採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2026.08.12 公開日:2022.10.29
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

採用課題とは?15の課題チェックリストとフェーズ別の課題解決法を完全解説

採用課題とは?15の課題チェックリストとフェーズ別の課題解決法を完全解説

💡 この記事でわかること

  1. 自社の採用課題がわかる
  2. 採用課題に適した施策がわかる
  3. 他社の事例や実際に効果が出た施策からヒントが見つかる

採用課題は、主に「母集団」「ミスマッチ」「内定辞退」の3つを挙げる企業が多い傾向です。

採用課題を解決するには、いきなり施策を増やすのではなく、どの段階で候補者が離脱しているか確認が必要です。原因によって、採用担当者の打つべき施策は変わります。

本記事では、採用課題を15項目のチェックリストで整理し、採用ファネル別に原因と解決策をまとめます。

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目次

採用課題15のチェックリスト

まずは、以下のチェックリストで自社に当てはまる課題に✓をつけてみてください。チェックが多いフェーズが、自社の最大のボトルネックです。

フェーズ採用課題解決策
母集団形成【課題1】求人を出しても応募が集まらない
母集団形成【課題2】応募者の質(ターゲット合致度)が低い
母集団形成【課題3】自社に合った採用チャネルを選べていない
母集団形成【課題4】スカウト送信数が少ない(リソース不足)
母集団形成【課題5】スカウトの返信率が低い(1〜2%以下)
母集団形成【課題6】人材紹介会社からの推薦数が少ない
母集団形成【課題7】採用広報が整っておらず、会社の魅力が伝わらない
選考【課題8】選考の途中で辞退者が多い(候補者体験の問題)
選考【課題9】選考通過率が低く、合格者がなかなか出ない
選考【課題10】選考スピードが遅く、他社に取られる
選考【課題11】面接官によって評価基準がバラバラ
選考【課題12】内定を出しても承諾率が低い(内定辞退が多い)
定着【課題13】入社後すぐに離職してしまう(ミスマッチ)
定着【課題14】オンボーディングが機能せず、早期戦力化できない
共通【課題15】採用担当のリソース・ノウハウが不足している

チェック数が多かったり、そもそもリソースが割けない場合は、採用全体を構造的に見直すために、外部サポートも検討しましょう。

採用課題とは?

採用課題の定義を図解

採用課題とは、応募が集まらなかったり、選考辞退が多かったりなど、採用目標に対して採用活動がうまくいかないといった以下の状況が該当します。

  • 応募が集まらない
  • 選考途中の辞退者が多く、歩留まりが低下する
  • 内定を出しても辞退が相次ぐ
  • 新入社員がすぐに離職してしまう

ギャップを解消し、採用活動を成功させるには、選考の「どのフェーズ」に問題があり、「なぜ」うまくいかないのかという課題を把握し、適切に対策をおこなうことが重要です。

フェーズよくある課題主な解決策
①母集団形成
応募が集まらない・質が低い
  • 求職者に情報が届かない
  • ターゲット層から応募がない
  • スカウト返信率が低い
  • 採用ペルソナの明確化
  • 採用広報の強化(採用ピッチ資料・note・SNS・社員インタビュー)
  • ダイレクトリクルーティングの運用改善
②選考・内定
辞退が多い・見極めが難しい
  • 面接官で評価基準がバラバラ
  • 選考・内定辞退が多い
  • 他社に候補者が流れる
  • 評価基準の統一(評価シート導入)
  • 選考スピードの短縮
  • カジュアル面談で志望度を上げる
③定着
早期離職・戦力化の遅れ
  • 入社前後のギャップ
  • オンボーディングの失敗
  • 早期離職が多い
  • 選考段階からありのままを伝える
  • 入社後フォローアップの強化
  • オンボーディング研修の充実

転職市場は、労働人口の減少によって引き続き売り手市場が続いています。優秀な人材確保に向けた企業間の競争はますます熾烈になると言えるでしょう。

自社が求める人材の採用には、採用力の強化が求められていくでしょう。採用力を強化するためにも自社が抱えている採用課題の把握し、対策と改善を続けていくことが必要です。

特定の業界や職種では、人材不足が特に深刻なケースがあります。とくにエンジニアやIT人材へのニーズは高く、2030年には最大79万人のIT人材不足が予想されています。また、介護業界や建設業界では慢性的な人手不足が課題となっており、給与や労働環境の改善が必要です。業界特有の課題を理解し、適切な採用戦略を立てることが重要と言えます。

