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2022.10.24 更新日:2023.08.31
この記事の監修者:犬飼 渓矢

この記事の監修者:犬飼 渓矢

採用ツール11種類の特徴・価格帯、選ぶ際のポイントを紹介

採用難の時代に自社のニーズにマッチした人材を採用するためは、採用ツールの効果的な活用が欠かせません。

求人を出しても応募者が来ない、求職者が自社のことを理解してくれないなどの課題があるなか、「どのような採用ツールを使えば応募が集まるのか」、「どうすれば自社の魅力を求職者に伝えることができるのか」、「どうすれば求職者とのコミュニケーションにより時間を割けるのか」と頭を悩ませている採用担当者様も多いのではないでしょうか。

今回は多様化する採用ツールについて、それぞれの特徴や価格、選ぶ際のポイントなどをお伝えします。ぜひ採用活動を行う際の参考にしてみてください。

 

採用ツールとは?

採用ツールとは、会社が採用活動の際に活用するツール全般を指します。

母集団形成に役立つツールや、応募者の会社理解促進に役立つツール、応募者の選考状況を効率的に管理する採用管理システムなどを含みます。

具体的なツールの例としては、採用パンフレット、自社採用サイト、求人情報サイト、採用ピッチ資料、会社説明動画などが挙げられます。

従来は、会社案内冊子や採用パンフレットが採用ツールの主流でしたが、インターネットの普及にともない、WebメディアやSNSを活用したものが現れるなど、採用ツールも多様化しています。

採用ツールを効果的に活用できれば、より多くの求職者へ認知してもらえる、候補者に対して自社の魅力や特徴を的確に伝えられる、候補者の選考状況を管理できるなど、採用活動に役立ちます。

 

採用ツールが必要とされる背景

ここでは採用活動において採用ツールが必要とされる背景を紹介します。

 

1. 採用難を乗り切るため

少子高齢化による働き手不足のため、採用難の状況が続いています。特に専門的な知識・技術を有する人材の獲得難易度は高いようです。

より多くの求職者に自社を認知してもらい、求める人材を採用するためには、自社の魅力を的確に伝えられる採用ツールを選び、活用する必要があります。

 

2. 求職者の価値観が多様化しているため

コロナ禍をきっかけに、転職や副業、フリーランスなど、働き方の多様化が進んでいます。働き方の選択肢が増えるとともに、求職者の価値観も多様化し、さまざまな判断軸で仕事を選びを行っています。仕事選びに際して、より詳細な情報を求めるようになっています。

求職者が求める詳細でタイムリーな情報を届けるためにも、掲載できる情報量が多く、即時性があるWebメディアや、SNSなどの新たな採用ツールの活用が有効です。

 

3. 求職者の仕事の探し方が多様化しているため

従来の転職活動では、大手の求人情報サイトやハローワーク、新聞広告などを通じて応募する手法が一般的でした。しかし、インターネットの普及やコミュニケーション方法の変化により、会社の情報を収集する際にSNSやインターネットの口コミを活用する層が増えるなど、求職者が仕事を探す方法も多様化しています。

従来の採用ツールだけではなく、さまざまな採用ツールを活用することで、幅広い候補者へのアプローチが期待できます。

 

【目的別】採用ツール11種類の特徴、価格帯、サービス例

ここでは目的別に活用できる採用ツール11種類の特徴や価格帯を紹介します。

<目的①:母集団形成に役立つツール>

1.求人情報サイト

2.ダイレクトリクルーティング

3.求人検索エンジン

4.採用サイト

5.ソーシャルリクルーティング

6.ビジネスSNS

 

<目的②:自社の魅力づけに役立つツール>

7.採用パンフレット

8.会社説明会資料

9.採用ピッチ資料

10.会社説明動画

 

<目的③:応募者管理に役立つツール>

11.採用管理システム(ATS)

 

目的①:母集団形成に役立つツール

1. 求人情報サイト

<特徴>
  • 求人情報サイトとは、求人広告や自社の採用情報をまとめて公開できる媒体です。求人内容や会社概要、社員インタビュー、社内の雰囲気を伝える写真なども掲載可能な媒体が多いです。
  • サイトへの登録者数が数百万人を超える媒体もあり、幅広い求職者に認知してもらえるという特徴があります。
  • 近年は採用手法の多様化もあり、求人情報サイト以外の採用ツールの併用も必要とされています。
<価格帯>

