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採用戦略の立て方9ステップ完全ガイド!効果的なフレームワークと必要なツールも紹介
「今年も採用が思うように進まなかった」「毎年同じ課題を繰り返している気がする」
問題は採用活動の”やり方”ではなく、採用”戦略”の不在にあるかもしれません。
採用の失敗が繰り返される企業に共通するのは、どの媒体を使うか・何人採るかは考えても、全体設計がないまま動いているため、毎年同じ問題に直面します。
640社以上の採用支援実績を持つ「まるごと人事」が、採用戦略の基礎から9ステップの立て方、実践的なフレームワーク、KPI設定例・業種別FAQ・採用実行ロードマップまで体系的に解説します。

現場で役立つ“はじめの一歩”と
リアルな活用法
採用でAIはどう活用できる?効果は?
現場での生成AI活用例と、“無理なく始める”ための考え方をまとめました。
目次
- 採用戦略とは?
- 採用戦略が重要視されている背景
- 採用戦略で得られるメリット
- 企業規模ごとの採用戦略の考え方とKPI設定
- 採用戦略を実行する際のポイント
- 採用戦略の立て方9ステップ
- 採用戦略を決めたあとにやるべきこと
- 採用戦略策定時に役立つフレームワーク7つ
- 採用マーケティングを採用戦略に活用しよう
- 採用戦略でよくある失敗例とその対策
- 採用戦略を実行する際の社内体制の整備
- 採用戦略の実行リソースが不足している場合の解決策
- 採用戦略の悩みで採用代行会社に依頼した成功事例
- 【まるごと人事】事業成長を加速させるための「採用チーム」なら採用計画の立案から運用まで一貫して代行が可能
- 採用戦略の立て方でよくあるQ&A
- 採用戦略の策定が成功の鍵|採用計画の立案から運用までプロにお任せ
採用戦略とは?
採用戦略とは、企業の経営目標や事業計画を達成するために「どのような人材を」「いつまでに」「どうやって」確保するかを定めた中長期的な指針のことです。
単に、求人広告を出す・スカウトを送るといった施策は採用戦略とは言えません。
「欠員が出たから募集する」といった場当たり的な対応ではなく、会社の未来を創るための採用を、計画的に実行します。
採用戦略と採用計画の違い
混同されがちな「採用戦略」と「採用計画」の違いを以下の表で確認しましょう。
| 比較項目 | 採用戦略 | 採用計画 |
|---|---|---|
| 位置づけ | 方針・全体設計(Why・Who) | 実行計画(What・When・How) |
| 時間軸 | 中長期 | 短期 |
| 内容 | ターゲット像・チャネル方針・競合優位性 | 採用人数・スケジュール・媒体選定 |
| 順序 | 先に決める | 戦略に基づいて作成 |
方向を見失ったまま予算とエネルギーを消耗するだけです。採用戦略をまずは立案しましょう。
以下の記事では採用計画の立案方法を9つのステップで解説していますので参考にしてください。
採用戦略が重要視されている背景

採用戦略が重要視される背景を理解しないと、自社の成長戦略に合った人材を計画的に獲得することが難しくなるケースもあります。
少子高齢化に起因する主力世代の減少
総務省の「労働力調査(基本集計)」によると、日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の約8,726万人をピークに、2024年にはおよそ7,373万人にまで減少しました。
この変化は景気循環による一時的なものではなく、少子高齢化に起因する不可逆的な人口構造の変化であり、今後も継続することが確実視されています。
女性やシニア層の労働参加が進んではいるものの、主力世代の減少という根本的な課題をカバーしきれていないのが現状です。企業は今後、「採用しやすい時代」は二度と来ないという前提で、持続的な採用戦略を再構築する必要があります。
採用市場の“売り手化”による競争激化
厚生労働省「一般職業紹介状況」によると、2023年の平均有効求人倍率は1.29倍、2024年も1.25倍と高い水準を維持しています。これは求職者1人に対して1.25件の求人がある状態を示しており、企業にとっては人材の「奪い合い」が常態化している状況です。
もはや人材が自然に集まる時代ではなく、企業は求職者から「選ばれる」存在となるための差別化や魅力訴求が必須となっています。採用活動は単なる人員確保ではなく、企業ブランドや価値観の伝達手段としても再定義されつつあります。
多様化する働き方と価値観
フレックスタイム制、テレワーク、副業容認など、柔軟な働き方を支援する制度を導入する企業が増えている中、都市部では特に新たな働き方として雇用型テレワーカーの割合も増えています。
一方で、Z世代をはじめとする若年層を中心に、仕事やキャリアに対する価値観も変化しており、「待遇」や「安定性」だけでなく、「共感」や「柔軟性」が重視される傾向が強まっています。そのような時代の中で、企業には自社がどのようなスタンスで人材と向き合うべきなのかという姿勢を明確に示す採用戦略が求められています。
採用チャネルの多様化
近年、掲載型広告による受け身の採用手法から、ダイレクトリクルーティングやリファラル、SNSを活用した採用など、企業側が「攻めの採用」を行うチャンネルが急増しています。
さらに、これらのチャネルはハイクラス人材、若手ポテンシャル層、特定職種特化型など、対象ごとに細分化されており、選定や運用の難易度も上昇しています。戦略なきチャネル活用は成果につながりづらく、ターゲットや組織課題に応じた最適なメディア設計が、今後の採用活動ではより一層重要となります。
採用戦略で得られるメリット
採用戦略は、単なる人材獲得のための活動ではなく、企業の成長を左右する重要な経営戦略です。なぜ採用戦略がこれほど重要視されるのか、その3つの理由を深掘りします。
1. コスト削減
採用活動は、コストがかかるだけでなく、時間的な負担も大きいものです。しかし、必要な人材像を明確にし、最適な採用手法を選択することで、コスト削減と採用期間の短縮が可能です。
さらに、入社後の離職を防ぐことで、再採用に伴うコストも抑えられます。
2. 採用ミスマッチ防止
採用ミスマッチは、企業と従業員の双方に大きな損失をもたらします。これを防ぐためには、採用戦略がポイントです。
まず、求める人物像を明確にし、面接の質を高めることで、入社前に双方の期待値をすり合わせます。
さらに、入社後のフォロー体制を充実させることで、従業員の定着を促し、組織の安定化に貢献できます。
採用戦略は、単なるコスト削減だけでなく、組織全体の活性化にもつながるのです。
3. 応募数増加
多くの企業が人材獲得に苦戦する中、応募数を増やすことは企業の競争力を高める上で不可欠です。
企業ブランドの確立、多様な採用チャネルの活用、そして社員のエンゲージメント向上は、応募数を増やすための有効な手段です。企業のビジョンや価値観を明確にし、魅力的な企業文化をアピールすることで、求職者の共感を呼び起こし、応募につなげることができます。
また、SNSや紹介など、多様なチャネルを活用することで、より幅広い層にアプローチが可能となります。さらに、社員が自社を積極的に紹介することで、口コミによる応募も期待できます。
これらの施策を組み合わせることで、企業の魅力を最大限に伝え、多くの優秀な人材を惹きつけ、組織の活性化に貢献することができます。
採用戦略は、単なる人材獲得のための活動ではなく、企業の成長を左右する重要な経営戦略です。なぜ採用戦略がこれほど重要視されるのか、その理由を3つのメリットに絞って解説します。

