採用・労務・経理に関するお役立ち情報
💡 この記事でわかること
- RPO(採用代行)の意味と、人材紹介・人材派遣・BPOとの違い
- RPOに任せられる業務と、自社に残すべき判断の線引き
- 費用相場・メリット・デメリットと、自社に向いているかの判定基準
「人材紹介と何が違って、うちの会社でも使えるの?」
RPOとは「Recruitment Process Outsourcing」の略で、採用業務の一部または全部を外部の専門チームに任せるサービスで、「採用代行」「採用アウトソーシング」と呼ばれます。人材紹介のように「人」を紹介してもらうのではなく、スカウト送信や日程調整といった「採用の仕事そのもの」を引き受けてもらう点が特徴です。
本記事は、650社以上の採用を支援してきたまるごと人事が、RPOの基本から費用相場、向いている企業の見分け方までを1本にまとめたものです。読み終えるころには、自社の採用業務のうち何を外に出せるのか、社内で説明できる状態になります。

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目次
- RPO(採用代行)とは?人材紹介・人材派遣・BPOとの違い
- RPO(採用代行)が注目されている3つの背景
- RPO(採用代行)に委託できる業務
- RPO(採用代行)を導入する5つのメリット
- RPO(採用代行)のデメリット5つと回避策
- RPO(採用代行)の費用相場と3つの料金体系
- RPO(採用代行)が向いている企業
- RPO(採用代行)が向いていないのは「採用情報を外部に出したくない」「採用が年1名程度」の企業
- 委託する業務と自社に残す判断を3ステップで切り分ける
- RPO(採用代行)は違法?職業安定法で許可が必要になるケース
- 失敗しないRPO(採用代行)会社の選び方|契約前に確認する4つのポイント
- RPO(採用代行)なら「まるごと人事」
- まるごと人事のRPO(採用代行)導入事例
- RPO(採用代行)の導入は「任せる業務」と「残す判断」の線引きから始める
RPO(採用代行)とは?人材紹介・人材派遣・BPOとの違い

RPO(採用代行)とは、採用の判断は自社に残し、採用を前に進める実務を外部の専門チームに任せるサービスです。正式名称は「Recruitment Process Outsourcing」で、頭文字を取ってRPOと呼ばれます。
任せられる範囲は、採用計画の立案から母集団形成、応募者対応、面接日程の調整、内定者フォローまで採用プロセス全体に及びます。すべてを任せる必要はなく、スカウト送信だけ、日程調整だけといった一部の委託も可能です。
なお、IT分野にも同じ略語の「RPO(Recovery Point Objective:目標復旧時点)」があります。システム障害が起きたときに、どの時点までのデータを復旧させるかを示す指標で、本記事で扱う採用代行とは別の言葉です。
RPO(採用代行)と人材紹介・人材派遣・BPO・採用コンサルティングの違い
RPOと似たサービスの違いは、外部から受け取るものが「人」か「業務」か「助言」かで分かれます。人材紹介と人材派遣は人を、RPOとBPOは業務を、採用コンサルティングは助言を外から補うサービスです。
| 比較軸 | RPO(採用代行) | 人材紹介 | 人材派遣 | BPO | 採用コンサルティング |
|---|---|---|---|---|---|
| 外部から 受け取るもの | 採用業務の実行 | 候補者 | 働く人(期間限定) | 業務プロセス全般の実行 | 採用戦略への助言 |
| 業務範囲 | 採用計画〜 内定者フォロー | 候補者の紹介まで | 派遣期間中の業務 | 経理・CSなど 採用以外も対象 | 戦略立案・改善提案 |
| 雇用主 | 自社 | 自社 | 派遣会社 | — | — |
| 費用の発生 | 月額・従量・成果報酬 | 採用決定時のみ | 時給×稼働時間 | 月額・プロジェクト単位 | 月額・プロジェクト単位 |
| 向いているケース | やることは決まっているが 手が回らない | 特定の人材を 早く採りたい | すぐに働く人手が ほしい | 採用以外の業務も まとめて任せたい | 何から手をつけるか 分からない |
