採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2026.09.28 公開日:2026.09.25
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

歯科医院の専門職・事務職のRPO・採用代行とは|採用難の理由や成功策、手法比較を解説

歯科医院の専門職・事務職のRPO・採用代行とは|採用難の理由や成功策、手法比較を解説

歯科医院の採用は、他業種と比べても難易度が高い領域として知られています。背景には、就業歯科衛生士の9割以上が診療所に集中する構造的な人材偏在、専任の人事担当者を置けない医院運営の実情、診療業務と両立しながら採用実務を回さざるを得ない現場の多忙さなど、複数の要因が重なっているためです。

求人媒体に掲載しても応募が集まらない、スカウトを送っても返信が来ない、選考の途中で辞退されてしまうといった悩みは、業界全体で共通する構造的な問題だと言えます。院長が診療の合間や夜間に採用対応を続ける運用では、候補者との接点の質を安定して保つのも容易ではありません。

本記事では、歯科医院の採用が難しいとされる理由をデータとともに掘り下げたうえで、明日から現場で実践できる4つの解決策、4つの採用手法の比較、採用代行・RPOの活用方法と選び方までを体系的に解説します。自院の採用課題を客観的に捉え直し、具体的な打ち手を見つけるための参考としてぜひご活用ください。

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目次

歯科医院の採用が難しいと言われる理由

歯科医院の採用が難しいと言われる理由

歯科医院の採用がうまくいかない背景には、業界特有の構造と現場のリソース不足が複雑に絡み合っています。求人票を出しても応募が集まらない状況は、決して医院側の努力不足だけが原因ではなく、歯科業界全体が抱える構造的な問題として捉える必要があります。

まずは、なぜ歯科医院の採用が難航しやすいのか、5つの観点から掘り下げていきます。

データで見る「歯科人材の奪い合い」構造

歯科医院の採用難は、有資格者の絶対数と就業先の偏りに起因する構造的な問題です。厚生労働省が公表している統計を確認すると、歯科衛生士をはじめとする専門職の多くが診療所という限られた場に集中している実態が浮かび上がります。

日本歯科衛生士会が公表するデータによると、令和6年末時点で就業している歯科衛生士は約14万9,579人にのぼり、そのうち90.6%が診療所に勤務しているとされています。全国の歯科診療所は約6万7,000施設あるため、1医院あたりの平均在籍数は2〜3名程度にとどまる計算です。

加えて、厚生労働省の職業情報提供サイトでは歯科衛生士の有効求人倍率が20倍を超える水準で推移していると示されており、求職者1名に対して20件以上の求人が競合している状況が続いています。全国どのエリアであっても、限られた有資格者を多数の医院が取り合う構図から逃れられません。

出典:日本歯科衛生士会|歯科衛生士とは 就業歯科衛生士数

歯科衛生士の多くが診療所に集中している

歯科衛生士の就業先は診療所への一極集中が進んでおり、勤務先の選択肢自体は多いように見えて実際の分散度は低いのが実情です。病院や介護施設、企業などへの流出も少しずつ増えているため、診療所間の獲得競争はさらに激しさを増しています。

診療所勤務が9割を超える状況では、有資格者の一人ひとりが複数の医院から声をかけられる状態と考えて差し支えありません。同じエリア内で求人条件が似通っていると、給与や休日といった目に見える条件だけで比較されやすくなります。

結果として、条件面で優位に立てない中小規模の医院ほど応募獲得に苦戦する傾向が強まります。周辺医院との差別化ポイントを明確化しないまま採用活動を続けても、母集団形成の段階で足踏みしてしまう構図です。

院長が採用担当を兼任しやすい

歯科医院の多くは専任の人事担当者を置いていないため、院長自身が採用実務を抱え込むケースが大半を占めます。診療と経営、スタッフマネジメントに加えて採用まで担うとなると、物理的にも心理的にも余裕がなくなるのは避けられません。

医院運営の実情として、受付スタッフが連絡窓口を兼ねている例はあるものの、意思決定や求人内容の設計は院長判断に集約されがちです。求人媒体の選定、原稿の文言、応募者との連絡、面接日程の調整といった一連の業務が個人の裁量に依存すると、繁忙期には対応が後手に回りやすくなります。