1. 労働人口の減少と採用競争の激化

少子高齢化で働く人の数が減る一方、企業の採用ニーズは減らないため「売り手市場」が続いています。 求職者が企業を選ぶ立場になったことで、求人を出して待つだけの受け身の採用では応募が集まりにくくなりました。
そのため、企業から候補者に直接アプローチするダイレクトリクルーティングや、 自社の魅力を発信する採用広報など、「攻め」の採用が重要です。

2. 働き方・価値観の多様化

仕事への向き合い方が大きく変化し、求職者は「働きやすさ」「成長機会」「企業文化」をより重視するようになっています。企業は、ペルソナを深掘りし、多様なニーズに応える柔軟な採用戦略が求められています。

3. 採用手法の多様化と複雑化

求人広告や人材紹介に加え、ダイレクトリクルーティング(スカウト)、リファラル採用、SNS採用、アルムナイ採用など、採用手法の選択肢が急速に広がっています。また、一つの採用手法ではなく複数を組み合わせないと採用は難しいでしょう。ペルソナに最適な手法を見極める能力が必要です。

採用課題はどう変化しているか2026年最新の傾向を解説

2026年の採用市場の傾向

マイナビの調査によると「母集団の不足」を課題に挙げる企業が約7割でした。実際に私たち「まるごと人事」がご支援している現場でも「応募数が急に減った」「スカウトが既読止まりで反応がない」「エージェントから紹介が来なくなった」といった声が増えてきています。 ここでは、2026年の採用課題のリアルを5つの視点で整理してご紹介します。

想定よりも応募が集まらない企業が増加中

2024年と比較して、同じチャネルを使っていても「応募数が半減した」という声が多くなっています。特に中堅〜スタートアップ企業で顕著です。 スカウト疲れやフリーランス志向の強まりなどもあり、ターゲット層が求人を見つけにくくなっているケースも。チャネルの見直しや、求人・スカウト文面の刷新による対応が必要です。

スカウトの既読率は高いが返信がこない

候補者が求人を見るだけで終わってしまう、いわゆる“既読スルー”が増えています。返信率が1〜2%と、過去と比べて下がっている業界もあります。 スカウトのABテストやカジュアル面談の設計など、温度感に合わせたコミュニケーション設計が鍵になります。

内定承諾率が下がっている/決定まで時間がかかる

最終面接後の保留や辞退が目立つようになっています。意思決定までに1〜2週間かかる候補者も多く、クロージングの手前で離脱する傾向が強まっています。 魅力訴求(カルチャー・働き方)や選考プロセス内での意向形成がこれまで以上に重要です。

採用広報の有無で“見られる会社・見られない会社”に二極化

求人票やスカウト文面だけでは、候補者に魅力が伝わらないケースが増加。特にスタートアップや中小企業では、「情報が見つからない=不安」と捉えられるリスクがあります。 noteやSNSでの発信、社員インタビュー記事の拡充など、見つけられる+共感される広報設計が求められています。

エージェント経由の紹介数が減っている企業が多数

「いつも紹介が来ていたのに、急にゼロになった」というケースが複数発生。企業の優先度が下がっている、要件が伝わっていないなどが原因です。 紹介依頼文のブラッシュアップ、定例ミーティングの実施、フィードバックの丁寧な共有など、エージェントとの連携体制を強化することで改善が見込めます。

2026年の採用市場は、単なるチャネル選定や母集団施策だけでは成果につながりにくくなっています。重要なのは、課題を構造的に捉え、社内外の関係者と目線を揃えて進めることです。 まるごと人事では、こうした現場のリアルな課題に対して、戦略設計から運用・改善まで一気通貫で支援しています。もし自社の採用に違和感がある場合は、お気軽にご相談ください。

採用課題を見つける前に「採用コスト」の可視化を

「採用にお金をかけているのに成果が出ない」と感じている場合、以下の3つの指標で採用活動の効率を数値化しましょう。

採用単価(一人あたりの採用コスト)

