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2022.10.29 更新日:2023.12.21
この記事の監修者:矢上 真季

この記事の監修者:矢上 真季

内定者フォローの目的や流れ、内定辞退を防ぐためのポイントを解説

内定辞退を防ぐために、多くの企業が実施している内定者フォロー。

しかし、具体的な施策や、内定辞退になりそうな場合の対策に悩みをお持ちの採用担当者様もいるのではないでしょうか。

本記事では内定者フォローの基本的な流れや、フォロー時のポイント、一般的な内定辞退の理由と対策例を紹介します。

 

内定者フォローとは

内定者フォローとは、内定辞退を防ぐために企業が内定者に対しておこなう施策です。

内定から入社までの期間に実施し、内定者とのコミュニケーションを通じて入社までの不安を払拭するなど、内定者に対してフォローをおこないます。また、内定後であれば業務や組織、期待する役割について、選考時よりも具体的な説明ができるため、自社理解を深めてもらう役割もあります。

 

内定者フォローの目的

ここでは内定者フォローの目的を具体的に紹介します。

 

1. 内定辞退を防ぐため

内定者フォローのいちばんの目的は内定辞退を防ぐことです。

内定辞退が発生すると、内定者にかけた採用コストや、採用担当者、面接官の工数などが企業の損失になるだけでなく、新たに採用活動をおこなわなければならないため、追加のリソースも必要になってしまいます。

内定辞退の理由は、他社への入社、現職に留まる、家族からの反対、入社への不安などさまざまです。

そのため、内定者とこまめにコミュニケーションを取って状況を把握し、フォローをおこなっていくことが重要です。

 

2. 早期離職を防ぐため

内定者フォローによって、入社後の不安を軽減したり、自社への理解を深めてもらったりすることで、早期離職の抑制も期待できます。

早期離職は入社前後のギャップが原因であることが多く、ギャップよって「想像していた内容ではなかった」と感じてしまうとモチベーションが低下し、早期離職につながりやすいと言えます。

自社の全体像、担当業務や一緒に働く社員への理解をあらかじめ深めてもらうことで、不安やギャップの解消につながります。

 

内定を辞退する理由

求職者に内定を出したとしても、好条件の他社を選んだり、入社に向けて具体的な不安が出てきたりなど、さまざまな理由で内定辞退につながります。

ここでは具体的な内定辞退の理由とフォローのポイントを紹介します。

 

1. 他社への入社

内定者が他社への入社を選ぶことで、内定辞退となるケースです。

就職・転職活動は他社の選考も同時に進めている場合が多く、自社が内定を出したタイミングで、他社から内定が出る場合もあり得ます。そのため、重要なのは自社が内定者にとって第一志望となることです。

内定を出して終わりではなく、その後も自社で働く魅力やメリットを訴求することがポイントです。

また、内定連絡が遅くなるほど、その間に他社への入社を決めてしまう可能性も高まるため、企業は採用するかどうかの判断、内定通知のスピードを上げることが重要です。

 

2. 現職からの引き止め

中途採用特有のケースですが、現職に退職を申し出た際に引き止められ、内定辞退となるケースです。

中途採用の場合は、内定後に現職へ退職意向を伝えることがあり、現職の企業側も退職を止めるために昇格や昇給などの条件を提示する場合があります。

そのような場合には、内定者が転職活動をするきっかけが、現職が新しく提示した条件で解消されているのかどうかをヒアリングし、解消されている場合にはあらためて現職と自社を比較検討してもらう必要があります。

 

3. 家族からの反対

家族からの反対によって、内定を辞退するケースもあります。

企業への就職は、家族にも大きな影響を及ぼすため、内定者ひとりの判断ではなく、配偶者や両親に相談した結果、反対されてしまうこともあります。

このようなケースでは、内定者に、「なぜ当社に応募したのか」、「入社後になにがしたいのか」といった意思をあらためてヒアリングをしましょう。そのうえで入社の意思があるのであれば、内定者に家族を説得してもらえるように促す必要があります。