数万円~数十万円

※プランや求人広告枠のサイズによって異なります。

<サービス例>

リクナビNEXT、doda、マイナビ転職など

 

2. ダイレクトリクルーティング

<特徴>
  • ダイレクトリクルーティングとは、媒体に登録している会員の中から、自社の採用ターゲットにマッチする人材を選定し、スカウトメールの送付を通じて直接アプローチする手法です。
  • 採用ターゲットに直接アプローチできるため、効果的に運用ができれば母集団の質を高められます。
  • ただし、アプローチする人材の選定から、スカウトメールの作成、カジュアル面談や面接の日程調整までを自社で一貫して行うため、業務負荷が高く、運用にコストがかかる点に注意が必要です。運用にあたっては、社内体制を整える、外部のパートナーに一部業務を委託するなどの対応も検討しましょう。
<価格帯>

数十万円~

※媒体の料金形態やスカウトメールの送信数などにより異なります。

<サービス例>

ビズリーチなど

 

参考:ダイレクトリクルーティングとは?媒体20社の特徴・料金比較、メリット、注意点と対策を徹底解説

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3. 求人検索エンジン

<特徴>
  • 求人検索エンジンとは、求人情報サイトや採用サイト、ハローワークなどインターネット上にある求人広告を収集してユーザーの検索に応じて表示させるツールです。
  • 求職者はキーワードを入力して求人を検索するため、自社の採用サイトを含め複数の媒体に求人を掲載している場合には、求人情報を見つけてもらいやすくなります。
  • 基本的に無料で掲載できるサービスが多いですが、検索結果の上位に自社の求人を表示させる有料オプションや、クリックされた数に応じて課金される料金形態もあります。
<価格帯>

無料~数万円

※クリック数に応じて課金される料金形態の場合、クリック単価10円~999円程度。

<サービス例>

Indeed、Google しごと検索、求人ボックス、スタンバイ/Yahoo!しごと検索など

 

4. 採用サイト

<特徴>
  • 採用サイトとは、求人に特化したコンテンツや機能を備えている自社のWebサイトです。
  • 自社のWebサイトにはコーポレートサイトもありますが、こちらは自社に関する総合的な情報を記載しており、求職者向けというよりはクライアントや株主などに向けたものとなっています。そのため、コーポレートサイトで求人募集をかけても求職者の目に留まりにくい可能性があります。
  • 採用サイトには、社員インタビューや最新の募集職種・要件、職場環境など、求職者が知りたい具体的な情報を掲載するため、求職者の認知向上と魅力づけに有効なツールといえます。
  • 求人検索エンジンや採用管理システム(ATS)と連携できる採用サイト作成サービスもあり、活用すれば採用業務の効率化が見込めます。
  • 自社で採用サイトを制作する場合に外注コストはかかりませんが、外部に委託する場合には制作費用がかかります。サイトに盛り込むコンテンツの量や、求人情報サイトとの連携、公開後の運用サポート体制などによって費用が変動します。
<価格帯>

無料~100万円以上

<サービス例>

採用係長、engage、Airワークなど

 

5. ソーシャルリクルーティング

<特徴>
  • ソーシャルリクルーティングとは、SNSを活用して採用活動を行うことです。若手の求職者が多く利用しているSNSを使ってアプローチするため、若年層への認知向上に有効です。
  • 自社のアカウントを作成して発信を行えば、自社の魅力や社風などを、転職潜在層を含めた幅広い層に向けてリアルに伝えることができ、認知度向上やイメージアップにつながります。
  • アカウントの作成は無料ですが、広告掲載のオプションを使用する場合は費用が発生します。
<価格帯>

無料〜

<サービス例>

Facebook、Twitter、Instagramなど

 

6. ビジネスSNSを活用

<特徴>
  • ビジネスSNSは、ビジネスにおける交流やコミュニケーション、さらなるビジネスチャンスにつなげることを目的としたプラットフォームです。
  • 一般的なSNSはプライベートのつながりがメインですが、ビジネスSNSは仕事でのつながりがメインです。
  • 自社のアカウントを作成し、採用ページとして活用することも可能です。サービスによっては自社のページ内に採用コンテンツを掲載する、スカウトメールの送信ができるなどの機能を備えています。
  • 個人がアカウントを作成する場合は無料ですが、会社が作成を行う際には有料となるサービスが多いです。
<価格帯>