採用単価とは、一人を採用するためにかかった費用のことで、以下の計算式で確認できます。

採用単価 = 総採用コスト ÷ 採用人数

【総採用コストに含まれるもの】

  • 求人広告費
  • 人材紹介手数料(成功報酬)
  • スカウト媒体の利用料
  • 採用管理システム(ATS)費用
  • 採用イベント・説明会費用
  • 採用担当者の人件費(採用業務にかけた時間×時給)
  • 面接官の人件費

【具体例】

  • 求人広告費:90万円(大手求人サイト3ヶ月掲載)
  • 人材紹介手数料:187.5万円(1名採用、理論年収500万円×手数料率35%、実績ベース)
  • スカウト媒体:60万円(月20万円×3ヶ月)
  • 採用管理システム:9万円(月3万円×3ヶ月)
  • 採用担当者人件費:90万円(時給換算3,000円×300時間)
  • 合計:436.5万円

採用人数:5名
採用単価 = 436.5万円 ÷ 5名 = 87万円/人

採用単価を算出し「予算に対して適切な人数を採用できているか」「コスト効率が悪化していないか」を客観的に判断しましょう。

チャネル別の費用対効果

採用チャネルごとに以下の方法で採用単価を算出し、どのチャネルが最も効率的かを確認しましょう。

チャネル別採用単価 = そのチャネルにかけた費用 ÷ そのチャネルでの採用人数

具体例:

採用チャネル費用採用人数採用単価
スカウト媒体A60万円3名20万円/人
求人広告B90万円1名90万円/人
人材紹介C187.5万円2名187.5万円/人

※採用担当者の人件費や採用管理システム費用などの間接費は含まず

この例では、スカウト媒体Aが最も費用対効果が高いことがわかります。一方、求人広告Bはコストがかかっているのに採用人数が少ないため、媒体や運用方法の見直しが必要と判断できます。

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採用課題の見つけ方

採用課題を特定するフロー

課題の把握には、母集団形成から選考、内定、入社に至るまで、採用フローにおける各ステップの「歩留まり率」を算出することが重要です。採用プロセスごとの数字を見ると、採用課題がすぐに見つかります。以下の6つのプロセスごとに数字を洗い出しましょう。

  1. 母集団形成
  2. 一次面接
  3. 二次面接
  4. 最終面接
  5. 内定数
  6. 内定承諾率

上記6つにそれぞれ数字を入れると何%が次の選考に進んだかがわかります。特に「内定に近いステップ」から改善していくと良いでしょう。

自社の採用課題が明確にならないまま新たな打ち手を考えても、余計なコストがかかったりリソースが不足したりするので注意が必要です。

歩留まり率算出方法

(計算式)
「選考通過数」÷「選考対象数」×100=「歩留まり率(%)」
  • 書類通過率:書類通過者数 ÷ 応募者数 × 100
  • 面接通過率:面接通過者数 ÷ 面接者数 × 100
  • 内定率:内定者数 ÷ 面接者数 × 100
  • 内定承諾率:内定承諾者数 ÷ 内定者数 × 100

それぞれの歩留まり率を算出し、特定の数値が想定より低いステップには課題を抱えている場合があります。

たとえば、二次面接の通過率が低ければ、一次面接あるいは二次面接において課題がある、といった仮説が立てられます。

仮説が立てられたら、課題の分析と改善策を検討していきます。

新卒採用の歩留まり相場(自社の数字と比べる目安)

自社の歩留まりが高いか低いかは、相場と比べて初めて判断できます。就職みらい研究所「就職白書2023」によると、採用予定数を100としたときの新卒採用の内定率・内定承諾率の目安は次のとおりです。

従業員規模

内定率(内定数÷プレエントリー)

内定承諾率

300人未満

2.0%

56.9%

300〜999人

2.6%

46.5%

1,000〜4,999人

2.9%

54.8%

5,000人以上

2.9%

50.4%

出典:就職みらい研究所「就職白書2023」(採用予定数を100とした場合の割合)

新卒ではプレエントリーの2〜3%しか内定に至らず、内定を出しても承諾はおよそ半数という水準です。自社の数値がこれを大きく下回るステップが、優先して直すべき課題になります。

採用課題の優先順位のつけ方

複数の採用課題が見つかった場合、すべてを同時に解決しようとすると力が分散し、どれも中途半端になります。以下の方法で優先順位をつけましょう。

ボトルネックを見つける

採用ファネルで最も歩留まり率が低いステップが「ボトルネック」です。

優先順位の原則
内定に近いステップ(承諾 → 通過 → 辞退防止 → 応募)から改善する。後工程の問題を解決してから前工程に投資することで、コストの無駄をなくせます。

