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2023.06.28 更新日:2024.01.23
この記事の監修者:河地 宗太郎

この記事の監修者:河地 宗太郎

ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリット|成功させるポイントも紹介

求人広告を出しても、求めるスキルをもった人材とマッチングできない……そんな悩みを抱える採用担当者もいるのではないでしょうか。

近年注目されているのが「ダイレクトリクルーティング」と呼ばれる採用手法です。企業自らが自社にマッチする候補者を見つけて直接アプローチする「攻めの採用手法」である点が特徴です。

本記事では、ダイレクトリクルーティングとはなにか、メリットやデメリット、成功させるためのポイントを解説します。

 

ダイレクトリクルーティングとは?

ダイレクトリクルーティングとは、企業の人事や採用担当者が、自社の人材要件に合致した人材に直接コンタクトを取り、スカウトする採用手法です。
ちなみに、ダイレクトリクルーティングは和製英語で、英語では「ダイレクトソーシング」と呼ばれています。

ダイレクトリクルーティングの大きな特徴は、人材からの応募を待つ「待ちの採用」ではなく、企業自ら人材を探し、アプローチする「攻めの採用」である点です。

具体的には、大学や就職イベント、会社説明会などで直接スカウトする方法や、SNS上で気になる人材にメッセージを送る方法などがあります。
また、ダイレクトリクルーティングサービスを利用する方法もあります。ダイレクトリクルーティングサービスは、多くの人材のデータベースを持っており、その中から企業の求める条件に合う人材を探し出すことができます。人材を見つけたらスカウトメールを送ります。

ダイレクトリクルーティングは、スタートアップやベンチャーにもおすすめの採用方法です。理由について詳しくは後述します。

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ダイレクトリクルーティングの流れ

使用するサービスにもよりますが、ダイレクトリクルーティングは下記の流れで進めるのが一般的です。

  1. SNSや就活イベント、ダイレクトリクルーティングサービスなどを利用し、自社の人材要件に合致する人材を探す
  2. 人材が見つかれば、スカウトメールを送付する
  3. 承諾されれば、カジュアル面談や選考面接に進む(適性検査や書類選考を行うケースもあり)
  4. 双方の意向が合致したら内定を出す
  5. 内定が承諾されれば正式に採用となる

場合によっては、候補者がすぐに興味を示さなかったり、今すぐ転職を考えていなかったりすることもあります。その際は、スカウトメールを送付した後に、ある程度の期間をかけてやり取りを繰り返し、徐々に自社に興味をもってもらえるようにしましょう。

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ダイレクトリクルーティングが注目される背景

少子高齢化が進み、労働力人口が減少している中、人材のニーズが人材の数を上回る「売り手市場」が続いています。

数少ない優秀な人材を多くの企業が取り合うような状況になっているため、優秀な人材は常に複数の転職先の選択肢を持っています。

つまり、求人広告を出して応募を待つ「待ちの採用」のみでは、優秀な人材は他に流れていってしまう可能性が高くなります。そうならないためにも、企業が候補者を探し出してアプローチしていくことが重要になっているのです。

 

スタートアップやベンチャーにも有効なダイレクトリクルーティング

ダイレクトリクルーティングは、スタートアップやベンチャーにもおすすめの採用方法です。

スタートアップやベンチャーはどうしても従業員数が少ないことが多く、新しく入った人材への教育コストを多くかけられないため、入社後すぐに業務や立ち上げを任せられるような、即戦力人材を求める傾向があります。しかし、そのような人材は転職市場におけるニーズも高く、採用難易度が高くなります。

加えてスタートアップやベンチャーは、大手企業と比較するとどうしても「知名度」や「年収」といった条件面で負けてしまう傾向があります。そのため、求人広告などを利用しても認知獲得が難しく、人材が集まりづらいこともあります。

その点、ダイレクトリクルーティングは、企業側から気になる候補者に直接アプローチするため、知名度が低いスタートアップやベンチャーでも、「必ず自社を認知してもらえる」というメリットがあります。