無料〜

<サービス例>

Wantedly、LinkedIn、Eight、YOUTRUST

 

目的②:自社の魅力づけに役立つツール

7. 採用パンフレット

<特徴>
  • 採用パンフレットとは、求職者に対して自社の会社理解を促し、興味・関心を高める目的で作成するものです。近年は、紙媒体で作成したパンフレットをWeb上で公開しているケースも増えています。
  • 会社概要や事業紹介、社長メッセージなどの基本情報や、カルチャー・福利厚生など職場環境に関する情報、選考の案内など、求職者の会社理解を促進し、志望度を醸成するために必要な情報を網羅的に掲載します。
  • 制作費用は、印刷の部数や全体のページ数により変動します。
<価格帯>

数十万円〜数百万円

<サービス例>

※会社ごとに作成を行うため、サービス例の記載はありません

 

8. 会社説明会資料

<特徴>
  • 新卒向けの会社説明会や、就活イベント・セミナーなどで採用担当者が求職者向けに、会社紹介や選考に関する説明を行う際の資料です。
  • 会社パンフレットに記載されている情報に加え、業界の説明や具体的な仕事の流れ、社員紹介などの情報を追記し、学生に対して自社の魅力づけやエントリーを促すことが目的です。
  • 採用パンフレットなどは読みものとして活用されますが、会社説明会資料はプレゼン資料として活用されます。
<価格帯>

無料〜数十万(外部に委託して作成する場合、外注費用がかかります。)

<サービス例>

※会社ごとに作成を行うため、サービス例の記載はありません。

 

9. 採用ピッチ資料

<特徴>
  • より具体的な会社理解を目的とした資料です。会社説明会資料は自社の「良い面」を押し出すことが多いですが、採用ピッチ資料は自社の課題や現状も含めたリアルな情報を求職者に伝えるもので、応募前〜選考段階で活用されます。
  • 採用ピッチ資料を採用サイトに掲載することで応募促進につながる、面接前に求職者に確認してもらうことで求職者をスクリーニングでき、面接がスムーズに行えるなどのメリットもあります。
<価格帯>

無料〜数十万(外部に委託して作成する場合、外注費用がかかります。)

<サービス例>

※会社ごとに作成を行うため、サービス例の記載はありません。

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参考:採用ピッチ資料とは?作成するメリット、手順や活用方法、採用ピッチ資料20選を紹介【2022最新版】

 

10. 会社説明動画

<特徴>
  • 会社概要・事業説明、職場環境などの求職者向けの情報を動画で紹介する採用ツールです。
  • 社内の風景、社長や社員からのメッセージなどを動画として伝えることで、文字情報よりもリアルな雰囲気やカルチャーを伝えやすく、求職者が働くイメージを持ちやすいというメリットがあります。また、短時間で他の媒体よりも多くの情報を伝えられることもメリットです。
  • 自社の採用サイトに掲載する、カジュアル面談や面接前に候補者に共有する、会社説明会で流すなど、さまざまな活用方法があります。
  • 自社で作成する場合に外注コストはかかりませんが、外部に委託して作成を行う場合には制作費用がかかります。インタビュー形式の動画は手軽に作成でき、外部に作成を委託した場合にも比較的安価ですが、ドキュメンタリー形式やドラマ仕立ての動画作成は高額になる場合が多いです。
<価格帯>

無料〜数百万円(外部に委託する場合は、取材にかかる時間や動画の長さ、テロップの有無などによって価格が大きく変動します。)

<サービス例>

※会社ごとに作成を行うため、サービス例の記載はありません。

 

目的③:応募者管理に役立つツール

11. 採用管理システム(ATS)

<特徴>
  • 採用管理システム(ATS)とは、採用活動の効率化を目的としたシステムです。応募者の管理、面接の日程調整や採用活動のデータ蓄積など、システムによって機能は多岐にわたります。
  • 機能の例としては、媒体やエージェントに提出する求人情報や求人票の一元管理、各チャネルの応募者の一元管理、候補者ごとの選考状況や評価の可視化、採用サイトの作成などが挙げられます。
  • 採用管理システムの活用によって採用業務の効率化が図れるため、採用担当者は候補者との面接や採用企画などのコア業務に注力しやすくなります。
<価格帯>

数万円~数十万円(候補者の人数などによって変動します。)