診療の合間を縫って採用に向き合う運用では、候補者との接点の質を安定して保つのが難しく、成果にばらつきが生じる要因にもなっています。

診療後や夜間対応で候補者対応が遅れやすい

診療時間中は電話やメールの確認が難しく、応募者への返信が夜の20時〜21時頃にずれ込む傾向があります。求職者側は日中に情報収集や応募活動を進めていることが多く、返信のタイムラグが応募意欲の低下を招きやすい環境です。

歯科医院の休憩時間は3時間前後確保されている場合もあるものの、実務では治療計画の準備やカルテ整理に充てられ、採用対応まで手が回らないのが一般的です。応募から初回連絡までのスピードが遅れると、他院の選考が先に進んでしまい、面接前に辞退されるリスクが高まります。

求職者は複数の医院に同時に応募していることが多いため、レスポンスの速さは応募維持率に直結する要素だと考えて差し支えありません。

求人票の見せ方に採用ノウハウが必要になる

給与や勤務時間といった条件を並べただけの求人票では、周辺医院との違いが求職者に伝わりにくく、閲覧数や応募数が伸び悩みます。歯科医院の採用市場では、条件の羅列以上に「働く意味」や「得られる経験」をどう見せるかがクリック率と応募率を左右します。

同じ強みを持っていても、掲載する順序や表現のトーンを変えるだけで反応が大きく変わるのが求人票の特徴です。冒頭に他院にはない特徴を配置し、価値訴求から条件訴求へと流れをつくると、候補者が「ここで働く意味」を感じ取りやすくなります。

加えて、テキストだけで魅力を伝えるには限界があるため、写真や動画、採用ピッチ資料、スタッフインタビューといった補足コンテンツで医院のリアルな雰囲気を可視化する工夫も欠かせません。ミスマッチ防止とブランディング強化を両立させるには、求人票を採用活動全体の入口として設計し直す視点が求められます。

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現場の負担増とノウハウ不足の悪循環が起きやすい

診療で手一杯の院長が採用まで担う体制では、採用経験を蓄積する時間そのものが確保できず、試行錯誤の機会が失われていきます。採用ノウハウが更新されないまま採用活動が続くと、応募が集まらない状態が長期化し、現場の疲弊がさらに深まる悪循環に陥ります。

夜間など、診療時間外でしか応募者対応の時間が取れない状況では、求人票の改善やスカウトの文面調整に手をつける余力が残りません。加えて、歯科業界の求人トレンドや競合医院の動向を継続的にキャッチアップする作業は、片手間で進められるほど軽い業務ではないのが実情です。

人手不足がスタッフの離職を招き、離職がさらなる採用負担を生み出す悪循環は、多くの医院で共通して見られる傾向でもあります。外部の専門知見を借りながら仕組み化を進めない限り、負のスパイラルから抜け出すのは容易ではありません。

【4ステップ】歯科採用の解決策

【4ステップ】歯科採用の解決策

歯科医院の採用難は業界共通の課題であるものの、打ち手を体系化すれば現場レベルで改善できる余地が十分に残されています。競合分析から選考スピードまで、母集団形成の入口から意思決定の出口までを一貫して見直すと、応募数と採用決定率の両方に変化が生まれやすいでしょう。

ここからは、明日から着手できる4つの解決ステップを順を追って紹介します。

1.競合比較で「自院の魅力」を再定義する

歯科採用を好転させる起点は、周辺医院との比較を通じて自院の立ち位置を客観視する作業です。給与・専門性・働きやすさといった軸で近隣の競合を分析すると、自院がどの層に響く医院なのかが立体的に見えてきます。

たとえば競合が「給与重視」「特定分野への特化」「働きやすさ重視」の3タイプに分かれるエリアでは、難症例インプラントの実績や自費率の高さ、17時30分終業といった要素を掛け合わせ、バランス型として差別化できる余地が生まれます。

加えて、採用ピッチ資料やスタッフインタビュー記事で医院のリアルな雰囲気を可視化すれば、ミスマッチ防止とブランディング強化を同時に進められるでしょう。

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2.候補者に魅力的な求人の見せ方にする

競合比較で自院の強みを言語化できたら、次は求職者の心を動かす求人票へ落とし込む工程へ移ります。同じ情報でも掲載する順序や表現の切り口を変えると、閲覧数と応募率が大きく変わる傾向が見られます。

