採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2026.08.07 公開日:2022.10.29
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

【完全版】採用ペルソナの作り方5ステップ|新卒・中途別、AIプロンプト集も公開

【完全版】採用ペルソナの作り方5ステップ|新卒・中途別、AIプロンプト集も公開

「求める人材からの応募が来ない」「内定辞退や早期離職が減らない」

採用のミスマッチが起こる最大の原因は、採用ペルソナの設計不足です。

しかし、いざペルソナを作ろうとしても「項目が多すぎて絞り込めない」「現場と人事で認識がズレる」といった課題に直面し、形骸化してしまうケースが少なくありません。

本記事では、累計650社の採用を支援してきた「まるごと人事」の知見をもとに、採用ペルソナ設計のステップと必要項目や失敗しないための対策を解説します。
特に「成長企業の中途採用」を成功させるためのペルソナ設計をに重点を置き、実務でそのまま使える「採用ペルソナ」が作れるようにしました。

自社にとっての「正解」と言えるペルソナ設計にお役立てください。

💡 この記事でわかること

  1. 採用ペルソナの定義と、採用ターゲット・マーケのペルソナとの違い

  2. 全区分共通の「作り方5ステップ」と、新卒/中途それぞれの必須項目・記入例

  3. 設計したペルソナを求人票・スカウト・オンボーディングまで活用する方法

採用ペルソナ設計をしても、求人広告やスカウトメールにどう活用していいかわからない企業様は採用代行がおすすめです。採用戦略の立案から候補者対応・選考フローの運営まで、一気通貫で対応します。こちらの記事ではおすすめできる採用代行会社を比較しましたのでぜひ参考にしてください。

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目次

採用ペルソナとは

採用ペルソナの定義を説明するイメージ画像

ペルソナとはもともとマーケティングで使われている概念であり、「商品やサービスを利用する典型的な顧客モデル」のことを指します。

採用ペルソナとは、企業が採用したい詳細の人物像になります。

性別や年齢、居住地、ライフスタイルや趣味、仕事への価値観といった具体的な情報をもとに作り上げた人物像採用ペルソナです。

採用ペルソナをもとに採用活動をおこなうことで、採用ミスマッチを防ぐ役割があります。

採用ターゲットとの違い

採用ターゲットも、自社が求める人物像を言語化するという点では採用ペルソナと同じです。

ただし、採用ターゲットは、自社が求める大まかな人物像を指し、性別・年齢・スキルや経験によって対象を絞り込んだ人材の層を指します。

一方、採用ペルソナはより詳細な要素を加えた架空の人物像です。性別・年齢・スキルだけでなく、ライフスタイルや趣味、仕事への価値観といったパーソナリティも加えて、一人の人物像を作り上げていきます。

採用ペルソナまで落とし込むことで、経営層や現場がイメージしていた人物像と採用担当者の目線を合わせていくことも可能です。

採用ターゲットと採用ペルソナの違いは以下の通りです。

区分採用ターゲット採用ペルソナ
設定方法採用要件から絞り込む採用要件に情報を加えて作り上げる
人物像の粒度採用要件を満たす人材の層特定の人物像
項目例性別男女不問女性
年齢○〜○歳○歳
学歴4大卒○○大学
経験○○業界の経験○年以上
○○職の経験○年以上
○○業界○○株式会社
○○職種で勤務
年収○○〜○○万円○○万円

マーケティングにおける「ペルソナ」との違い

マーケティングにおけるペルソナは、あくまで商品やサービスを購入・利用する顧客の行動や心理をモデル化したものを指します。購買動機や利用シーン、価値観を明らかにすることで、販売戦略や広告訴求に役立てるのが目的です。

一方、採用ペルソナは「採用活動における理想の人材像」を描くものです。求めるスキルや経験に加えて、働き方やキャリア志向、価値観や行動特性までを具体的にイメージします。

つまり、マーケティングのペルソナが「顧客を知る」ための設計図だとすれば、採用ペルソナは「理想の人材を惹きつけ、ミスマッチを防ぐ」ための設計図といえるでしょう。

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なぜ今、採用ペルソナ設計が欠かせないのか

採用ペルソナが以前より重要になっているのは、「待っていれば応募が来る」時代が終わり、狙った人材に的確に届ける設計力が問われているためです。 背景には、採用環境の3つの変化があります。

  1. 労働人口の減少と売り手市場の常態化:優秀な人材ほど複数社から声がかかり、条件だけでは決まりません。誰に・何を訴求するかを絞り込めない企業は、母集団形成の段階でつまずくケースが増えています。

