採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2026.08.28 公開日:2026.08.21
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

動物病院の獣医師採用代行・RPOとは|新卒採用の課題や採用手法を解説

動物病院の獣医師採用代行・RPOとは|新卒採用の課題や採用手法を解説

動物病院の獣医師採用が難しい理由と、人手不足が現場に与える影響

動物病院の獣医師採用が難しい理由と、人手不足が現場に与える影響

動物病院で獣医師がなかなか採用できない背景には、一つの病院だけでは抱えきれない業界全体の事情があると言えます。

求人を出しても応募が集まらない状態が続くと、現場で働くスタッフへの負担はさらに重くなっていきます。採用がうまくいかないのは決して個々の病院の努力不足ではなく、獣医療業界そのものが構造的な人材不足を抱えているからです。

ここでは、客観的なデータと現場の実態を通じて、獣医師採用が難航する理由を解説します。

データで見る獣医療業界の人手不足の実態

獣医療業界の人材不足は、多くの獣医師が日々の現場で実感している深刻な問題です。株式会社TYLが発表した直近の意識調査では、回答した獣医師79名のうち81%が業界は人材不足だと感じていると答えました。8割を超える現場の声が、人手の足りなさを裏付けています。

人材不足が引き起こす影響について、獣医師が感じている内容は以下のとおりです。

順位人材不足による影響回答割合
1位時間外労働が増える78.1%
2位長時間労働が増える65.5%
3位休憩が取れない54.7%

時間外労働の増加を挙げた獣医師が約8割にのぼり、休憩すら満足に取れないという回答も半数を超えました。人手が足りないために、現場で働く一人ひとりの負荷が膨らんでいく実態が読み取れます。

人手不足の影響は、入職したばかりの新卒獣医師にも及んでいます。人材紹介サービスのパンダキャリアが2025年に新卒獣医師90名を対象に実施した調査では、就職からわずか2か月の時点で勤務時間・休日に不満を感じる人が42.2%に達しました。給与(23.3%)や業務量(20.0%)への不満を大きく上回る数字であり、長時間労働や休日の少なさが新卒の早期離職につながりかねない懸念材料となっています。

採用に苦労しているとしても、それは自院の取り組みが足りないわけではありません。業界全体が同じ悩みを共有しているという事実を知るだけでも、肩の荷が少し軽くなるはずです。

出典:PR TIMES|8割以上の獣医師が、獣医療業界は人材不足と回答
出典:PR TIMES|新卒獣医師 初年度就業実態調査 2025

なぜ採用が難しい?現場が抱える構造的な課題とは

獣医師の採用が思うように進まない理由は、複数の要因が重なっている点にあります。日々の診療に追われる現場では、採用活動にじっくり向き合う余裕を持ちにくいのが正直なところでしょう。

動物病院が採用で直面しやすい構造的な課題は、以下のとおりです。

構造的な課題現場で起きていること
本業と採用業務の兼務院長やスタッフが診察・手術の合間に求人対応をするため、応募者への連絡や面接準備に十分な時間を割けず、機会を逃しがちになる
採用競争の激化全国に動物病院が約1万6,000施設以上ある一方、小動物臨床へ進む新卒獣医師は限られ、貴重な人材を多くの病院が奪い合っている
病院の魅力が届かない採用広報まで手が回らず、働く環境やカルチャーが外部に伝わらないため、求職者の選択肢に入りにくい
柔軟な働き方の不足出産・育児などライフイベントを経た人材を受け入れる体制が整わず、復職を望む層を取りこぼしてしまう

採用がうまくいかない背景には、現場の忙しさという根深い事情が横たわっています。だからこそ、限られた時間でも成果を出せる工夫が必要になります。

【明日からできる】獣医師の採用課題を解決する実践策3選

【明日からできる】獣医師の採用課題を解決する実践策3選

採用難が業界全体の課題だとわかっても、現場の悩みがすぐに消えるわけではありません。とはいえ、特別な予算をかけずとも今日から着手できる工夫はいくつもあります。求人票の見直しや日常の発信、働く環境の整え方が応募者の心を動かすからです。

ここでは、明日から実践できる3つの解決策を紹介します。

求人票の改善(ターゲット再設定・ペルソナへの寄り添い)

求人票は、求職者が最初に出会いやすい採用情報です。誰に向けた募集かを明確にし、読み手が自分ごととして受け止められる文面へ整えるだけで、応募の質は変わってきます。

応募につながりやすい求人票へ近づける工夫は、以下のとおりです。

工夫内容期待できる効果
歓迎条件にブランクOKと明記する復職をためらう層の心理的ハードルが下がる傾向がある
「こんな方におすすめ」の項目を設ける読み手が自分に合う職場か判断しやすく、ミスマッチも減らせる
業務内容を詳しく書き、こまめに更新する他院との差別化につながり、求職者の目に留まる機会が増える
ターゲットに合わせた情報粒度や表現になっているか見直す求職者が「自分に向けた求人だ」と受け止めやすくなり、質の高い応募に繋がりやすくなる