認知してもらえれば、実際の働き方や社員の様子、今後目指す方向性やビジョン、スタートアップやベンチャーならではの成長性や、経営陣との距離の近さといった点をアピールでき、より自社の働き方やビジョンに共感できる人材を採用できる可能性が高くなります。

 

ダイレクトリクルーティングのメリット5つ

ダイレクトリクルーティングのメリットを5つ解説します。

1. 転職潜在層にもアプローチできる

ダイレクトリクルーティングでは、今すぐに転職は考えていない転職潜在層にもアプローチができます。求人広告などではマッチングする難易度が高い人材でも、ダイレクトリクルーティングなら採用できる可能性がある点が大きなメリットでしょう。

SNSやスカウトメールなどを通じて企業側からアプローチすることで、自社を今まで知らなかったり、興味がなかったりした転職潜在層の候補者にも、自社の魅力をアピールでき、認知してもらえます。また、こうしたアプローチは母集団形成につながり、今すぐに応募してもらわなくとも、将来的に応募してもらえる可能性を高めることができます。

 

2. 自社のことを理解してもらいやすい

ダイレクトリクルーティングに取り組むことで、スカウトメールやSNSでの発信を通じて、より自社の魅力や働き方を候補者に知ってもらいやすくなります。

特にSNSは、求人広告のように型や項目に決まりがないので、写真や動画など自由に発信でき、他社との差別化も図りやすいです。

実際の働き方や社員の様子などを知ってもらったうえで、自社が今後目指す方向性やビジョン、企業として大切にしていることなどを伝えられるため、候補者にとってより自社に対するイメージや理解を深めやすく、入社後のミスマッチを軽減することにつながります。

 

3. 採用コストの削減につながる場合も

ダイレクトリクルーティングは、使用するツールや運用の仕方次第でコスト削減につながります。

TwitterやInstagramなどのSNSを使ってダイレクトリクルーティングをおこなう場合、多くのSNSは初期費用や登録費用が無料であることが多いです。

ビジネスSNSの場合は費用がかかりますが、たとえばWantedlyというツールであれば、毎月定額料金で、成果報酬がないため、運用の仕方次第ではコストを抑えられます。

ダイレクトリクルーティングサービスを使う場合、採用単価の目安は30~80万円ほどといわれています。ダイレクトリクルーティングサービスの多くは、基本的に人材紹介サービスよりもコストを抑えることが可能です。

 

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4. 求める人材に出会える可能性が高い

ダイレクトリクルーティングでは、転職活動を行っていない人材もアプローチの対象となります。そのため、求人広告や人材紹介会社を通しては出会えない人材ともマッチングできる可能性が高くなり、結果的に自社の求める人材に出会いやすくなるでしょう。

また、企業側から直接アプローチするため、「応募が来たが、要件を満たしていない」といったケースがなく、スクリーニングの手間が省けます。

SNSを活用して候補者を探す場合も、プロフィールの内容や普段の投稿内容などから、自社とのマッチ度を測れる場合があります。

 

5. 採用ノウハウを蓄積して今後に活かせる

ダイレクトリクルーティングは、基本的に自社の採用担当者や人事担当者が候補者対応から行います。担当者の業務負荷が大きくなる傾向があるものの、試行錯誤しながら取り組んでいくことによって、採用ノウハウを蓄積できます。

例えば、転職をするつもりがない候補者の気持ちをどのようにして掴むか、どのようなスカウトメールの送り方が効果的か、といった部分が、ダイレクトリクルーティングを進めていくうちにノウハウとして蓄積されていくでしょう。

培ったノウハウは、将来的にみても自社の採用力を高めるための貴重な財産になります。

 

ダイレクトリクルーティングのデメリット4つ

続いて、ダイレクトリクルーティングのデメリットを4つ解説します。

1. 工数が増加し、担当者の負担が増える

ダイレクトリクルーティングでは、候補者ごとの個別対応が基本となるため、どうしても工数が多くなり、人事や採用担当者の負担が増加します。

担当者は、候補者の選定から、スカウトメールの作成と送信、返信への対応など、多くの業務をこなさなければなりません。加えて、他の採用手法と同じように面接日程の設定なども行うことになります。

