採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2026.10.27 公開日:2025.06.08
この記事の監修者:今 啓亮(創業者)

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新卒母集団形成完全ガイド|計画から実行までの効果的な方法を徹底解説

新卒母集団形成完全ガイド|計画から実行までの効果的な方法を徹底解説

新卒採用の最初のステップである母集団形成は、十分な候補者数を確保するために欠かせません。エントリー数不足による採用長期化を防ぐためにも、「求める人物像」「採用目標数」「選考・評価基準」を明確にし、広報開始前に準備を進めましょう。

母集団形成の手法は多様であり、企業が重視する点や規模感によって最適な方法は異なります。自社に合った手法を選定することが大切です。

本記事では、母集団形成のポイント、手法9選、メリット・デメリットなどをご紹介します。ぜひ今後の新卒採用計画立案などにお役立てください。

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目次

新卒母集団形成とは

新卒母集団形成とは

新卒採用活動における母集団とは、「自社の求人に興味を持ち応募してくれる人々」を指し、形成とは「集めること」を意味します。したがって、新卒母集団形成とは、自社の求人に関心を持つ応募者のエントリーを集める活動と言えます。

しかしながら、多数の応募者を集めたとしても、採用したい人物像に合致する人材がその中にいなければ意味がありません。採用を成功させるためには、応募者の「量」だけでなく「質」を高めた母集団を形成することが重要です。

母集団形成に着目する際は、単に人数を増やすだけでなく、いかにして自社が求める人物像に効率的にアプローチするかが鍵となります。

採用成功に欠かせない母集団形成とは

新卒採用活動において、母集団形成は採用成功に欠かせない存在です。質の高い母集団を形成することは、最終的な採用成功率の向上に直結します。

そして、それは企業の成長や競争力強化に繋がります。

母集団形成の「量」と「質」の最適なバランス

母集団形成を進める際、企業が直面する大きな課題が「量」と「質」のバランス調整です。応募者数が少なすぎると選考の選択肢が限られてしまい、目標採用人数に到達できないリスクが高まります。

一方で、応募者数を増やすために採用要件を緩和しすぎると、自社にマッチしない人材ばかりが集まってしまいます。結果、書類選考や面接に多大な工数がかかり、一人ひとりの候補者に十分な時間をかけられなくなるのです。

最適なバランスを見極めるには、過去の選考データから各段階での通過率を分析し、最終的な採用目標人数から逆算して必要な母集団規模を算出する必要があります。自社の採用戦略に応じて、就職サイトやダイレクトリクルーティングなど複数の手法を組み合わせながら、量と質の最適なバランスを追求していきましょう。

新卒母集団形成の役割

新卒母集団形成の役割

母集団形成は採用において重要なプロセスですが、なぜこれほどまでに重要なのでしょうか。その理由は、採用プロセス全体における母集団形成の役割から理解することができます。

採用活動の出発点

基本的な採用プロセスは、以下の3つのステップを円滑に進めることで構成されます。

  • 『学生を集める』→『企業に惹きつける』→『学生を選定する』

そして、母集団形成は、この中の『学生を集めること』に相当します。つまり、採用活動の出発点と言えるでしょう。

採用活動を行う企業側としても、ある程度自社とのマッチング度合いを見極める必要があるため、応募者の選別は不可欠です。そのためには、母集団形成を効率的に行い、見極めるための選択肢を増やすことが重要となります。

母集団形成に苦戦する企業の現状

母集団形成に苦戦する企業の現状

しかし、実際には企業の53.2%が、前年と比較してセミナー参加者の減少、あるいは大幅な減少を実感しており、約5割の企業が母集団形成の結果に満足できていない現状から、十分な母集団形成を行うことが難しい状況であることが伺えます。

出典:2025年卒採用活動の感触等に関する緊急企業調査

多くの企業が直面する採用の壁「母集団形成」

母集団形成は、最初のステップでありながら、採用活動全体の成否を左右する極めて重要なポイントです。

実際、採用活動全体における課題として、企業の73.1%が母集団形成を挙げていることからも、2025年卒業予定者の採用においても、2024年卒業予定者の採用から引き続き、多くの企業が「母集団形成」に苦慮している状況が明らかになっています。

これらのことから、「母集団形成」は、採用活動における目標達成を大きく左右する重要なステップと言えるでしょう。

ただし、単にエントリー数を集めれば良いというわけではなく、エントリーした応募者と企業とのマッチング率も非常に重要です。では、具体的にどのように母集団形成を進めていけば良いのでしょうか。