求職者へ丁寧に対応する積み重ねが、前向きな口コミの流入につながるケースもあります。周囲の評判を重視する新卒には、特に有効な後押しになると考えられます。

採用広報の強化(SNSでの日常発信や採用ピッチ資料の活用)

採用広報とは、病院の雰囲気や価値観を発信し、求職者に自院のファンになってもらう取り組みです。求人前に認知を広げておくと、応募の母集団が厚くなります。地方の動物病院や資格職の採用では、発信の有無が結果を左右する場面も少なくありません。

代表的な手段であるSNSと採用ピッチ資料の活用ポイントは、以下のとおりです。

手段活用のポイント
SNS(Instagram・note等)診療風景や代表の想いを発信する 自分でSNSを検索して応募する内定者もおり、人柄を見せる発信が他院との差別化につながるケースがある
採用ピッチ資料働き方に加え病院の周辺環境を具体的に紹介する キャリア形成や病院の展望など深みのある話題も盛り込む 地方出身者の在籍比率等も盛り込むと、地方学生の生活イメージへの不安払拭に有効な傾向がある

無料で始められるSNSと、自院の魅力を体系立てて届ける採用ピッチ資料は、組み合わせると効果が高まります。求職者の認知から応募までを後押しする土台になります。

業務の切り出しによる「働きやすさ」のアピール

獣医師や愛玩動物看護師が専門業務に集中できる環境は、求職者にとって大きな魅力になります。例えばコア業務により集中しやすくなる環境づくりの一環として受付や電話対応をパートスタッフへ切り分ける、といった取り組みです。

求人票や採用広報では働きやすさを具体的な仕組みとして示すと同時に、何故そのような体制を導入したのか「背景になる想い」まで表現できると、数字や条件の羅列だけでは伝わらない自院ならではの魅力が求職者の記憶に残ると言えるでしょう。

基本と活⽤方法をわかりやすく解説
採⽤ピッチ資料って何?

基本と活⽤方法をわかりやすく解説

採用ピッチ資料の制作のプロが、採用ピッチ資料の基本や活用のポイントを徹底解説します!

ダウンロードはこちらから!

動物病院の獣医師採用手法の比較と「採用代行(RPO)」の役割

動物病院の獣医師採用手法の比較と「採用代行(RPO)」の役割

獣医師の採用手法には、それぞれ得意とする役割があります。すぐに採用したいのか、時間をかけて病院のファンを増やしたいのかによって、選ぶべき手段は変わってくるからです。手法ごとの特徴を把握すれば、自院の状況に合った組み合わせが見えてきます。

ここでは、主要な採用手法を比較し、採用代行(RPO)が担える役割を解説します。

【比較表】主な採用手法(求人媒体・エージェント・SNS・RPO)

採用手法は大きく4種類に分けられます。それぞれコスト感や運用の手間、効果が出るまでのスピードが異なるため、特性を理解した上で使い分ける姿勢が求められます。

主な採用手法の特徴は、以下のとおりです。

手法特徴コスト感運用の手間効果が出るスピード
求人媒体今すぐ転職したい層を直接集める刈り取り型掲載料や成果報酬が発生自院で原稿作成・応募対応比較的早い〜中程度
紹介会社(エージェント)条件に合う人材を紹介してもらう刈り取り型成功報酬で年収の一定割合低め(紹介を待つ形)比較的早い〜中程度
採用広報(SNS等)病院の日常やカルチャーを発信する土台作り型無料で始められる高め(継続発信が必要)遅め(即効性は低い)
採用代行(RPO)戦略から実務まで外部が伴走する型依頼範囲により変動大幅に削減できる中程度

求人媒体とエージェントは、転職意欲の高い人材を直接集める手法です。一方でSNSなどの採用広報は、何となくいい病院だと感じてもらう認知から意欲醸成までの土台を作る手法として自院の資産になる反面、自社で運用するには工数がかかったり、ある程度専門的な知識が必要になる点が特徴です。

RPO(採用代行)が獣医師採用で担える具体的な業務

RPO(採用代行)とは、採用にまつわる業務を外部の専門家へ委託する仕組みです。戦略の設計から日々の実務まで幅広く任せられるため、本業に追われる現場の負担を大きく減らせます。

RPOが巻き取れる主な業務は、以下のとおりです。

業務領域委託できる内容
戦略設計採用計画の立案、採用チャンネルの選定
求人票作成ターゲットやペルソナの見直し〜職種別の訴求ポイント整理と原稿の作成、媒体管理
エージェント運用定期的な振り返りや活用方針の提案・説明会の企画〜実行などエージェントコントロール全般
スカウト運用候補者の選定、カスタマイズ文章の作成〜スカウトメールの送信・返信対応
面接調整日程連絡や候補者フォロー、選考管理