  2. 働き方・価値観の多様化:給与や知名度だけでなく、カルチャーや裁量、働く場所への共感が意思決定を左右します。刺さる訴求を作るには、価値観まで踏み込んだ人物像が欠かせません。

  3. 採用手法の多様化:求人広告に加え、ダイレクトリクルーティング、リファラル、SNS採用と手段が増えました。ペルソナが定まっていないと、どの媒体で・どんな発信をすべきかを決められません。

さらに、早期離職を防ぐ観点でも採用ペルソナは重要です。入社後に「こんなはずじゃなかった」を生まないためには、選考段階で価値観のフィットまで見極める必要があり、その物差しになるのがペルソナです。採用ペルソナは、母集団形成から定着までを貫く「共通の判断基準」として機能します。

採用ペルソナを設計する5つのメリット

採用活動を成功させるために採用ペルソナの設計は欠かせません。

ここでは採用ペルソナを設計するメリットを5つ、説明します。

1. 求める人材に「刺さる言葉」で訴求できる

訴求の質は文章力ではなく、誰に向けて書いているかの解像度で決まります。

人物像が曖昧なまま募集文を書くと、訴求は「風通しのよい社風」「成長できる環境」といった、どの企業にも当てはまる言葉に落ち着きます。

たとえば同じ求人でも、裁量の大きさを求める候補者には「入社2年目で新規事業の責任者を任される」が響き、安定した成長を望む候補者には「教育体制と評価制度が整っている」が響くでしょう。

ペルソナがあれば、「この人物なら何を最初に知りたいか」という基準で下せます。

2. 要件外の応募が減り、採用工数とコストが下がる

人物像が定まっていないと、採用活動は「まず母数を増やす」方向に流れます。ですが、応募が増えるほど書類選考の対応時間は膨らみ、媒体費も比例して増えていきます。

ここで見落とされがちなのが、人事の時間が母集団対応に集中し、候補者対応の質が悪くなるという損失です。要件外の応募が多い状態は、コストの問題であると同時に、機会損失の問題でもあります。

ペルソナを設計したら、媒体の評価軸も「応募数」から「要件に合う応募の数」へ切り替えます。単価の高い媒体でも、要件に合う候補者が集まるなら結果的に採用単価は下がります。媒体ごとの費用感は採用代行の費用相場もあわせて確認してみてください。

3. 採用ミスマッチと早期離職を防げる

価値観までそろえて採用すると、内定承諾率と入社後の定着が変わります。 採用活動は、採用した人材が入社後に定着し、活躍するまでがゴールだからです。

スキルや経験の要件だけで選考を進めると、条件面では合致していても、働き方や意思決定のスタイルが合わないまま入社が決まります。入社後の「こんなはずじゃなかった」は、能力のミスマッチではなく価値観のミスマッチから起きるケースがほとんどです。

採用ペルソナを設計し、関係者に「採用したい人物像」を共有しておけば、面接官による評価のブレを防ぎ、選考基準を明確にできます。募集・選考の段階でペルソナのニーズに合わせて自社の魅力を伝えられるため、候補者側も「自分に合っているか」を判断しやすくなります。

入社前に判断材料をそろえることが、入社後の離職を防ぐ確実な方法です。

4. 社内の判断基準がそろい、選考のスピードが上がる

経営層・人事だけでなく現場責任者や面接官など、立場によって理想の人材像にばらつきがあると、見送りの理由が「なんとなく合わない」で止まり、次の選考に活かせません。判断が保留されているあいだに、候補者が他社の内定を承諾してしまうケースも起こります。

採用ペルソナがあれば、「MUST条件のどれを満たしていないか」という形で議論できます。評価が言語化されるぶん、合否の意思決定は速くなり、次の候補者に向けた要件の微調整もしやすくなります。

5. 自社の強み(EVP)が言語化され、競合と差別化できる

ペルソナ設計の過程で「この人物は何を基準に転職先を選ぶか」を突き詰めると、その裏返しとして自社が提供できる価値(EVP)が浮かび上がります。

直近で入社した社員に「最終的に何が決め手だったか」を聞き取り、その言葉をそのまま訴求に使えば、採用広報から求人票まで一貫したメッセージを組み立てられます。

魅力の言語化から訴求への落とし込み方は、無料資料「採用ペルソナの作り方」にも手順をまとめています。

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採用ペルソナ設計5ステップと必要項目

採用ペルソナ設計の5ステップ

ここでは採用ペルソナの設計のステップと必要な項目を解説します。

1. 人材要件を洗い出す

人材要件とは、自社が求める人材のスキルやパーソナリティ、志向性や価値観を具体的に言語化したもので、選考の合否を決める重要な基準です。

要件を洗い出す際には、業務内容や必要なスキルなどを現場の担当者にヒアリングしたり、実際に活躍している社員に入社の理由や、転職活動時に重要視していた価値観などをインタビューしたりして、具体的な要件を洗い出します。

