採用・労務・経理に関するお役立ち情報

「経理が急に退職してしまった」「新しく採用された経理もすぐ辞めそう…」といった悩みがある経営者・総務担当者の方は少なくありません。
中小企業の経理担当者が抱える悩みのトップ3は以下のとおりです。
- 1位 業務の属人化
- 2位 業務の煩雑さ
- 3位 業務量の多さ
経理担当者が退職し、新たな人材を採用しても、業務効率化や改善が図れなければ同じことの繰り返しでしょう。
本記事では、経理担当者の退職・不在時における対応フローを解説します。経理の退職によって生じる4つのリスクから、自社の状況に合った最適な解決策を見つける際の参考にしてください。
目次
経理が退職した時の企業が陥る4つのリスク
「明日から経理が来なくなります」 この一言で、お金の動きは止まります。多くの経営者は「なんとかなるだろう」と考えがちですが、経理の不在は単なる欠員以上の経営危機を招きます。
即座に発生する業務停滞のリスク
経理担当者が突然いなくなると、以下のような日常的な経理業務が停止します。
- 請求書の発行
- 支払い処理
- 入金確認
取引先との関係に悪影響を及ぼす可能性があります。
支払いが遅延すれば取引先からの信用を失い、請求書が発行できなければ自社の資金繰りにも影響します。日々の業務が回らなくなることで、経営者や他の社員が通常業務を中断して対応せざるを得なくなります。
残された従業員の退職連鎖
経理の穴を埋めるのは、多くの場合、知識や経験のない既存社員や経営者本人のケースが多いでしょう。
本来の業務に加えて、慣れない数字のチェックや振込作業に追われると、従業員に負担がかかります。
「この会社で働き続けて大丈夫か?」という不安が社員の間に広がり、負のスパイラルとなって次なる退職者を生んでしまうケースもあるでしょう。
業務の「ブラックボックス化」による停滞
多くの企業で、経理業務は属人化しているケースが多い傾向があります。
領収書の保管場所、ネットバンキングのログイン情報、会計ソフトのパスワードなどが、何がどこにあるか不明で退職者の頭の中にしかない場合もあります。
「この取引先は振込手数料を引く」「この支払いは翌々月」といった、明文化されていないと現場が混乱するでしょう。
税務申告の遅延リスク
法人税、消費税、源泉所得税など、税務申告には法定期限があります。経理担当者の退職により決算作業や申告業務が滞ると、期限に間に合わない可能性が生じます。
申告が遅延すれば、延滞税や加算税が課されるだけでなく、金融機関からの信用にも影響します。融資の審査において、税務申告の遅延は大きなマイナス要因となり、資金調達が困難になる可能性があります。
経理が退職する主な5つの原因
退職を繰り返さないためには、「なぜ辞めるのか」の根本を把握し対策を講じましょう。ここからは、実際に退職に至る背景を深掘りします。
業務負荷が多い・増えた
月次・年次決算、税務対応、給与計算など、経理業務は締め切りの連続です。
特にひとり経理の場合、繁忙期に業務が集中し、長期的な疲弊から退職を選ぶケースが多く見られます。
アナログ業務が多い
特に新卒社員をはじめとする若手社員は、現場の業務を目にして以下のような疑問を抱くケースが多いでしょう。
- キャッシュレスを推奨すらしていない
- パソコンを活用できていない
- Excelと手作業が中心で改善が進まない
アナログ業務が多く見られると、業務効率や組織力にも影響するため早急な対策が必要です。
職場環境・人間関係
経理はバックオフィスに配置されることが多く、他部署との連携が取れていないと孤立感を感じやすいポジションです。経営者や上司とのコミュニケーション不足が退職の引き金になることもあります。
評価・昇給の停滞
経理はミスが目立ちやすい一方で、正確にこなしても「できて当たり前」と見なされやすいポジションです。努力が評価に反映されないと感じた際に、転職を検討するケースが増えています。
先輩を見てキャリアがイメージできない
優秀な若手社員は、将来のキャリアを真剣に考えているからこそ早い段階から動き出します。経理部門で期待されていた若手社員が退職を決意する背景には、以下のような本音が隠れています。
- 学生時代の友人と比較して自分はある程度決まった業務しかできない
- 経営に直結している実感が湧かない
1990年代半ば〜2010年代初頭生まれのZ世代にとって、「一つの会社で長く働く」という価値観はすでに主流ではありません。