インパクト×実行難易度のマトリクスで判断する

実行が簡単実行が難しい
インパクト大→ 最優先で取り組む(Quick Win)→ 計画的に取り組む(中長期施策)
インパクト小→ 時間があれば対応→ 後回しまたは省略

例えば「スカウト件名のA/Bテスト」は実行が容易でインパクトも大きいため最優先。「採用広報コンテンツの整備」はインパクトは大きいが時間がかかるため並行で取り組む、といった判断ができます。

【採用課題別】具体的な解決策を紹介!

母集団形成の重要性

ここからは、15のチェックリストで見つかった課題ごとに、よくある原因と具体的な解決策をセットで解説します。

項目よくある原因主な対策
1. 求人票・募集文魅力が伝わっていない/何の会社か分かりにくい業務内容・成長機会を具体的に記載し、採用ペルソナを明確化
2. 採用チャネルターゲットがいない媒体に出しているターゲットが登録している媒体に変更
3. スカウト送信数・対象者リストが足りない検索条件を見直し、送信数を確保(代行活用も)
4. 人材紹介紹介会社の注力企業になれていない情報共有を密にし、選考結果を1営業日以内に返す
5. 選考辞退志望意欲を高められていない採用広報・カジュアル面談で魅力を伝える
6. 選考通過率選考基準が厳しい/評価がバラバラ必須・歓迎条件を見直し、評価基準を統一
7. 内定辞退選考が遅い/入社後のイメージが湧かない選考スピード向上・カジュアル面談・配属先面談
8. 早期離職入社前後のギャップ/フォロー不足ありのままを伝え、入社後フォローを強化
9. リソース不足採用担当の手が足りない業務効率化、外部採用・採用代行の活用
10. ノウハウ不足社内に採用経験がない採用支援サービスの活用、担当者育成


各項目の冒頭に「原因→対策」の要点をまとめているので、自社に当てはまる課題から読み進めてください。

1.求人票・募集文で魅力が伝わっておらず、自己応募数が少ない

募集がうまくいっていない要因として、募集文や求人票がわかりづらい、自社の魅力を適切に伝えきれていないなどの可能性があります。

応募につなげるためには、求職者が魅力的に感じ、自社で働くイメージが持てるような情報提供が重要です。

具体例を数字で示すことも時には必要です。「成長率◯◯%!」や「従業員数◯名→◯名まで増加」など、具体的な数字を入れることでより詳細なイメージがわく効果もあるので曖昧な表現ではなく数字で入れるようにしましょう。

たとえば、募集文や求人票では「何をおこなっている会社か」、「どのようなメンバーがいるのか」、「どのような業務をするのか」といった情報を具体的に伝えましょう。また、ターゲットとなる対象者に見てもらうよう、タイトルにも工夫が必要です。

自社が求める人材に向けて、効果的に魅力を訴求するためには採用ペルソナ設定がおすすめです。

採用ペルソナを設定することで、自社が求める人材の志向性や価値観、人柄を詳細に想定でき、自社の魅力をより的確に訴求しやすくなります。ペルソナを作り、ターゲットに対しての訴求ポイントがずれていないか確認し「伝えたい情報」だけでなく「候補者が知りたい情報」を盛り込みましょう。

採用ペルソナについて、詳しく知りたい方は下記の記事も参考にしてください。

2.自社にあった採用チャネルを選択できていない

媒体にはエンジニアに特化した媒体、第二新卒・若手に特化したサービスといった特性があり、自社が求める人材に合った採用チャネルを選ぶことがポイントです。求人を掲載しているにも関わらず応募が見込めない場合は、採用チャネルの見直しも検討しましょう。

採用チャネルには、求人広告、人材紹介、ダイレクトリクルーティングなど、さまざまな取り組みがありますが、採用チャネルが自社の求める人材に合っていないと、母集団形成につながりにくいものです。

