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2022.10.29 更新日:2024.10.08
この記事の監修者:矢上 真季

この記事の監修者:矢上 真季

求人募集文の書き方を解説。作成のポイントと改善に向けたチェックリストを公開

求職者が企業へ応募を検討する際に目を通す求人募集文。求人募集文は、自社の魅力をわかりやすく伝え、求める人材からの応募を促すことが目的です。

しかし、「求人を出したものの応募が集まらない」、「自社の魅力が伝わっているかわからない」などの悩みをお持ちの採用担当者様もいるのではないでしょうか。

本記事では、求人募集文作成にあたっての事前準備、魅力的な文章にするためのポイントや公開前に確認すべきチェックリストなどをご紹介します。

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求人募集文とは

求人募集文とは企業が募集を行う際に、採用媒体上で求職者向けに応募を促すための文章です。

募集する職種や仕事内容、求めるスキルといった基本情報だけでなく、自社の魅力や働くうえでのメリットなどを伝えることができます。そのため、求職者が自社への応募を判断する際に重要な役割を果たすと言えるでしょう。

自社の魅力が伝わる求人募集文が書ければ、応募数の向上が期待できます。

 

求人募集文作成の事前準備

求人募集文を作成するためには、事前準備が欠かせません。いきなり文面を書き始めるのではなく、「だれに」、「なにを」、「どのように」伝えるかをあらかじめ整理しましょう。

事前に整理をしておくことで、求職者に対して効果的に自社の魅力を訴求することができます。下記のステップを参考に、事前準備を行いましょう。

  1. 人材要件・採用ペルソナの設定
  2. 自社で働く魅力の明確化

 

1.人材要件・採用ペルソナを明確にする

はじめに「だれに」伝えるかを決めましょう。「だれに」伝えるかを整理する際にポイントとなるのが、人材要件と採用ペルソナの設定です。

下記で設定方法を解説します。

1-1. 人材要件を決める

人材要件とは「どのような人材がほしいのか」を社内で言語化した基準を指します。選考の合否を判断するうえで基準となるだけでなく、面接官や採用担当者の主観による採用を防ぎ、採用活動の公平性や客観性を担保する重要な要素です。採用ミスマッチの防止も期待できます。

人材要件は、任せたい業務を遂行するうえで必要となるスキルや知見、志向性などの項目を考慮して設定します。

また、求めるスキルだけでなく、会社とのカルチャーフィットも重要な要素です。自社が大切にしている価値観に共感し、チームの一員として活躍できる人材からの応募を獲得するためにも、求める価値観や志向性も人材要件に加えるようにしましょう。

人材要件の設定にあたっては、要件が細かすぎると該当する人材が少なく採用に苦戦する可能性が高いため、MUST条件」「WANT条件」を上手く活用し、優先順位をつけて設定するのがおすすめです。

  • MUST条件とは:必須条件。業務に欠かせない、絶対に外せない条件
  • WANT条件とは:歓迎条件。できればあったほうがよい条件

MUST条件が多く、該当する人材が減ってしまう場合は、MUST条件を減らす、あるいはWANT条件に置き変えるなどの調整をし、優先度を検討していきましょう。

 

1-2. 採用ペルソナを決める

採用ペルソナとは、自社が求める採用ターゲットの典型的な人物像のことです。性別や年齢、居住地、ライフスタイルや趣味、仕事への価値観といった具体的な情報をもとに作り上げた人物像が採用ペルソナです。

属性や持っているスキルに加えて、ライフスタイルや趣味、仕事への価値観といったパーソナリティも含めて、人物像をイメージします。

採用ペルソナを設定することで「現職でどのような課題をもっているのか」、「転職先にはなにを求めているのか」を具体的に想定できます。求職者のニーズを把握できると、求人募集文で魅力やメリットを的確に訴求しやすくなります。

採用ペルソナをさらに具体的に設定する場合には、社内で実際に活躍している人材をモデルとするのも一つの方法です。社内で活躍しているということは、理想のモデルに近いと考えられます。たとえば、転職の際に重要視していた価値観や、自社とマッチしている要素などを聞いてみるとよいでしょう。

参考:https://marugotoinc.jp/blog/recruitment-persona/

 