戦略設計とデータ活用
採用PDCAをAIで加速する
採用データの読み解き方から、AIによるレポート生成・改善提案・振り返りサイクルの仕組み化までを具体的に解説!
企業規模ごとの採用戦略の考え方とKPI設定

企業規模や新卒採用か中途採用かにもよって採用戦略の立て方は異なっています。
KPIを設定する際は、ゴールから逆算し業種・職種別に分けて管理しましょう。採用KPIは、入社後3ヶ月・6ヶ月・1年時点の在籍率まで追跡するのがポイントです。
それぞれの採用戦略の考え方について解説します。
大企業の採用戦略
大企業は、ブランド力を活かしつつ質を重視していくと良いでしょう。知名度や安定性がある一方で「大量の応募が来るがミスマッチが発生しやすい」「選考プロセスが長く、辞退されやすい」といった課題があります。
具体的には下記を参考にしてください。
- ターゲットの明確化
- ペルソナを設定し、スキルだけでなくカルチャーフィットも重視
- 採用ブランディング
- SNSやオウンドメディアを活用し、企業のビジョンや働き方を発信
- データ活用による選考の効率化
- ATS(採用管理システム)を導入し、選考スピードやエンゲージメントを向上
中堅企業の採用戦略
中堅企業は、安定感と成長フェーズのバランスを強みにできますが、大企業ほどの知名度がないため、いかに自社の魅力を伝えるかがカギになります。
- ダイレクトリクルーティングの活用
- ビズリーチやWantedlyを使い、必要な人材に直接アプローチ
- 選考プロセスの工夫
- スピーディーな選考と丁寧なフォローで、選考辞退を防止
- リファラル採用の促進
- 社員紹介制度を整備し、カルチャーに合った人材を獲得
既存の社員や若手社員に、なぜ入社したかをインタビューし、会社の魅力を言語化しましょう。
中小企業の採用戦略
地方の中小企業でも、Uターン人材枠の求人票を意図的に出したり40・50代採用に目を向けたりすると、採用目標が達成されやすいでしょう。採用担当者や予算の不足が課題になることが多いですが、工夫次第で採用成功は十分可能です。
- ターゲットを絞った採用活動
- 必要なスキルや価値観を明確にし、ピンポイントでアプローチ
- 求人媒体の選定
- コストパフォーマンスの高いIndeedやWantedlyを活用
- 外部リソースの活用
- 人材紹介や採用代行(RPO)を利用し、効率的に採用活動を進める
採用市場を理解した採用戦略を立案しましょう。
ベンチャー・スタートアップの採用戦略
自社のビジョンや、解決したい社会課題を明確に伝え、ミッションに共感する人材を惹きつけられる戦略が有用です。
ベンチャー・スタートアップ企業の採用戦略では、限られたリソースの中でいかに優秀な人材を獲得するかが最大の課題となります。
知名度や安定性で大手に劣る一方、スピード感や挑戦できる環境を強みに、共感する人材を惹きつけることが重要です。
採用戦略を実行する際のポイント

実際に採用戦略を実行する際に気をつけないといけないポイントについて解説します。
1. ターゲット目線で考える
企業が求める人材を採用するためには、求職者のニーズを深く理解し、自社にぴったりのターゲットを明確にすることがポイントです。
ターゲットの視点を無視した採用戦略は、理想論に終始して実行時に乖離が生じやすくなります。結果として採用計画がうまく進まず、予算も無駄になりがちです。たとえば、ターゲットが少ない求人広告や、ペルソナに響かないキャッチコピー、過去と同じ手法の採用などです。
ターゲットを理解した上で採用戦略を立てれば、計画的かつ効率的に人材を獲得でき、事業戦略を後押しする採用が実現します。
2. 人事戦略と一貫性を持つ
採用は、自社の業績向上に不可欠な優秀な人材を確保するための手段です。採用戦略を、入社後の育成やキャリアパスといった人事戦略と連携させることで、より効果的な人材獲得が可能になります。
例えば、新卒採用においては、育成体制が整っていれば、将来性を重視した採用にシフトできます。一方、即戦力が必要な場合は、経験豊富な中途採用に力を入れることが有効です。
3. 社内全体への共有
採用戦略は、実際の採用活動を行う人事・採用担当者だけでなく、会社全体で取り組めるべき重要な事項です。採用戦略を効果的に進めていくには社内での連携が不可欠であり、あらかじめ社内全体に共有し、「自社がどのような採用計画を立てているのか」という共通認識を持つ必要があります。
これにより、関係部署の協力体制が生まれ、採用戦略をスムーズに実行できるようになります。「必要な人材を採用し最適な人員配置を行う」というゴールを達成しやすくなります。採用活動は会社全体で行うべきものであり、関係各部署に採用戦略を共有することで、計画通りに進めることが可能になります。
4. PDCAを回して効果検証する
採用戦略は、半期や年度ごとに振り返り、応募数や内定者数だけでなく、入社後の活躍まで効果検証することが重要な役割を果たします。
どんなに優秀な人材を採用しても、定着せずに早期離職となれば採用戦略は失敗です。「募集」「選考」「内定」「入社後の活躍」と4つのフェーズに分け、それぞれの課題と成果を洗い出し、次年度に活かしましょう。
特に、データを活用した採用プロセスの分析は、効果的なPDCAサイクルを回すうえで欠かせません。例えば、面接通過率を分析すれば、採用要件やスクリーニング基準が適切かどうかを判断できます。一次面接の通過率が低すぎる場合は、求める人材像が曖昧だったり、母集団形成の段階で適切なターゲットにリーチできていない可能性があります。逆に、最終面接での辞退率が高い場合は、選考過程の長期化や、面接で企業の魅力が十分に伝えられていないことが原因かもしれません。
また、応募経路別のパフォーマンスを比較することで、効果の高い採用チャネルを特定できます。例えば、転職サイトA経由の応募者は多いものの内定承諾率が低い場合、ターゲットと合致していない可能性があります。一方、リファラル採用(社員紹介)の内定承諾率が高い場合は、紹介制度のインセンティブを強化することで、より質の高い候補者を確保できるかもしれません。
このように、データに基づいた効果検証を行うことで、採用戦略の精度を高めることができます。半期や年度ごとに「得られた成果」「成果に結びつかなかった事項とその理由」「改善策」をまとめ、PDCAサイクルを回していきましょう。応募者数や採用数だけでなく、入社後の定着率や活躍度も指標に加えることで、成功する採用戦略のノウハウを蓄積できます。
採用戦略の立て方9ステップ