要件の項目は多岐に渡るため、漏れがないよう下記の例を参考にしながら整理するとよいでしょう。

要件の精査はあとからおこなうので、まずは質よりも量を重視してできるだけ多く洗い出していくのがポイントです。

  • 能力(学力、思考力)
  • スキル(技術、知識、資格)
  • 経験(企画、実務、マネジメント)
  • パーソナリティ(志向性、価値観、性格)
  • 属性(性別、年齢、居住地域)

2. 要件の優先順位をつける

洗い出した人材要件に優先順位をつけます。

優先順位は下記をもとに3つの段階に分けると整理がしやすいです。

  1. MUST条件:必須条件。業務に欠かせない、絶対に外せない条件
  2. WANT条件:歓迎条件。できればあったほうがよい条件
  3. NEGATIVE条件:不要条件。あると好ましくない条件

項目が多すぎたり、厳しすぎたりすると採用市場に該当の人材がおらず、募集に苦戦する可能性があります。そのため、まずは必須であるMUST条件と、不要であるNEGATIVE条件を決めておき、要件の前提となる優先順位を整理しておくことをおすすめします。

MUST条件とNEGATIVE条件を決めたあとに、できたらあったほうがよい条件として、志向性や価値観、入社後に培えるスキルや経験などをWANT条件として選定していきましょう。

3. 採用ペルソナを設計する

人材要件の優先順位をつけたら、採用ペルソナを設計します。

採用ペルソナは自社が求める、典型的な人物像です。架空の人物ですが、洗い出した人材要件を満たしたうえで具体的なイメージを作り上げていきます。

ただし、自社の理想のみで採用ペルソナを設計してしまうと実態との乖離が生まれ、応募が見込めない、選考を通過しないといったリスクもあり得ます。

採用市場や他社の動向、トレンドを把握し、あくまでも「実在していそうな人物像」を設計するのがポイントです。

設計にあたっての具体的な項目は下記を参考にしてみてください。

  • 氏名・年齢・性別・居住地・家族構成
  • 業種・会社名・部署・役職・担当業務・年収
  • 趣味・特技・休日の過ごし方
  • 現職での課題
  • 転職で叶えたいニーズ
  • 仕事選びで重要視している要素

また、下記のようなペルソナシートを活用すれば漏れなく情報を整理することができます。

▼ペルソナ設計シート

空のペルソナ設計シート

▼ペルソナ設計シート(記入例)

ペルソナ設計シートの記入例

4. 採用ペルソナを見直す

採用ペルソナを設計したあとは、社内との認識にズレを防ぐため、経営層や現場の社員に求める人物像との相違がないかを確認してもらいましょう。

また、設計した採用ペルソナをもとに採用活動を進めるなかで、求める人材からの応募が少なかったり、選考の通過率が極端に少なかったりする場合には、採用ペルソナの見直しも必要です。見直しの際は各要件の調整や修正をおこない、採用ペルソナの精度を高めていきましょう。

ただし、採用課題にはさまざまな要因があるため、採用ペルソナを安易に変更はせずに、まずは課題を的確に把握し、対策を講じることが重要です。

そのほか、事業計画の見直しによって求める人物像が変わる場合にも、採用ペルソナの見直しが必要となります。

採用課題の把握方法や対策について、知りたい方は下記も参考にしてみてください。

5. データや既存社員の分析を取り入れる

採用ペルソナの精度を高めるためには、感覚や理想像だけでなく、客観的なデータや既存社員の分析結果を活用することが有効です。

自社で活躍している社員に関する以下の情報を収集し、共通点を見つけ出します。

  • 経歴
  • スキルセット
  • 入社経路
  • 入社後の評価
  • 定着率

「自社で成果を出している人材の特徴」をベースにした、より現実的で説得力のある採用ペルソナを設計できます。

また、アンケートやヒアリングを通じて、既存社員が転職時に重視したポイントや入社の決め手となった要素を把握することで、候補者に対して効果的な訴求材料を導き出せるでしょう。