魅力的な求人であっても、掲載した媒体に自社が求める人材が少ない場合には期待していた効果が見込めません。

媒体によって運用方法のコツが異なるためCSから情報収集するなど行い、適切に運用していくと良いでしょう。

3.スカウト経由の応募数が少ない

対象者のリストアップ数が少ないなら採用チャネルを検討し、ダイレクトリクルーティング運用の際は、まず送付対象者の洗い出しを行います。

対象者が少ない場合、まず考えられることは検索方法が適切でないパターンです。

まず、検索キーワードが網羅できているか見てみましょう。同じ意味の用語でも候補者によって表記方法が異なるため、例えばWEBという単語でもWeb・ウェブを追加するなどが必要です。

ダイレクトリクルーティングで応募を促すために、前提としてスカウトメールの送信数を担保する必要があります。適切な送信数は必要な応募数から逆算し、返信率をもとに算出しましょう。

4. 人材紹介会社からの推薦数が少ない

候補者に紹介してもらえていないならスピードと質を重視しましょう。

候補者に紹介してもらえていない場合、まず人材紹介会社の注力企業となれているかを振り返ります。

募集ポジションに関しての情報はこまめに共有しましょう。例えば「一次面接通過する方はこういう傾向がある」など直近評価が高かった候補者の属性を共有することで、ターゲットイメージを深めてもらうことが可能です。時には紹介会社向けに説明会を実施するなども打ち手となります。

また、選考結果は各選考から1営業日以内に結果を伝えることが理想です。選考通過時の評価ポイントやお見送りの際の理由についても、詳細に伝えることで推薦の質の向上にもつながるため、ひと手間かけましょう。

5. 選考辞退率が高い

志望意欲の醸成ができていないなら採用広報を導入しましょう。選考段階で志望意欲を高められず、選考辞退につながるケースが多くあります。

選考は企業が求職者を見極める場であると同時に、求職者も企業への見極めをおこなう場です。

とくに売り手市場の昨今では、求職者は複数の企業の選考を同時に受けていることが多く、他社との比較をおこなっています。

そのため、選考においては求職者に自社への魅力を伝え、志望意欲を高めてもらうことが重要です。あらかじめ自社の魅力を言語化し、選考時に伝えられるようにしておきましょう。

6. 選考通過率が低い

選考の不通過が多い場合には、選考基準が適切でない可能性があります。項目の見直しにあたっては、社内の関係者間で求める人物像を共有し「必ずしも必須条件に入れるべき項目かどうか」、「必須条件以外の項目も選考基準に入れていないか」を確認しましょう。

たとえば、人材要件で設定した必須条件以外の項目も選考基準に入れてしまっていたり、尺度の基準が高すぎたりすると通過の難易度は上がります。

また、尺度を適正化するためには、ルーブリックを活用するとよいでしょう。

一般的なルーブリックとは、各項目に対し【(不足)1・2・3(満たしている)】といったレベルごとの尺度で評価をおこなう方法です。項目ごとの「何を満たしていればよいか」を定義することで定量的な評価できます。

選考基準を見直した後は関係者に情報を共有し、通過率の改善につながっているかどうかを確認しましょう。選考基準の設定方法や見直し方については、下記の記事も参考にしてみてください。

7. 内定辞退率が高い

内定辞退を防ぐためには、選考を通じて自社で働くイメージをもってもらうことと、内定後のフォローが重要です。

たとえば、選考要素のない、相互理解を深めることを目的としたカジュアル面談をおこなって自社への理解を深めてもらう、一緒に働く社員と会話する機会をもうけるなどの対応が挙げられます。

また、内定者と適宜コミュニケーションをとり、入社にあたっての不安がないか、ある場合はどのような不安があるのかを明確にし、不安を払拭することが重要です。選考では自社の魅力づけだけではなく、求職者の選考状況や他社から提示されている条件、職場選びにおいて重要視するポイントをヒアリングしましょう。自社で働くメリットと自社の魅力を伝えることが大切です。

内定者フォローについて詳しく知りたい方は、下記の記事も参考にしてください。

8. 早期離職率が高い

ギャップが生じないよう、選考段階では自社のよい面だけでなく、事業や組織の課題といった実態を伝えて自社理解を深めてもらうことが重要です。

入社後のフォロー体制が不十分な場合も、早期退職につながりやすいと言えます。

ほとんどの入社者は新しい環境に不安を感じています。入社後のフォローを強化することで、不安を軽減し、職場に慣れてもらいましょう。

たとえば、入社後にオリエンテーションや研修をおこなうことで会社や事業、組織に関する理解を深めてもらう、既存社員との懇親の場を設けることで人間関係の構築をしてもらうといった取り組みが挙げられます。