採用戦略は、会社のビジョンと密接に結びついており、企業にとって重要なプロセスです。適切な人材を採用し、組織の成長に繋げるために、以下の9つのステップ採用戦略を立案しましょう。
1. 事業計画・経営戦略を把握する
採用戦略を立てる上で、まず重要なのは、企業や組織の「どのような姿になりたいか」というビジョンを明確にすることです。
このビジョンは、会社の目標設定に繋がり、採用すべき人材像を具体化します。例えば、「売上を50億円にする」という目標があれば、営業力が高い人材が必要となります。
ビジョンが明確であれば、採用活動は単なる人材の獲得ではなく、会社の成長戦略の一環となります。一方、ビジョンが曖昧なまま採用を進めると、採用した人材が会社の目標に合致せず、組織の活性化を妨げる可能性があります。
以下の記事では、事業戦略と採用戦略を連動させ、体系的なアプローチで組織を強化する戦略について解説しています。
2. 現状の組織・人員のギャップ分析をする
次に、「あるべき組織の姿」と「現在の組織の姿」のギャップを明確にします。
- 現在の社員数・部門別構成
- スキルマップ:どんなスキルが社内に足りていないか
- 離職率・定着率の動向
- 今後の退職予定者(ベテランの定年など)
このギャップが、採用すべき人材の「量と質」を決める根拠になります。感覚ではなくデータに基づいてギャップを把握しましょう。
3. 要員計画を策定する
ギャップ分析の結果をもとに、いつまでに、どのポジションに、何人採用するかを定義します。
- 採用時期(入社希望時期から逆算したスケジュール)
- 採用形態(正社員・契約社員・業務委託・パート)
- 優先順位(事業上の緊急度・重要度で順位付け)
- 中途採用か新卒採用か(育成期間と即戦力性のバランス)
要員計画は採用担当だけでなく、現場と共同で作成することで精度を高めます。
以下の記事では、要員計画の立て方を5ステップでわかりやすく解説しています。
4. 採用したいターゲットと採用基準を決める
まず、採用したい人材像を明確にする必要があります。
どのようなスキルや経験を持った人材を募集したいのか、企業文化に合う人物像はどのようなものかなどを具体的に定義します。ターゲット設定では、以下の項目を定めると良いでしょう。
- 経歴
- スキル
- 勤務条件
- 年齢
- 役職
採用基準を設定することで、選考の際に迷いを減らし、効率的な採用活動を行うことができます。
以下の記事では、採用ターゲットの設定から実際のアプローチ方法まで解説しています。
5. 自社の強みを明確に捉える
自社の強み、つまり、他の企業との差別化できるポイントを明確にする必要があります。これは、求職者に自社を選ぶ理由を示す上で不可欠な要素です。自社の強みを活かして、求人広告や面接でアピールすることで、より多くの自社に適した優秀な人材にアプローチすることができます。
分析をする際には、自社(Company)、競合(Competitor)、顧客(Customer)を分析する3C分析や、強み(Strength)、弱み(Weakness)、機会(Opportunity)、脅威(Threat)を分析するSWOT分析といったフレームワークを活用すると、自社の強みを客観的に把握し、効果的にアピールすることができます。
例えば、自社の強みが「顧客満足度の高さ」であれば、「お客様の声」を積極的に求人広告に掲載したり、面接でその強みを活かして顧客対応を行うやりがいをアピールしたりするといった具体的な施策が考えられます。
6. 自社が打ち出すべき価値を明確にする
採用計画では、自社の強みをそのまま伝えるのではなく、求職者が求める価値と結びつけてアピールすることが肝です。
例えば、「事業拡大中」という強みを、「成長意欲の高い方には、多くのキャリアアップの機会を提供できます」と具体的に伝えることで、求職者の共感を呼ぶことができます。
求職者が何を求めているのかを理解し、それに合った言葉で自社の魅力を伝えることで、より多くの優秀な人材を惹きつけられるでしょう。
7. 採用手法の洗い出し
採用手法を選ぶうえでは、「顕在層」だけでなく「潜在層」へのアプローチ設計が特に重要です。転職顕在層(今すぐ転職したい人)は全体の20〜30%に過ぎず、残り70%程度の転職潜在層にリーチできれば採用の母集団は大きく広がります。
以下の記事では、Z世代に特化した採用ノウハウをまとめています。
8. 採用スケジュールとKPIを決める
戦略の実行状況を管理するために、数値で測れるKPIを設定します。採用KPIは「採用したい人数(ゴール)」を起点に、ファネルを逆算して設計するのが基本です。
応募者数、選考通過率、内定率など、様々なKPIを設定し、KPIツリーを作成することで、採用活動全体の進捗状況を可視化できます。
KPIツリーは、マインドマップなどを活用して作成し、KGIと各KPIの関係性を整理することで、より効果的な採用活動に繋がります。
採用計画を立案するには、人材要件や募集部署の定義・前年度の対応チェックなどを事前に整理すべきです。
以下の記事では、採用計画を立案するにあたって必要なスケジュール例や採用手法の選定まで網羅的に解説しています。
9. 実行・振り返り・改善(PDCA)
策定した戦略を実行しながら、定期的に振り返りを行います。
- 月次:各KPIの進捗確認・応募数や歩留まりのモニタリング
- 四半期:チャネル別の費用対効果を分析、チャネル配分の見直し
- 年次:採用戦略全体の再評価、翌年の戦略策定
採用戦略は一度作ったら終わりではなく、市場環境の変化や自社状況に合わせて継続的に更新するものです。「募集→選考→内定→入社後の活躍」と4つのフェーズに分け、それぞれの課題と成果を洗い出して次年度に活かしましょう。
以下の記事は、採用KPIを使用する際の注意点や項目設定のポイント、実際の立案方法などを詳しく解説しています。
採用戦略を決めたあとにやるべきこと