RPOとBPOの違いは、対象とする業務の範囲にあります。BPO(Business Process Outsourcing)は経理やカスタマーサポートなど業務プロセス全般を外部に任せる仕組みで、そのうち採用業務に特化したものがRPOです。
また、まるごと人事では、RPOと採用コンサルティングの役割を兼ね備えています。両方の役割があれば、採用戦略設計から、スカウト送信や応募者対応といった実行フェーズも任せられます。
RPO(採用代行)サービスの4つの種類
RPOサービスは、任せる範囲と得意領域によって「総合型」「コンサルティング型」「スポット型」「領域特化型」の4つに分かれます。
| 種類 | 任せられる範囲 | 向いている企業 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 総合型 | 採用計画から内定者フォローまで一貫して代行 | 採用体制やノウハウが 社内にない企業 | 任せきりにすると ノウハウが残りにくい |
| コンサルティング型 | 採用課題の分析、戦略立案、 選考フローの改善提案 | 実務は社内で回せる企業 | 実務の手は増えない |
| スポット型 | スカウト送信・日程調整など 一部の業務だけ | 特定の工程だけ 手が足りない企業 | 全体の設計は 自社で担う |
| 領域特化型 | エンジニア・建設技術者など 特定職種の採用 | 専門職の採用に 苦戦している企業 | 対象職種以外には 使いにくい |
同じ種類でも、代行を担うのが社員中心のチームか、業務委託・フリーランス中心かで品質や柔軟性は変わります。担当者の体制による違いは採用代行(RPO)の種類と選び方で整理しています。職種特化型を探している場合はエンジニア採用代行や建設業界の採用代行も参考になります。
RPO(採用代行)が注目されている3つの背景
RPOの利用が広がっている背景には、「採用難易度の上昇」「採用チャネルの増加」「採用担当者の時間不足」という3つの変化があります。
1. 労働人口の減少で、採用難易度が上がり続けている
日本の生産年齢人口(15〜64歳)は1995年の8,726万人をピークに減り続けています。2020年の7,509万人から、2070年には4,535万人まで減ると推計されています。また、求人倍率も高い水準が続いています。求職者1人に対して1件以上の求人がある状態が続いており、求人を出して待つだけでは応募が集まりにくくなっています。欲しい人材の獲得競争は今後も緩まないでしょう。
〔出典:日本の将来推計人口(令和5年推計)/国立社会保障・人口問題研究所〕
2. 採用チャネルが増え、社内だけでは運用しきれない
求人媒体への掲載に加えて、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用、SNS採用、採用広報と、候補者に接触する手段は年々増えています。チャネルごとに運用のコツが違うため、兼任の担当者がすべてを追いかけるのは現実的ではありません。チャネルが増えたこと自体が、採用担当者の負荷を押し上げています。
3. 採用担当者の7割以上が兼務で、調整業務に時間を取られている
Indeed Japanの調査では、採用担当者の72.4%が総務や労務など人事・採用以外の業務も兼務していました。採用業務の時間の内訳を見ると、面接前の各種調整に平均52.4%が使われ、本来のコア業務である面接の実施・同席には平均16.1%しか割けていません。
採用の重要度は上がる一方で、担当者が使える時間は構造的に足りていません。その不足を外部の手で埋める手段として、RPOが選ばれています。
〔出典:採用業務に専従の採用担当者は24.1%、72.4%は人事以外の業務も―Indeed Japan(HRzine/2021年10〜11月調査)〕
RPO(採用代行)に委託できる業務
RPOに依頼できる業務は、採用計画の立案から内定者フォローまで、採用プロセスのほぼ全工程です。ただし、合否の判断や採用条件の決定といった「決める仕事」は自社に残します。
| 工程 | RPOに依頼できる業務 | 自社に残す判断 |
|---|---|---|
| 人材要件の策定 | 求める人物像の言語化 競合求人との比較 | 求める人物像の最終決定 |
| 採用計画の立案 | 採用スケジュール・選考フローの設計 媒体・チャネルの選定提案 | 採用人数と予算の決定 |