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新卒母集団形成の「落とし穴」と「注意点」

新卒母集団形成の「落とし穴」と「注意点」

まずは、新卒採用における母集団形成の落とし穴と注意すべき点について確認していきましょう。

人員確保に苦労する母集団形成

母集団形成は採用活動の最初のステップであり、選考プロセスで候補者が減少するため、採用目標人数よりも多くの母集団を集める必要があります。

近年の少子高齢化による労働人口減少などを背景に、新卒採用は売り手市場が継続しており、特に知名度の高くない中小企業にとって、十分な母集団を形成することが課題となっています。

こうした市場環境では、自社の魅力や他社との差別化ポイントを明確に打ち出し、学生からの認知度向上と応募促進を図ることが求められます。

求める人材に出会うための壁

母集団は数を集めるだけでなく質が大事です。数が多くなると選考負担が増し、一人あたりにかけられる時間が減るため、十分な見極めや動機付けが難しくなるからです。だからこそ、自社の採用要件にマッチした質の高い母集団を形成することが求められます。

母集団の質を高めるには、まず採用要件を明確にすることが欠かせません。「どんな人材が自社で活躍・定着しやすいのか」「その人には何を伝えるのが効果的なのか」を見極める必要があります。これらが見えていないと、自社にマッチした候補者を集めることは難しいでしょう。

母集団形成で失敗する3つの典型パターン

母集団形成において、多くの企業が陥りがちな失敗スターンが存在します。

失敗パターン 具体的な状況 発生する問題
手法の選択ミス 就職サイトに掲載すれば応募者が集まると考え、自社のターゲット層が利用していない媒体に多額の広告費を投じてしまう 学生の就職活動における行動パターンを把握せずに手法を選ぶと、費用対効果が著しく低下する
企業の魅力が伝わらない情報発信 事業内容や待遇といった基本情報のみを掲載し、学生が本当に知りたい職場の雰囲気や成長機会、先輩社員の声などを発信していない 競合他社との差別化ができず、応募につながらない
採用ターゲットの曖昧さ 経営層と現場で求める人材像が一致していない、または理想を追求しすぎて現実的でない採用要件を設定してしまう ターゲットが不明確なまま採用活動を進めるとアプローチすべき学生層が定まらず、効果的な母集団を形成できない

上記の失敗パターンを避けるためには、事前の市場調査やターゲット分析を徹底し、自社に適した採用戦略を構築する必要があります。

新卒母集団形成で得られるメリット

新卒母集団形成で得られるメリット

新卒母集団形成で得られるメリットは、主に以下の5点です。

1. 求める人材の確保

近年、少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、優秀な学生の獲得競争が激化しています。優秀な人材を獲得するためには、他社との差別化を図り、企業が求める質の高い母集団を形成することが不可欠です。

母集団形成は、単に応募者を集めるだけでなく、自社の理念やビジョンに共感し、将来的に活躍できる人材を戦略的に集めるプロセスと言えます。そのため、しっかりと計画を立てて丁寧に進めることが、新卒採用成功への近道と言えるでしょう。

2. 採用コストを抑える効果

近年、採用活動にかかるコストは増加傾向にあります。具体的には、採用広告費、選考に関連する人件費、内定辞退によって生じる追加コストなど、多岐にわたる費用が発生しています。

質の高い母集団が形成されれば、応募者を選定するプロセスが効率化され、選考にかかる時間と労力を大幅に削減できます。

結果として、採用にかかる総コストを抑制し、採用活動全体の効率化を実現することが可能です。

3. 採用ミスマッチによる早期離職の防止

自社が求める人物像に合致する人材を母集団に形成することで、入社後のギャップを最小限に抑え、採用ミスマッチを防ぐことが可能です。

その結果、社員の定着率向上や離職率の低下にも繋がります。

4. 採用活動の進捗管理と計画的な推進

適切な母集団を形成すれば、採用プロセス全体の進捗状況を数値で把握しやすくなります。各選考段階での通過率や辞退率などのデータを可視化すれば、目標採用人数に対する達成見込みを早期に判断できます。

進捗が遅れている場合は、追加の採用施策を打つべきタイミングや予算配分の見直しを適切に判断できるでしょう。反対に、想定以上に優秀な候補者が集まっている場合は、選考基準の調整や採用人数の増員検討など、柔軟な対応が可能になります。