それでは採用戦略を決めた後にやるべきことについて見ていきます。
採用手法を決める
採用手法を選ぶことは、会社の成長を左右するほど、欠かせない要素です。
採用戦略で設定した「ペルソナ」(理想の求職者像)にぴったりの人材を探すためには、どの媒体を使って、どんな方法でアプローチすれば、自社の魅力を効果的に伝えられるかを慎重に検討する必要があります。
主な採用手法としては、求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用などが挙げられます。
たとえば、求人広告で広く認知度を高めつつ、人材紹介で専門性の高い人材を探し、SNSで若年層にアプローチするなど、組み合わせ方も様々です。それぞれの方法にはメリットとデメリットがあるため、一つの方法に絞るのではなく、複数の方法を組み合わせることで、より多くのターゲットにアプローチし、ミスマッチを防ぐことができます。
募集を行う
採用手法が決まったら、いよいよ求職者にアプローチする段階に入ります。まずは、募集要項の作成とスカウト活動の2つを実行します。
募集要項では、求める人物像を明確に伝えましょう。具体的には、必須スキルと歓迎スキルを分けて記載し、求める人物像の解像度を高めることが大切です。また、会社のビジョンやミッションを具体的に示し、自社のカルチャーを理解してもらうことも大事です。
スカウトでは、候補者一人ひとりに合わせたパーソナライズされたメッセージを送ることが効果的です。なぜその候補者に興味を持ったのか、入社することでどのようなメリットがあるのかを具体的に伝えましょう。テンプレートメールではなく、候補者の経歴やスキルに合わせた内容にすることで、返信率が向上する可能性が高まります。
応募がなかなか集まらない場合は、自社の魅力が十分に伝わっていない可能性があります。会社の雰囲気や働き方、社員のインタビューなど、求職者が入社後のイメージを具体的にできるようなコンテンツを作成し、積極的に発信しましょう。
最近の転職市場では、候補者に直接アプローチするスカウトが主流となっています。スカウト活動を強化することで、より多くの優秀な人材にアプローチできます。
選考を行う
一般的に、応募があった場合は選考に進みますが、スカウトなど、状況によってはカジュアルな面談から始めることも有効です。
カジュアル面談は、企業と候補者がお互いをよく知るための情報交換の場です。企業側にとっては、転職意思が固まっていない層にもアプローチできたり、自社の魅力を直接伝えられるといったメリットがあります。また、ミスマッチを防ぐ上でも有効です。
選考や面接では、募集要項で示した必須条件と歓迎条件を具体的に評価できる質問を心掛けましょう。評価基準を明確にすることで、面接官によって評価が異なるといったバラつきを防ぐことができます。
内定・入社フォローを行う
選考中から内定後にかけて、候補者の疑問や不安を解消することは、辞退を防ぎ、入社後の定着率を高めるために肝心な点です。
そのためには、会社の「リアル」を隠さずに開示し、候補者が求めている情報をしっかりと伝えることが大切です。特に、転職における不安を解消できる点を具体的に示すことで、候補者の志望度を高めることができます。
また、入社後の活躍を促すための「オンボーディング施策」も欠かせません。新しいメンバーがスムーズにチームに馴染み、活躍できるように、入社前から社内SNSへの招待やイベントへの参加を促したり、入社後にはメンターによる1on1を実施するなど、様々な施策を検討しましょう。これらの施策は、入社後の離職率を下げることにつながります。
採用戦略と採用ブランディングの関連付け
採用戦略を成功させるには、自社の魅力を的な求職者へ伝える「採用ブランディング」が欠かせません。採用ブランディングとは、企業のビジョン・文化・働く環境などを求職者に魅力的に伝え、志望度を高めるための施策を指します。戦略的に採用活動を進めるだけでなく、「なぜこの企業で働くべきなのか?」を明確に伝えることが、優秀な人材の獲得につながります。
具体的には、自社の「強み」や「独自の価値」を整理し、適切なメディアで発信することが重要です。例えば、SNSや採用サイトで現場社員のインタビュー記事を公開することで、企業のリアルな雰囲気を伝えることができます。また、求職者が知りたい情報(キャリアパス、社内制度、ワークライフバランスなど)を積極的に発信することで、ミスマッチを防ぐつつ、エンゲージメントを高められます。
また、採用活動においては「一貫性」も重要です。企業説明会や面接で伝える内容が、実際の企業文化やSNS・採用サイトでの情報とズレていると、内定辞退や早期離職につながるおそれがあります。そのため、採用戦略と採用ブランディングを連携させ、一貫したメッセージを発信することが、採用成功の鍵となります。
採用施策の優先順位付けと実行ロードマップ作成
採用戦略を決めた後は、具体的な施策の優先順位をつけ、計画的に実行することが重要です。採用活動には、多くのタスクが発生しますが、全てを同時に進めるのは現実的ではありません。そのため、「緊急度」と「重要度」を軸に優先順位を決め、ロードマップを作成することで、効果的に採用を進めることができます。
まず、KPIを基に最優先すべき施策を整理します。例えば、「短期間でエンジニアを採用したい場合」は、転職サイトやダイレクトリクルーティングの活用が有効です。一方、「長期的に優秀な人材を確保したい場合」は、インターンシップや新卒採用の強化、採用ブランディングの充実が求められます。このように、採用目的に応じて、最適な施策を選定し、リソースを適切に配分することが重要です。
次に、ロードマップを作成します。例えば、四半期ごとに「母集団形成 → 選考 → 内定フォロー」の流れを計画し、実行することで、効率的な採用活動が可能になります。また、施策ごとの目標と進捗状況を定期的にチェックし、必要に応じて軌道修正を行うことで、より成果の出る採用戦略へと進化させることができます。
計画なしに闇雲に採用を進めるると、効果が薄い施策にリソースを割いてしまい、結果的に失敗につながるケースも少なくありません。そのため、優先順位を明確にし、ロードマップに沿って実行することで、戦略的な採用を実現できます。