| 母集団形成 | 求人票の作成、求人媒体の運用 スカウト対象の抽出・文面作成・送信 | 打ち出す自社の魅力の最終確認 |
| 応募者対応 | 応募受付、面接日程の調整 リマインド・合否連絡の送付 | 書類選考・面接の合否判断 |
| 面接・内定 | カジュアル面談・一次面接の代行 内定者フォロー | 採用条件の決定、オファーの承認 |
| 振り返り・改善 | 歩留まりの集計、KPIレポート 改善策の提案 | 改善策の採否 |
外注の効果が最も大きいのは、手順を標準化でき、件数が多い業務です。応募受付、面接日程の調整、リマインドや合否連絡の送付、求人媒体の更新、スカウト送信、採用管理システム(ATS)への入力が代表例です。
反対に、求める人物像の最終決定や書類選考・面接の合否、採用条件、オファー内容の承認は自社で行うことをおすすめします。ただし、判断の材料づくりまで1人で抱える必要はありません。求める人物像の言語化や選考基準の整理は、RPO会社と一緒に進められる領域です。
1. 採用計画・人材要件の策定
採用計画は、「どんな人を・何人・いつまでに・どの方法で」採るかを決める工程です。RPO会社は事業計画をヒアリングしたうえで、求める人物像の言語化、選考フローとスケジュールの設計、使う媒体の選定までを提案します。
同じ職種を採っている他社の求人と見比べてもらえるため、「条件が厳しすぎて応募が来ない」といった計画段階の失敗を防げます。
要件を外の目で見直すだけで、届く候補者の幅が広がることもあります。実際、テックリード採用のために支援した例では、想定するターゲットが狭く、人材要件も形式的なままでした。形式的な内容から、重要な要件は残したまま、採用媒体の登録者が多い条件をいくつか加え、検索条件を少しずつ調整しました。その結果、期待値に近い候補者が増えています。
2. 母集団形成(求人票・スカウト)
母集団形成は、自社に関心を持つ候補者を集める工程です。求人票の作成と媒体の更新、スカウト対象の抽出と文面の作成・送信は件数が多く、兼任の担当者が止めやすい業務ですが、RPOに任せると繁忙期でも送信と更新が止まりません。
スカウトを運用したことがない企業でも、文面の改善は短い期間で数字に表れます。
実際に、まるごと人事ではヒアリングをもとにペルソナを作り直し、スカウト文を改善します。約1か月半で既読率は約35%から66%に上がり、ほとんどなかった返信も9件、返信率7.5%まで増えた事例もあります。
3. 応募者対応・日程調整
応募受付、面接日程の調整、リマインド、合否連絡の送付は、手順が決まっていて件数が多いため、外注の効果が最も出やすい工程です。Indeed Japanの調査では、採用担当者は面接前の調整に業務時間の平均52.4%を使っていました。
連絡の手段を変えただけで、面接の設定数が大きく変わった例もあります。自社で面接の日程調整を担当者が平日の日中に電話で行っていたため、仕事中の応募者と折り返しの行き違いが続いていた企業に対して、まるごと人事が月200名以上の応募者対応を引き受けました。日程調整の連絡をメールに切り替えたことで、面接設定数は大幅に改善しています。
4. 面接・内定者フォロー
カジュアル面談や一次面接の代行、内定から入社までの定期連絡もRPOに任せられます。面接を任せる場合は、評価基準と「合格ライン」を事前に共有しておきましょう。
内定までの連絡を途切れさせないことが、承諾の数に直結します。初めて新卒採用に取り組んだ企業への支援では、候補者へのフォローとリマインドを弊社が専任で担いました。こまめな連絡を続けたことで選考途中の離脱が減り、導入から半年で8名が内定を承諾しています。
5. 振り返り・改善
RPO会社は応募数・書類通過率・面接通過率・内定承諾率を集計し、週次や月次のレポートから次の打ち手を具体的に提案します。どの工程で候補者が離れているかが数字で見えるため、「スカウトの文面を変える」「一次面接の日程を早める」といった対策が練りやすいです。
振り返りで見る数字は、スカウトの返信率だけではありません。弊社では、スカウトを送った候補者が面接でどう反応し、どこまで選考に進んだかまで追いかけて、スカウトの内容を直していきました。その結果、選考通過率が全体的に高くなります。
RPO(採用代行)を導入する5つのメリット