2. 自社や募集しているポジションの魅力を洗い出す

人材要件・採用ペルソナが決まったら「なにを」伝えるのかを検討します。

自社の特徴や募集職種の魅力を洗い出し、伝えたい要素を整理していきます。魅力を洗い出す際には、下記の項目を参考にさまざまな切り口から検討してみましょう。

魅力の洗い出しの例)

  • 会社:理念・ミッション/ビジョン/経営陣の魅力
  • 業界・事業:業界の成長性/事業の規模感・社会貢献性
  • ポジション:管理職採用/ポジションアップを見据えた採用
  • 仕事内容:やりがい/ 裁量の大きさ
  • 社風:カルチャー/雰囲気/社内イベント
  • 給与:年収/評価制度との連動性
  • 福利厚生:オリジナルの制度/有給消化率/リモートワークの可否

自社の魅力が洗い出せたら、採用ターゲットに向けて訴求したいポイントを求人募集文に反映させましょう。

 

3.各ポジションの転職インサイト/そこに訴求できる自社魅力を整理する

転職しようと思うタイミングやキッカケは人それぞれですが、職種/企業規模/役職によって傾向は存在します。

ただ自社の魅力と欲しい人物像だけをアピールするのではなく、「どういった悩みや目的をもって求人検索をしている人が多いのか/何を転職軸にしている人に訴求したいのか」を明確にすることで、より志向性のあった方からの応募を獲得しやすくなります。

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【項目別】求人募集文で意識したいポイント

ここでは、「どのように」伝えるかを、求人募集文に記載する項目別に解説します。どの項目においても、情報の分かりやすさと具体性が重要です。

1.求人タイトル

求人タイトルは、求人情報の第一印象を決める役割を持っています。求職者に数ある求人の中から自社を選んでもらうためのきっかけとなる項目です。

求人タイトルを見て自社に興味を持ってもらえれば、求人情報の詳細を見てもらえる、応募を検討するなどの次のアクションにつながりやすくなります。

採用ターゲットが求めている情報はなにかを念頭に、下記のポイントを踏まえて作成しましょう。

 

求人タイトル作成時の5つのポイント

  1. 自社で働くうえでのメリットを伝える
  2. ひと目でわかるよう、端的に短く伝える
  3. わかりやすい言葉・表現を使う
  4. 具体的な数字やエピソードを入れる
  5. 自社ならではのオリジナリティを出す

 

▼媒体特性やユーザー特性を理解したタイトル作成がポイント

媒体によって下記の様な仕様の違い/利用者層の違いがあるため、媒体特性を理解したうえでタイトルを考える必要があります。

例)媒体仕様

・アプリ版/Web版で求人タイトルの見え方が異なる(表示有無/表示される文字数など)

・求人タイトがスカウト送信時のタイトルとしても併用される

例)ユーザー特性

・転職意向が高いユーザーメインor面談や説明会への参加意向が高いユーザーメイン

・ハイレイヤーメインor若手メイン

 

▼各媒体のCS担当者様の意見を活用

媒体によっては定期的に「検索ワードランキング」の集計をされたり、応募数が多い求人の特徴を教えてくださるなどのサポート体制が整っています。

前述したように媒体によって適したタイトルは変わってくるため、CS担当者から情報を貰うことは効率的でおすすめです。

参考:https://marugotoinc.jp/blog/catchcopy/

 

2.募集職種

募集職種は求職者がよく確認をする項目です。 ひと目で具体的な業務内容をイメージできるよう工夫をしましょう。

「営業職」の募集であれば、個人向けか法人向けか、フィールドセールスかインサイドセールスかなど、さまざまな種類があり、それぞれで求めるスキルや経験は異なります。

たとえば、「営業職」と書くのではなく「法人営業」と書く方が具体的になります。さらに、「法人営業」ではなく「求人広告の法人営業(フィールドセールス)」と書くことで業務内容や求めるスキルがイメージしやすくなるでしょう。

 

3. 仕事内容

仕事内容の記載が詳細であるほど、求職者がどのような仕事をするのかイメージしやすく、応募を促す効果が見込めます。

たとえば、「求人広告の法人営業(フィールドセールス)」の仕事内容を記載する際、以下の例②があったとしましょう。

例①)
求人広告を、大手メーカーを中心とした取引先に提案する仕事です。取引先は既存顧客が90%のため、新規開拓はほぼありません。人事担当者や各部門の責任者とオンラインで打ち合わせを行います。