データドリブンな視点を加えることで、採用ペルソナが「理想像」にとどまらず「実際に成果をあげる人材像」として社内に浸透しやすくなります。

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【新卒・中途で異なる】設計の違いと必須項目

作り方の土台は共通ですが、新卒と中途では「何を軸に描くか」が根本的に異なります。 新卒はポテンシャルと価値観、中途は即戦力性とライフステージが中心になります。ここでは違いを整理したうえで、それぞれの必須項目を対称に見ていきます。

新卒採用ペルソナと中途採用ペルソナの5つの違い

項目

新卒

中途

評価軸

ポテンシャル・人柄

即戦力・実績

動機

就職理由(何を実現したいか)

転職理由(現職の何が不満か)

情報源

就活サイト・大学キャリアセンター・SNS・逆求人

転職サイト・エージェント・スカウト・ビジネスSNS

意思決定に影響する人

本人・親

本人・配偶者・子ども

重視条件

成長環境・社風

年収・働き方・役職

新卒採用では、過去の経験から「どう育つか」を見極めます。中途採用では、「なぜ転職するのか」という現職への不満を抽出しつつ、何ができるか・どんな成果を出してきたかで即戦力性を定義します。新卒は将来性、中途は再現性を描くと考えると、軸の置き方を間違えません。

新卒採用ペルソナの必須項目と設計のコツ

新卒ペルソナは、職務経験の代わりに「ポテンシャルと価値観」を具体化するのが必須です。 スキルで差がつきにくいぶん、就活の軸やカルチャーフィットが人物像の中心になります。次の項目を押さえましょう。

  • ポテンシャル・人柄(主体性、素直さ、伸びしろを示すエピソード)

  • 就活の軸(成長スピード、社会的意義、若手の裁量など何を最優先するか)

  • 重視する環境(成長環境・社風・研修体制)

  • 意思決定への親の関与(知名度・安定性を気にする層かどうか)

  • 情報源(就活サイト・大学キャリアセンター・SNS・逆求人など、どこで出会えるか)

新卒は「どの媒体で・どんな発信をすれば出会えるか」まで描けると、母集団形成の打ち手に直結します。なお、新卒採用に特化したペルソナ設計の詳細は新卒採用ペルソナの作り方で解説しています。本記事は新卒・中途共通の総論として活用してください。

新卒採用ペルソナの記入例(26卒・総合職)

項目

記入例

氏名・年齢・性別

佐藤 美咲(仮名)/22歳/女性

学歴・専攻

私立大学・経済学部/26卒

就活の軸

若手から裁量を持てる/成長スピード/社会的意義

性格・志向

主体的に動くタイプ。安定よりも挑戦できる環境を好む

情報収集

就活サイト・企業のSNS・インターン・OB訪問

意思決定に影響する人

本人+親(知名度・安定性を気にする)

惹かれるポイント

若手の活躍事例/裁量の大きさ/社員の雰囲気

新卒はスキルよりも「ポテンシャルと価値観」を軸に描くのがコツです。新卒ペルソナは、就活の軸と情報収集チャネルを具体化することで、どの媒体・どんな発信で出会えるかまで見えてきます。

中途採用ペルソナの必須項目と設計のコツ

中途ペルソナは、「現職での実績」と「転職理由」、そして「ライフステージ」を具体化することが必須です。 特にライフステージは、独身・既婚・子育て中で訴求すべき福利厚生や働き方が大きく変わるため、必ず設定します。必須項目を①〜⑤に整理しました。

  1. 現職の職務内容・役職(何を・どのレベルで担ってきたか)

  2. 転職理由(不満点)(現職の何を解消したいか。3つ程度に言語化)

  3. 希望年収レンジ(現年収と希望のギャップ)

  4. 家族構成・ライフステージ(勤務地・働き方の制約に直結)

  5. 転職活動の緊急度・意思決定者(すぐ/良い機会があれば、誰の意向が効くか)

設計に漏れがないか、次のチェックリストで確認しましょう。

  • 現職での具体的な職務内容・役職

  • 転職を考えている理由(不満点)

  • 希望年収レンジ

  • 家族構成とライフステージ

  • 転職活動の緊急度(すぐ/良い機会があれば)

  • 意思決定に影響する人(本人・配偶者など)

  • 譲れない条件TOP3

中途ペルソナは、現職への不満とライフステージを具体化するほど、スカウトや求人票で刺さる訴求を設計できます。

中途採用ペルソナの記入例(SaaS企業・フィールドセールス)