特にスカウトメールに不慣れな求職者は少なくありません。届いたメールへの対応に戸惑い、エージェントへ相談する人もいるほどです。

そこで、知見やノウハウ豊富なRPOの担当者が一人ひとりへ丁寧にフォローを重ねると、求職者の不安がやわらぎ、承諾率が高まる傾向があります。人を介して病院の良さを伝える姿勢が、応募から内定までの歩留まりを支える重要なポイントと言えるでしょう。

動物病院がRPO(採用代行)を利用するメリット・デメリット

動物病院がRPO(採用代行)を利用するメリット・デメリット

RPOは現場の負担を減らす有力な選択肢ですが、導入すればすべて解決するわけではありません。委託する範囲や進め方によって、得られる効果も発生するコストも変わってくるからです。長所と短所の両面を把握した上で検討する姿勢が、満足度の高い導入につながります。

ここでは、RPO導入のメリットとデメリット、そして成功へ近づくための手順を解説します。

【表】メリット・デメリットの比較

RPOの導入を判断するには、得られる利点と注意すべき点を並べて見比べる方法が有効です。両者を天秤にかけると、自院にとって妥当な選択かどうかが見えてきます。
RPOのメリットとデメリットは、以下のとおりです。

メリットデメリット
現場の採用工数を大幅に削減でき、コア業務に専念できる依頼範囲(または稼働工数)が広がる・増えるほどコストが変動しやすい
特定の媒体に依存せず、複数の手法を横断して動ける導入初期のタイミングで院内の魅力や文化を担当者へ共有する必要がある
採用のプロの知見やノウハウを取り入れて施策の精度を高められる、内製化に向けた体制づくりもできる最終的な採用判断や契約対応など、どうしても自院で対応しなければならない業務は残る

メリットは、現場の負担軽減と専門知識の活用に集約されます。一方でデメリットは、コストの変動や情報共有の手間といった運用面に表れます。短所は委託範囲の設計や担当者との連携によって和らげられるため、過度に身構える必要はありません。

RPO導入を成功させる5つのステップ

RPOの効果を引き出すには、段階を踏んで準備を進める流れが大切です。ある程度でも自院の課題を明らかにしてから委託範囲を決めると、期待値のズレやミスマッチが生じにくいと言えるでしょう。
導入を成功へ導く手順は、以下のとおりです。

ステップ取り組む内容
1. ターゲット設定どんな人材を採りたいか人物像を明確にする
2. 課題の洗い出し現状の採用活動で何がうまくいっていないかを把握する
3. 業務範囲の決定どこまでをRPOへ委託するか線引きのイメージを決める
4. 会社の比較複数の事業者を実績や費用で比べ、相性を見極める
5. データ改善応募や承諾の数値を振り返り、施策を継続的に磨く

5つの手順を順に踏むと、委託後の認識のずれを減らせます。特に最後のデータ改善は、一度任せて終わりにせず、成果を見ながら二人三脚で精度を高めていく姿勢が成否を分けます。

まとめ:動物病院の獣医師採用にお悩みなら

動物病院の獣医師採用にお悩みなら採用代行がおすすめ

獣医師の採用が難しいのは、業界全体が慢性的な人材不足を抱えているからです。8割を超える獣医師が人手不足を実感し、時間外労働や休憩の取りづらさに直面しているという調査結果も出ています。採用が思うように進まないのは、努力不足だからではありません。

求人票でターゲットを見直し、SNSや採用ピッチ資料で魅力を発信し、業務分担を整えて働きやすさを伝える工夫は、明日からでも着手できます。とはいえ、日々の診療に追われるなかで、採用活動まで手厚く取り組む余裕を持つのは簡単ではありません。

採用に割く時間や人手が足りないと感じるなら、業務を外部へ任せるアウトソーシングは前向きな選択肢です。採用代行(RPO)を活用すれば、戦略設計から求人票作成、スカウト運用、面接調整までを専門家へ委ねられ、現場は診療に集中できます。獣医師採用の進め方に悩んでいるなら、マルゴト株式会社へお気軽にご相談ください。

採用代行(RPO)基本マニュアルを無料公開
採用で悩んでいる方必見

採用代行(RPO)基本マニュアルを無料公開

採用代行(RPO)の基本やメリット/デメリット、シーン別の活用方法がわかる!採用にお悩みの方は是非チェックしてみてください!

ダウンロードはこちらから!
「まるごと人事」の資料を無料でダウンロード
3分でわかる!

「まるごと人事」の資料を無料でダウンロード

リピート率95%!!料金やお得な活用方法、企業の声や事例、導入までの流れを無料でご紹介!

無料で資料をダウンロード!
この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

まるごと人事として650社以上の企業の採用支援
書籍『「本当にほしい人材」が集まる中途採用の定石』好評発売中

2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
> 出演した番組はこちら

  • X(Twitter)
  • facebook
  • note
  • YouTube

関連記事

新着記事