また、母集団形成の過程で蓄積したデータは、次年度以降の採用計画にも活用できます。過去の実績をもとにより精度の高い採用戦略を立案できるため、年々採用活動の質が向上していくでしょう。

5. 生産性向上と企業の持続的成長

自社の価値観や文化にマッチした人材を継続的に採用できれば、組織全体の生産性が向上します。業務への理解が早く、同僚との協働もスムーズに進むため、早期から戦力として活躍できるでしょう。

定着率の高い人材が増えれば、採用や育成にかかるコストも削減されます。さらに、長期的に勤続する社員が増えるにつれて企業のノウハウや技術が組織内に蓄積され、競争力も強化されるでしょう。

質の高い母集団形成を通じて優秀な人材を確保し続ければ、企業の持続的な成長基盤を築けます。

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新卒母集団形成の6ステップ|戦略から改善まで

新卒母集団形成の6ステップ|戦略から改善まで

新卒採用の母集団形成では、学生を集める施策から始めず、採用ターゲットを明確にしたうえで接点と訴求を設計します。ターゲット設定から採用データの分析までを6ステップに分けると、施策の目的や改善箇所を整理しやすくなります。

新卒採用の母集団形成は、以下の順番で進めます。

  1. 採用ターゲット(ペルソナ)を決める
  2. 学生と出会うチャネルを選ぶ
  3. 自社の魅力を伝える
  4. 応募者を集める
  5. 選考・内定フォローを設計する
  6. 採用データを分析して改善する

各ステップは独立しているわけではありません。前段で決めた採用ターゲットを軸に、利用するチャネルや発信内容、選考方法まで一貫させる視点が重要です。

1.採用ターゲット・採用ペルソナを決める

新卒採用の母集団形成は「誰を採用したいか」を明確にする段階から始まります。採用目的や人数が曖昧なまま学生を集めても、自社が求める人材との接点を増やしにくいためです。事業計画や配属先のニーズを確認し、採用目的、人数、人物像を順番に整理します。

何のために新卒採用を行うか

最初に、新卒採用を実施する目的を社内で明確にします。将来のリーダー候補を育成したい場合と、特定部門の組織強化を進めたい場合では、求める人物像が異なります。経営層、人事、配属予定部門で採用目的を共有し、評価基準や訴求内容へ反映しましょう。目的が定まれば、学生へ伝えるメッセージにも一貫性が生まれます。

誰を・何人採用したいか

採用目的を整理した後は、求める学生像と目標人数を設定します。学歴や専攻だけで判断せず、価値観、志向、行動特性、将来像まで整理しましょう。理想条件を増やしすぎると対象者が狭まり、必要な母集団を確保しにくくなります。現在活躍している社員へのヒアリングも交え、現実的な採用ペルソナへ落とし込む視点が必要です。

採用ペルソナでは、以下の項目を整理します。

  • 学部・専攻や学習領域
  • 興味を持つ業界や仕事内容
  • 就職先を選ぶ際の価値観
  • 将来希望するキャリア
  • 自社で生かせる強みや行動特性
  • 自社へ魅力を感じるポイント
  • 入社後に期待する役割

目標人数も同時に決めましょう。必要な応募者数は、書類選考や面接、内定承諾などの歩留まりを踏まえて採用人数から逆算します。

2.学生と出会うチャネルを選ぶ

採用チャネルは「多く利用する」より、採用ターゲットへ届く組み合わせを選ぶ視点が重要です。就職サイト、スカウト、イベント、SNSでは接触できる学生や必要な工数が異なります。学生の動き、採用予算、運用体制を踏まえ、接点を設計しましょう。

どこで・いつ学生に出会うか

採用チャネルを選ぶ際は、ターゲットとなる学生が「どこで企業を探し、いつ就職活動を進めるか」を確認します。利用媒体や活動時期は学生層によって異なるため、自社の内定者や若手社員へのヒアリングも有効です。年度ごとの学生動向も確認し、接点を作る時期と採用スケジュールを組み立てます。

主要10チャネルの特徴と選び方

新卒採用の母集団形成には複数のチャネルがあります。広く認知を獲得する手法と、特定の学生へ接触する手法では役割が異なります。採用ターゲットとの相性に加え、予算や社内工数も比較したうえで選びましょう。