項目

記入例

氏名・年齢・性別

田中 健太(仮名)/32歳/男性

居住地・家族構成

東京都/既婚・第一子誕生予定

現職

従業員150名のSaaS企業/インサイドセールス/年収480万円/勤続4年

転職を考える理由

①分業体制で商談の上流に関われない ②評価が数値偏重で裁量が小さい ③リモート勤務が縮小した

仕事で重視する価値観

裁量の大きさ > 事業への貢献実感 > 年収 > 働く場所の柔軟性

情報収集

ビズリーチ・転職口コミサイト・X/平日夜と週末に活動

意思決定に影響する人

本人+配偶者(勤務地・働き方を重視)

譲れない条件TOP3

フルリモート可/年収500万円以上/裁量のある役割

この人物像なら、スカウト文では「上流の商談から任せる裁量」「フルリモート」を先頭で訴求すると響きます。中途ペルソナは、現職への不満とライフステージを具体化するほど、刺さる訴求を設計できます。

採用ペルソナ設計時の5つのポイント

ペルソナ設計の重要ポイント

ここからは、採用ペルソナの設計の際に意識するべきポイントについて紹介します。

経営層と現場の意見を取り入れ共通認識を持つ

ペルソナ設計時に、現場と目線をあわせることはもちろん行いますが、目線合わせの際は、経験年数などのハードスキルだけでなく、その人の人柄面、大切にしている価値観まで共通認識を持ちましょう

それを行うことで、入社後の早期退職を防ぐことにも繋がります。

見極めるやり方として、高いパフォーマンスを上げる人材に共通している行動特性・思考の傾向・価値観を言語化すると良いでしょう。例えば、現在の所属メンバーに適性検査を受けてもらい、その結果を定量的に分析した上で採用要件に落とし込むなども一つの手です。

候補者目線でペルソナを設計する

企業側だけでペルソナを設計しては、企業と候補者との齟齬が生じる原因になり得ます。直近で採用された社員の経験や価値観などを言語化しつつ、経営陣の求めるペルソナ像を照らし合わせると良いでしょう。

「なぜ選ばれているのか」「どこに共感されているのか」といった切り口から、自社の強みや魅力を言語化していきましょう。

目的に合わせて複数のペルソナを作成する

複数人の採用目標を立てる場合、求める人物像が「即戦力人材」や「ポテンシャル人材」のように異なる場合もあるでしょう。

それぞれ訴求が異なるため、ペルソナ設計だけでなくスカウト文・求人文を分ける工夫が必要です。

理想論に偏りすぎないよう注意する

ペルソナ設計では「自社が採用したい理想像」を描きますが、理想に寄せすぎると現実の採用市場に存在しない人物像となり、応募が集まらない原因になります。特に、スキル・経験・価値観のすべてを完璧に備えた人材を設定してしまうと、母集団形成が難しくなり、採用活動が長期化するリスクがあります。

そのため、採用市場の動向や競合他社の採用状況を意識しながら、「実在しそうな人物像」を設計することが大切です。MUST条件とWANT条件を明確に分け、現実的に採用可能なラインを見極めて設計することで、理想と現実のバランスをとれるようになります。

採用結果を踏まえて修正する

何年もペルソナ像を見直していない企業も多いのはないでしょうか。採用市場は変化し、候補者が就職や転職、企業に求める条件も変わります。

採用活動の結果を受けてペルソナ像を修正するだけでなく、入社後の社員の働く様子も踏まえてアップデートしましょう。

採用ペルソナ設計におけるよくある失敗と対策

採用ペルソナ設計の失敗例と対策イメージ

採用ペルソナは採用活動を成功に導く有効な手法ですが、設計や運用を誤ると期待した成果を得られません。ここでは代表的な失敗パターンと、対策となる実践的な工夫を紹介します。

人物像が理想論に偏りすぎる

採用ペルソナを考える際、条件を盛り込みすぎると市場に存在しない人物像となる危険性があります。完璧なスキルや経験を前提とすると、応募数が減り、採用活動が長期化する可能性が高まります

例えば即戦力でリーダーシップも備え、柔軟な働き方を望みつつ高い専門知識を持つ人物を前提にすると、候補者層は極端に狭まるでしょう。

解決策としては、必須条件と歓迎条件を明確に切り分け、採用市場で実際に出会える人材像を前提とすることが重要です。バランスの取れた設定を行うことで現実的な母集団形成につながり、採用の成功率が向上します。