RPOを利用する最大のメリットは、採用担当者が「候補者の見極めと口説き」に時間を使えるようになることです。ほかにも、戦略・コスト・可視化・継続性の面で4つの変化があります。
1. 採用担当者がコア業務に集中できる
日程調整やスカウト送信、応募者への連絡をRPOに任せると、担当者の時間は面接での見極めと動機づけ、内定者への丁寧なフォローに回せます。いずれも自社の社員にしかできない仕事です。
実際に、支援先の企業の課題として、役員との最終面接の日程調整や複数の人材紹介会社とのやり取りに、業務全体の7割ほどの時間を割いているケースもあります。採用オペレーションを任せてからは、採用戦略に加えて、ほぼゼロから着手した人事制度の構築にも時間を使えています。
2. 他社の成功パターンを採用戦略に取り込める
複数社の採用を並行して支援しているRPO会社は、同じ職種・同じ規模の企業で何が成果につながったかを知っています。自社だけで採用を続けていると、どの媒体が効いているのか、どの訴求が弱いのかを比べる基準が持てません。
媒体を選ぶときに「この媒体ではこのくらいの内定実績が出ている」と、同じ規模・近い業界の企業の実績を共有してもらえることが、判断の助けになります。業界全体の平均や有名企業の数字は、規模や知名度の違う自社にはそのまま当てはまりません。
自社に近い企業の実績を持っていることが、外部に任せる価値の1つです。
3. 採用の固定費を変動費に変えられる
採用担当者を1名雇うと、給与・社会保険料・採用費・教育費を合わせて年600〜800万円程度かかるケースもあります。しかもこの費用は、採用が落ち着いた時期にも発生し続けます。RPOなら必要な業務を必要な期間だけ契約できるため、採用の繁閑に合わせて費用を調整できます。
4. 採用の数字が見えるようになり、改善が回る
RPO会社の定期レポートによって、応募数・書類通過率・内定承諾率といった数字を毎週・毎月確認できるようになります。数字が見えれば「なんとなく応募が少ない」ではなく「スカウトの返信率が課題」と、手を打つ場所を特定できます。
月150名ほどの候補者を表計算シートで管理するには、工数も管理もいずれ限界がくるでしょう。実際に弊社への相談や問い合わせでも、リソースの課題は多いです。採用代行に依頼することで、候補者対応の工数が大きく減り、採用に必要な数字をすぐ確認できるようになっています。
実際、支援開始から7か月で39名の内定が出ており、そのうち約25%がスカウト経由といった例もあります。
5. 担当者が辞めても採用が止まらない
採用担当が1名の企業では、その1名の退職や休職で候補者対応が止まり、選考中の人材を逃してしまいます。RPOを組み込んでおくと、業務の手順や候補者とのやり取りが外部パートナーとの間で仕組みとして残ります。
退職や部署移動、前任の採用担当者が産休に入る際、引き継ぎの期間が1か月もないケースも少なくありません。入社したばかりの後任の担当者は、社内で使っているATSや媒体も初めて触る場合もあるでしょう。
外部に委託すれば、媒体とATSを使いこなせるため、選考のスピードを落とさずに引き継ぎも可能です。
RPO(採用代行)のデメリット5つと回避策
RPOのデメリットは5つあり、いずれも契約前の確認と運用ルールで小さくできます。
| デメリット | 起きる理由 | 回避策 |
|---|---|---|
| 採用人数が少ないと 割高になる | 月額型は採用の有無に かかわらず費用が発生する | 年間の採用人数と期間を決めてから料金体系を選ぶ 採用が年1名程度なら人材紹介と総額を比べる |
| 社内にノウハウが 残りにくい | 実務を丸ごと任せると 施策の意図が共有されない | 定例ミーティングとレポートを契約内容に入れ 社内の資料として保管する |
| 認識のずれで 手戻りが増える | 人物像や判断基準が 共有されないまま動き出す | 導入初月に人物像・判断基準・連絡ルートを すり合わせる時間を確保する |
| 情報漏えいの リスクがある | 候補者の個人情報や 給与情報を外部と共有する | Pマーク・ISMS認証の取得状況と NDA(秘密保持契約)の締結可否を確認する |
| 応募者との接点が薄くなる | 連絡や面談をすべて外部に任せると、候補者が自社の社員と話す機会が減る | 最終面接と内定後の連絡は自社の社員が担う。RPOとのやり取りの履歴を採用管理システムで共有する |