給与や安定よりも、自己成長・スキルの蓄積・市場価値の向上を感じられるかが重要です。
経理担当者の退職・不在時における対応フロー6ステップ
経理担当者が退職する場合、最も大きなリスクは「支払の遅延」と「税務リスク」です。これらを防ぎ、組織を止めないために以下のステップで対応を進めましょう。
STEP 1|引き継ぎ資料の確認・作成依頼
退職が決まったら、まず業務一覧・取引先情報・ログイン情報・締め日カレンダーなどの引き継ぎ資料を作成してもらいましょう。退職後に連絡が取れなくなるリスクを防ぐため、在職中に確認します。
STEP 2|緊急度の高い業務を洗い出す
給与計算・社会保険料の納付・請求書の発行・支払い処理など、滞ると会社や従業員に直接影響する業務を優先リストアップします。
STEP 3|社内配置換えによるバックアップ
外部に任せられない社内独自の判断が必要な業務は、総務や営業事務、数字の扱いやルーチンワークに慣れている社員を一時的にアサインします。
STEP 4|引き継ぎを最優先
退職日までの残り時間は、日常の経理作業と並行し「マニュアル作成」に充てましょう。
マニュアルには操作ではなく理由を残すのがポイントです。 「ソフトのここをクリックする」という手順だけでなく、「なぜこの数字が必要なのか」「参照元はどの資料か」という情報を記録しましょう。
複雑なソフト操作は、PC画面を録画しながら解説してもらうことで、文章化の手間を省きつつ再現性の高いマニュアルが完成します。
STEP 5|税理士・アウトソーシング会社に連絡する
顧問税理士がいる場合は状況を報告し、当面の対応をお願いしましょう。顧問税理士がいない・手が足りない場合は、経理アウトソーシングサービスへの相談が早期解決の近道です。
STEP 6|後任採用またはアウトソーシングを検討する
中長期的な解決策として、後任採用かアウトソーシングかを検討します。
採用コストを抑えるなら経理アウトソーシングがおすすめです。
経理が退職したら後任採用かアウトソーシングかどちらがおすすめ?
急ぎの対応・当面のつなぎにはアウトソーシングが最適です。
採用とアウトソーシングを導入した場合のメリット・デメリットを以下の表で比較したので、自社の課題と照らし合わせながらどちらが最適かの検討にお役立てください。
採用(正社員・パート) | アウトソーシング | |
メリット | ・社内に経理知識が蓄積される | ・即日〜数日で対応開始できる |
デメリット | ・採用コスト・時間がかかる | ・月額費用が発生する |
向いているケース | ・経理業務を将来的に内製化したい | ・退職直後で今すぐ対応が必要 |
将来的に内製化したい場合は採用と並行して進めるのがベストでしょう。
経理の退職を防ぐための予防策
「また経理が辞めてしまった」を繰り返さないために、採用や日常マネジメントの中でできる予防策を紹介します。特別なコストや仕組みがなくても今日から始められるものも多いので、ぜひ参考にしてください。
1.業務の可視化・マニュアル化を進める
経理業務が「その人しかわからない」状態になっていると、退職時のリスクが一気に集中します。まずは以下の情報を文書化しておくことが第一歩です。
・月次・年次の業務スケジュール(締め日・支払日のカレンダー)
・取引先ごとの請求・支払いルール
・使用している会計ソフト・ツールのログイン情報と操作手順
・税理士・銀行・顧問先などの連絡先リスト
完璧なマニュアルを作る必要はありません。「退職翌日でも誰かが業務を引き継げる状態」を目指すことが重要です。Notionやスプレッドシートなど、無料ツールで十分対応できます。
2.定期的な1on1・面談でホンネを聞く
経理は「ミスが目立つが、正確にやって当たり前」というプレッシャーの高いポジションです。加えてバックオフィスの孤立感から、不満があっても言い出しにくい環境になりがちです。
月1回・30分程度の1on1を設けるだけで、次のような情報を早期にキャッチできます。
・業務量が限界に近づいていないか
・評価や待遇に不満を感じていないか
・キャリアについて不安を感じていないか
・新しいツールや業務変更について困っていないか
「特に問題ない」という返答が続く場合も要注意です。面談の形式ではなく、「ランチミーティング」など場の雰囲気を変えるだけでも本音が出やすくなります。退職の意思が固まる前に察知できるかどうかが、引き留めの成否を左右します。
3.評価制度・給与水準を見直す