具体的には、ステップ1で浮かび上がった自院の強みを求人票の冒頭に配置する構成が有効です。若手が早く経験を積める育成環境や17時30分終業といった要素を最初の数行に凝縮すると、スクロールを止めてもらえる確率が高まります。求人票の構成順序は、以下の流れが候補者の納得感を得やすいと考えられます。

  • 冒頭:ここでしか得られない価値
  • 中盤:学べる環境や成長機会、年収・評価制度
  • 終盤:キャリアパスの展望、働きやすさ

価値訴求から条件訴求へと流れを設計すると、働く意味を感じてもらえる求人票に仕上がります。

3.ターゲットを再設定してスカウト対象者を拡げる

正社員採用にこだわり続けている医院ほど、母集団形成の段階で行き詰まりやすい状況が生まれます。求職者側のニーズを媒体データから読み解き、スカウト対象を柔軟に広げると、応募獲得の効率が上がるケースが少なくありません。

歯科医師のように母集団自体が限られる職種でも、同様の考え方が応用できます。弊社が実際に行った支援では、「パート希望の経験者」に絞ってスカウトを送ることで、スカウトリストを拡充した事例があります。
競合比較レポートを踏まえてスカウト文面を複数パターン用意し、返信後は質問回収から見学導線までを迅速に提示する設計が返信獲得につながるでしょう。

ただし多忙な職種の場合は追いすぎると逆効果になりやすいため、1回のリマインド後は待つ判断も含めて追い方を職種特性に合わせて変える発想が求められます。

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4.候補者の熱を逃がさない選考スピードを整える

応募者の熱量は時間の経過とともに冷めていくため、選考プロセスのスピードと柔軟性が採用決定率を左右します。歯科医院の平均採用期間は数か月に及ぶ場合もありますが、工夫次第で大幅な短縮が可能です。

内定承諾率を高める具体的な工夫として、以下のような取り組みが有効だと考えられます。

  • 職場見学と面接をワンデイで完結させて候補者の負担を最小化する
  • 診療時間中に選考を実施のうえリアルな職場の雰囲気を体感してもらう
  • 現職勤務中の候補者には土日や診療時間外での日程調整にも柔軟に対応する
  • 交通費など細部の懸念にも寄り添う姿勢を示す
  • 選考当日に合うと判断できた場合はその場で内定を伝える

意欲が最も高まるタイミングで内定を提示できれば、他院への流出リスクを抑えながら承諾へつなげやすくなります。

歯科医院に最適な4つの採用手法

歯科医院に最適な4つの採用手法

歯科医院が活用できる採用手法は複数存在し、それぞれ費用構造や成果が出るまでの期間、向いている医院像が異なります。目的や採用の緊急度に応じて手法を組み合わせれば、限られた予算とリソースの中でも成果を最大化しやすくなります。

歯科医院で主に活用される4つの採用手法の特徴は、以下のとおりです。

採用手法費用感の目安メリットデメリット
求人媒体掲載料または応募課金(数万円〜数十万円)
  • 幅広い求職者に露出できる
  • 自院で条件をコントロールしやすい
  • 応募獲得まで自院対応が必要
  • 原稿の質で成果に差が出る
人材紹介成功報酬(想定年収の20〜30%程度)
  • 即戦力の紹介を受けやすい
  • 採用工数を抑えられる
  • 1名あたりの単価が高い
  • 地方や条件次第では紹介が来にくい
SNS採用月額5〜30万円程度(運用代行含む)
  • 医院の雰囲気を可視化できる
  • 潜在層に接点を持てる
  • 成果まで中長期を要する
  • 継続運用の負担が大きい
採用代行(RPO)月額5〜25万円+成果報酬など
  • 業務負担を軽減できる
  • プロのノウハウを活用できる
  • 費用対効果の見極めが必要
  • ノウハウが院内に残りにくい場合がある

求人媒体

求人媒体は、ジョブメドレーやグッピーといった歯科・医療領域に強いプラットフォームへ求人情報を掲載し、応募を待つ手法です。歯科業界では応募課金型と成功報酬型の媒体が主流で、幅広い求職者に露出できる汎用性の高さが特徴となっています。

一方で、応募が集まるかどうかは求人原稿の完成度と条件設定に大きく左右されます。掲載しただけで自然に応募が集まる時代ではなくなっており、スカウト機能を活用したり、原稿を定期的に見直したりする運用力が成果を分ける要素です。