更新せずに使い続けてしまう

採用ペルソナは一度設計したら完成ではなく、環境や事業方針の変化に応じた見直しが求められます。市場の動きや求職者の価値観は時間の経過とともに変化するため、古いペルソナを使い続けると採用活動の方向性がずれてしまうリスクが生じます。

例えば、在宅勤務の普及や働き方に対する考え方の変化に対応できないままでは、候補者からの共感を得にくくなるでしょう。定期的に既存社員へのヒアリングやデータ分析を実施し、現実とのギャップを補正することで有効なペルソナを維持できます。

採用現場と乖離したペルソナを設計している

経営層や人事部が主体となりペルソナを描く場合、実際に現場で必要とされる人材像と一致しないケースがあります。現場が求める人物像とのズレが大きいと、採用した人材が活躍できず、早期離職につながるかもしれません。

人事部がコミュニケーション能力を重視して設計したとしても、現場では専門的なスキルや即戦力性が不可欠な場合、採用後の定着は難しくなります。

対策としては、現場責任者や実際の社員を巻き込み、求めるスキルや価値観を明確に共有することが不可欠です。関係者全員の意見を反映させることで、現実に即したペルソナが完成し、採用の成功率を大きく高められます。

【職種・状況別】採用ペルソナ設計の注意点

同じ作り方でも、職種や採用状況によって重心を置くべき項目が変わります。ここでは代表的な3パターンで、設計時の注意点を押さえます。

エンジニア採用のペルソナ

エンジニア採用のペルソナは、スキルセットと開発カルチャーへのフィットを軸にしましょう。技術要件に加え、「裁量」「技術的挑戦」「開発体制(モダンかどうか)」など、エンジニア特有の価値観を具体化します。
転職理由が「技術的負債」「レガシーな開発環境」であることも多く、そこに応える訴求が刺さります。
技術要件が絞られるぶん出会える母集団が限られるため、媒体選びとスカウト設計が特に重要です。詳しくはエンジニア採用代行やスカウト代行サービスも参考にしてください。


営業職のペルソナ

営業職は、扱う商材・売り方(新規/既存、有形/無形)と、成果を出せる環境条件を重点にしましょう。同じ「営業経験3年」でも、無形商材の新規開拓と有形商材のルート営業では再現性が大きく異なるため、現職での売り方を具体化します。
インセンティブ設計・裁量・評価制度など、営業が転職先を選ぶ判断軸を価値観として盛り込むと、訴求の精度が上がります。

リモート・地方採用のペルソナ

リモート・地方採用では、働く場所の条件と生活基盤を最優先項目として設計します。以下は、応募・承諾を左右する決定要因です。

  • フルリモート必須
  • 出社頻度はどこまで許容できるか
  • 家族の事情で勤務地に制約があるか

勤務地の柔軟性を武器にできる企業は、都市部の大手が拾えない層に届きます。母集団形成の打ち手とあわせて、採用課題とは?フェーズ別の解決法の母集団形成パートも設計の参考になります。

AIを活用した採用ペルソナ設計|準備・プロンプトから活用法まで

従来、採用ペルソナ作成には数時間を要する場合もありますが、AIを活用すれば時間短縮したうえでかつ実用レベルのペルソナが完成します。

AIで採用ペルソナを設計するための事前準備

AIに指示を出す前に、以下の情報をまとめましょう。

  • ✅️ 募集職種
  • ✅️ 雇用形態(新卒/中途)
  • ✅️ 必須スキル・経験
  • ✅️ 想定年収レンジ
  • ✅️ 自社の業界・規模・特徴

既存の求人票があればそのままコピー&ペーストでOK、AIが必要な情報を抽出してくれます。

採用ペルソナを設計するためのプロンプト

準備した情報を元に、以下のテンプレートに当てはめてAIに指示します。

あなたは採用戦略のプロフェッショナルです。
以下の条件で中途採用ペルソナを詳細に作成してください。

【募集職種】[ここに入力]
【必須経験】[ここに入力]
【想定年収】[ここに入力]
【会社情報】[ここに入力]

以下の項目を含めて、実務で使えるペルソナを作成してください:
1. 基本情報(年齢、性別、居住地、家族構成)
2. 現職の状況(業界、職種、役職、年収、勤続年数)
3. 転職を考えている具体的な理由(3つ以上)
4. 仕事に求める価値観(優先順位をつけて)
5. 1日のスケジュール
6. 転職活動の行動パターン(利用サービス、活動時間帯)
7. 意思決定に影響する人物・要因
8. 譲れない条件と妥協できる条件