また、家族の不安を払拭するためには企業側からの情報提供も重要です。

たとえば、家族向けに会社や事業に関する説明資料を用意したり、内定者の家族が誤解を生まないよう、自社採用ページを通じて情報発信をしたり、といった取り組みも考えられます。

 

4. 活躍できるか不安

新たな環境で自身のパフォーマンスを発揮できるかを不安に感じ、内定辞退に至るケースです。

面接では自信をもって実績をアピールしていても、内定獲得後に求められるパフォーマンスを出すことができるかどうか、不安を感じる内定者も少なくありません。

企業側はあらためて入社後に任せたい業務内容を詳しく説明し、どの期間でどのくらいのパフォーマンスを期待するかを具体的に説明しましょう。

 

5. 人間関係を構築できるか不安

職場において新たな人間関係を構築できるかを不安に感じるケースです。

「周囲と協力して仕事ができる環境か」、「上司とうまくやっていけるか」など、人間関係に関する不安を抱える人は多いです。

企業側は内定者の不安を軽減するために、上司になる人物や同僚との面談を実施したり、職場見学の機会を設けたりするなど、実際に接する機会を作ることは有効です。

新卒採用の場合には、インターンシップを実施して業務や職場の雰囲気に慣れてもらったり、内定者懇親会をおこなって人間関係を構築してもらったりといった方法も挙げられます。

 

内定者フォローの流れとポイント

新卒採用と中途採用の内定者フォローの流れには大きな違いがあります。

新卒採用の場合は、政府の就活ルールにのっとった採用活動のスケジュールが決められているため、中途採用と比べると内定から入社までの期間が長くなり、内定者フォローの重要性が高いと言えます。

また、学生から社会人へと大きな環境の変化を迎えるため、仕事や職場における人間関係など、社会人生活への不安も抱えています。

そのため、内定者フォローを通じて学生が抱えるさまざまな不安を払拭することが重要です。

ここでは、新卒採用・中途採用の内定者フォローの流れとポイントを解説します。

 

新卒採用における内定者フォローの流れとポイント

一例として、新卒採用における内定者フォローの流れは以下となります。

  1. 内々定通知
  2. 面談
  3. 内定者懇親会
  4. 内定式

 

ここでは、それぞれのステップでなにをおこなうのか、実施にあたってのポイントを紹介します。

1. 内々定通知

最終面接を通過した学生に対しては、内々定の通知をおこないます。

複数の選考を同時で進めている場合が多いため、結果の通知が遅いと他の企業への入社意思を固めてしまうリスクが高まります。内々定通知はできるだけ速やかにおこなうことが重要です。

一般的に、合否連絡は最終面接後1週間以内におこなうのがよいとされており、メールまたは電話で連絡します

 

2.面談

内々定を通知した後は、オンラインまたは対面で学生との面談を実施します。

学生が抱える不安の払拭や、今後の就職活動の有無の確認、内定承諾の意志を確認する場として実施します。

内々定後は学生が企業を選ぶ側になるため、面談では入社意思を固めてもらえるよう働きかけが必要です。下記は面談の流れの一例です。

 1.最終面接合格に関する歓迎の言葉を伝える

 2.学生に対して不安な点や質問したいことを聞く

 3.学生に期待していることを伝える

 4.内定通知書、内定承諾書に関する説明する(今後の就職活動の継続有無や、意思決定の時期を確認する)

 5.入社までのスケジュールを確認する

 

学生への内定通知は、政府によって「卒業・修了年度10月1日以降」と定められているため、内々定から内定までの期間に、内々定通知書を発行する企業もあります。

内定承諾書は、学生の署名をもって入社の約束を交わす書類ですが、内定承諾書には法的拘束力はありません。そのため、署名をした学生が内定を辞退する可能性もあり得ます。

 