また、定期的に1on1を実施することで、入社者が抱えている不安や懸念を把握し、必要な対策を講じやすくなるため、早期離職の抑制に有効です。

下記の記事では採用ミスマッチについて、解説をしています。より詳しく知りたい方は確認してみてください。

9. リソースが足りていない

業務効率化できる部分は効率化し、それでも不足する場合は採用担当の採用や採用代行サービスの活用を検討しましょう。採用代行サービスはスポットでの依頼もできるため、依頼したい業務に応じた会社選定が大切です。

具体的な外部活用の進め方は、後述の「採用課題を解決するための施策9選」の施策9(アウトソーシングを活用する)で解説しています。

採用代行サービスの詳細やメリット・デメリット、実際の導入事例は以下の記事を参考にしてください。

10.採用ノウハウが足りていない

初めて採用活動を行う会社の場合など特に、社内に採用ノウハウがないケースがあります。その場合は、採用支援サービスの活用が近道です。採用コンサルや採用代行サービスは他社の事例やノウハウが豊富にあるため、早期に採用ノウハウを補うのに適しています。

社内の採用担当者育成(書籍購入・セミナー参加補助など)とあわせて進める方法は、「採用課題を解決するための施策9選」の施策6〜9で紹介しています。

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企業規模別の採用課題

採用課題の現れ方は、企業規模によって傾向が異なります。ここでは中小企業とスタートアップ企業に分けて、特有の課題を整理します。

中小企業の採用課題

中小企業は機動力があり、フレキシブルな採用が可能ですが、以下のような課題に直面します。

知名度の低さによる応募者の不足

大企業と比べて知名度が低いため、応募者の母数が少なく、採用活動に苦戦しがちです。特に、新卒採用では「そもそも企業を知られていない」という問題があります。

採用リソースの不足

人事部門の人員が限られているため、採用活動に十分な時間を割けないことがあります。求人広告や採用管理の効率化が求められます。

優秀な人材の確保が難しい

大企業に比べて給与・福利厚生の面で劣る場合が多く、優秀な人材を引き寄せるためには、成長機会や社風の魅力を強く打ち出す必要があります。

スタートアップ企業の採用課題

スタートアップは成長フェーズにあり、チャレンジングな環境ですが、以下のような採用課題があります。

即戦力となる人材の確保が困難

事業の立ち上げや拡大にはスピード感が求められるため、未経験者ではなく即戦力を求めることが多いですが、競争が激しく採用が難しい状況です。

安定性への不安を払拭する必要がある

設立間もない企業では「会社が成長し続けるか不安」「将来性が見えにくい」といった理由で、応募をためらう求職者もいます。資金調達の状況やビジョンをしっかり伝えることが重要になります。

採用戦略の確立が必要

採用担当者が専任でいない場合も多く、適切な採用戦略を持たないまま場当たり的に採用活動を進めてしまい、結果的にミスマッチが生じることもあります。

企業規模によって採用課題は異なりますが、それぞれの特性を理解し、最適な採用手法を選択することが成功の鍵となります。

採用課題を解決するための施策9選

採用課題を特定したら、次は具体的な解決策を実行に移します。

ここでは、すぐに取り組める施策と、時間をかけて組織的に取り組む施策を解説します。

自社の状況に合わせて、優先順位をつけて実行していきましょう。

1. ターゲットを明確にする

人材を採用する際に最初に行うべきことは、ターゲットを定めることです。

ここが定まっていない場合、採用担当者と現場の社員の間で認識齟齬が生じ、選考時に様々なリスクが発生します。

ターゲット設定時の項目:

  • 年齢
  • 性別
  • 経験の有無
  • 入社時点での必須スキル
  • 求める人材の志向や行動
  • 求める人材にそぐわない志向や行動

MUST要件とWANT要件に分ける

ターゲット設定する際にあまりに細かく絞ってしまうと、候補となる人材が限られてしまい、採用に苦戦する可能性があります。

「MUST要件(必須条件)」と「WANT要件(歓迎条件)」に分けることをおすすめします。

2. ターゲット目線で自社の魅力を考える

ターゲット設定を行った後には、ターゲット目線での自社の魅力を考えましょう。

洗い出すべき魅力:

  • ミッション・ビジョン・カルチャー
  • 給与・福利厚生
  • ワークライフバランス
  • 研修制度
  • 成長機会

自社の魅力を発掘する方法:

自社に長く勤めていると自社の魅力を発掘できないこともあるため、他部署の社員にヒアリングを実施するなどして自社の魅力を洗い出すのも有効な手です。

そして洗い出した魅力がターゲットに合っているかどうかを検証した上で求人票に反映させましょう。

訴求ポイントは1つに絞る

ターゲットに刺さる魅力は盛り込みすぎずに、伝えたいことを一つに絞ると良いでしょう。

「ターゲットが強く求めているものはなにか」「競合他社と比べたときに自社の優位性はどこにあるか」を考え絞り込みましょう。

3. 自社に合ったサービスを利用する

採用活動を行うにあたり、人材紹介、求人広告媒体、スカウト媒体など様々なサービスがあります。

これらは自社に合ったサービスを選ばないと、費用と工数をかけても自社に合った人材を採用できなくなります。

サービス選定のポイント:

ターゲットとなる人材がどういう媒体に登録しているか、という視点で適切なサービスを選び採用活動を成功させましょう。

4. スピード感を持った採用活動を行う

売り手市場の昨今、求職者は複数選考を同時に進めることが一般的です。

また、自社がほしい優秀な人材は競合からもオファーが来ている可能性が高く競争も激化するでしょう。

スピード重視の選考フロー:

  • 日程調整を迅速に行う
  • 選考結果を即日伝える
  • 他社にスピード感で負けないようフローを整える

そのため、スピード感を持って選考を行うことが必要です。

5. 入社までのフォローをしっかり行う

内定辞退を防ぐためにも、入社までのフォローは必須です。

内定を受けた応募者は、入社までに期間が空いてしまうと転職することへの迷いや不安が生じやすく、気持ちが不安定になることもあります。

具体的なフォロー施策:

  • 会社見学の機会を設ける
  • 配属現場のメンバーとの面談を実施する
  • 入社前の不安を払拭し、入社後のイメージをつかみやすくする

入社に必要なやり取りを行う際にも、「一緒に働きたい」という思いを伝えることで内定者のモチベーション向上につなげましょう。

6. 社内連携を強化する

採用活動において、採用担当者だけが頑張っても限界があります。

組織全体で採用に取り組む体制を作ることが、中長期的な採用力強化につながります。

採用後のミスマッチや早期離職防ぐためには、現場の声をしっかりとヒアリングし、求める人物像や必要なスキルを明確化することが重要です。

具体的な取り組み:

  • 定期的に採用担当と現場担当者がミーティングを行う
  • 採用基準の擦り合わせを行う
  • 面接官トレーニングを実施し、評価基準を統一する
  • 社員紹介(リファラル採用)制度を活性化する
  • 企業文化にマッチした優秀な人材を効率よく確保する
  • 社員のインタビュー記事やSNS投稿を通じて、リアルな職場環境や働き方を発信する

7. 採用広報を活用する

自社の強みや独自性を言語化し、求職者目線のコンテンツを作成しましょう。

具体的な発信内容:

  • 働く環境
  • 成長機会
  • 社員インタビュー
  • プロジェクト事例

これらをブログやSNS、採用ページで発信することで、企業のリアルな魅力が伝わります。

8. ツールを導入する

フェーズ別の解決策を実行する際、以下の3つのツールが特に費用対効果の高い選択肢です。

ツール解決できる課題主な活用例
ATS(採用管理システム)選考進捗の可視化・工数削減選考状況の一元管理、各フェーズの歩留まり数値化
AI採用ツール母集団形成の効率化・スカウト精度向上スカウト文の自動パーソナライズ、応募者スクリーニング支援
オンライン面接プラットフォーム地理的制約の解消・選考スピード向上遠方候補者との一次面接、面接日程短縮

3ツールに共通するのは「採用担当者の時間を生み出す」という効果です。浮いたリソースをコア業務(面接の質向上・内定フォロー強化)に充てることで、採用全体の成果が改善します。

9. アウトソーシングを活用する

採用担当者のリソース不足を補うために、外部パートナーの活用も検討しましょう。

ダイレクトリクルーティングは効果的な採用手法ですが、候補者選定やスカウト送信には多くの時間と手間がかかります。

スカウト代行サービスを利用することで、専門のノウハウを活用しながら効率的な母集団形成が可能です。また、プロのライティングによるスカウト文面は返信率を大幅に向上させる効果があります。

