採用お役立ち情報

2024.02.16 更新日:2025.05.16
この記事の監修者:犬飼 渓矢

この記事の監修者:犬飼 渓矢

ベンチャーにおける採用人数の決め方!データを元にしたポイントや採用担当者の適正人数も紹介

採用活動を円滑に進めていくために、採用担当者の存在は不可欠です。しかし、ベンチャーでは、大手企業のようにリソースが潤沢ではないことから、採用担当者を十分に配置できていないケースがも多いのも事実です

本記事では、ベンチャーにおける採用担当者の適正人数について解説します。ベンチャーだけでなく、採用において人員リソース不足に陥りやすい中小企業やスタートアップにも役立つ内容となっているので、ぜひ参考にしてください。

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ベンチャーにおける採用業務とは?

ベンチャーにおける採用業務とは?

ベンチャーでは、採用活動以外にも評価制度の設計や研修準備など、幅広い業務をこなさなければいけないケースがよくあります。加えて、事業の成長スピードが早く変化が多いベンチャーでは、事業の成長に合わせて突発的に人材確保が必要になることも少なくありません。

また、大手企業に比べると知名度が低いベンチャーは、求人広告だけではなく、ダイレクトリクルーティングなど、積極的に人材にアプローチをかける採用手法も取り入れていく必要があります。そのような「攻めの採用手法」では、候補者それぞれに合わせて対応を変える必要があるため、採用担当者の工数が増加しがちです。

ただでさえ社員数の少ないベンチャーでは、前述のとおり採用担当者が他の業務を兼務していることも多く、採用業務にかけられるリソースは限定的といえます。

そのため、採用担当者の適正人数を見直し、採用業務を効率的に進めることが重要です。

以下の記事では採用業務を効率化するための6つの方法を詳しく解説しています。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/recruitment-optimization/

採用人数の適正とは?データを元に解説

新卒の採用人数のデータは、リクルート就職みらい研究所『就職白書2025』に以下のように掲載されています。

採用人数の適正とは?データを元に解説リクルート 就職みらい研究所『就職白書2025』を元に筆者が作成

採用代行サービス会社の経験値から示した通過率をみても新卒採用のデータ平均値と大きな差はありません。

採用人数の適正とは?データを元に解説

結論、1名の入社に対し50〜150名の応募が必要と認識できます。

参考:マルゴト株式会社代表  今 啓亮 「本当にほしい人材が集まる 中途採用の定石 採用広報からスカウト文章、面接術まで」,日本実業出版社,2023年8月発行,16ページ

採用人数を決める2つの手順・ポイント

採用人数の適正とは?データを元に解説

採用人数を決める手順・ポイントは以下の2点です。

  • 事業計画から採用ニーズを洗い出す
  • 部署ごとにヒアリングを行う

それぞれの具体的な採用人数の算出方法についても解説します。

採用計画の立て方について知りたい方は以下の記事をご覧ください。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/recruitment-planning/#i-5

事業計画から採用ニーズを洗い出す

まず事業計画から採用ニーズを洗い出しましょう。採用活動は企業の事業戦略を実現するための一つの手段であるため採用人数を決めるには事業計画の把握が欠かせません。

適正要員数 = (年間売上高 × 付加価値率 × 労働分配率)÷ 一人当たりの人件費

適正要員数 = (目標売上高 × 適正人件費率)÷ 一人当たりの人件費

※人件費率(%) = 人件費 ÷ 売上 ×100
※労働分配率(%) = 人件費 ÷ 粗付加価値 ×100

メリット:予算内で採用を進められる
デメリット:予算を気にしすぎるあまり必要な人数を確保できない

事業計画から5年後・10年後の人員を見込んで採用人数を決めましょう。

部署ごとにヒアリングを行う

次に部署ごとにヒアリングを行い、事業計画と齟齬がないかすり合わせましょう。
人手不足で人を補充したとしても、実際現場で何を求めているかによって人材要件を見直す必要もあります。

たとえば、即戦力が欲しい・単に人が欲しいでは、求める要件が異なります。
ボトムアップ方式で採用人数を割り出す方法もあります。

適正要員数 = 総業務量 ÷(一人当たりの標準業務量 × 所定労働時間)

メリット:実際の業務に合わせて必要な人数を決められる
デメリット:予算を気にしすぎるあまり必要な人数を確保できない

在籍する社員も、新たに採用される方も大きな不満を抱かず離職につながらない配慮や取り組みが必要でしょう。

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【実例つき】ベンチャー企業採用担当者の適正人数の目安

ベンチャーにおける採用担当者の適正人数は、事業の状況や募集職種にもよっても異なるので、一概には言えません。ここでは、あくまで目安として紹介します。

採用目標人数(年間) 採用担当者の人数目安
~10名 1~2名
~20名 2~3名
~50名 3~4名

上記では、一定の採用経験があり、兼任ではなく専任としての採用担当者を想定しています。採用業務の経験が浅かったり、他業務と兼任していたりする採用担当者であれば、上記よりも多くの採用担当者が必要になるでしょう。

また、募集する職種が「マネージャー職」といったように、ターゲットが狭いケースでも、採用業務の工数がかかるため、必要な人数の目安は上記よりも増えるでしょう。

例①)創業6年のSaaSベンチャー:社員数約30名

1年以内に約20名採用をしたい(採用したい職種:エンジニア、営業、マーケティング等)