このほか、委託する業務の内容によっては職業安定法上の許可や届出が関わります。
RPO(採用代行)の費用相場と3つの料金体系

RPOの費用相場は、採用業務の一部を任せる場合で月10万円台から、採用活動を一式任せる場合で月40万円前後からが中心です。料金体系は「月額一律料金型」「従量課金型」「成果報酬型」の3つに分かれます。
| 料金体系 | 費用の目安 | 費用が発生するタイミング | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 月額一律料金型 | 一部業務:月10万円台〜 採用業務全般:月40万円前後〜 | 契約期間中は毎月 | 継続的に採用活動がある企業 |
| 従量課金型 | スカウト1通1,000〜2,000円 など業務単価×件数 | 実施した分だけ | 採用時期に波がある企業 特定の業務だけ任せたい企業 |
| 成果報酬型 | 採用1名あたり60万〜120万円程度 | 採用が決まったときだけ | 採用人数が少ない企業 |
見積もりを比べるときは、月額の金額より「その月額に何が含まれ、何が別料金か」を確認してください。求人媒体の掲載費やスカウト媒体の利用料が、RPOの料金とは別にかかるケースもあります。
職種別・雇用形態別の相場や、人材紹介と比べてどちらが安くなるかの試算は、以下の記事で詳しく扱っています。
RPO(採用代行)が向いている企業

RPOが向いているのは、採用の主導権は自社で持ちたいのに、実行する時間とノウハウが足りない企業です。次の4つのうち2つ以上当てはまれば、RPOを検討する段階にあります。
1. 採用担当者の工数が逼迫している
採用担当者が日程調整や連絡業務に追われ、面接や戦略を考える時間が取れていない企業は、RPOの効果が最も出やすい層です。実際、当社の支援先では、面接の日程調整や連絡をすべて社内の人事担当が担っており、他の業務との兼ね合いで対応が遅れることがボトルネックになっていました。
日程調整や面接官へのリマインド、ATSの移行をまるごと人事に任せた結果、応募数は月70名ほどで安定し、内定承諾率は80%ほどまで上がっています。
周辺業務を外に出すだけで、コア業務の時間を取り戻せます。
2. 専任の採用担当者がおらず、社内にノウハウがない
従業員30〜100名規模で、経営層や管理部門が採用を兼任している企業に向いています。ノウハウ不足以前に、採用に使える時間が物理的に足りていないケースが大半です。
実際の成功例では、媒体とスカウトを徹底して運用した結果、2019年には社員数が約20名から約60名になり、30名以上の採用につながったケースもあります。
RPOで採用の仕組みを先に作り、将来の内製化につなげる使い方もできます。ベンチャー・スタートアップ特有の課題はベンチャー企業の採用課題で整理しています。
3. 求人を出しても応募が集まらない
求人を掲載したまま応募を待つ採用では、候補者の母数が減るなかで成果が出にくくなっています。前述のIndeed Japanの調査でも、採用担当者の課題の上位は「求める人物像と異なる人の応募が多い」(41.9%)と「求人に対する応募が増えない」(40.7%)でした。
募集文や学生への連絡文を作り直すだけで、エントリー数は2倍、説明会の予約数は3倍にもなります。
求人票の見直しやスカウトなど、攻めのチャネルを運用する手が必要な企業に向いています。
4. 選考辞退・内定辞退が多い
同じ調査では、採用担当者の74.9%が、応募者と連絡が取れなくなる「ゴースティング」を経験していました。辞退の多くは、返信の遅れや連絡の途切れから起こります。
当社が候補者対応を一貫して担い、業務フローとATSの使い方を見直した結果、応募から内定までのリードタイムが92日から26日に縮まった事例もあります。内定承諾率は約28%改善し、半年で30名という採用目標をほぼ達成したのが大きな成果です。
応募者対応のスピードと、候補者体験(CX)の設計を立て直したい企業にとって、RPOは有効な手段です。
RPO(採用代行)が向いていないのは「採用情報を外部に出したくない」「採用が年1名程度」の企業
自社の採用情報を外部に一切共有したくない企業には、RPOはおすすめできません。RPOの価値は、外部の市場知見や他社の成功パターンを取り入れる点にあるためです。