例②)
求人広告を、大手メーカーを中心とした取引先に提案する仕事です。取引先は既存顧客が90%のため、新規開拓はほぼありません。人事担当者や各部門の責任者とオンラインで打ち合わせを行い、求人の募集に向けて掲載プランや期間、費用などの提案を行います。チームとしての売上目標はありますが、個人ノルマはなく、チーム内で売上達成に向けた施策を協議しながら、目標達成を目指します。

例①よりも、例②の方が、働くイメージを持ちやすいでしょう。

求職者が仕事内容を把握できれば、「自身のスキルをどのように業務に活かせるか」、「経験を活かしてステップアップができそうか」などの応募に向けた検討をしやすくなります。

 

4. 応募資格(求めるスキル)

業務を遂行するうえで必要なスキルを記載します。

経験だけではなくスキルを記載することで、募集職種に求める役割を分かりやすく伝えられます。

たとえば、「営業経験3年以上」といった経験年数の記載だけでは、どのようなスキルや素質が求められているのかはわかりません。営業を通じて身に付けたスキルや能力まで言及すると齟齬が生まれにくいと言えます。

例として、「求人広告の法人営業(フィールドセールス)」の募集に記載するスキルとしては下記が挙げられます。

  • 顧客と良好な関係を構築し、明るくコミュニケーションが取れる方
  • 顧客折衝ができる方
  • パワーポイントを使った提案書の作成ができる方

このように経験だけでなく、スキルや能力、求める素質を記載することがポイントです。

また、応募にあたっての条件が多すぎる場合や、条件が厳しすぎる場合では応募のハードルが上がってしまい、求職者が応募を躊躇してしまう可能性があります。そのため、記載する条件数は必要以上に多くしすぎないか、条件そのものを厳しくしすぎていないかなどを確認しましょう。

 

5. 募集背景

なぜ募集をするに至ったのかという背景も説明しましょう。

募集する部署のミッションや業務の意味を背景として伝えることで、求職者が募集への納得感が生まれ、応募への動機にもなリります。

たとえば、増員による募集の場合であれば、「事業の急成長につき、取引先が直近1年間で◯%増え、人員補強をしたいため」、「直近1年間で売上◯億の事業成長達成に向けて、増員したいため」などの増員に納得できる理由を挙げることが望ましいです。

また、欠員の場合であれば、「メンバーの産休・育休取得により、急遽人員が必要なため」といった欠員にまつわる理由がよいでしょう。

 

6.その他

必須項目ではありませんが、下記は働くうえで直接的に影響がある項目のため、求職者としては特に気になるポイントです。一部の情報が見えない事で良い人材との出逢いを取りこぼさない様、出来る限り情報は開示することをおすすめします。

 1. 働き方

  • 残業の有無(ある場合には頻度や時間数を記載)
  • 有休消化率
  • その他福利厚生

 2. 給与・評価制度

  • おおよその給与金額 
  • 査定の頻度や時期
  • 評価制度と給与の連動性

 3. 職場の雰囲気 

  • 男女の構成比、年齢構成、所属部署社員の勤続年数など

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より魅力的な求人募集文を作成するためのポイント

ここでは、より魅力的な募集文の作成に向けたポイントを解説します。

 

1. 具体的な情報を書く

自社で働くメリットをよりイメージしやすく伝えるために、数値化できる要素は数字で表現する/具体的なエピソードを盛り込むなどの見せ方や伝え方の工夫が大切です。特に一般的に好印象となりやすいアピールポイント(残業少なめなど)をそのまま記載しても「実際に入社したら違うのでは…?」と良い内容ほど疑う気持ちも生まれてしまいます。そこに具体的な平均残業時間や、なぜ残業が少ない状況を実現できているのかというエピソードが加わることで、より信憑性が増す募集文となります。

たとえば、下記のような例が挙げられます。

  • 残業が少ないことを伝えたい場合
    「残業はほとんどありません」→「月の残業時間は平均◯◯時間です」
  • 未経験からでも成長できることを伝えたい場合
    「未経験でも成長できます」→「未経験からスタートして、◯年後には◯◯をしています」