採用担当者の配置
面談担当(および各現場担当と調整):1名
候補者対応・ダイレクトリクルーティング:1~2名

例②)創業5年の東京のベンチャー:社員数約10名

ダイレクトリクルーティングで今期6名の採用をしたい(採用したい職種:PM)

採用担当者の配置
候補者対応・面談担当:〜1名(他業務と兼務)
ダイレクトリクルーティング専属:1名

以下の記事ではひとり人事の方の悩みに対する解決策を解説しています。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/hitori-jinji/

採用担当者が不足しているときの対処法

ベンチャーに有効な採用手法

上記のとおり、採用担当者の人数が限られているベンチャーでは、少ない採用担当者で採用活動を回さなければなりません。採用担当者の人数が不足している場合は、下記のような対処法も検討してみましょう。

採用業務をアウトソーシングする

現在、採用担当者が行っている採用業務の一部、もしくは全部を外部にアウトソーシングするのが一つ目の方法です。

採用業務の一部だけをアウトソーシングする場合は、まずノンコア業務(※)だけ切り出してアウトソーシングするのがおすすめです。ノンコア業務は比較的ルーティン化しやすいため、アウトソーシングに向いています。

ノンコア業務だけでもアウトソーシングすることで、自社の採用担当者の工数は大きく削減できるので、採用計画策定や候補者の選考など、重要なコア業務により注力できるようになり、採用力向上につながる可能性があります。

※ノンコア業務とは……直接的に付加価値を生まない(利益を生まない)業務(例:資料作成や受注管理、給与管理、問い合わせ対応など)

以下の記事ではアウトソーシングできる人事業務の具体的な内容やメリット・デメリットについて詳しく解説しています。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/outsourcing/

他部門に協力してもらう

採用担当者を増やすことや、外部へアウトソーシングすることが難しい場合は、社内の他部門に協力を仰ぐのもひとつの選択肢です。

例えば、一次面接に同席してもらい、現場の目線で見極めを行ってもらうことで、合否の判断スピードと精度が向上するでしょう。また、内定後フォローの一部を現場に任せるのも一案です。新入社員にとっては、オンボーディングにも繋がり定着率向上といった効果も期待できます。

ベンチャーに有効な2つの採用手法

ベンチャーに有効な採用手法

続いて、ベンチャーにおすすめの採用手法を2つ紹介します。

マッチ度の高い採用なら【ダイレクトリクルーティング】

ダイレクトリクルーティングとは、求人広告や人材紹介会社を介さずに、企業側が候補者を探し出し、直接コンタクトを取る採用手法です。

自社にマッチするスキルや経験を持つ候補者を見つけたら、候補者に合わせたスカウトメールを送り、カジュアル面談に繋げる流れで進めます。

応募があってから自社にマッチするかを見極めるのではなく、最初から自社に合いそうな候補者に絞ってアプローチするため、マッチ度が高い採用を実現でき、効率化につながります。また、企業側からのアプローチによって転職潜在層にも自社を認知してもらえるため、大手企業に比べて認知度が低いベンチャーにもおすすめの手法です。

ただし、候補者一人ひとりに合わせてスカウト文面をカスタマイズしたり、候補者を探したりする工数が増えるため、採用担当者の負担は大きくなりやすいといえます。

以下の記事ではダイレクトリクルーティングのポイントや21媒体を比較しています。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/direct-recruiting_merit/

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/directrecruiting/

採用コストを抑えカルチャー共感を求めるなら【リファラル採用】

リファラル採用は、社員の人脈を活用して、自社にマッチしそうな知り合いを紹介してもらう採用手法です。

実際に自社で働いている社員からの紹介のため、ベンチャーならではの企業文化や、組織体制、事業展開のスピード感などを齟齬なく伝えることができ、自社のカルチャーや働き方にマッチする人材の採用に繋がりやすいメリットがあります。

リファラル採用のポイントは全てのポジションを広く集めないことです。たとえば、「部長クラス」をリファラル経由で採用した実績のある企業も存在します。

ただし、突発的に人員が必要になった場合や、大量採用する場合には向いていない点に注意が必要です。

以下の記事では「まるごと人事」代表が採用経路や利用している媒体について公開暴露していますので参考にしてみてください。

参考記事:https://note.com/konkon4192/n/ncdf5206a7a73?magazine_key=m36021d8265f0

以下の記事ではリファラル採用の成功のポイントや具体例を紹介しています。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/referral/

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採用成功のためには、まず採用リソースの検討が重要

ベンチャーに有効な採用手法

社員数の少ないベンチャーでは、採用担当者の適正人数を揃えることが難しいかもしれません。しかし、不足したリソースの中で採用を進めると、候補者対応が疎かになり、採用力を下げてしまう要因にもなります。

多岐に渡る採用業務を円滑に行ない、より効率的な採用を進めるためにも、採用担当者の人数を見直してみましょう。

採用担当者を充足させることが難しい場合は、外部へのアウトソーシングなどの方法も検討しながら、採用成功を目指しましょう。

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この記事の監修者:犬飼 渓矢
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マルゴト株式会社まるごと人事事業部 事業企画

テーマパークホテル勤務、ベンチャー企業の社長室室長を経て、2019年にマルゴトへ入社。マネージャー、ゼネラルマネージャーを経て、現在は「まるごと人事」事業部の事業企画として従事。
中長期目線の事業課題の解決を通じた顧客価値の最大化を目指す。

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