採用ページのコンテンツ制作や採用イベントの運営の外部委託も良いでしょう。社内リソースを節約しつつクオリティの高い成果物を得られます。

採用課題を解決した事例

ここではまるごと人事を活用して採用課題を解決した事例について見ていきます。

リードタイムを大幅に短縮、採用オペレーションの再構築も実現

【抱えていた課題】 選考官の書類選考や面接の回答が業務都合で遅れ、候補者への日程連絡も滞りがちで、選考リードタイムが長期化していました。採用管理システム(ATS)の入れ替えも重なり、オペレーションが煩雑になっていました。

【実施した施策】 まるごと人事が各選考フローを型化し、漏れのない候補者管理を担当。ATS入れ替えの際も採用オペレーションを再構築し、スムーズな移管を支援しました。

【導入後の成果】 選考フローの型化によりリードタイムが短縮。候補者管理の抜け漏れが解消され、選考が滞らない体制が整いました。

【サービスへの評価】 事業の変化に応じて依頼業務や職種を柔軟に変えられる点、採用の多様性・流動性に対して高いクオリティを維持できる点が評価されています。

質の高いスカウト運用により、母集団が4-5倍に増加

【抱えていた課題】 人事部門の再構築期にあり、面接以外の中途採用業務全般を担うリソースが不足していました。とくにスカウトの量・質の担保が課題でした。

【実施した施策】 面接以外の中途採用業務を全般的に代行。スカウトはABテストを重ねながら、量と質の両面を担保しました。

【導入後の成果】 選考に進む候補者が4〜5倍に増加。他社平均より高い水準でスカウトを送付し、安定した母集団形成を実現しています。

【サービスへの評価】 ABテストによる継続的な改善で、質の高いスカウト運用が実現できた点を評価いただいています。

採用課題のよくあるQ&A

採用課題とは何ですか?

採用課題とは、採用目標に対して採用活動がうまくいっていない状態と、その原因のことです。 「応募が集まらない」「選考辞退が多い」「内定を出しても辞退される」「入社してもすぐ辞める」といった、母集団形成から定着までの各フェーズで生じる問題を指します。大切なのは、どのフェーズで・なぜ止まっているのかを数値で特定することです。

自社の採用課題はどうやって見つければいいですか?

採用フローの各ステップの「歩留まり率」を算出することで、課題のあるフェーズを特定できます。 応募数・書類通過率・面接通過率・内定率・内定承諾率を順に数値化し、想定より極端に低いステップが自社のボトルネックです。感覚ではなく数字で見ることで、打ち手の的外れを防げます。

中小企業に多い採用課題は何ですか?

知名度の低さによる応募不足と、採用リソース・ノウハウの不足が代表的です。 大企業に比べて母集団が集まりにくく専任担当を置けないケースも多いため、採用広報での魅力発信や、外部リソースの活用が有効な打ち手になります。

採用課題はどのフェーズから改善すべきですか?

内定に近い後工程(内定承諾→選考通過→辞退防止→応募)から改善するのが原則です。 前工程(応募数)に投資しても、後工程で候補者が抜けていれば成果につながりません。後ろから直すことで、コストの無駄をなくせます。

採用課題を外部に相談するメリットは何ですか?

他社事例にもとづく客観的な診断と、実行リソースの補完が得られる点です。 自社だけでは気づけない課題や、効果が実証された打ち手を取り入れられます。まるごと人事では、課題の特定から実行・改善までを一気通貫で支援しています。

採用成功に向けて、採用課題の把握と対策がポイント

採用課題を根本解決するためのまとめ図解

本記事では採用課題の見つけ方、ケース別の課題やその対応方法について解説しました。

採用成功に向けては、「どこが、なぜうまくいっていないのか」といった課題の把握と、課題に応じた適切な対応が必要です。母集団形成から入社まで、どこに課題があるかを見つけ、対応策を立てていきましょう。

ぜひ、本記事で解説した課題の例を参考に、採用課題の解決に役立ててください。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

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書籍『「本当にほしい人材」が集まる中途採用の定石』好評発売中

2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
> 出演した番組はこちら

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