情報が曖昧だと求職者側では判断が難しく、情報が多すぎても要点が伝わりづらくなってしまいます。バランスを意識して作成しましょう。

2.写真や図を使って視覚的に伝える

職場の雰囲気やビジネスモデルなどは、文字情報だけで伝えるのは難しい場合もあるため、写真や画像を用いて視覚的に伝えることもおすすめです。写真の選定にあたっては、「なにを」伝えるかで洗い出したポイントが伝わる写真や画像を選びましょう。

たとえば、風通しのよい職場の雰囲気を伝えたい場合、社員同士で和気藹々と話している写真、事業の成長性を示したい場合には売上曲線を示したグラフなどが挙げられます。

 

求人募集文の改善に向けたチェックリスト

ここでは求人募集文を改善するための確認項目を紹介します。ぜひ、改善に役立ててください。

 

読みやすさの向上

  • 結論から伝えられているか
  • 話題が変わる際に見出しや改行を適宜使えているか
  • 一文は40字程度、長くても70字以内に収まっているか
  • ひとつの文に含む内容はひとつだけになっているか
  • 同じ文末を2回以上繰り返していないか
  • サービス名や自社独自の言葉には()で読み方を補足できているか
  • ひらがな、カタカナ、漢字がそれぞれ連続していないか
  • 表記のブレがないか

 

魅せ方の向上

  • 求めるスキルは多すぎないか・厳しすぎないか
  • 職種・仕事内容を読んで具体的な業務を想像できるか
  • 魅力やメリットの訴求にあたって具体的な数値や言葉で伝えられているか
  • 求職者が知りたい情報(働き方・給与や評価制度・雰囲気など)の記載があるか

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求人募集文において注意すべき表現

労働者保護の観点から、男女雇用機会均等法や雇用対策法により、求人募集文の記載には注意が必要な表現があります。

下記を参照にNGとなる表現を確認しておきましょう。

 

性別を限定する表現

男女雇用機会均等法では、性別に関わりなく平等な雇用の機会を設けるため、男女を限定するような表現は禁止されています。

一例として、下記のような表現がNGとなります。

  • 「看護婦」「セールスマン」「○○レディ」など一方の性別のみを表す言葉を使うこと
  • 「総合職は男性◯名、女性◯名」など男女別の採用人数を決めて募集・採用すること
  • 写真やイラストで、一方の性に偏った職場を表現すること

 

性別を限定しない表現にあたっては「看護婦」ではなく「看護師」と記載する、「セールスマン」ではなく「営業職」と明記するなど、注意が必要です。

 

年齢を限定する表現

年齢にも制限を設けた表現は禁止されています。雇用対策法により、年齢に関わらない均等な雇用の機会の提供が求められているためです。

一定の年齢基準を設けている場合には、年齢は明記せず「求める能力・スキル」を記載しましょう。下記のような表現はNGとなってしまうため、改善案も併せて確認していきましょう。

例①)
NG例:企画職 若い方限定
→ 主に20代をターゲットとした化粧品の商品企画であることを明記し、市場調査やユーザー視点の観点からターゲットの年齢層に近い人材の募集であることが伝わる文言を入れる

例②)
NG例:法人営業職 40歳以下
→ 長期のキャリア形成を目的とした募集である旨を明記し、若手・第二新卒の募集であることが伝わる文言を入れる

 

魅力的な求人募集文の作成には、事前の準備がポイント

魅力的な求人募集文を作成するためには、事前に「だれに」、「なにを」、「どのように」伝えるかを整理しておくことがポイントです。

事前準備として、人材要件や採用ペルソナの設定をすることで、求職者が抱える課題や悩みを把握でき、自社が求める人材に向けてアピールすべき要素を洗い出す際に有効です。

採用ターゲットに向けて伝えたいメッセージが明確になれば、より魅力的な求人募集文になるでしょう。今回紹介したポイントを参考に、求人募集文の作成や文面の改善にお役立てください。

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この記事の監修者:矢上 真季
この記事の監修者:矢上 真季

マルゴト株式会社まるごと人事事業部 ゼネラルマネージャー

新卒でニトリ、2社目でLINEに入社し、リクルーター兼採用広報専任者として従事。マルゴトには2020年に入社。マネージャーとして複数のITスタートアップ・ベンチャーの採用を支援。
「まるごと人事」のゼネラルマネージャーと採用広報・ピッチ資料制作を代行するサービスの責任者を兼任。自社の採用マネージャーとしても従事。

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