特にスカウトメールは、メールの開封率を上げたり、自社に興味をもってもらったりするためにも、1つのテンプレートを使い回すのではなく、候補者一人ひとりに合わせて少しずつ文面を変える必要があり、スカウトメールの作成だけでもそれなりの工数が増えるといえるでしょう。

 

2. 採用活動が長期化しやすい

ダイレクトリクルーティングで、転職潜在層(積極的な転職活動を行っていない層)にアプローチする場合、選考フローに乗ってもらうまでのハードルが高く、採用活動が長期化しやすい傾向があります。

スカウトメールを候補者に送信してもすぐに選考に進むとは限らないため、欠員補充などすぐに人材を採用したい場合には

向かない場合もあります。

使用媒体によっては「転職意向度」が可視化されているため、そういった情報も踏まえてスカウト対象者を選定することである程度転職潜在層を避ける事は可能です。

もし社内にダイレクトリクルーティングのノウハウが蓄積されていない場合、なかなか採用に繋がらない可能性もあります。導入後すぐに効果がでないことを前提に、試行錯誤しながら長期的な視点で取り組む必要があります。

 

3. 大量採用が難しい場合も

ダイレクトリクルーティングでは、基本的に採用担当者と候補者が1対1で直接やり取りをします。

最近では複数名の候補者に対して一括でスカウトメールを送信できる機能を備えたサービスもありますが、基本的には候補者一人ひとりに対して適切なコミュニケーションをとりながら関係性を深めていく必要があるため、一度に何十名を採用するようなケースには向いていません。

 

4. 採用担当者によって成果が変わることも

ダイレクトリクルーティングでは、「候補者を選考する」のではなく「候補者に自社を選んでもらう」という視点が特に重要です。

候補者の経験年数や保有スキルだけで判断するのではなく、レジュメの細部まで読み込んでニーズを掴んだり、候補者とのやり取りから、コミュニケーションのとり方を変えたりしなければなりません。

また、候補者一人ひとりに合わせて、興味を引くスカウトメールを作成するための文章力や表現力も求められます。そのため、採用担当者のスキルや経験によってはダイレクトリクルーティングの成果に差が出てしまうことがあります。

 

ダイレクトリクルーティングを成功させるポイント

ダイレクトリクルーティングのメリットとデメリットを把握したうえで、成功させるポイントを5つ解説します。ダイレクトリクルーティングの導入を考えている方は参考にしてみてください。

 

1. 求める人材を明確化する

他の採用手法と同じように、候補者を探す前に、求める人物像やスキル、経験、人柄などを明確化することが重要です。求める人材を明確化することにより候補者にあわせた効果的なアプローチができ、入社後のミスマッチを減らすことにもつながります。

求める人材を明確化する際には、現場で働いている社員からも、どのようなスキルや経歴、人柄などを求めているかをヒアリングしましょう。例えばエンジニア職であれば「どの言語の経験が何年ほど必要」「社外との交渉も多いのでコミュニケーション力も必要」など、現場でないと具体的にわからないこともあります。

ただし、あまりにも条件を細かく設定しすぎると、条件を満たす候補者がなかなか見つからないことになるでしょう。条件を洗い出したら優先順位をつけ、絶対に譲れない条件はどれかを決めておきましょう。

 

2. スカウトメールの作成〜送信のポイント

ダイレクトリクルーティングの要になるのが、スカウトメールの対応です。スカウトメールを受け取った候補者は、必ずしも自社を知っていたり、興味があったりするわけではありません。スカウトメールをきっかけに自社に興味をもってもらうためにも、内容の工夫が重要です。

【スカウトメールで伝えるべきこと】

  1. 他の人ではなく、その候補者をスカウトした理由(魅力に感じた点/お任せしたいこと等)
  2. 他社との差別化(自社にしかないアピールポイント)
  3. 興味を持っていただけた場合に候補者に何をしてほしいのか(どういう返信が欲しいのか/面談や面接などどういった場で会いたいのか等)

 