人材紹介

人材紹介は、エージェントが登録済みの求職者の中から自院の条件に合う人材を紹介する仕組みです。応募対応や書類選考の工数を大幅に削減でき、欠員補充など即戦力を短期間で確保したい局面に向いています。

料金は成功報酬型が主流で、採用者の想定年収の20〜30%が相場です。歯科衛生士や歯科医師の年収水準を踏まえると、1名の採用で70万〜150万円程度の紹介料が発生する計算になります。費用は高めですが、採用が決まらなければ支払いが発生しないため、リスクを抑えたい医院にとっておすすめの選択肢です。

SNS採用

SNS採用は、InstagramやTikTok、YouTubeなどを活用して医院の雰囲気や働くスタッフの人柄を発信し、応募につなげる手法です。求人票では伝えきれない院内の空気感や一日の流れを可視化できるため、求職者の応募前の不安を解消しやすい強みがあります。

ただし、成果が出るまでには数か月単位の時間を要するのが一般的です。企画・撮影・編集・分析を継続的に回す体制が求められるため、自院運用が難しい場合はSNS採用代行に委託する医院も増えています。

採用代行(RPO)

採用代行・RPO(Recruitment Process Outsourcing)は、採用活動の一部または全体を外部の専門家へ委託する手法です。求人票の作成から応募者対応、スカウト運用、面接日程調整まで幅広く任せられるため、院長が採用実務に費やす時間を大幅に圧縮できます。

料金体系は月額固定型と成果報酬型に大別され、月額10万〜20万円程度で複数職種の採用支援を受けられるサービスも存在します。人材紹介と比べて1名あたりの採用単価を抑えやすく、継続的に採用活動を仕組み化したい医院に適した選択肢です。

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歯科医院の専門職・事務職採用で「採用代行・RPO」に委託できる業務

歯科医院の専門職・事務職採用で「採用代行・RPO」に委託できる業務

採用代行・RPOへ委託できる業務は、募集前の準備段階から入職後のフォローまで幅広く及びます。歯科医院向けのサービスでは、歯科医師・歯科衛生士・歯科助手といった専門職に加え、受付や医療事務など事務職の採用支援にも対応しているのが一般的です。

歯科医院が採用代行・RPOへ委託できる主な業務は、以下のとおりです。

業務カテゴリ具体的な委託内容
募集前の設計採用戦略の立案、競合分析、求人条件の設計
求人票関連求人票の作成・改善、写真やバナーの制作
母集団形成スカウト送信、求人媒体の運用管理
応募者対応応募者への連絡、面接日程調整、選考結果の通知
採用広報採用ピッチ資料の作成、インタビュー記事の制作
内定・入職後内定通知の作成、条件交渉、入職前後のフォロー
分析・改善採用データのレポート提出、改善提案

歯科医院が採用代行・RPOを利用するメリット

歯科医院が採用代行・RPOを利用するメリット

採用代行・RPOを活用すると、院長やスタッフが抱え込んでいた採用実務の負担を専門家へ委ねられ、限られたリソースを診療や経営へ振り向けられるようになります。加えて、業界特有のノウハウやスピード対応を取り込めるため、自院運用では届かなかった成果を狙いやすくなる点も見逃せません。

歯科医院が採用代行・RPOを利用する主なメリットを、4つの観点から紹介します。

コア業務に集中できる

採用実務を外部へ委託すれば、院長が診療や経営判断に充てられる時間が確保しやすくなります。求人票の更新やスカウト送信、応募者との日程調整といった業務は工数がかさむため、専門家に任せる効果は想像以上に大きいものです。

診療時間外に採用対応を続ける負担が軽減されると、スタッフマネジメントや治療の質向上にも意識を向けやすくなります。医院経営全体の生産性が底上げされる副次的な効果も期待できるでしょう。

歯科採用に必要なノウハウを活用できる

歯科業界に精通した採用代行・RPOへ委託すれば、業界特有の採用トレンドや求職者心理を踏まえた支援を受けられます。歯科医師・歯科衛生士・歯科助手など職種ごとに異なる採用の勘所を理解している担当者が、求人内容の設計から選考プロセスまで伴走してくれる点は心強い要素です。