主要な10チャネルの特徴は、以下のとおりです。

チャネル向いている採用課題・企業コスト感母集団形成の特徴
就職サイト幅広い学生へ認知を広げたい中〜高量を確保しやすい
新卒エージェント採用要件に近い学生を紹介してほしい高質を重視しやすい
合同企業説明会・イベント学生と直接話したい中〜高量と認知を確保しやすい
インターンシップ企業理解や志望度を高めたい中〜高質を高めやすい
ダイレクトリクルーティング狙った学生へ直接アプローチしたい中質を重視しやすい
ソーシャルリクルーティング認知を継続的に広げたい低〜中潜在層との接点を作りやすい
マッチングイベント少人数の学生と深く接点を持ちたい中質を重視しやすい
オウンドメディア仕事内容や社風を詳しく伝えたい中志望度を育てやすい
学内セミナー特定大学・学部へ接触したい低〜中ターゲットを絞りやすい
リファラル採用社員の人脈から学生へ接触したい低信頼を起点に接点を作れる

チャネルの優劣だけで選ばず、「採用したい学生へ届くか」を判断軸に置きます。採用人数や知名度、予算、人事の運用リソースまで含めて比較すると、無理のない母集団形成につながります。

複数チャネルをどう組み合わせるか

新卒採用では、役割の異なるチャネルを組み合わせる方法が有効です。認知獲得は就職サイトやSNS、理解促進はインターンシップやオウンドメディア、個別接触はダイレクトリクルーティングといった形で役割を分けます。一つのチャネルへ依存せず、採用ファネルに応じて接点を設計しましょう。

チャネルの組み合わせ例は、以下のとおりです。

  • 認知を広げる:就職サイト+SNS+合同企業説明会
  • 理解を深める:オウンドメディア+社員インタビュー+インターンシップ
  • ターゲットへ直接届ける:ダイレクトリクルーティング+新卒エージェント
  • 特定層へ届ける:学内セミナー+マッチングイベント

複数チャネルを導入した後は、応募数だけで評価しません。応募者の属性や選考通過率まで確認し、採用ターゲットとの相性を判断します。

3.自社の魅力を学生へ伝える

新卒採用では企業が「伝えたい情報」だけではなく、学生が「知りたい情報」から訴求内容を設計します。仕事内容や待遇に加えて、働く人、社風、成長環境、キャリアまで具体的に示しましょう。ターゲットの関心と自社の魅力が重なる部分を見つけ、発信へ反映します。

学生は何の情報を知りたいか

学生は社会人経験が少ないため、求人票に掲載された条件だけでは入社後の働き方を想像しにくい場合があります。仕事内容、職場の雰囲気、成長機会、社員の働き方などを具体的に整理しましょう。自社の若手社員や内定者へ入社の決め手を聞くと、企業側だけでは気づきにくい魅力も見つけやすくなります。

学生へ伝えたい主な情報は、以下のとおりです。

  • 入社後に担当する仕事内容
  • 若手社員の働き方
  • 社内の雰囲気や人間関係
  • 研修・育成制度
  • キャリアパス
  • 評価制度
  • 会社や事業の将来性
  • 働き方や福利厚生

情報量を増やすだけでは十分ではありません。採用ペルソナが重視する項目を優先し、自社ならではの具体例を添えると理解を深めやすくなります。

自社の魅力をどのように伝えるか

伝える内容を決めたら、チャネルごとに表現を調整します。就職サイトでは要点を短く整理し、採用サイトでは社員や仕事を詳しく紹介しましょう。SNSでは日常的な社内の様子を発信するなど、媒体ごとの役割を明確にします。見栄えから作り始めず、採用ターゲットと訴求内容を固めた後に文章や写真、動画へ落とし込む流れが重要です。

4.応募者を集めて母集団を形成する

応募数が伸びない場合は「露出」「ターゲット」「訴求」のどこに課題があるかを切り分けます。チャネルだけを増やしても、採用ペルソナやメッセージにずれがあれば応募につながりません。応募数と応募者の質を確認しながら、母集団形成のボトルネックを探しましょう。

応募者数が集まらない原因と対策

応募が少ない場合は、求人への接触数、求人を見た後の応募率、応募者の属性を順番に確認します。閲覧数が少なければ露出不足、閲覧されても応募されなければ訴求内容に課題がある可能性があります。採用要件を細かく設定しすぎた場合も対象学生が減ります。数値から原因を切り分け、チャネルや採用条件、発信内容を見直しましょう。