採用が年1名程度で急ぎでない場合も、月額型のRPOより人材紹介のほうが総額を抑えやすくなります。どちらにするか迷う場合は、以下の判断基準が参考になります。
- 固定費と変動費のバランス
- リソースと稼働状況
- 専門性とノウハウ
- 短期成果か中長期か
- セキュリティリスク
採用業務を外注するか判断に悩む場合は、以下の記事でより判断基準や内製が適しているケースも解説していますので参考にしてください。

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委託する業務と自社に残す判断を3ステップで切り分ける
RPOの効果は、何を任せるかの切り分けで決まります。範囲が曖昧なまま始めると、RPO会社からの確認や差し戻しが増え、余計に工数が増えることも珍しくありません。次の3ステップで、自社の業務と委託する業務を切り分けましょう。
ステップ1. 採用業務を書き出し、工数と歩留まりでボトルネックを見つける
以下の採用の工程ごとに「誰が・何を・月に何件・1件何分で」やっているかを書き出します。
- 応募者対応
- 母集団形成
- 選考
- 内定
業務ごとにできる限り細分化して、数字で比較できるようにしましょう。
書き出したら、「時間がかかっている業務」と「採用の成果を止めている業務」を分けて見ます。たとえば日程調整に時間がかかり、面接参加率も低いなら、問題は工数だけではありません。連絡の遅れが選考辞退を生んでいる可能性があります。工数と歩留まりを並べて見ると、先に手を打つべき工程が絞れます。
歩留まりの指標の置き方は、以下の記事で詳しく扱っています。
ステップ2. 手順が決まっていて、かつ件数が多い業務から任せる
RPOに最初に任せるのは、手順を決めやすく、件数が多い業務です。
たとえば、以下の業務が挙げられます。
- 応募受付と情報登録
- 面接日程の調整とリマインド
- 合否連絡の送付
- 求人媒体の更新
- 採用管理システム(ATS)への入力
委託する際は、業務名を伝えるだけでは足りません。「対応の期限や判断基準」「報告の頻度と形式」を依頼の時点で決めておくと、確認や差し戻しが減ります。
ステップ3. 空いた時間を何に使うかを先に決める
RPOの目的は、担当者の作業を減らすことそのものではありません。空いた時間で、自社の社員にしかできない仕事を増やすことです。導入の前に、浮いた時間を何に回すかを決めておきます。
- 現場の責任者と、求める人物像をすり合わせる
- 面接で候補者を見極め、入社の動機をつくる
- 歩留まりの数字を見て、求人票や選考フローを直す
使い道を決めないまま始めると、空いた時間はほかの業務に吸収され、採用の成果は変わりません。合否の判断や採用条件の決定は自社に残し、コア業務に専念できるようにしましょう。
RPO(採用代行)は違法?職業安定法で許可が必要になるケース
RPOそのものは違法ではありません。ただし、RPO会社に候補者への「募集」を任せる場合は、職業安定法の「委託募集」にあたり、厚生労働大臣(または都道府県労働局長)の許可が必要になります。
(委託募集)第三十六条 労働者を雇用しようとする者が、その被用者以外の者をして報酬を与えて労働者の募集に従事させようとするときは、厚生労働大臣の許可を受けなければならない。 〔出典:e-Gov法令検索「職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)」〕
同じ法律では、「労働者の募集」を、働こうとする人に対して被用者になるよう勧誘することと定めています(第4条第5項)。つまり、許可が要るかどうかは、RPO会社が候補者を勧誘する役割まで担うかどうかで分かれます。
以下の表で、許可の必要があるケースとないケースを見比べてみましょう。
許可が要らない業務の例 | 許可が必要になる業務の例 |
|---|---|
採用戦略・採用計画の立案 | 企業に代わって求人を掲載し、応募を募る |
求人票・採用サイトの作成 | 候補者を探して直接アプローチする(スカウト代行) |
応募書類の受付・日程調整 | 面接で労働条件を提示し、入社を勧める |
内定者フォロー | – |
報酬を払わずに募集を任せる場合は、許可ではなく届出が必要です(同条第3項)。どの業務が許可の対象になるかは会社ごとの委託内容で変わるため、契約前にRPO会社へ「この業務は委託募集にあたるか」「許可申請の手続きを支援してもらえるか」を確認してください。