競合医院の動向や媒体ごとの特性を熟知したプロの視点が加わると、自院だけでは気づけなかった改善余地が浮かび上がります。試行錯誤に費やす時間と費用の無駄も抑えられるため、結果として費用対効果が高まりやすくなります。

候補者対応のスピードを上げやすい

応募者への初回連絡や面接日程調整を代行してもらえると、レスポンスの遅れによる辞退リスクを大幅に減らせます。診療の合間や夜間対応に頼っていた運用と比べ、日中帯にリアルタイムで対応できる体制の差は歴然です。

求職者は複数の医院へ同時に応募している場合が多く、返信の速さが応募維持率に直結します。専任担当者が窓口を担うと、質問への回答や見学案内までスムーズに進み、選考プロセス全体のリードタイム短縮につながります。

求人票やスカウト文面の質を改善しやすい

採用のプロが原稿を設計すると、閲覧数や返信率といった数値指標に変化が生まれやすくなります。競合比較や媒体データをもとに文面を練り上げるノウハウは、片手間の運用では蓄積が難しい領域です。

加えて、A/Bテストや反応分析を通じて継続的にブラッシュアップされる仕組みが整うため、時間の経過とともに求人票の完成度が高まっていきます。求職者から「読まれる求人」へと進化する過程を専門家と共有できる点も、外部委託ならではの価値だと言えます。

歯科医院が採用代行・RPOを利用するデメリット

歯科医院が採用代行・RPOを利用するデメリット

採用代行・RPOには数多くのメリットがある一方で、依頼する前に押さえておきたい注意点も存在します。委託範囲や運用体制を検討しないまま導入すると、期待した成果が得られず費用だけがかさむ事態にもなりかねません。

歯科医院が採用代行・RPOを利用する際に留意したいデメリットを、2つの観点から紹介します。

ノウハウが院内に残りにくい場合がある

採用業務をすべて外部へ委ねる形態を選ぶと、院内に採用の知見が蓄積されにくくなる傾向が見られます。求人票の作り方や候補者対応の勘所は、実務を通じて磨かれる領域だからです。

将来的に自走型の採用体制を構築したい場合は、業務の丸投げではなく伴走型のサポートを選ぶ発想が求められます。定例ミーティングで意思決定の背景を共有してもらったり、レポートを通じて改善プロセスを可視化してもらったりする運用にすると、院内へノウハウを移植しながら支援を受けられるでしょう。

外注費用が発生するため費用対効果の確認が必要になる

採用代行・RPOには月額固定費や成果報酬が発生するため、費用対効果を継続的にモニタリングする姿勢が欠かせません。契約前の見積もり段階だけでなく、運用開始後も採用単価やリードタイムの推移を追う仕組みが必要です。

料金体系は月額型・成果報酬型・両者の組み合わせなど多様に存在するため、自院の採用目標と予算に合うプランを見極める作業が重要になります。人材紹介と比較した1名あたりの採用コスト、自院運用と比較した工数削減効果など、複数の指標を組み合わせて総合的に判断すると納得感のある意思決定につながります。

歯科医院向けRPOの選び方

歯科医院向けRPOの選び方

歯科医院向けの採用代行・RPOは、歯科業界に特化したサービスと業界を問わず幅広く対応する総合型のサービスに大別されます。自院の採用課題や採用したい職種、支援を受けたい範囲によって最適な依頼先が変わるため、複数の視点から比較検討する姿勢が欠かせません。

歯科特化型と総合型の主な違いは、以下のとおりです。

比較項目歯科特化型RPO総合型RPO
得意な職種歯科医師・歯科衛生士・歯科助手受付・事務も含めた幅広い職種
業界知見歯科業界の採用トレンドに精通他業界の最新ノウハウを応用可能
支援範囲求人媒体運用・スカウトが中心採用広報・SNS運用まで対応
向いている医院専門職を短期間で確保したい医院医院全体の採用力を底上げしたい医院

ここからは、歯科医院向けRPOの選び方について6つの視点から解説します。

歯科専門職を急募したいなら歯科特化型が向いている

歯科医師や歯科衛生士など専門職を短期間で確保したい場面では、歯科特化型のRPOが力を発揮します。業界特有の求人媒体や求職者心理を熟知しているため、母集団形成から選考までのスピードが上がりやすい特徴があります。