3.内定者懇親会

内定者フォローの施策のなかでも多く開催されているイベントが内定者懇親会です。

内定者のみで実施をする場合には、内定者同士のつながりを築く機会として開催することが多いです。また、内定者と社員のコミュニケーションの場として開催する場合には、学生に社員のパーソナリティや自社のカルチャーを理解してもらう機会として実施されます。

いずれの場合も学生の入社への不安を軽減し、自社の雰囲気をあらためて理解してもらえる場にしましょう。

 

4.内定式

内定式は、内々定を出した学生を一同に集め、正式な内定通知をする場です。

政府が定めた正式な内定日(卒業・終了年度の10月1日以降)に開催されることが多く、内定辞退の防止、入社意欲の向上、内定者同士の関係構築を目的として開催されます。

従来は内定者が一同に集まって内定書の交付、入社準備にあたる研修などが実施されていましたが、近年ではオンラインで実施も多くなっています。

 

中途採用における内定者フォローの流れとポイント

一例として、中途採用における内定者フォローの流れは以下となります。

  1. 内定
  2. オファー面談

中途採用の場合、内定から入社までの期間は一般的には2〜3ヶ月ほどの期間と言われています。

ただ、入社日は内定者と企業間で相談しながら決定するため、内定から入社までの期間には幅があります。

また、新卒採用と異なり、内定式や内定者懇親会といったイベントは基本的にはありません。ここではそれぞれのステップでなにをおこなうのか、実施のポイントを紹介します。

 

1. 内定

最終面接を通過した求職者に対して、内定通知をおこないます。

新卒採用と同様に、求職者は他社の選考も進行していることが多く、結果の通知が遅い場合は、他社に人材が流れてしてしまう傾向があります。

そのため、内定通知はできるだけ速やかにおこないましょう。

 

2. オファー面談

オファー面談とは、企業と内定者が入社意思や労働条件のすり合わせをおこなう面談です。

先にも述べたように、求職者は他社の選考を進めていることが多く、優秀な人材ほど、どの企業も採用したいと考えています。

そのため、オファー面談を実施する時点で内定承諾をしていない場合は、内定者の意向をあらためて確認し、入社意思を固めてもらうためのクロージングが重要となります。

とくに、内定者が気にする項目として給与、評価制度、転勤の有無などが挙げられるため、それらの説明をおこなうようにしましょう。

すでに内定承諾後であれば、入社日の調整や、労働条件や各種制度の説明、具体的な業務内容の説明をおこないます。

 

内定辞退を防ぐためのポイント

ここでは内定辞退を防ぐためのポイントを紹介します。

内定辞退を防ぐには、内定を出すまでの選考段階と内定後フォローの両方が重要です。

1.選考プロセスを改善する

選考プロセスを改善することで、内定辞退の抑制にも効果が期待できます。具体的な方法を下記で紹介します。

参考:採用フロー作成のメリットと活用方法!新卒・中途採用の違いをフロー図で解説

 

1-1.求職者のニーズを把握する

内定後に、求職者のニーズと、自社が提供できる価値の間でギャップを生まれると内定辞退のリスクが高まります。

ギャップを生まないためにも、選考段階で求職者が「なぜ転職活動をおこなっているのか」といった背景や、「転職で重要視しているポイントはなにか」、「転職先になにを求めているのか」といったニーズを把握し、自社が提供できる価値を正しく伝えておくことが重要です。

 

1-2.求職者の志望意欲を高める

選考段階で志望意欲を高めることで、入社意思も高めることができ、内定辞退を防ぐことにつながります。

求職者が複数の企業から選ぶなかで、選考を通じていかに自社の魅力を伝えられるか、求職者の不安を払拭し、自社で働くイメージを持ってもらえるかがポイントです。

たとえば、仕事のやりがいを求める求職者に対しては、業務における裁量の大きさや事業の社会貢献性の高さを伝えることなどが考えられます。また、待遇の重視する求職者に対しては、給与と評価制度の連動性を伝えるなども効果的でしょう。

