採用・労務・経理に関するお役立ち情報
介護業界の新卒採用に課題を抱える事業所は少なくありません。実際に大学生の中で「大卒で介護は負け」といった心無い残念な声があるのも事実です。
ですが、若くてやる気のある人材確保のために、新卒採用を目指す介護事業所の採用担当者の方もいるのではないでしょうか。
本記事では、介護業界で新卒採用が難しいと言われている理由を深掘りするとともに、実際に新卒で介護の道を選んだきっかけから新卒採用を成功に導くための具体的なポイントを解説していきます。

「まるごと新卒採用」
資料を無料でダウンロード
月額のサブスク型で、採用のプロがご支援!ご支援範囲はご希望により柔軟にカスタマイズ可能です。立ち上げから運用の支援までお任せください!
目次
介護業界における新卒採用の現状とメリット・デメリット

介護業界の新卒採用に取り組むかを判断するには、業界を取り巻く環境と新卒採用ならではの効果を把握する必要があります。人材不足の深刻化や採用市場の競争激化は、事業所運営の存続にも関わる重要なテーマです。以下では業界の現状と、新卒採用のメリット・デメリットを順に整理していきます。
慢性的な人手不足と採用市場の現状
介護業界は、需要拡大に人材供給が追いつかない構造的な不足状態に陥っています。
厚生労働省「第9期介護保険事業計画」では、2026年度に必要な介護職員は約240万人と推計され、2022年度の215万人と比較すると約25万人の不足が見込まれます。毎年6.3万人の確保が必要な計算です。
新卒採用市場も売り手有利が続いており、リクルートワークス研究所の調査では2026年3月卒の大卒求人倍率は1.66倍と高水準で推移しています。学生獲得の競争は業界を問わず激化している状況といえるでしょう。
出典:介護人材確保に向けた取組について(厚生労働省) / 第43回 ワークス大卒求人倍率調査(リクルートワークス研究所)
新卒採用を行う3つのメリットと中途採用との比較表
新卒採用の主なメリットは、年齢構成の最適化・組織の活性化・自社文化への適応性の3点です。介護労働安定センター令和6年度調査によると、65歳以上の労働者割合は訪問介護員で24.0%、介護職員で10.9%にのぼり、若手不足が顕著となっています。新卒採用と中途採用の特徴を比較したものは、以下のとおりです。
| 項目 | 新卒採用 | 中途採用 |
|---|---|---|
| 年齢構成 | 若手層を計画的に確保し均衡を保てる | 中高年層に偏りやすい傾向 |
| 即戦力性 | 育成期間が必要 | 入職後すぐに現場で活躍可能 |
| 自社文化への適応 | ゼロから理念や介護観を浸透させやすい | 前職の価値観との調整が必要 |
| 採用コスト | 育成投資が大きい | 教育コストは比較的少ない |
新卒は短期的な戦力化では中途に劣るものの、長期的な組織基盤づくりに大きく貢献する選択肢といえます。
出典:令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について(介護労働安定センター)
介護業界の新卒採用が難しい理由

近年の学生は少子高齢化について理解し問題意識があるものの、以下の理由で介護業界の就職には至らない傾向があります。
- 福祉系学部以外の学生の志望度が低い
- 学歴を活かせないと思っている
介護の一場面のみを切り取ると、「学歴を活かせない」と思い志望度が低くなりますが、介護職につくことでのキャリアビジョンが明確になれば将来像が見え志望度を高められるでしょう。
新卒で介護業界に入職した理由や決め手

介護は新卒採用が難しいと言われるなか、介護業界に就職を決めた学生も珍しくありません。介護は新卒採用が難しいと言われるなか、介護業界に就職を決めた学生も珍しくありません。新卒採用には法人側にも学生側にもメリットがあるので、法人視点、学生視点からそれぞれの入職理由を順に整理していきましょう。