現場で役立つ“はじめの一歩”と
リアルな活用法
採用でAIはどう活用できる?効果は?
現場での生成AI活用例と、“無理なく始める”ための考え方をまとめました。
採用戦略策定時に役立つフレームワーク7つ

ここでは、採用戦略の策定時に知っておくと良いフレームワークについて解説します。
ペルソナ
ペルソナ分析は、ターゲットとなる理想の候補者を、まるで実在の人物のように詳細に描き出すことです。
採用活動において、ペルソナは羅針盤のような役割を果たし、より効果的な採用戦略を立てるための基盤となります。
- 性別
- 年齢
- 居住地
- 家族構成
- 学歴
- 職歴
- ビジネスに対するスタンス
- 価値観
- ライフスタイル
- 情報収集手段
例としてITエンジニアのペルソナ設定例を図解で示します。

ペルソナ設定は、採用活動の成功に不可欠な要素です。
ペルソナを基に、求人広告の作成、面接の質問、入社後の育成プログラムなどを設計することで、より効果的な採用活動を実現できます。
6W2H
6W2Hは、採用活動の全体像を漏れなく整理するためのフレームワークです。採用戦略の立案時や、チームで方針を共有する際の「整理シート」として活用できます。
| 要素 | 採用での問い |
|---|---|
| Who(誰を) | どんなターゲット人材を採用するか |
| What(何を) | 何のポジションを採用するか |
| When(いつ) | いつまでに採用するか |
| Where(どこで) | どのチャネルで採用するか |
| Why(なぜ) | なぜその人材が必要か(事業上の理由) |
| Whom(誰に向けて) | 誰に訴求するか(ペルソナ確認) |
| How(どのように) | どんな選考プロセスで選ぶか |
| How much(いくらで) | 採用予算はいくらか |
採用戦略を、8つの軸で抜け漏れなく設計できます。
ファネル
「ファネル分析」は、マーケティングだけでなく、採用活動でも活用されるフレームワークです。求職者が企業の求人に触れてから入社するまでの過程を、漏斗(ろうと)の形に例え、各段階における通過率を分析することで、採用活動のボトルネックを特定します。
例えば、「応募」から「書類選考」「面接」「内定」「入社」といった段階に分け、各段階での通過人数を数値化します。これにより、応募から採用までの歩留まりを分析し、改善に役立てることができます。
- 求人応募
- 応募を多く獲得
- 書類選考
- 論理的思考力の高さを見て8割程度に絞り込む
- 適性検査
- 業務適合性を判断して半数程度に絞り込む
- 業務経験の確認
- 業務経験を見てさらに半分に絞り込む
- 最終面接
- 自社への意向度を見て10人程度に絞る
適性検査と一次面接で大幅に絞り込む予定であれば、より多くの応募者を集めるために、求人期間を長く設定したり、求職者が求める働き方に焦点を当てた内容にするなどの工夫が必要です。
一方、応募数が十分見込める場合は、求人内容に求める人物像や必要なスキルを具体的に盛り込み、応募段階からある程度絞り込むことも可能です。
選考工程の想定人数に合わせて、求人内容を調整することが重要です。
4C

4C分析は、顧客視点で商品やサービスを分析するマーケティング手法です。
従来の4P分析(製品、価格、流通、プロモーション)が企業中心だったのに対し、4C分析は顧客が求める顧客価値に焦点を当てています。
4C分析のCは、顧客価値(Customer Value)、顧客コスト(Cost)、利便性(Convenience)、コミュニケーション(Communication)の4つを表します。
現代では、消費者の選択肢が豊富になり、企業は単に商品を提供するだけでは顧客を満足させられません。4C分析は、顧客のニーズを深く理解し、それに応えることで、顧客との関係を深めることを目指します。
3C

3C分析とは、企業が自社の置かれている状況を客観的に把握し、より良い戦略を立てるために用いられるフレームワークです。
3C分析は、自社の採用活動において、市場、競合、自社の3つの視点から現状を把握するのに役立ちます。
3C分析のCは、顧客(Customer)、競合(Competitor)、自社(Company)の3つを表します。
市場分析では、有効求人倍率など、業界全体の採用状況を分析します。例えば、現在のIT業界は求人倍率が高く、人材獲得競争が激しい状況です。
競合分析では、自社と競合する企業の求人広告などを比較し、どのような点をアピールしているか分析します。
自社分析では、自社の強み、弱みを明確にし、競合との差別化を図ります。例えば、「自社には、競合他社にはない独自の研修制度がある」といった強みをアピールすることで、求職者に選ばれる理由を示せます。
これらの分析結果を踏まえ、自社の魅力を最大限に引き出す求人戦略を立案することが、成功の鍵を握ります。
SWOT

SWOT分析とは、Strength(強み)、Weakness(弱み)、Opportunity(機会)、Threat(脅威)の4つの視点から、自社を深く分析する方法です。
この分析を通じて、自社の内部を詳細に把握し、改善すべき点や活かすべき強みを明確にすることができます。
3C分析が外部環境(顧客、競合、自社)を俯瞰するのに対し、SWOT分析は、より内部に焦点を当て、自社の強み、弱み、市場の機会、転じた潜在的な脅威を具体的に洗い出します。
採用においてSWOT分析を行うことで、自社の採用活動における強み、弱み、改善すべき点、そして新たな採用戦略を立てることができます。
- 強み:社風が良い、成長性が高い、福利厚生が充実しているなど
- 弱み:採用広報が弱い、採用プロセスが複雑、離職率が高いなど
- 機会:新規事業の立ち上げ、新しい働き方の導入など
- 脅威:競合他社の採用活動の強化、人材不足など
これらの要素を組み合わせることで、「自社の働きやすさをアピールすることで、競合他社との差別化を図る」といった具体的な施策を立てることができます。
TMP