 

1-3. 相互理解を深める

採用活動は入社後の定着までがゴールです。

求職者と企業の間でギャップを生まないためにも、選考段階では自社のよい面だけではなく、課題なども含めたありのままを伝えましょう。

たとえば、カジュアル面談を設定し、求職者と自社間で相互理解を深める機会を設けることや、会社説明では採用ピッチ資料を活用し、事業や組織の課題もできるだけ率直に説明するといった方法が考えられます。

 

2.内定者フォローのプロセスを改善する

内定者の不安を払拭するために、内定者フォローのプロセスを見直すことも重要です。下記で改善のポイントを紹介します。

2-1. 定期的にコミュニケーションを取る

内定者フォローでは、内定者の不安を払拭することが重要です。不安や懸念点が解消されないままだと、内定辞退のリスクが高まります。

そのため、内定後は定期的にコミュニケーションを取り、入社にあたっての懸念点があれば一つひとつ解消していくことが重要です。

 

2-2. 面談の機会を設ける

内定者フォローの期間中に一度は面談の機会を提案しましょう。

内定者フォローはメールや電話を通じておこなうことが一般的ですが、対面でのコミュニケーションによって、内定者が抱えている不安や懸念を話しやすくなったり、迅速に悩みを解消できたりといった効果が期待できます。

直接会うことが難しい場合は、ZoomやGoogle Meetといったオンライン会議ツールでの面談を実施するのもよいでしょう。

 

2-3. 期待役割と業務内容を説明する

内定者フォローでは、求める役割や業務内容に関して具体的に説明をすることが必要です。

一般的には選考段階で、期待する役割や業務について説明をしていますが、内定者がより理解を深めるために、あらためて役割や業務内容を伝えておきましょう。

 

2-4. 社員との交流の機会を設定する

内定者の多くは、転職先で人間関係を構築できるか不安を感じています。

入社前に社員と交流する機会を設け、社員の人柄や職場の雰囲気を知ってもらうことで不安払拭につながると言えるでしょう。内定者懇親会、上司になる人物や同僚との面談といった機会を設けるのがおすすめです。

 

2-5. 知識やスキルの習得支援を提案する

内定者の中には、期待されているパフォーマンスが発揮できるか不安を感じている場合もあります。

入社前の準備として、業界知識やスキルを習得する機会を提供するのも選択肢のひとつです。中途採用では事前の学習機会を提供している企業はあまりありませんが、専門性が高い業界や専門職では、実施をしている場合もあります。

提案にあたっては内定者の負担とならないよう、内定者の状況を把握したうえでおこないましょう。

 

効果的な内定者フォローによって内定辞退を防ぎましょう

本記事では内定者フォローの目的、新卒採用・中途採用の内定者フォローの流れやポイントを紹介しました。

内定者フォローの主な目的は、内定辞退の抑制ではあるものの、入社後の活躍を念頭に置き、入社前後のギャップが生じないようなコミュニケーションをおこなうことが重要です。

内定者は新しい職場に対して、不安を抱えています。入社までの期間に定期的にコミュニケーションを取り、状況を把握したうえで、不安や懸念点へのフォローをおこないましょう。

ぜひ本記事で紹介したポイントをもとに、適切な内定者フォローを実施してみてください。

この記事の監修者:矢上 真季
この記事の監修者:矢上 真季

マルゴト株式会社まるごと人事事業部 ゼネラルマネージャー

新卒でニトリ、2社目でLINEに入社し、リクルーター兼採用広報専任者として従事。マルゴトには2020年に入社。マネージャーとして複数のITスタートアップ・ベンチャーの採用を支援。
「まるごと人事」のゼネラルマネージャーと採用広報・ピッチ資料制作を代行するサービスの責任者を兼任。自社の採用マネージャーとしても従事。

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