「まるごと新卒採用」
資料を無料でダウンロード
月額のサブスク型で、採用のプロがご支援!ご支援範囲はご希望により柔軟にカスタマイズ可能です。立ち上げから運用の支援までお任せください!
【法人視点】新卒採用を行う3つのメリットと中途採用の比較
介護業界は中途採用に依存する傾向が強いものの、人材確保競争は年々激化しています。事業所全体の従業員の過不足感では「不足」と答える事業所が65.2%にのぼり、前年度より上昇している状況から、近年は新卒採用に注力する法人も増えています。新卒採用におけるメリットの一例は以下の通りです。
| メリット | 内容 | 背景・市場データ |
|---|---|---|
| 1.若年層の早期確保 | 介護人材の確保競争が激化するなか、新卒採用は中途市場に出回らない若年層へ直接アプローチできる貴重な手段 | 20〜24歳層の月収伸び率は5.8%と全年齢平均(3.1%)を大きく上回り、若手獲得を巡る競争の激しさを物語っている |
| 2.年齢構成の最適化 | 新卒を計画的に採用すれば年齢層のバランスが整い、世代間ギャップに起因する人間関係トラブルを抑えやすくなる | 介護労働者の離職理由として「職場の人間関係に問題があったため」が24.7%と最も高くなっている |
| 3.自社文化への適応性 | 自社の理念や介護観をゼロから学ぶため、独自のサービス品質や職場文化を体現する人材へと育成しやすい傾向 | 中途採用では前職とのギャップが定着の課題 |
出典:令和6年度「介護労働実態調査」結果の概要について(介護労働安定センター)
【学生視点】新卒で介護業界に入職した理由や決め手
実際に以下のようなきっかけで、新卒で介護業界に就職しています。
- 小学校で介護施設にボランティアに行った際、いい印象だった
- アルバイトで高齢者と関わる機会が多く、高齢者と過ごす空間が居心地良く感じた
- 学校で高齢者介護の福祉問題を知りIoT導入をしている企業を知り他では得られない経験ができると思った
- 一般企業を中心に採用活動をしていたが志望理由に熱が入らなかった時、家族から高齢者や子どもと接する仕事が向いているのでは言われ挑戦してみたいと思った
学生生活やプライベートな時間の中で高齢者と接する場面が多く、潜在的に「高齢者と関わる仕事もいいな」と思う学生も少なからず存在すると言えるでしょう。
介護業界での新卒採用のはじめ方4ステップ

では実際に介護業界で新卒採用者を獲得するために必要なことを4つのステップで解説します。以下の新卒採用スケジュールを踏まえて見進めてください。

参考:厚生労働省「新規高等学校卒業者の就職に係る採用選考期日等」
厚生労働省「大学等卒業・修了予定者の就職・採用活動時期について」を参考に筆者が表を作成
採用計画を立案する
まず採用計画を立案し、どのような人材を何人採用したいかを明確にしましょう。
以下の3つの理由から採用計画は重要といえます。
- 関係者でスケジュールや活動内容を共有できる
- 計画した内容と実際の活動内容に齟齬が出た際に課題を把握しやすい
- 企業と求職者の認識のズレを最小限にしミスマッチを減らす
採用計画を立てるにあたって、採用市場やトレンド、競合他社の募集状況の把握をすると採用計画の実効性がより高まります。
以下の記事では採用計画の立て方やコツ、具体的な施策について解説しています。
新卒採用フローを把握する
新卒採用フローは大きく3つのフェーズごとの取り組みが必要です。
また、新卒フローは以下の3つのタイプがあり、採用ターゲットや目標人数によって適したフローを選ぶといいでしょう。
- 標準タイプ:一般的な採用フロー、企業理解を深めるステップがある
- 説明会・選考一体形式タイプ:学生の企業理解が深まる一方、ミスマッチや志望度は低い可能性がある
- 試験先行タイプ:多く候補者を集め、フィルタリングができる
各採用フローのタイプを理解し、事業所に合ったフローを選択しましょう。
以下の記事では新卒採用フローや各フロータイプについて詳しく解説しています。
新卒者向け採用コンテンツの制作
新卒者に向けた採用コンテンツを制作しましょう。採用サイトも新卒ページを作ると、学生自身が「自分に向けたページ」と思え、採用活動に効果的です。
他にも、介護の仕事のネガティブさを払拭し「働きやすい」と思えるように、以下のようなコンテンツ制作がおすすめです。
- 新卒採用者の業務の1日密着やスケジュール、休日の過ごし方や同期・先輩との関わり方など
- 2年目へのインタビューで1年目で辛いことに直面した際の乗り越え方、続けて良かったと思うエピソードなど
どのような仕事も大変さはあるといった前提で「この職場なら続けられる・乗り越えられる」と思えると、介護の仕事をポジティブに捉えられ志望度も上がるでしょう。
インターンシップを企画し行う

出典:文部科学省他「インターンシップの推進に当たっての基本的考え方」
インターンシップ実施期間要件は、汎用能力活用型は5日間以上、専門活用型は2週間以上です。選考スケジュールや改正ポイントをふまえ、企業に合った採用戦略の策定につなげましょう。
介護業界で新卒採用を成功させる5つのポイント