競合医院の動向や地域ごとの採用相場を踏まえたアドバイスを受けられる点も、専門特化型ならではの強みです。歯科業界に不慣れなサービスを選ぶと、業界特有の慣習に対応できず成果が伸び悩むリスクが残ります。

歯科衛生士・歯科助手の採用知見を重視する

歯科衛生士や歯科助手は診療所に集中して勤務している職種のため、限られた母集団の中でどう振り向いてもらうかが勝負の分かれ目です。過去の支援実績が豊富なRPOほど、有効なスカウト文面のパターンや応募動機の傾向を蓄積しています。

依頼先を検討する際は、歯科衛生士・歯科助手の採用実績が具体的な数字で示されているかを確認する姿勢が有効です。地域別・職種別の成功事例を提示してもらうと、自院の状況と重ね合わせた判断がしやすくなります。

受付・事務も含めて採用したいなら総合型も検討する

受付や医療事務、経理担当など、専門職以外の採用ニーズが並行して存在する医院では、総合型RPOの汎用性が有利に働きます。歯科業界の知見に加え、事務職の採用ノウハウも横断的に取り込める点が魅力です。

複数職種の採用を1社にまとめて委託できれば、契約管理や情報連携の手間も減らせます。医院の規模拡大や分院展開を見据えている場合、幅広い対応力を持つパートナーを選んでおくと将来の変化にも対応しやすくなります。

採用広報やSNS運用まで強化したいなら総合型が合いやすい

採用ピッチ資料の制作やSNS運用、採用サイトの改善など、採用広報の領域まで踏み込みたい場合は総合型RPOが選択肢に入ります。他業界で培われた最新の採用マーケティング手法を、歯科医院の採用活動へ応用できる強みがあるためです。

医院のブランディング強化と応募獲得を両立させたい医院にとって、幅広い専門性を持つ担当者から支援を受けられる価値は大きいと言えます。競合医院との差別化を長期視点で進めたい場合にも相性が良い選択肢です。

対応職種・支援範囲・料金体系を比較する

依頼先を絞り込む際は、対応職種と支援範囲、料金体系の3点を軸に比較する視点が欠かせません。月額固定型と成果報酬型、両者を組み合わせた複合型など、料金プランはサービスごとに大きく異なります。

対応可能な職種や委託できる業務範囲、追加費用の発生条件まで確認したうえで、複数社から見積もりを取得して比較する流れが安心です。契約期間の縛りや解約条件も忘れずに確認しておくと、運用開始後のミスマッチを防げます。

歯科医院の採用課題に合わせて依頼先を選ぶ

最終的な意思決定は、自院が抱える採用課題の本質と依頼先の強みが合致しているかで判断する姿勢が求められます。応募が集まらないのか、応募はあるが定着しないのか、特定職種だけが採れないのかで、選ぶべきパートナーは変わります。

依頼前には、担当者との面談で歯科業界への理解度やコミュニケーションの相性を確かめる工程も欠かせません。長期的な伴走を前提とするサービスだからこそ、数値実績と人的な信頼感の両面から見極める意識が採用成功のポイントです。

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まとめ

歯科医院の専門職・事務職のRPO・採用代行についてのまとめ

歯科医院の採用は、就業歯科衛生士の9割以上が診療所に集中する構造的な人材不足に加え、院長が採用担当を兼任せざるを得ない現場の実態が重なり、業界全体で採用の難易度が高まっています。求人票の見せ方や選考スピード、ターゲットの再設定といった打ち手を丁寧に積み重ねれば改善の余地は十分にあるものの、診療の合間で採用実務を回し続けるのは容易ではありません。

歯科医院の採用課題を院内だけで抱え込むのが難しい場合は、外部の専門家へ委託する選択肢も有効です。マルゴト株式会社が提供する「まるごと人事」では、求人票の改善や候補者対応にとどまらず、採用ピッチ資料やインタビュー記事の制作といった採用広報の知見も活かし、医院の魅力を引き出す伴走型の支援を行っています。

採用業務の負担を軽減し、患者様と向き合う時間を取り戻すためのパートナーとして、ぜひ一度ご相談ください。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

まるごと人事として650社以上の企業の採用支援
書籍『「本当にほしい人材」が集まる中途採用の定石』好評発売中

2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
> 出演した番組はこちら

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