経理担当者の離職理由として「給与・評価への不満」は上位に挙がります。特に中小企業では「経理はコストセンターだから」という認識から、営業職に比べて評価されにくい傾向があります。
・経理職の市場給与水準を定期的に確認し、乖離がないかチェックする
・決算対応・システム導入など特定の成果に対してインセンティブを設ける
・資格取得(日商簿記・FASS検定など)の費用補助や資格手当を設ける
・「経理がいるから会社が回っている」という承認を言語化して伝える
給与を大幅に上げることが難しい場合でも、「きちんと評価されている」という実感を持ってもらうことが、定着率向上に直結します。
4.会計ソフト・ツールの導入で業務負担を軽減する
手作業・Excelベースの経理業務は、担当者への負担が集中しやすい構造です。クラウド会計ソフトを導入することで、入力作業・転記ミス・集計の手間を大幅に削減できます。
・freee会計:操作が直感的でIT非専門の担当者にも使いやすい
・マネーフォワード クラウド:銀行・カード連携が充実し、自動仕訳の精度が高い
・弥生会計オンライン:中小企業・個人事業主に実績豊富で税理士との連携もスムーズ
ツール導入の際は、担当者を「使わされる側」ではなく「選ぶ側」に巻き込むことが重要です。担当者自身が使いやすいツールを選べると、導入後の定着率も上がり、業務改善への主体性も生まれます。
5.アウトソーシングとのハイブリッド体制を検討する
「ひとり経理」に全業務を集中させることは、担当者にとっても会社にとっても高リスクです。経理業務の一部をアウトソーシングに切り出すことで、担当者の負担を分散させながら、退職リスクそのものを構造的に下げることができます。
アウトソーシングに向いている業務の例は以下のとおりです。
- 記帳代行・仕訳入力(繁忙期のみスポット依頼も可)
- 給与計算・社会保険手続き
- 請求書の発行・管理
- 年末調整・決算補助
「社内担当者+アウトソーシング」の体制にしておくと、万が一退職が発生した場合でも業務が止まりません。採用が完了するまでのリスクヘッジとしても機能します。
経理アウトソーシングなら「まるごと管理部」へ
経理担当者の退職でお困りの場合は、「まるごと管理部 経理プラン」へご相談ください。月額制のオンライン経理代行サービスで、顧客満足度94.1%の実績を誇ります。
対応業務一覧
日次業務 | 記帳・仕訳/経費精算/支払請求書管理/売上・売掛金管理/入金管理/取引先管理 |
月次業務 | 総合振込リスト作成/請求書作成・発行・管理/月次決算・四半期・半期決算/給与計算 |
年次・その他 | 本決算サポート/年末調整事務/固定資産管理/税理士との連携/マニュアル作成/業務フロー構築・整備 |
まるごと管理部が選ばれる5つの理由
1.すぐに始められる低リスク設計 | 1ヶ月単位での契約更新が可能。月末までに連絡すれば翌月末での解約もOK。急な経理退職後の「つなぎ」としても、リスクなく始められます。 |
2.経理経験者チームがアサイン | 担当するのは経理経験者で構成されたプロチーム。引き継ぎ資料が不完全な状態でも、状況を把握しながら業務をスムーズに立ち上げます。 |
3.今使っているシステムのまま対応 | freee・マネーフォワード・弥生会計など、貴社がすでに使っているシステムに合わせて支援。ツール変更の必要はありません。 |
4.業務フロー設計から実務・改善まで一括対応 | マニュアルがない状態からでもOK。マニュアル作成・フロー整備・実務遂行・改善提案まで、バックオフィス業務をワンストップでお任せいただけます。 |
5.脱属人化でノウハウを会社に残す | PDCAサイクルを回しながら業務を常にアップデート。担当者が変わっても業務が止まらない仕組みを構築し、再発リスクを構造的に解消します。 |
【導入までの流れ】
STEP 1|オンライン無料相談
お困りごと・現状の業務状況などをヒアリング。サービス内容のご案内もします。
STEP 2|導入前ミーティング
具体的な進め方・スケジュールをオンラインで打ち合わせ。
STEP 3|オンラインで契約締結
紙のやり取りは一切なし。オンライン完結で契約締結が可能です。
STEP 4|ご支援開始
チャット・オンラインMTGにて随時やり取りしながら業務をスタート。
経理の退職でお困りの場合は、まずはお気軽にご相談ください。

「まるごと管理部」(労務・経理プラン)の資料を無料でダウンロード
労務・経理を仕組みづくりから実務まで代行!
