップでも、採用ターゲットに直接アプローチできるため、効率の良い採用活動が期待できます。また、いきなり応募ではなくカジュアル面談というかたちで自社を知ってもらうプロセスを踏めるため、タッチポイントを増やすことができます。
・求人媒体
求人媒体であれば多方面に求人情報を掲載することが可能で、ある程度費用をかければ多くの人の目に触れ、会社の知名度に関係なく応募数を増やすことができます。
かかる費用については一部掲載無料のサービスも存在し、利用する媒体によって大きく異なりますが年間で100~300万円程度です。これは媒体の利用のみの費用であり、実際に採用が決まれば成果報酬の支払いが発生する場合もあります。50〜100万円前後の定額のもの、採用者の想定年収の15%など様々です。
・人材紹介サービス(エージェント)の利用
人材紹介(エージェント)では、人材のプロと相談しながら自社に合いそうな人材を探すことができます。自社に採用の専門家がいない場合に特に有効になります。
成果報酬型のものがほとんどなので初期費用は必要なく相談しやすい点もメリットでしょう。また、短期間での採用ができる可能性もあります。ただし、成果報酬は採用者の想定年収の35〜40%と、他の手法と比べて相場が高いため検討が必要です。
スタートアップの採用の4つのポイント
具体的な採用手法の他に、スタートアップの採用において注意しておくべき重要なポイントについても紹介します。
1.適切な採用要件の設定
採用するにあたっては、ビジョンやミッションへの共感があり、カルチャーに合う人材を採用する必要があります。
高いスキルを持っていてもカルチャーに合わなければそのスキルを発揮しきれない可能性があり、最悪の場合には早期離職となってしまうかもしれません。
また、スタートアップは組織としても変化が激しいため、自走できる人材、変化や情報のアップデートを苦に感じない人材があることが望ましいです。
しかし、人材の基準を高く設定しすぎると、採用ができないまま時間とリソースだけを消費してしまうことにもなりかねません。条件となる項目に優先順位をつけて「必須条件」と「歓迎条件」に分けたり、本当に必要な条件であるかを改めて確認したりすることで適切な基準を設定しましょう。
2.採用ミスマッチを防ぐ
入社前後で会社や業務のイメージにギャップがあったことなどによって起こる早期離職は、資金や時間などのリソースの損失や社内士気の低下にも繋がります。
社内士気の悪化によって他の社員も退職してしまう可能性があり、そうなると再び採用活動を行わなければなりません。
入社前後のギャップによる採用ミスマッチをなくしていくためには、社内カルチャーの明文化と社内への浸透や、面接や面談時の適切な情報提供により自社と候補者の相互理解を深めていくことが重要です。
3.採用のために必要なスキルを把握する
採用には様々な能力や知識が求められます。
採用計画を立案するための採用知識やスキル・募集文やスカウト文を作成するライティング力・漏れのない候補者対応を行うための業務設計力・面接で候補者の志望意欲を高めるためのトーク力などが挙げられます。
採用にかけられる人的リソースが不足し、兼務で行われることの多いスタートアップにおいては、採用に必要になる能力を正しく把握し、社内リソースや外部リソースを適切に活用・育成する必要があります。
4.業務委託人材の活用を検討する
優秀な人材の採用を求めるばかりに採用活動が長期化し、事業成長にリスクを与えることもあります。
エンジニアの不足によるプロダクト開発の遅延、営業やマーケターの不足による顧客拡大の遅延、適切なフォロー体制を準備できず、顧客満足度が低下するなど、正社員採用にこだわっていると採用に遅れが出た時に事業の成長にも悪影響が出ます。
またフリーランスになる人材が増えてきていることから、業務委託からスタートして将来的に正社員になってもらうケースも増えており、今後ますます注目度が上がっていきそうです。
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スタートアップの採用は積極性と熱意、チームワークが大切
スタートアップはリソースが限られるため、さまざまな媒体を利用したりなど、むやみにスカウトメールを送信したりと、数を打つことができません。そのため1つ1つの取り組みに高いクオリティを保つことが重要です。
会社や業務の魅力を知ってもらい、その機会を取りこぼさないために、継続的な振り返りや改善を続けなければなりません。
また採用活動には社内の協力体制が必要不可欠です。現場社員も採用プロセスに関わり、組織が一丸となっているイメージを作り上げることができればより好印象を与えることができます。
スタートアップならではの機動力や積極性を活用して他社との差別化を図ることでより良い採用が行えます。この記事を参考にして、ぜひ自社の採用戦略に役立ててください。
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