【送信時間も戦略的に検討する】

スカウトメールは送信する時間帯にも工夫が必要です。忙しい早朝や、一日の終わりで疲れている夜間などは見てもらえない可能性があるため避けるのがよいでしょう。相手のライフスタイルを想像し、相手の立場になって考えてみることが重要です。

この時、求人票に記載している勤務時間外で送信してしまうと「時間外労働が多い企業なのかも」とネガティブな印象を与えてしまいますので、あくまで明記した勤務時間内でより読んでいただけそうな時間帯を狙うことをおすすめします。

これまでの経験上「午前中もしくは18時~20時頃」の送信をすることで休憩時間ないし通勤時間に読んでいただける傾向が高いというデータがあります。ただ、これは狙っているターゲット層や使用媒体によっても多少変わってきます。各媒体ごとにデータ集計されているケースもありますので、媒体に問い合わせたり、自社でも曜日別・時間帯別の集計を行うと良いでしょう。

 

3. 専任者を決めておく

前述のとおり、ダイレクトリクルーティングを導入することで、採用担当者の業務は増えます。重要なのは、社内でダイレクトリクルーティングの業務を担当する専任者を決めておくことです。ダイレクトリクルーティング業務に集中できる人員を決めることで採用活動に専念でき、PDCAも回しやすくなります。

常に同じ担当者が対応することで、候補者を探す基準が統一され、丁寧なコミュニケーションもとりやすくなるでしょう。

 

4. 媒体ごとの特色を理解し使い分ける

一口にダイレクトリクルーティングといっても、媒体によって特徴は異なります。それぞれの特徴やターゲットを理解し、自社のニーズに合わせてうまく使い分けましょう。

例えば、Wantedlyは、企業と候補者がカジュアルにつながれる媒体です。給与や待遇面についての記載はNGで、企業や社員の雰囲気、ビジョンや仕事内容などに共感できる人を対象としています。気になる候補者にスカウトを送付できる機能を活用して、ダイレクトリクルーティングを行うことができます。

Forkwellは、Web・ITエンジニアに特化したダイレクトリクルーティングサービスです。人材のプロフィールだけではなくポートフォリオの生成機能があり、スキルレベルを客観的に確認しやすいのが特徴です。

このような媒体特性を正しく理解し、スカウトしたい職種やレイヤーに適した媒体の選定・使用媒体の特性にマッチしたスカウト文面の作成をすることがとても重要となります。

 

5. 自社の情報発信を強化する

スカウトメールを受け取って自社に興味をもった候補者が、Web上で自社について検索する可能性を踏まえて、採用ホームページや企業の公式SNSなどで、普段から積極的に自社について発信しておきましょう。

特に、ミスマッチを防ぐためには、企業のビジョンや働き方などをしっかり発信することが大切です。オフィスの様子や実際に働いている社員の姿など、実際にそこで働くイメージができるような写真や動画をアップすると効果的です。

 

ダイレクトリクルーティングでより自社にマッチした人材採用

ダイレクトリクルーティングは、自社にマッチする人材に出会える可能性が高い採用方法です。その一方で、採用担当者の工数の増加や、採用活動の長期化などの留意点もあります。

ダイレクトリクルーティングをより効率良く進めるなら、ダイレクトリクルーティングサービスに業務を委託するのもおすすめです。

 

たとえば「まるごと人事」なら、専任の採用チームがダイレクトリクルーティングを徹底サポート。年間10万通以上のスカウト送信実績があり、確かなノウハウがあります。スカウトメール以外にも、募集媒体の選定、書類選考、日程調整までチームでトータルサポートします。1ヶ月単位で利用できるのも魅力です。

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この記事の監修者:河地 宗太郎
この記事の監修者:河地 宗太郎

マルゴト株式会社 まるごと人事事業部 ゼネラルマネージャー

新卒でパーソルキャリアに入社。ヘルスケア領域のエージェントとして年間100名以上の採用支援に携わる。その後、Webマーケティングのスタートアップを経てマルゴトへ入社。マルゴトでは一貫してRPO事業に関わり、カスタマーサクセス、プロジェクトリーダー、マネージャーを経てゼネラルマネージャーに昇格。現在はまるごと人事のセールスマーケ領域の統括を担当している。

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