<サービス例>

HERP Hire、HRMOS採用、Talentio Hire、採用一括かんりくんなど

 

 

採用ツールを選ぶ際の3つのポイント

次に、採用ツールを選ぶ際のポイントを紹介します。各ツールの特性を理解したうえで、目的に応じて選定しましょう。

 

1.目的や採用課題を整理する

全体の採用フローの中で「採用活動のボトルネックはどこなのか」、「どの選考フェーズで、求職者に何を伝えるのか」をあらかじめ明確にしておかないと、想定していた効果が得づらい場合があります。

単に「トレンドだから」、「他社で導入しているから」という理由で採用ツールを導入するのではなく、自社の採用課題を解決できるものでなければ効果がありません。採用ツールの導入にあたっては、自社の採用課題と導入の目的を整理しましょう。

 

2. 採用ターゲットに合わせて選ぶ

採用ターゲットの属性とフェーズ(興味・関心の度合い)を考慮して採用ツールを選びましょう。

 

2-1. 採用ターゲットの属性

母集団形成にあたっては媒体によって利用者層が異なるため、採用ターゲットが情報収集を行う媒体を見定めることが大切です。

(利用者層の例)

Webメディア、SNS、動画(YouTubeなど):若年層、30〜50代前半のミドル層など

パンフレット:就活生・内定者など

たとえば、「ミドルシニア層を採用したいのにSNSで情報発信する」、「若手やポテンシャル層がターゲットなのにWebやSNSなどを活用しない」など、採用ターゲットに合った媒体でアプローチしないと、効果が得づらくなります。

参考:採用ターゲット設定の重要性、設定にあたってのステップやポイントを解説

 

2-2. 採用ターゲットのフェーズ

「認知」「応募」「内定」など、採用における各フェーズによって、採用ターゲットの自社に対する興味・関心度合いは変わることも考慮する必要があります。

たとえば、転職の意欲がそれほど高くない潜在層に対して、選考に関する具体的な情報を伝えても関心度合いを高めるのは難しいでしょう。まずは自社に興味・関心を持ってもらうために、求職者が知りたいであろう会社の魅力や事業の成長性などの基本情報を端的に伝える方が効果的です。

このように採用ターゲットの興味・関心度合いに応じて伝えるべき内容は異なります。

いつ、何を伝えるかの全体像を設計したうえで、適切な採用ツールを選ぶ必要があります。

 

3. 長期的な目線で検討する

新たな採用ツールを導入してもすぐに効果が見込めるとは限らないため、課題の抽出や改善を行いながら、長期的な目線で運用していくことが必要です。

とくにSNSやWebメディア、採用サイトなどは、導入の目的にもよりますが、実際に効果を実感できるまでに最低でも半年から1年以上はかかることもあります。

しかし、継続的に情報発信を行うことで自社の認知度も広がり、イメージの向上にも役立つため、結果的に採用ブランディングにつながります。

たとえば、「自社の認知が広がり、応募が集まるようになった」、「面接で会社・事業、職場環境に関する説明の時間が削減でき面接の質が向上した」などの具体的な効果を得るためにも長期的な視点で導入を検討しましょう。

 

採用ツールの導入には、自社の採用課題の把握と目的に合ったツール選びが重要

採用手法の多様化にともない、採用ツールの選択肢も増えています。採用ツールを効果的に活用することで、従来ではアプローチできなかった求職者に対して採用活動ができるようになり、また、求職者が求める情報を提供できるようになりました。

しかし、採用ツールの種類が増え、求職者の価値観も多様化しているため、これまで以上に採用ツールの選び方や活用方法には工夫が必要ともいえます。採用ターゲットに対して自社の魅力を伝え、採用につなげるためには、自社の採用課題の把握と導入の目的を整理し、各採用ツールの特性を理解したうえで導入を検討する必要があります。

また、ツールを導入するだけでなく、目的を達成するために運用・改善を行い、採用力の向上につなげていきましょう。

この記事の監修者:犬飼 渓矢
この記事の監修者:犬飼 渓矢

マルゴト株式会社まるごと人事事業部 事業企画

テーマパークホテル勤務、ベンチャー企業の社長室室長を経て、2019年にマルゴトへ入社。マネージャー、ゼネラルマネージャーを経て、現在は「まるごと人事」事業部の事業企画として従事。
中長期目線の事業課題の解決を通じた顧客価値の最大化を目指す。

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