申請の流れや提出期限は、以下の記事で詳しく扱っています。
失敗しないRPO(採用代行)会社の選び方|契約前に確認する4つのポイント
RPO会社を選ぶときは、「依頼できる範囲」「自社と近い支援実績」「報告と連絡の体制」「情報管理」の4点を契約前に確認します。
1. 任せたい業務が標準の範囲に入っているか
RPOは「採用を丸ごと外注するもの」と思われがちですが、スカウト代行だけ、面接代行だけ、求人票の作成だけといった部分的な依頼にも対応する会社は多くあります。
募集ポジションが頻繁に入れ替わる企業ほど、プランの区切り方を契約前に確かめておくと安心です。自社が本当に困っている工程から小さく始め、成果を見ながら範囲を広げると、費用対効果を確かめながら進められます。
2. 自社と近い業種・職種・規模で支援実績があるか
RPO会社によって、得意な業種・職種・採用規模は大きく異なります。「依頼したが成果が出なかった」という失敗の多くは、自社の課題と会社の得意領域がかみ合っていないことが原因です。似た条件での支援事例を、具体的な数字と一緒に見せてもらいましょう。エンジニア採用代行の成功事例のように、職種ごとの事例を公開している会社は判断しやすくなります。
3. 報告と連絡の体制が決まっているか
RPOは任せて終わりではなく、伴走してもらう相手です。契約前に次の3点を確認してください。
- 週次・月次のレポートはあるか
- 定例ミーティングの頻度はどのくらいか
- 担当者が変わっても品質を保てる体制か
4. 個人情報と機密情報の管理体制が整っているか
RPOでは、候補者の個人情報や自社の給与情報を外部と共有します。Pマーク(プライバシーマーク)やISMS認証の取得状況、NDAを締結できるか、情報管理のルールが文書になっているかを確認しましょう。
RPO会社の料金や得意領域を横並びで比べたい場合は、47社を比較した以下の記事をご覧ください。
RPO(採用代行)なら「まるごと人事」

まるごと人事は、650社以上の採用を支援してきた月額制の採用代行サービスです。採用戦略の設計からスカウト送信、応募者対応、面接代行まで、採用業務のほぼすべてを任せられます。
まるごと人事の特徴
- 月額25万円〜、採用課題に合わせて依頼する業務を柔軟に組み立てられる
- ベンチャー・スタートアップから大手まで常時120社以上を支援し、エンジニア・新卒・ハイクラス採用にも対応
- 年間10万通以上のスカウト送信、180以上の採用媒体の運用実績
- 専任の担当者が実務からレポーティングまで担当し、定例ミーティングで改善を提案
- 最短1ヶ月から契約でき、採用状況に合わせて依頼量を調整できる
目的別に選べる採用支援サービス
| サービス名 | こんな企業に | 主な支援内容 |
|---|---|---|
| まるごと人事 | 採用戦略から実務まで まとめて任せたい | 採用要件の設計、求人票作成、スカウト送信 日程調整、選考管理、定例ミーティング |
| まるごと人事ライト | 低コストで小さく 始めたい | スカウト送信や日程調整など基本業務の代行 採用上流のアドバイス |
| まるごとスカウト | スカウトで母集団を 強化したい | ターゲット選定、スカウト文面作成 送信代行、返信率分析 |
| まるごと面接代行 | 面接の質と 工数を両立したい | 書類選考、カジュアル面談・一次面接の代行 評価フィードバック |
| まるごと新卒採用 | 新卒採用を 立ち上げたい | 母集団形成(ナビ・ダイレクト) 説明会運営代行、内定者フォロー |
| Wantedly運用代行 | Wantedlyを 活用したい | 企業ページ・ストーリー記事の作成 求人作成、スカウト、応募者対応 |
採用以外にも、採用ピッチ制作、採用広報代行、採用動画制作、労務・経理のまるごと管理部、人材紹介のまるごと人事エージェントを提供しています。採用からバックオフィスまで、1社にまとめて相談できます。
依頼から稼働までの5ステップ
- 無料相談:お問い合わせフォームから、現在の採用課題や依頼したい業務を送ってください。「何から話せばいいかわからない」段階でも問題ありません。
- ヒアリング:専任の担当者が、採用活動の現状・課題・目標を伺い、課題を一緒に整理します。
