お役立ち情報
スタートアップ・ベンチャーの「1人目人事」とは?採用タイミングや採用のポイントを紹介
企業が成長していくためには、社員を管理する人事の存在が不可欠です。しかし、社員数が少ないスタートアップやベンチャーなどでは、経営者やビジネスサイドの社員が人事業務を兼務しているというケースもあるでしょう。最初に人事のポジションに就く「1人目人事」は、どのタイミングで採用すれば良いのでしょうか。1人目人事に適した人材、採用する方法やポイントについて紹介していきます。
【2024年上半期】
ベンチャー企業の中途採用実態調査
ベンチャー企業の中途採用で、内定が出ている媒体や採用チームの体制、採用広報の実施状況など、リアルなデータを公開!
目次
1人目人事を採用するタイミング
1人目人事は、経営者とともに「企業の文化や仕組みをつくる」という役割を担う存在でもありますので、採用するタイミングは早いほど良いといえます。
あくまで目安ですが、社員数が30名近くになってきたら、そろそろ1人目人事の採用を考えても良い頃でしょう。
もちろん、もっと早いタイミングでも構いません。事業ドメインや、経営資源、経営陣のケイパビリティ、経営課題などによっても変わってきますので、まずはこれらを整理し、できるだけ早いタイミングで採用することをおすすめします。
また、人事の仕事には、採用に関する業務や毎月の給与計算、労務管理、人材育成などさまざまなものがありますが、最近は、オペレーション業務は業務委託や採用代行(RPO)に委託し、採用責任者になってくれる人を採用するというケースも増えているようです。
人事を含む事務系職種従事者は、2030年には167万人不足するという予測もあります。すぐに採用することが難しい場合は、人事の仕事の一部を外部のプロに任せるのも一つの方法です。
出所::パーソル総合研究所・中央大学「労働市場の未来推計 2030」
スタートアップ・ベンチャーの1人目人事に適した人材とは
スタートアップやベンチャーの人事には、大企業や中小企業の人事とは違った要件が求められます。
ここからは、スタートアップやベンチャーが1人目人事を採用する際に重視すべきポイントを紹介していきます。
企業の「顔」になれる人
スタートアップやベンチャーの1人目人事には、採用活動において経営者とともに企業の「顔」になることが求められます。
企業のミッション・ビジョンへの共感があるか、事業のことを理解しているか、企業に必要な人材を定義して経営陣とすり合わせることができるかという点が重要です。
経営者のなかには、企業の文化や価値観をうまく具現化できていない人もいます。
スタートアップやベンチャーには、そんな経営者の代わりに企業の文化や価値観を体現し、自社の魅力を正しく求職者に伝えられる人が必要といえるでしょう。
ポジションや権限にこだわらない人
成長過程にあるスタートアップやベンチャーは、組織体制や事業内容も頻繁に変化します。
採用後に担当してもらいたい業務が変わる、または人事以外の業務もサポートしてほしいといったこともあるかもしれません。
こういった変化を受け入れられる柔軟性があり、ポジションや権限よりも企業のミッションを重視してくれる人が、1人目人事には適しているといえるでしょう。
業務遂行力がある人
人事の仕事のなかには専門性が求められる業務もありますが、専門性の高い業務は、業務委託や採用代行(RPO)など外部のプロに任せるという方法もあります。
そのため1人目人事は、専門性よりも真面目に業務に取り組めるか、すぐに行動を起こせるか、周囲のメンバーを巻き込める力があるかなどが重要です。
この点を考えると、人事の専門性はそこまで高くなくても、それ以外(例:営業、マーケティングなど)のケイパビリティが高く、事業内容も深く理解できているCOO(最高執行責任者)のような人が、スタートアップやベンチャーの1人目人事には適しているといえます。
学習してアレンジできる人
以前は、ハローワークや求人広告といった求職者からの応募を「待つ」採用手法が主流でしたが、近年はダイレクトリクルーティングのように企業側から求職者にアプローチする「攻め」の手法や、SNSを使った手法も登場するなど、採用手法が多様化しています。
ビジネス環境や採用市場はめまぐるしく変化していますので、トレンドや新しい考え方を学び、それらを企業に合う形にアレンジして採用戦略に取り込める人が、1人目人事には理想的です。
大企業から転職してきた人のように成功体験を持っている人の場合は、いかに過去の成功体験をアンラーニング(学習棄却)できるかがポイントになります。
スタートアップやベンチャーは、大企業に比べると知名度も低く、リソースも限られたなかで採用活動を行うことになるため、過去の成功体験が通用するとは限らないからです。
1人目人事の見つけ方
1人目人事の見つけ方としてまずおすすめしたいのが、リファラル採用です。