課題別の主な見直し先は、以下のとおりです。

状況確認したいポイント主な改善策
求人を見てもらえない表示数・接触数チャネル追加、SNS、イベント活用
見られても応募されない応募率訴求内容、求人情報、採用サイト改善
求める学生が集まらない書類通過率ペルソナ、媒体、スカウト対象の見直し
対象学生が少なすぎる採用要件必須条件と歓迎条件の整理

応募者数だけを増やす施策では、選考工数が増える場合があります。採用要件に合う学生がどの程度含まれているかまで確認し、母集団の量と質を同時に管理します。

中小企業が大手企業に埋もれないための戦略

知名度が高くない企業では、大手企業と同じ訴求だけで競争せず、自社固有の魅力を明確にします。若手が担える仕事、経営層との距離、成長環境、意思決定の速さなど、実際の職場環境から強みを探しましょう。対象学生を広げすぎず、相性の良い大学や専攻、志向へ接点を集中させる方法も有効です。学生から見た「入社する理由」を具体化します。

5.選考・内定フォローまで一貫して設計する

新卒採用の母集団形成は応募を獲得した時点で終わりではありません。選考連絡が遅れたり、応募前後で説明内容に差が生じたりすれば、集めた学生が離脱します。応募から内定、入社まで同じ採用方針で設計し、学生とのコミュニケーションを途切れさせない運用が重要です。

応募者対応と選考プロセスを整える

応募後は、選考日程や次のステップを早めに案内します。面接では学生を評価するだけではなく、仕事内容や職場への理解を深めてもらう時間も確保しましょう。採用担当者と面接官で求める人物像を共有し、評価基準や伝える情報をそろえます。母集団形成で高めた興味を選考段階でも維持できる体制を整えます。

内定辞退を防ぐフォローを続ける

内定後は、学生が抱える不安を把握し、入社まで継続的にフォローします。社員との座談会、職場見学、個別面談などを活用し、仕事内容や人間関係への理解を深めましょう。内定者全員へ同じ情報だけを届けず、一人ひとりが迷っている要因を把握する姿勢が重要です。選考時に伝えた魅力と入社後の環境にも差が生じないよう注意します。

6.採用データを分析して改善する

新卒採用の母集団形成は毎年同じ施策を繰り返さず、採用データから改善点を見つける運用が重要です。チャネル別の応募数だけではなく、選考通過率や内定承諾率まで追いましょう。成果の高い接点と離脱が多い工程を把握し、次年度の採用計画へ反映します。

採用データを分析して継続的に改善する

採用活動が進んだら、チャネルごとの成果を同じ指標で比較します。応募数が多くても通過率が低い媒体は、採用ターゲットとの相性が良くない可能性があります。反対に応募数が少なくても内定承諾まで進む割合が高ければ、質の高い母集団形成に寄与していると判断できます。年度終了後だけではなく、採用期間中も定期的に確認し、予算や工数の配分を調整しましょう。

母集団形成で確認したい主なKPIは、以下のとおりです。

  • チャネル別の接触数・応募数
  • 応募率
  • 書類選考通過率
  • 面接通過率
  • 選考辞退率
  • 内定率
  • 内定承諾率
  • 採用単価

分析では「何人集まったか」だけで評価せず、「求める学生を何人採用できたか」まで追います。ステップ1で設定した採用ターゲットへ戻って検証すると、翌年度のチャネル選定や訴求内容を改善しやすくなります。

新卒母集団形成の成功事例5選

新卒母集団形成の成功事例

母集団形成を成功させている企業には、独自性のある施策を展開している共通点があります。ここでは、ユニークな採用手法で大規模な母集団を構築した企業や、高い内定承諾率を実現した企業の事例を紹介します。

事例1:サバイバルインターンで1万人集客(株式会社アローリンク)

株式会社アローリンクは、採用コンサルティングやDX推進支援を提供する兵庫県の企業です。同社が実施する「サバイバルインターン」は、毎年多くの学生が参加を希望する人気コンテンツとなっています。

インターンシップの内容は、オンライン形式のグループディスカッションです。飛行機が南の島に不時着し、食料も電波もない状況から脱出する方法をグループで考案します。採用コンサルティング企業ならではの斬新な設計が、学生の興味を強く引きつけました。