ネガティブなイメージが多い介護業界ですが、以下で解説する5つのポイントを踏まえれば採用の成功につながります。
1.学校との交流を深める
教員が生徒に就職先を提案するケースもあるため、新卒採用では学校との交流がマストです。特に、教育指導担当教員とのコミュニケーションを図るようにするといいでしょう。今年度の採用者がいなくても交流を続けることで企業への印象もよくなり採用につながりやすい傾向があります。
学校主催の就活イベントがあれば積極的に参加し、採用ターゲットとなる学生との交流を図りましょう。さらに、参加してくれた学生への印象づけとして、特徴的なノベルティを配布するのも有効な一案です。たとえば、介護現場で実際に使われるハンドクリームや消毒ジェル、施設キャラクター入りのオリジナルグッズなどを用意すると、業界らしさを伝えながら記憶に残りやすくなります。
数あるブースのなかから自社を思い出してもらうきっかけとなり、後日のエントリーや問い合わせにつながる可能性が高まるでしょう。
2.合同説明会に参加する
福祉系学部以外の学生も、新卒で介護業界に就職を決めています。ただし、初めから介護職を目指した学生は多くなく、志望度が低いのも現状です。
そのため合同説明会に参加し、介護業界に興味がなくてもまずは認知してもらうことが大切といえます。
大企業や希望する企業への就活がうまくいかない際に、就職先の幅を広げ介護の道に進む人もいるため、印象に残るようなアピールで認知を拡大できるといいでしょう。
3.新卒で入職した先輩スタッフのキャリアアップモデルを提示する
介護の仕事のイメージは「高齢者のオムツ交換や食事介助」など、3Kと言われ「きつい・汚い・危険」が多い傾向があります。
さらに、近年は3Kに留まらず9Kとなり以下が追加されました。
- 給料がやすい
- 休暇が取れない
- 規則が厳しい
- 化粧がのらない
- 薬に頼って生きてる
- 根気が遅い
介護業界は、仕事の大変さだけでなく、キャリアアップも可能です。リアルなキャリアアップモデルを提示して上記の9Kを払拭しましょう。
4.教育サポート内容の提示と「現場とのズレ(受入キャパ)」の解消
いくら未経験可といっても「本当に自分にできるか」「続けられるか」と多くの学生は不安を抱えているでしょう。介護の仕事を前向きに捉え志望度を上げるには、安心して働ける環境であるかを明示することが重要です。
たとえば、以下のような方針をあらかじめ提示すると自信を持って介護の分野が選べるでしょう。
- 入職後1ヶ月間は現場ではなく座学やシミュレーション研修とする
- 現場にでてから数ヶ月は必ず先輩とペアで動く
- 独り立ちの目安の時期を伝える
- 夜勤がある職場は新人にはさせない
自社研修や教育だけでなく、外部研修や資格取得支援サポートは学生にとって魅力的にうつるため採用に効果的です。
ただし、採用コンテンツで打ち出した教育方針と、実態が乖離すると入職後にミスマッチが生じてしまいます。本社が想定する「理想の新人受け入れ像」と現場の実情が揃っているか、事前にすり合わせておきましょう。
5.新卒採用者のフォローアップ体制と「迅速な意思決定」の仕組み化
介護の仕事は人との関わり合いの中でも世代の離れた高齢者を相手にするため、コミュニケーションで「うまくいかない」「何を話したらいいかわからない」など悩む人も多いのが現状です。
こうした悩みを一人で抱え込んだ結果、仕事の厳しさに押しつぶされて退職を考える新卒も少なくありません。そのため新卒採用者のメンターを設定し、業務内容だけでなく精神的なフォローができる体制を作るのが重要なのです。
また、メンター以外のスタッフも全員で新卒採用者をフォローできるよう、職場全体の人間関係や風通しの良さを整える必要があります。
加えて、選考中の意思決定スピードも見直しましょう。現場責任者・施設長・本社人事と関係者が多く、合否判断に時間がかかり辞退につながる事例は少なくありません。各面接段階で「誰が・いつまでに・何を判断するか」を事前に決め、合否連絡は3営業日以内など社内ルールを設けると、良い人材を逃さない選考フローを実現できます。
介護業界の新卒採用を成功させるには介護と企業の魅力を伝えることが重要

現代の学生からすると、どの業界もITやIoTは当たり前の時代になりました。介護業界でもIoT導入を検討し、新卒採用を成功させている事業所もあります。
他にも人間関係の良さや働く環境が学生にとっては魅力的にうつるため、採用コンテンツで打ち出すことが新卒採用にとって重要といえるでしょう。
とはいえ、新卒採用は工数も多く期間も長いため、採用担当者の負担は大きくリソースも割けないといった悩みもあると思います。
介護の新卒採用でお悩みの際は「まるごと人事」の無料相談を活用し、採用目標を達成させる一助としてください。

「まるごと新卒採用」
資料を無料でダウンロード
月額のサブスク型で、採用のプロがご支援!ご支援範囲はご希望により柔軟にカスタマイズ可能です。立ち上げから運用の支援までお任せください!
CATEGORYカテゴリ
TAGタグ
関連記事
スタートアップ・ベンチャーの「1人目人事」とは?採用タイミングや採用のポイントを紹介
- 採用企画
人事必見!採用直結型インターンとは?計画からフォローアップまで完全網羅
- 採用企画
- 採用オペレーション
役割等級制度とは|メリット・デメリットや導入手順を解説
- 採用企画
IT業界における離職率|人材を定着させる5つの戦略を解説
- 採用企画
「エンゲージメント採用」実践ガイド|メリット・デメリット、導入すべき企業を紹介!
- 採用企画
フロントエンドエンジニア採用が難しい!5つの理由と8つの成功戦略
- 採用企画