TMP設計は、Targeting(採用ターゲット)、Messaging(採用メッセージ)、Processing(採用プロセス)の3つの要素を設計し、効果的な採用活動を行うためのフレームワークです。
まず、自社の求める人材像を明確にし、採用ターゲットを設定します。性別、年齢、経験、スキルなど、具体的な条件を定めます。
次に、そのターゲットに響く採用メッセージを作成し、様々な媒体で発信します。ターゲットによって訴求する内容は異なります。
最後に、採用プロセスを設計します。ターゲットの特性に合わせて、面接形式や選考期間などを調整することで、スムーズな採用を実現します。
TMP設計のメリットは、採用戦略をより緻密に策定できることです。例えば、人気のあるターゲットには、面接時間の柔軟性や迅速な合否通知が求められます。ターゲットに合わせたメッセージとプロセスで、より多くの優秀な人材を引きつけることができます。

戦略設計とデータ活用
採用PDCAをAIで加速する
採用データの読み解き方から、AIによるレポート生成・改善提案・振り返りサイクルの仕組み化までを具体的に解説!
採用マーケティングを採用戦略に活用しよう

採用マーケティングとは、マーケティングの手法・思考を採用活動に取り入れたアプローチです。求職者を「顧客」と見立て、認知→興味→応募→入社→定着という一連のプロセスを設計します。
従来の採用活動(求人掲載→応募待ち→選考)に対し、採用マーケティングでは転職潜在層への働きかけを重視します。
転職潜在層へのアプローチ
転職潜在層に効果的にアプローチするには、採用ブランディングが必要です。以下の手法を活用し、候補者に「いつかここで働きたい」と思ってもらえる訴求をしましょう。
- オウンドメディア採用:自社ブログ・noteで社員インタビューや仕事の裏側を発信
- SNS採用:X(旧Twitter)・Instagram・LinkedInで日常の仕事風景や文化を発信
- 採用イベント・勉強会:自社技術・ノウハウを発信するイベントで接点を持つ
採用広報の活用
採用広報は、採用マーケティングの実行手段です。まず以下の3つから始めましょう。
- 採用ページの充実:求人票だけでなく、社員インタビュー・職場の写真・キャリアパスの紹介を掲載する
- SNSアカウントの運用:週1〜2回のペースで、社内の雰囲気・仕事の面白さを発信する
- 社員ブログ・技術記事:現場社員が実際の業務内容を書くことで、求職者のリアルな「働くイメージ」を形成する
SNS発信をきっかけに、採用できたといったエピソードも珍しくなく、採用コストの大幅な削減が期待できます。
リファラル採用の活用
リファラル採用(社員紹介採用)は、採用マーケティングの中でも特に費用対効果が高い手法です。
- 採用コストが低い:エージェントフィー不要
- 文化適合度が高い:紹介者がフィルタリングしてくれる
- 定着率が高い:リアルな職場情報を事前に得ているため、入社後ギャップが少ない
リファラル採用を活性化するには、紹介インセンティブ制度の整備と社員への定期的な周知が必要です。「知り合いを紹介したい」と思ってもらえる職場環境が大前提であることも、忘れないようにしましょう。
採用戦略でよくある失敗例とその対策

ここでは採用戦略でよくある失敗例とその原因・対策について見ていきます。
明確な採用方針がない
原因
採用戦略がうまくいかない大きな原因のひとつは、明確な採用方針や基準が定まっていないことです。求める人物像が曖昧だと、選考基準にブレが生じ、結果としてミスマッチの人材を採用してしまうリスクが高まります。また、現場の要望と人事の認識がズレているケースも多く、採用活動が非効率になりがちです。
対策
まずは自社のビジョンや事業戦略を明確にし、それに基づいた採用方針を策定しましょう。求めるスキルや経験だけでなく、価値観や行動特性も具体的に言語化することで、採用基準がクリアになります。関係者間での認識をすり合わせるために、定期的なミーティングを設けるのも効果的です。
ターゲット人材へのアプローチ方法が間違っている
原因
採用活動の成果が出ない理由として、ターゲットとする人材に適切な方法でアプローチできていないことも挙げられます。例えば、若手エンジニアを求めているのに、従来型の求人サイトだけを利用している場合、情報が届きにくくなります。また、採用ページの内容が求職者に響いていないケースも少なくありません。
対策
まずはペルソナを設定し、ターゲット人材の属性や情報収集の習慣を把握しましょう。SNSやダイレクトリクルーティング、リファラル採用など、複数のチャネルを活用することで、接点を増やせます。さらに、採用ページには社員のインタビューやキャリアパスを掲載し、リアルな魅力を伝える工夫が求められます。
KPIを設定していない・見ていない
原因
採用活動が「なんとなく動いている」状態で、何が効いて何が効いていないかが不明確で予算の使い方も感覚的といえるでしょう。
対策
最低限「応募数・面接数・内定数・承諾数・採用単価」を月次でExcelでも記録してみましょう。
採用プロセスの長期化・複雑化
原因
選考プロセスが長期化すると、求職者の離脱率が高まります。特に優秀な人材ほど複数の選考を並行して進めているため、対応の遅い企業は選ばれにくくなります。また、選考ステップが多すぎると、求職者にとっての負担が大きくなります。
対策
採用プロセスを見直し、必要最小限のステップに簡素化しましょう。書類選考、面接、最終面接といった基本プロセスに絞り、スピーディーな意思決定を心がけることが大切です。オンライン面接を取り入れることで、日程調整の柔軟性も向上します。
PDCAを回していない
原因
採用活動の振り返りが属人的・感覚的で、次年度の改善に活かされない状態です。「去年と同じ媒体に同じ予算で出稿したが、また採用できなかった」を繰り返している場合もあります。
対策
採用ファネルを振り返り、「どのチャネルが費用対効果が高かったか」フェーズごとの歩留まりを算出し、翌期の戦略に反映する仕組みを作りましょう。
企業の魅力が伝わっていない
原因
求人情報や面接を通じて、企業の強みや魅力が十分に伝えられていないと、求職者は他社に流れてしまいます。特に働き方やキャリアアップの制度、社内の雰囲気など、求職者が重視する情報が不足しているケースが多く見られます。
対策
採用ブランディングを強化し、自社の魅力を積極的に発信しましょう。採用サイトやSNSを活用し、社員インタビューやプロジェクト事例、社内イベントの様子を公開することで、求職者に具体的なイメージを持ってもらえます。
内定後フォローが不足している
原因
内定を出した後のフォローが不足すると、求職者は不安を感じ、内定辞退につながることがあります。特に入社までの期間が長い場合、他社からのオファーに惹かれることも少なくありません。
対策
内定者向けのフォローアップを充実させましょう。定期的なコンタクトを取るだけでなく、入社前研修や懇親会を開催することで、安心感を与えられます。また、メンター制度を設け、内定者が気軽に相談できる環境を整えるのも効果的です。
採用戦略を実行する際の社内体制の整備