AIが生成したペルソナをざっと確認し、明らかにおかしい部分だけ修正しましょう。

ExcelやGoogleスプレッドシートにコピペすれば、完成したペルソナがチーム内や他部門とも共有できます。

AIが得意なことと人間が判断すべきこと

市場データ、職種の平均年収、業界トレンドなど、公開情報の収集はAIが圧倒的に速いです。ですが、プロンプトや読み込ませる情報が不足していると、根拠なく結果を出しがちな点も理解しておきましょう。

以下の表を参考に、AIが抽出した結果を精査すると精度が上がります。

工程AIの役割人間の役割
情報収集一般的な職種データ、年収相場の調査自社の過去応募者データの整理
骨格形成基本項目(年齢、家族構成など)の設定自社特有の価値観・文化とのフィット感を判断
転職理由の設定一般的な転職動機のリストアップ実際の面接で聞いた「本音」を反映
行動パターン転職活動の一般的な流れを提示自社への応募経路(スカウト/媒体/紹介)の分析
データ検証統計的な妥当性チェック肌感覚での「リアリティ」判断
最終調整文章の整形、表作成経営層や現場との合意形成

AIでペルソナ設計をする際の3つの注意点

以下で解説する3つの注意点を押さえて、効率化を図りましょう。

1. AIは「平均的すぎる」ペルソナを作りがち

下記の追加指示で、刺さるペルソナ設計に改善するケースが多いでしょう。

「よりエッジの効いたペルソナにしてください。
例えば『地方在住でフルリモート必須』『独身だがペットとの時間を重視』など、
特徴的な要素を1〜2つ加えてください。」

2. 業界の最新動向を反映できない

AIの学習データが2024年以前の場合、最新の転職トレンドが反映されません。

  • 「2025〜2026年の転職市場トレンドを踏まえて」と指示
  • 自分で最新の転職市場調査レポートを読み、情報を追加指示

最新データは参照元を人の目で確認するのが無難です。

3. 自社の「リアルな応募者」とズレる

過去の応募者データや面接記録をAIに与えることで解決につながります。

「以下は当社への応募者3名の実際のプロフィールです。
この傾向を踏まえてペルソナを修正してください:

【応募者A】32歳、大手SIer出身、年収650万円、子ども2人、『技術的負債の多さに限界』
【応募者B】27歳、スタートアップ2社経験、年収480万円、独身、『裁量はあるが事業の持続性に不安』
【応募者C】35歳、事業会社の情シス、年収700万円、既婚、『社内SEから開発へキャリアチェンジしたい』

AIが生成したペルソナは必ず検証が必要です。

AIで採用ペルソナを採用活動に役立てる方法

AIによる採用UXのブラッシュアップ概念図
「AIによる採用UXのブラッシュアップ」ペルソナ視点の訴求で母集団形成を加速!AIが導き出す「転職のタイミング」や「懸念点への対策」で離職を防ぎ活躍を促します。

ここでは設計した採用ペルソナを採用活動に役立てる方法を紹介します。

1. 募集文・スカウトメール文面の改善

採用ペルソナを反映させて募集文やスカウト文にブラッシュアップできれば、母集団形成にも役立ちます。

採用ペルソナと現在の募集文を入力し「このペルソナ像からみてこの募集文の魅力と懸念点を具体的に教えてください」と指示出しをしましょう。

AIの回答に問題なければ、「これを踏まえて募集文を改善してください」と入力するだけです。

「どのような経緯で転職を考えているのか」、「仕事に対してなにを希望しているのか」など、採用ペルソナのニーズを想定し、どのような文面だったら魅力的に感じるかを考えることがポイントです。

2. 候補者の心境や状況理解

採用ペルソナの設計は、候補者の心境や状況理解を助けます。

例えば、「当社に転職したくなるタイミングを具体的に教えてください」と入力すると、転職したくなるパターンがいくつか提示されます。

転職パターンを参考にスカウトを送るタイミングを図ったり、採用媒体の選定をしたりと活用が可能です。

また、「このペルソナが躊躇している理由と解消するための具体的対策を箇条書きで30教えてください。」と指示だしをすれば対策まで提示されるため、担当者は適切な対策の選定のみで済みます。

採用につなげるためには、選考段階でも自社の魅力を理解してもらったり、不安や懸念を払拭してもらったりして、求職者の志望意欲を高めるためのアプローチが必要です。

3. オンボーディング・定着施策への活用

採用ペルソナは採用段階だけでなく、入社後のオンボーディングや定着施策にも活用できます。

採用ペルソナをもとに新入社員がどのような価値観やキャリア志向を持っているか把握しておくことで、研修プログラムや配属方針をより最適化できます。

「挑戦的な環境を求める人材」には早期にプロジェクト参画の機会を提供する、「安定を重視する人材」には明確なキャリアパスを示すなど、ペルソナに合わせた支援を行うことが可能です。