リファラル採用とは、既存社員から自社が求める要件にマッチする友人や知人を紹介してもらい採用するという手法です。
1人目人事を探すなら、経営層の人脈はまず探ってみるべきといえるでしょう。
また、経営層の人間性やケイパビリティを理解してくれている投資家や、スタートアップやベンチャーに強いエージェントから紹介してもらうことや、社内のビジネスサイドから人事へ異動してもらうのも一つの方法です。
求人を出して募集する場合は、組織運営や人事の実績が豊富な人材は採用難度が高いです。
経験や実績よりも高いビジネススキルを持っているか、前項で紹介したような要素を満たしているかといった点を重視して人材要件を決めると、採用の確率を上げられるでしょう。
1人目人事を採用するためのポイント
1人目人事の採用を成功させるためには、人材要件を明確にすることはもちろん、魅力的な求人票を作成することも重要です。
1人目人事の求人票で、「幅広くお任せします」という表現をよく見かけますが、これは「1人目人事」というポジションの魅力であり、企業の魅力ではありません。
他社の求人と差別化するためにも、求人票を作成する際は次の2点を意識して、企業の魅力をしっかりとアピールすることが大切です。
1.「入社後に任せたい業務」を明確にする
「人事の仕事を全部任せられる人」を求めているのだとしても、「幅広く」「全部」と言われると不安に感じてしまう人もいるでしょう。
求人票には、どのような業務を任せたいのかをできるだけ具体的に示しましょう。そうすることで、求職者も入社後のイメージをしやすくなります。
まずは任せる可能性のある業務をすべて書き出し、優先順位をつけて「メインの業務」と「できれば任せたい業務」などに分けると、整理しやすくなるでしょう。
2.「入社後に期待すること」を伝える
具体的に任せたい業務だけでなく、入社後にどのように活躍してほしいか、どのような立ち位置で仕事をしてほしいかなど、企業として期待していることも記載しましょう。
たとえば、現在経営者が中心となり採用活動を行っているという場合は、
“現在経営者を中心に手探りで採用活動を行っておりますが、採用に強い人材が社内におらず、母集団形成に苦戦しております。
経営者の人事パートナーとして、採用活動に取り組んでいただける方を募集しています。”
というように、企業が抱えている課題を伝えるのもおすすめです。
「幅広くお任せします」ではなく、入社後に任せたい業務と期待することの二つを伝えることで、求職者が入社後に企業で活躍する自分の姿をイメージしやすくなるでしょう。
【2024年上半期】
ベンチャー企業の中途採用実態調査
ベンチャー企業の中途採用で、内定が出ている媒体や採用チームの体制、採用広報の実施状況など、リアルなデータを公開!
採用を拡大していくなら「採用代行(RPO)」の活用もおすすめ
1人目人事が入社すると、まず任せられることが多いのが採用に関する業務ではないでしょうか。
採用ポジションの決定、採用の方針・戦略の策定、施策の実行、プロセスの管理など、やることは山積みですが、リソースは限られています。
そのため「思うように採用活動を進められない」という場合もあるでしょう。また、効果的な採用活動を行うためには、ある程度専門的な知識やノウハウも必要になります。
1人目人事を採用した後、採用活動を拡大していくタイミングで、採用代行(RPO)の利用を検討してみてはいかがでしょうか。
「まるごと人事」なら、採用活動全体の設計から実行、振り返り・改善までトータルでサポートさせていただきます。
1人目人事はできるだけ早いタイミングで採用を
スタートアップやベンチャーの1人目人事は、経営者とともに企業の文化や仕組みをつくり上げていく重要な存在であるため、できるだけ早いタイミングで採用するのが理想的です。
オペレーション業務や専門性の高い業務は外部に委託するという方法もありますので、人事の分野における経験や実績よりも、経営者とシンクロできるか、柔軟性や業務遂行力、学習力があるかといった点を重視して人材を見極めることをおすすめします。
【2024年上半期】
ベンチャー企業の中途採用実態調査
ベンチャー企業の中途採用で、内定が出ている媒体や採用チームの体制、採用広報の実施状況など、リアルなデータを公開!
関連記事
関連記事
【2024年最新版】【中途採用・人事】担当者におすすめの本19選
- 採用企画
ベンチャー企業・スタートアップが抱える採用課題とは?失敗例や課題解決のポイントを解説
- 採用企画
ポテンシャル採用とは?メリットやデメリット、成功させるポイントを解説
- 採用企画
エンジニア採用が難しい理由とは?成功のポイントや採用方法を解説
- 採用企画
採用フロー作成のメリットと活用方法!新卒・中途採用の違いをフロー図で解説
- 採用企画
中途採用コストの相場とは?コストを抑えるための4つのポイント
- 採用企画