採用戦略は計画を立てるだけでは成果に結びつきません。実行フェーズで重要になるのが、社内体制の整備です。どれだけ優れた戦略を描いても、現場がその意図を理解し、スムーズに実行できる体制がなければ効果は限定的になります。
気をつけるべきポイントを見ていきます。
役割分担を明確にする
まずは、採用活動に関わる各部署や担当者の役割を明確にすることが必要です。人事部門だけでなく、現場部門、経営陣、広報チームなど、採用に関わる全ての関係者が「誰が・いつ・何をすべきか」を明確に理解しておくことで、業務の滞りを防ぎ、迅速な対応が可能になります。
- 採用戦略の策定・進行管理:人事マネージャー
- 募集ポジションの要件定義:各部門のマネージャー
- 採用広報コンテンツの作成:広報部門
- 内定者フォローや定着支援:オンボーディング担当
このように役割と責任を明確にすることで、採用活動全体に一貫性が生まれます。
部門横断のコミュニケーション体制を構築する
採用は人事部門だけで完結するものではなく、部門間の連携が成功のカギを握ります。採用計画を社内全体で共有し、定期的なミーティングや情報共有の仕組みを整えることで、課題の早期発見や迅速な改善が可能になります。
おすすめの取り組み例:
- 採用進捗会議(週1回)
- 社内チャットツールでの専用スレッド作成
- 現場社員からの採用フィードバックの収集・反映
組織文化と採用戦略の整合性をとる
採用戦略が会社のカルチャーや価値観と乖離していては、入社後のミスマッチや早期離職につながります。経営理念やビジョンに共感できる人材を採用するためにも、社内で共通する価値観を言語化し、全員がそれを理解している状態をつくりましょう。
採用面接や会社説明会の場で、全社員が一貫したメッセージを発信できることが理想です。
採用戦略の実行リソースが不足している場合の解決策
採用戦略を立てても、「実行するリソースがない」という課題を抱える企業は少なくありません。リソース不足を解決する有効な策を紹介します。
採用管理システム(ATS)の活用
採用活動の効率化とデータ管理の向上には、ATSが不可欠です。ATSを活用することで、求人広告の管理から応募者の選考プロセスまで一元管理でき、採用担当者の負担を軽減できます。また、データ分析に基づく選考改善も可能となり、PDCAサイクルを迅速な回転を実現します。
採用ブランディングツールとその活用方法
採用活動における企業ブランディングは、ターゲット人材の獲得に直結します。採用ブランディングを支援するツール(SNS、ウェブサイト、動画制作ツールなど)を駆使して、企業の魅力を的確に発信しましょう。
採用代行(RPO)の活用
採用戦略を確実に実行し、結果を出すためには「採用代行(RPO)」の活用が最適解です。
どれほど緻密な戦略を策定しても、それを実行する人事担当者の時間や工数が不足していれば、結局は元の場当たり的な採用活動に戻ってしまうでしょう。現代の採用は、スカウト送信やカジュアル面談など「攻めのアプローチ」が必須であると同時に膨大な作業量が伴います。
工数のかかるスカウトを例にすると、兼任している人事担当者は月に100件スカウトメールが送信できれば良いでしょう。採用代行(RPO)を導入すれば、スカウト文面のABテストから対象者のピックアップ、日々の送信作業、面接日程の調整まで、プロのチームが実働を担保するため、戦略通りの母集団形成がスケジュール通りに進みます。
そのため、社内に専任の採用担当者がいない、または実働リソースが足りない場合は、オペレーション部分を採用代行(RPO)にアウトソーシングし、自社は「面接での魅力付け」や「経営陣との連携」などのコア業務に集中する体制を整えると良いでしょう。
採用戦略の悩みで採用代行会社に依頼した成功事例
採用戦略を正しく設計し、実行体制を整えることで採用活動はどう変わるのか。まるごと人事の支援実績から2つの事例を紹介します。
採用人数が6〜7倍に急増、リードタイムを短縮
導入前の課題
事業拡大に伴い、翌年度の採用目標がそれまでの6〜7倍規模に急増。6部門・20〜25職種という複雑な採用体制に対し、既存の採用チームだけでオペレーションを担うことは難しい状況でした。さらに、事業の変化に応じて募集ポジションや依頼業務が短期間で変動するため、固定的な業務委託サービスでは対応しきれないという課題も。
採用チームをゼロから増員・育成する選択肢もあったが、即戦力確保の難しさと育成コストを踏まえ、採用オペレーションの委託を決定。4社を比較検討のうえ、業務内容・ポジション数を柔軟に変更できるプラン設計を評価し、まるごと人事の導入を決定しました。
まるごと人事の支援内容
ATS(採用管理システム)の移行に伴う採用オペレーション再構築にも対応しました。日程調整・スカウト送信・部門担当者との調整・採用進捗を踏まえた改善提案も担当。スカウト業務では、候補者ごとの返信状況を分析しながら文面の改善案を提案し、一定期間返信のなかった候補者への再送タイミングも設計しています。
導入後の効果
複雑な個別選考フローを整理・フロー化したことで、採用活動全体のリードタイムが短縮。部門担当者への定期的なリマインドにより書類選考の回答遅延が防止され、スカウト送信数・内定数を安定的に維持できるようになりました。3年以上の継続契約に至っており、事業構造上の多様性・流動性に対し、スピード感を持って高品質で対応できる点が継続の決め手となっています。
株式会社ディー・エヌ・エー(DeNA)の導入事例の詳細はこちら
採用体制ゼロからの立ち上げ、ATS移行・新卒採用目標を達成
導入前の課題
「良い景気を作ろう。」をミッションに、クラウド経営管理システム「Loglass」を展開する株式会社ログラスでは、新卒採用の立ち上げフェーズにありました。しかし、採用体制が整備されておらず、面接日程の調整や候補者への連絡も担当者ごとにバラバラで、オペレーションマニュアルも存在しない属人化した状態でした。加えてATS移行という大きな作業も控えており、自社だけでの整備が困難な状況に。
支援内容と成果
まるごと人事は導入後すぐにオペレーションマニュアルの整備に着手。誰が見ても一目でわかる形式でまとめ、随時アップデートを継続しました。週次の振り返りミーティングでは、毎回定量データを提示し、数字に基づいた改善提案を実施。採用担当者の異動や交代という大きな組織変更の局面でも、マニュアルと仕組みが整っていたため引継ぎをスムーズに完了しました。
ATS移行では、移行作業にとどまらず移行後の運用ルール整備まで一貫して対応。また、求人票のブラッシュアップ提案やエージェントとの定例ミーティングの一次窓口対応も担い、採用担当者が本質的な業務に集中できる体制を構築しました。
これらの取り組みにより、26卒採用では目標人数を達成。担当者からは「想定以上に優秀な人材が複数入社することになった」という評価を受けている。
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採用戦略の立て方でよくあるQ&A
採用戦略の立て方でよくある質問に、累計640社以上の採用支援を行なってきた「まるごと人事」だからこそわかるリアルをまとめて回答していきます。
採用戦略はどの企業規模で必要ですか?
規模に関わらず必要です。むしろ、採用市場で弱者になりやすい中小企業・ベンチャーこそ戦略が重要です。
大企業は予算・知名度・福利厚生など強みが表面化されているため、戦略なしでも採用目標を達成しやすい傾向があります。
今後ますます深刻な人材不足に陥ることを考えると、早期に採用力を上げる必要があります。限られた時間と予算を、正しいチャネルと手法に集中させるために採用戦略が必要です。
採用KPIは何から設定すればいいですか?
まず「採用人数」の目標を決め、そこから各フェーズの歩留まりを逆算して設定します。
KPIは「採用したい人数(ゴール)」を起点に逆算して設計します。例えば「3名採用」が目標なら、内定承諾率・最終面接通過率・応募数などを過去データから推計し「何名の応募が必要か」まで落とし込みましょう。
採用戦略を立てたのに採用がうまくいかない場合、何が原因として考えられますか?
まずは「採用ターゲット」を再確認しましょう。
採用戦略を立てても結果が出ない場合、ペルソナ設計が曖昧で、採用メッセージがターゲットに刺さっていないことが多いでしょう。
採用ターゲットのニーズはどこにあるかを深掘りし、応募文やスカウト文を見直すのが妥当です。
採用戦略と採用ブランディングの違いは何ですか?
採用戦略が「全体の方針設計」、採用ブランディングはその中の「自社を魅力的に見せる取り組み」です。
採用ブランディングは採用戦略の一部です。採用戦略なしに採用ブランディングだけ行っても、「誰に向けて・何を伝えるか」が定まらないため効果が出にくくなります。まず採用戦略でターゲットと自社の強みを明確にし、その上で採用ブランディングを展開するのが正しい順序です。
採用戦略はどのくらいの頻度で見直すべきですか?
大枠は年1回、細部は四半期ごとに見直すのが目安です。
採用戦略そのもの(ターゲット像・チャネル方針・採用メッセージなど)は年度の事業計画策定と合わせて年1回見直します。ただし、KPIの達成状況やチャネルの費用対効果は四半期単位で確認し、施策レベルの調整は随時行うのが理想です。
採用戦略の立案を外部に依頼することはできますか?
採用代行(RPO)や採用コンサルティングサービスを活用する企業が増えています。
採用戦略の立案・実行をまるごと外部に依頼する「採用代行(RPO)」という選択肢があります。自社に採用専任担当がいない・採用ノウハウが不足しているという企業に特に有効です。「まるごと人事」なら戦略の立案から、媒体選定・スカウト運用・候補者対応・効果検証まで一気通貫で支援いたします。
採用戦略の策定が成功の鍵|採用計画の立案から運用までプロにお任せ