- プランと見積もりの提案:ヒアリング内容をもとに、依頼範囲と費用をご提案します。
- 契約・稼働準備:採用ツールや媒体のアカウント連携、業務フローとマニュアルの整備を進めます。
- 支援スタート:稼働後は週次・月次の定例ミーティングで進捗を共有し、改善を続けます。
まるごと人事のRPO(採用代行)導入事例
まるごと人事を導入した企業の事例を、課題・支援内容・成果・評価の順に紹介します。
20以上の募集ポジションを任せ、選考のリードタイムを短縮
抱えていた課題
IT企業の株式会社ディー・エヌ・エーは2021年、採用チームの人数に対して翌年度の採用目標人数が急増し、ピーク時と同じ年間数百名規模になりました。採用オペレーションを担うメンバーをゼロから育てる余裕はなく、募集職種やポジションが多く、短い期間で入れ替わることも課題でした。
実施した施策
4社ほどの採用代行を比較したうえで、2021年から支援しています。6部門・20〜25職種の日程調整を中心に、スカウト、部門担当者との調整、採用の進捗を踏まえた改善提案を担当しました。「◯日間返信がなかったら再連絡する」といった対応フローを作ってテンプレート化し、ATSの移行に合わせて採用オペレーションも組み直しています。
導入後の成果
部門担当者の書類選考の回答が遅れたときも、こまめなリマインドで遅れを防ぎ、選考のリードタイムを短縮しました。社内のスカウト専門部隊がなくなった後も、スカウトの送信数と決定数を保っています。契約は3年以上続いています。
サービスへの評価
ご担当者の二場様からは「一緒に進めていくことで自社内にも採用知見が蓄積できるので、自社の採用活動の品質も一段上がるのではないでしょうか」との声をいただいています。
ひとり人事の引き継ぎ期から支え、採用数が約2倍に
抱えていた課題
家族型ロボット「LOVOT」を展開するIoT企業のGROOVE X株式会社は、店舗・マーケティング・セールス・開発など多くのポジションで年間数十名を採用する必要がありました。2023年4月に入社した採用担当者は1名で、前任者の産休により引き継ぎ期間は1か月もありませんでした。会社の認知度が高くなく、スカウトを送っても反応が得にくい状態でした。
実施した施策
スカウト文の作成・送信から、返信対応・日程調整、数値の分析と改善までを担当しました。依頼を待たずにスカウトのABテストや採用ターゲットの見直しを行い、スカウト媒体も3つほど増やしました。職種ごとに異なる一次・二次面接の面接官を把握し、アサインまで担っています。
導入後の成果
2024年の採用人数は前年の約2倍になり、年間1,700名ほどの候補者対応も滞りなく進みました。スカウト経由の内定が増えたことで、1人あたりの採用コストも下がっています。
サービスへの評価
人事チームの貫戸様からは「『ここまでしか対応できません』とはっきり線引きするような立ち位置でも、コンサルティングのような立ち位置でもなく、伴走してもらっている感覚で、何でも気軽に相談しやすい」との声をいただいています。
中途採用の実務を任せ、選考に進む候補者が4〜5倍に
抱えていた課題
SaaS企業のLRM株式会社は、2022年当時の人事チームは2名だけでした。新卒・中途あわせて30名弱の採用目標を掲げながら、採用戦略の構築から始める必要があり、採用ブランディングや人事制度、労務まで同じチームで抱えていました。
実施した施策
2022年9月から、面接以外の中途採用業務をほぼすべて担当しています。書類選考や日程調整などの候補者対応、スカウトの候補者選定から文面作成・送信、数値の分析と改善提案までを担い、スカウトは定期的にABテストを行って文面を改善しました。
ATSのリプレイスや新しい媒体の導入でも、比較検討から初期設定までを引き受けています。
導入後の成果
選考に進む候補者の数が、導入前の4〜5倍になりました。業務全体の7割ほどを占めていた採用オペレーションを手放したことで、人事責任者は採用戦略と人事制度の構築に時間を使えるようになっています。
サービスへの評価
人事責任者の楡井様からは「採用オペレーション部分だけでもまるごと人事に一任することで、自社のリソースが大きく空きます」との声をいただいています。

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