結果として累計1万人以上の学生が参加し、圧倒的な規模の母集団形成に成功しています。エンターテインメント性と実践的な課題解決を組み合わせた設計が、学生の心を掴む要因となりました。企業の事業内容を体感できるインターンシップは、認知度向上と志望度醸成の両面で高い効果を発揮します。

事例2:エゴサーチ採用で820名形成(面白法人カヤック)

面白法人カヤックは、SNSマーケティングやゲーム開発、eスポーツ事業など多彩な領域で活躍する企業です。同社の「エゴサーチ採用」は、履歴書の代わりにGoogle検索結果を活用する斬新な手法として注目を集めました。

応募者は自分の名前や作品名など、検索で上位に表示されるワードを提出します。検索結果がそのままエントリーシートとなるため、普段からWeb上で情報発信している学生にとって応募しやすい仕組みです。

採用手法の主な特徴は、以下のとおりです。

  • 対象者:日常的にWeb上で活動や作品を発信している人材
  • 応募方法:自己PRとなる検索ワードを1つ提出
  • 選考基準:検索結果に表示される活動実績や発信内容

エゴサーチ採用により820名以上の母集団を形成し、7名の内定・入社につながりました。企業の「面白い」という理念を体現した採用手法が、多様な人材との出会いを生み出しています。

事例3:キャンプ面接で内定承諾率100%(株式会社NOVEL)

株式会社NOVELは、学生とキャンプをしながら選考を進める「キャンプ面接」を実施し、参加者全員が内定承諾する驚異的な成果を収めました。自然の中でリラックスした雰囲気を作り出し、企業と学生が本音で語り合える環境を整えています。

キャンプ面接では、食事の準備や火起こしなど共同作業を通じて、学生の人柄や協調性を自然な形で見極められます。通常の面接室では見えにくい素の姿や対応力を把握できるため、採用ミスマッチを防げるでしょう。

参加した学生は企業文化や社員の人柄を深く理解できるため、入社後のギャップが生じにくくなります。体験型の選考プロセスは学生の記憶に強く残り、志望度を大幅に高めるうえで効果的です。内定承諾率100%という結果は、企業と学生の相互理解を深める取り組みの重要性を示しています。

事例4:顔採用でエントリー2倍増(株式会社伊勢半)

化粧品メーカーの株式会社伊勢半は、「顔採用」という名称で話題を集め、前年比2倍のエントリー数を獲得しました。一見すると容姿で選考するように思われますが、実際には「表情の豊かさ」や「笑顔の魅力」を重視する採用手法です。

化粧品業界では、顧客とのコミュニケーション能力や表現力が重要視されます。豊かな表情を持つ人材は、ブランドの魅力を効果的に伝えられるため、業界特性に合った採用基準となっています。

インパクトのある採用手法の名称は、SNSやメディアで大きく取り上げられ、企業の認知度向上に貢献しました。賛否両論を呼ぶ手法ではありますが、業界特性と結びつけた明確な採用方針を示せば、共感する学生からの応募増加につながります。採用手法自体がブランディングとなり、母集団形成を加速させた好例です。

事例5:留年採用で多様な人材確保(株式会社東急エージェンシー)

広告代理店の株式会社東急エージェンシーは、「留年採用」を導入し、多様なバックグラウンドを持つ人材の母集団形成に成功しました。留年経験を持つ学生を積極的に受け入れる姿勢を明示し、従来の新卒一括採用では出会えなかった人材層へアプローチしています。

留年した学生の中には、学業以外の活動に打ち込んだ経験や、困難を乗り越えた強さを持つ人材が存在します。画一的な評価基準ではなく、個々の経験や能力を多面的に評価する採用方針が、ユニークな人材との出会いを生み出しました。

採用基準を柔軟に設定すれば、競合他社が見過ごしている優秀な人材を獲得できます。多様性のある組織づくりを目指す企業にとって、従来の枠にとらわれない採用手法は、新たな母集団開拓の可能性を広げる有効な戦略となります。

まとめ

まとめ

母集団形成は、優秀な人材確保において欠かせない活動です。効果的に母集団を形成・拡大するためには、綿密な計画、多様なアプローチ、そして長期的な視点が求められます。

本記事でご紹介した方法を参考に、自社の状況に合わせてカスタマイズすることで、質の高い母集団を持続的に形成・拡大していくことが可能になるでしょう。

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この記事の監修者:今 啓亮(創業者)
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まるごと人事として650社以上の企業の採用支援

2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
> 出演した番組はこちら

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