お役立ち情報
少子高齢化や働き方の多様化などの影響で、採用競争が激化しています。優秀な人材を確保するためには、戦略的に採用活動に取り組み、より効果的なものに改善していかなければなりません。
そのために重要なのが「データ分析」です。採用活動で得られるさまざまなデータを分析すると、現在の課題や改善すべき点を知ることができます。
今回は、採用活動で収集できるデータの種類や分析方法、具体的なデータ分析の活用例を紹介します。
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目次
データ分析を行う目的
採用活動で得られるさまざまなデータを分析すれば、採用活動をより効果的に、効率よく改善できます。たとえば、求人サイトや人材紹介など求人サービスごとの内定率を分析すれば、「どの求人サービスが効果的か」が見えてきます。効果が低い求人サービスの利用を見直し、効果の高い求人サービスのみに絞ることで、採用活動にかかるコストも削減できるでしょう。
また、データ分析により、採用活動の中で問題のある部分を発見し、解決していくことで、採用活動の効率化や、採用担当者の負担を軽減することができます。時間にゆとりができれば、採用担当者は一つひとつの業務に集中して取り組めるようになるため、結果として採用活動全体の質の向上も期待できるでしょう。
採用活動で収集できる主なデータ
採用活動では、さまざまなデータを収集することができます。ここでは、「母集団形成にかかわるデータ」「選考にかかわるデータ」「コスト・時間にかかわるデータ」の3つのカテゴリー別に、代表的なデータをいくつか紹介します。
母集団形成にかかわるデータ
母集団形成にかかわるデータとは、たとえば以下のようなデータです。
- 総応募者数
- 求人サービス別の応募者数
- エージェント別の紹介者数
- 自社ホームページ採用ページからのエントリー数
- スカウト送信数
- スカウト返信数
- 説明会参加者数
- 面談設定数
このようなデータを収集し、分析することで、効果的な求人サービスやアプローチ方法を見つけやすくなるなど、母集団形成に役立てることができます。
選考にかかわるデータ
選考にかかわるデータとは、たとえば以下のようなデータです。
- 各選考の参加者数
- 各選考の合格者数
- 各選考の辞退者数
- 内定者数
- 内定承諾数
- 内定辞退者数
- 各面接官の面接回数
- 各面接官別の選考結果
たとえば、内定辞退者数が多いなら、選考のプロセスや内定後のフォローが不十分である可能性が考えられます。また、ある面接官だけ選考の合格者数が極端に少ないなら、関係者間で人材の評価基準をしっかり共有できていないのかもしれません。このように、選考で得られたデータを分析することで、採用活動における課題が見つけやすくなります。
コスト・時間にかかわるデータ
コストや時間にかかわるデータとは、たとえば以下のようなデータです。
- 各求人広告・求人サービス・エージェントの利用料
- 採用イベントの開催費用
- 一人あたりの採用単価
- 採用担当者の活動時間
- 応募から内定までにかかった日数
採用活動には多くのコストと時間がかかります。予算内で効果的な採用活動を行うために、どのくらいのコストと時間がかかっているのかは常に把握しておかなければなりません。
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基本的な3つのデータ分析方法
ここからは、最低限押さえておきたい基本的なデータ分析の方法を3つ紹介します。
1.採用活動全体のコスト
採用コストは、外部コストと内部コストの2種類に分けられます。
外部コストとは、その名のとおり外部に支払った費用のことです。たとえば、以下などが挙げられます。
- 求人広告費
- 人材紹介手数料
- 説明会やイベント・セミナーの開催にかかった費用
- 企業案内やパンフレットなどの制作費
- 採用サイトの運営費
次に、内部コストとは、採用活動を行うために社内で発生する費用のことです。たとえば、以下などが挙げられます。
- 採用担当者や面接官の人件費
- 求職者の交通費
- 求職者との会食費・交際費
- 人材を紹介してくれた社員へのインセンティブ(リファラル採用の場合)
これらをすべて合わせたものが、採用活動全体のコストになり、「採用活動全体のコストを採用人数で割る」ことで、一人あたりの採用単価を算出できます。
項目別に算出すれば、コストをかけすぎている部分、逆によりコストをかけるべき部分が把握できるでしょう。より細かく把握したい場合は、新卒採用や中途採用、パート・アルバイト採用など、採用の種類別に算出してみましょう。
参考:中途採用コストの相場とは?コストを抑えるための4つのポイント
2.応募経路ごとの内定率
求人サイトや自社ホームページ、人材紹介など、応募経路ごとに応募者数と内定者数を把握し、「内定者数 ÷応募者数 × 100」の式に当てはめて計算すると、応募経路ごとの内定率を算出できます。これにより、どの求人サービスが効果的かを分析することができます。
たとえば、応募者数が少なく、内定率が低い求人サイトがある場合、その求人サイトは「自社にとって効果的ではない」という判断を下せます。また、応募者数は多いものの内定率が低い求人サイトがある場合は、「この求人サイトには要件に合う人材が少ないのではないか」という仮説を立てられます。仮説をもとに内定率が低い原因を探り、コストをプラスしても効果が見込めないようであれば、利用をやめることでコスト削減にもつながります。
このように、応募経路ごとの採用率を算出することで、最適な求人サービスの選定が可能となり、コストを抑えて効率的な採用活動を行えるようになります。
3.歩留まり率
歩留まり率とは、次の工程に進んだ人の割合のことです。「通過した人数 ÷ 各工程の人数 × 100」の計算式で算出できます。
たとえば、二次面接を受けた人数が20人 で、これを通過し最終面接に進んだ人数が6人の場合、「6 ÷20 × 100=30」で、歩留まり率は30%となります。上図のように、他の工程に比べて二次面接の通過率が極端に低い場合は、「面接官ごとに見極める項目がずれているのではないか」という仮説が立てられます。