急な担当者の退職など社内のバックオフィス担当の代わりとして伴走支援します
経理退職でよくある質問Q&A
経理担当者の退職後の不安から、アウトソーシングへの疑問までよくある質問に幅広く回答します。
経理の後任を採用するのに、どれくらいの時間とコストがかかりますか?
一般的に早ければ2〜3ヶ月程度で内定出しができる場合がありますが、経理の人材は他職種と比べても採用難易度が高く、応募が集まりにくい状況が続いています。
人材紹介会社を使う場合は内定者年収の30〜35%程度の紹介手数料が発生することが多く、採用コストが高くなりやすい職種です。
採用後も即戦力になるわけではなく、自社業務への習熟に1〜3ヶ月の教育期間が必要です。退職発生から経理体制が安定するまで、合計で半年程度かかることも珍しくありません。
引き継ぎ資料がない状態でも、経理アウトソーシングは使えますか?
対応可能なサービスがほとんどです。まるごと管理部では、マニュアルや引き継ぎ資料がない状態からでも業務の立ち上げが可能です。プロチームが現状の業務フローをヒアリングしながら把握し、マニュアル作成も含めて対応します。
「引き継ぎ資料がないから頼めない」と思い込んでいる方も多いですが、むしろそうした状況での依頼が最も多いケースです。まずはご相談ください。
経理が退職した際、社長が経理を兼任することはできますか?
一時的なつなぎとしては可能ですが、長期化するとリスクが高まります。経理業務は専門知識が必要な上に、社長が経営の本業に割く時間が失われるため、業績への影響が懸念されます。
また、社長自身が経理を行うことで、業務のブラックボックス化がさらに進む可能性もあります。「緊急対応として1〜2ヶ月」を上限に、並行してアウトソーシングや採用を進めることを推奨します。
「経理がすぐ辞める会社」には共通点がありますか?
よく見られる共通点は以下の4つです。
- ひとり経理で業務が属人化している
- 会計ソフトを導入しておらず手作業が多い
- 評価基準が不透明で「正確にやって当たり前」という空気がある
- 経理のキャリアパスが社内に存在しない
特に「採用してもまたすぐ辞める」を繰り返している場合、個人の問題ではなく会社の構造的な問題であるケースがほとんどです。予防策セクションで紹介した改善策を参考に、まず環境整備から取り組むことをおすすめします。
アウトソーシングを使うと、社内に経理ノウハウが溜まらなくなりませんか?
サービスの選び方次第です。まるごと管理部では、業務フローの設計・マニュアル作成・改善提案までを含めて対応するため、「アウトソーシングを使いながら、社内の仕組みを整備する」ことが可能です。
将来的に内製化を目指す場合でも、アウトソーシング期間中に業務の標準化を進めることで、後任採用後のスムーズな引き継ぎにもつながります。
経理担当者が急に退職したら採用とアウトソーシングを組み合わせで検討しよう
経理が退職した際の対応ポイントをまとめます。
まずは、緊急度の高い業務を最優先で対応しましょう。当面のつなぎにはアウトソーシングが最も即効性が高いですが、自社の状況に合わせて採用も検討するのが妥当でしょう。
新たな人材が退職しないための予防策としては、業務の属人化解消・定期面談・ツール導入が効果的です。
経理の退職原因(業務過多・評価・キャリア・環境)を把握し、優秀な人材を逃さないようにしましょう。
CATEGORYカテゴリ
TAGタグ
関連記事
入社手続き【会社側】22のチェックリストを公開!書類や手続き、法改正・社会保険拡大への対応ポイントも解説
- バックオフィス業務
経理アウトソーシング会社おすすめ11選|委託できる業務内容や費用、選び方を解説
- バックオフィス業務
ベンチャー企業の管理者に残業代は発生しない?役職の違いや支払いの条件について解説
- バックオフィス業務
経理の業務改善方法とは?中小企業の働く実態から見る施策を解説
- バックオフィス業務
【200ツールのカオスマップ付き】HRテックとは?導入メリット・事例・選び方を完全解説
- バックオフィス業務
労務AIで業務効率UP!3つの活用メリットと導入リスク完全ガイド
- バックオフィス業務