また、入社後に想定される不安や課題を事前に把握しておけばフォロー体制を整えやすくなり、早期離職の防止にもつながります。採用ペルソナを単なる「採用のためのツール」とせず、オンボーディングや定着の観点からも活用することで長期的に活躍する人材を育成しやすくなります。

採用ペルソナのよくあるQ&A

採用ペルソナの設計でよくいただく質問にお答えします。

採用ペルソナとは何ですか?

採用ペルソナとは、企業が採用したい理想の人物像を、一人の具体的な人物として描いたものです。
年齢やスキルといった要件だけでなく、価値観・仕事観・情報収集の仕方まで加えて、実在しそうなレベルまで具体化します。この人物像を社内で共有することで、求人票やスカウトの訴求、面接の評価軸に一貫性が生まれます。
採用ペルソナは、採用のミスマッチを防ぐための「共通の判断基準」だと捉えるとわかりやすいでしょう。

採用ターゲットとの違いは何ですか?

採用ターゲットは「求める人材の層」、採用ペルソナは「特定の人物像」です。
ターゲットが「30代前半・営業経験3年以上」のように条件で層を絞るのに対し、ペルソナはそこにライフスタイルや価値観を加え、一人の人物として描き込みます。ターゲットで大枠を決め、ペルソナで解像度を上げる、という順序で使うのが実務的です。

採用ペルソナに設定すべき項目は何ですか?

基本情報・現職(学歴)・志望や転職の動機・価値観・情報収集チャネルの5系統を押さえれば、実務で使えるペルソナになります。
具体的には、年齢や家族構成などの基本情報、現職での役割や課題、転職・就職を考える理由、仕事で重視する価値観、そして普段どこで情報を得ているかです。
項目を増やしすぎると運用しづらくなるため、訴求や選考に直結する要素に絞りましょう。

新卒と中途でペルソナの作り方は変えるべきですか?

新卒はポテンシャルと価値観、中途は即戦力性とライフステージを軸に描き分けます。 新卒は職務経験がないため、就活の軸や成長意欲、カルチャーフィットが中心になります。中途は現職での実績や転職理由に加え、独身か子育て中かといったライフステージによって、訴求すべき働き方・条件が大きく変わります。
同じテンプレートでも、重心を置く項目を変えることがミスマッチにつながります。

採用ペルソナはどのくらいの頻度で見直すべきですか?

採用市場や事業方針が変わったタイミング、少なくとも年1回は見直すのが目安です。 求職者の価値観や働き方のトレンドは時間とともに変化するため、古いペルソナを使い続けると訴求がずれていきます。採用活動の結果(応募数・通過率)や入社後の活躍状況も踏まえて、定期的にアップデートしましょう。

採用ペルソナを作っても、うまく活用できません。どうすればいいですか?

 設計したペルソナは、募集文の訴求ポイント、スカウトの一文目、面接の評価項目にまで反映して初めて成果につながります。とはいえ、設計から求人票・スカウトの改善までを自社だけで回すのは工数がかかります。
当社「まるごと人事」では、採用ペルソナの設計から求人票・スカウトへの落とし込み、候補者対応までを一気通貫で支援しています。ペルソナを「作って終わり」にせず「使って成果を出す」ところまで伴走できる体制があれば、採用の精度は着実に高まります。

採用ペルソナを設計して、採用活動を効果的に進めましょう

採用活動成功のイメージ

本記事では採用ペルソナを設計する理由、設計のステップや必要な項目、活用方法を紹介しました。

採用ペルソナの設計方法は理解できたけど求人票にまで落とし込めるか不安といった担当者もいるでしょう。実際に、AIで完成したペルソナは100点ではなく平均的なものが出てくるケースが多いでしょう。
年々、採用課題が達成されずに悩んでいる企業や担当者は「まるごと人事」にご相談ください。
まるごと人事なら、ペルソナ設計だけでなく、初期ヒアリング2回と月1回のMTGで、効果測定も行います。

「今年こそは」と意気込んでいるご担当の方はぜひざっくばらんにでもお話ししましょう。

本記事で解説したポイントを参考に採用ペルソナを設計し、ぜひ採用成功につなげてください。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

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2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
> 出演した番組はこちら

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