このように、各工程の歩留まり率を算出することで、採用活動の中で問題のある工程が見えやすくなるのです。
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【目的別】データ分析の具体的な活用例
収集・分析するデータは、多ければ良いというわけではありません。データ量が多くなれば、そのぶん採用担当者にかかる負担も大きくなります。何のためにデータ分析を行うのかを明確にし、目的に合った分析を行うことが大切です。たとえば、以下のような目的の例が挙げられます。
- 費用対効果が高い求人媒体を把握したい
- 選考辞退・内定辞退を減らしたい
- ダイレクトリクルーティングからの内定率を高めたい
ここからは、この3つの目的別にデータ分析の具体的な活用例を紹介します。
1.費用対効果が高い求人媒体を把握したい
利用する求人媒体を見直す際には、内定率だけでなく費用対効果も重要なポイントです。求人媒体ごとの利用料と採用人数を把握し、「求人媒体の利用料 ÷ 採用人数」の式にあてはめて計算すると、求人媒体ごとのコストを算出できます。
複数の求人媒体を利用しているなら、以下のように表にまとめると比較しやすくなります。
求人媒体
求人媒体 | 利用料 | 採用人数 | コスト |
A社 | 110万円 | 2人 | 55万円 |
B社 | 150万円 | 2人 | 75万円 |
C社 | 90万円 | 1人 | 90万円 |
合計 | 250万円 | 5人 | 50万円 |
このような場合、C社は採用人数が最も少ないのにも関わらず、コストが最もかかっている結果となり、明らかにコストと成果がつり合っていないことがわかります。募集文のブラッシュアップや採用プロセスを改善しても効果が見込めないようであれば、利用をやめる、または利用プランの見直しを検討しましょう。
2.選考辞退・内定辞退を減らしたい
選考辞退や内定辞退が多い場合は、各工程の歩留まり率を算出することで、原因や課題が見えてくるでしょう。他の工程に比べて歩留まり率が低い部分には、改善すべき点が隠れていると考えられます。
たとえば、書類選考から面接までの歩留まり率が低い場合は、「書類選考に時間をかけすぎて求職者の志望度が下がってしまったのではないか」、または「求職者に良くない印象を与えてしまったのでは」という仮説が立てられます。
企業側の対応スピードや、面接日時を伝える際の文面などを振り返り、原因を探ってみましょう。
また、内定から入社までの歩留まり率が低い場合は、内定後のフォローが足りていなかった可能性が考えられます。内定を出した後も定期的に連絡を取っていたか、内定者が不安を感じている様子はなかったかなどを振り返り、改善策を考えてみましょう。
このように、歩留まり率から仮説を立てて原因を探り、採用活動を改善していくことで、辞退者を減らすことができるでしょう。
参考:内定者フォローの目的や流れ、内定辞退を防ぐためのポイントを解説
3.ダイレクトリクルーティングからの内定率を高めたい
ダイレクトリクルーティングとは、企業自らが求める要件を満たす人材を探し出し、スカウトメールで直接アプローチするという採用手法です。
ダイレクトリクルーティングで思うような成果が得られない場合は、スカウト送信数、スカウト返信率(スカウト返信数 ÷ スカウト送信数)、面談設定率(面談設定数 ÷ スカウト返信数)などを分析し、内定率が低い原因を探ります。
もし、十分なスカウトメールを送信しているにもかかわらずスカウト返信率が上がらない場合は、スカウト文面を見直してみましょう。また、面談後の選考通過率や選考後の内定率が低い場合は、ターゲットではない人材にスカウトメールを送っているのかもしれません。求める要件や人材を抽出する基準を改めて明確にすることで、内定率が改善される可能性があります。
参考:ダイレクトリクルーティングの費用とは?料金形態と平均費用、導入時のポイントを解説
採用分析を行う際の注意点
1.データ分析によって知りたいこと・成し遂げたいことの目的を明確にする
採用活動によって優先すべきことはその時の状況によって異なります。例えば優先順位を上げて採用活動を行わないといけない場合には、一時的にコストをかける必要も出てきます。その場合には、解決すべき課題は母集団形成になるのでどの媒体が効率よく母集団形成ができるのか・歩留まりが良いのかを調べる必要があります。
逆に採用コストを下げることが最優先の場合、調べるべきは各媒体の費用対効果になるので分析する内容が異なってきます。このように、採用活動において解決したい課題や目的を明確にしないとただ闇雲にデータ収集・分析を行うことになり工数を圧迫してしまいます。
2.定量データだけでなく定性データまで可視化する
応募データやコストデータなど、定量的に出せるものだけでなく候補者の関心度や魅力に感じた部分、評価ポイントなど定性面についても言語化することも大切です。直接ヒアリングしたり、途中でアンケートを挟むなどデータを蓄積して要因を分析し、仮説立てして求人票やスカウト文に反映することでより効率的に採用活動を行うこおとに繋がります。
時には採用時だけでなく、入社してから数ヶ月経過してからの活躍具合を確認し、今後の採用活動に活かすこともできるでしょう。
データ分析で採用活動を改善しよう
採用活動で得られるさまざまなデータを分析することで、採用活動における課題の発見と改善がしやすくなります。しかし、収集・分析するデータは多ければ良いというわけではありません。
データ分析の目的を明確にし、目的に合った分析を行ってこそ、高い効果が得られるでしょう。
また、データ量が多いほど、データ分析には時間がかかり、業務の合間に行うのが難しくなります。リソース不足にお悩みなら、「まるごと人事」にご相談ください。「まるごと人事」の採用代行は、データ分析を含む採用活動後の振り返り・改善までサポートいたします。
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