採用戦略は、「今期の採用をどう進めるか」ではなく、「事業を成長させ続けるための人材基盤をどう構築するか」という経営課題への回答です。
本記事で解説した内容を振り返ります。
- 採用戦略とは、事業計画と連動した中長期的な人材獲得の全体方針であり、採用計画の上位概念
- 4つの市場背景(少子化・売り手市場・価値観の多様化・チャネルの多様化)を踏まえた設計が必要
- 9つのステップで体系的に設計することで、場当たり的な採用から脱却できる
- 6つのフレームワーク(ペルソナ・ファネル・4C・3C・SWOT・TMP)を組み合わせて活用する
- 採用マーケティングの視点を持ち、転職潜在層へのアプローチを仕組み化する
- 企業規模ごとに戦略の重点は異なる——大企業は質重視、中小・スタートアップは独自の強みによる差別化
- 7つのよくある失敗を知り、事前に対策を打つことが採用成功への近道
「毎年同じ問題が繰り返される」と感じているなら、今がまさに採用を根本から再設計するタイミングです。
人材採用において、経験・能力・資質が企業の事業戦略に合致しない場合、企業と求職者の双方にとって不幸な結果になる可能性があります。採用戦略を策定することで、採用活動の確実性を高めることができます。リスクや課題の洗い出し、一貫性のある方針の共有などにより、活動を着実に実行するための基盤が構築されます。
また、採用を終着点とせず、入社後も丁寧なフォローと情報収集を行い、採用活動の改善に活かすことも抑えておきましょう。このようなサイクルを繰り返すことで、より効率的で最適な採用活動が実現されるでしょう。
「まるごと人事」では、採用広報を一気通貫で代行するサービスを提供しています。採用担当者が不在の場合でも、設計から運用・改善まで一貫して支援が可能です。採用代行を検討している担当者は、まず「まるごと人事」へお気軽にご相談ください。多数の成長企業の採用支援に携わったノウハウを基に、貴社にとって最善の提案をさせていただきます。

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