お役立ち情報

2022.10.31 更新日:2023.08.31
この記事の監修者:河地 宗太郎

この記事の監修者:河地 宗太郎

魅力的な採用キャッチコピーの作り方とは?求人タイトル・募集文作成のポイントを解説

求人票や募集文において、自社の魅力を求職者に最初に伝えるのが採用キャッチコピーです。採用キャッチコピーは、求人広告のクリック率や応募率など、求職者と自社との出会いにおける入り口の役割を果たし、採用のマッチング全体に影響を与える重要な要素です。

本記事ではより魅力的な採用キャッチコピーを作るためのポイントや、具体的な手順などを解説します。

 

一般的なキャッチコピーと採用キャッチコピー

ここでは一般的なキャッチコピーと比較しながら、採用キャッチコピーについて解説します。

 

一般的なキャッチコピーとは

一般的なキャッチコピーとは、商品やサービスなどの広告におけるコピーのことで短い宣伝文句とも言えるでしょう。読み手の関心を引き出し、注目度を高める目的があります。

商品やサービスの特徴を的確に表現したうえで、第一印象で人の目に留まり、購買行動に繋げることができるのが「キャッチコピー」となります。

 

採用キャッチコピーとは

一般的なキャッチコピーと同様に、採用キャッチコピーも読み手の関心を引き出し、注目度を高める言葉を指します。自社の魅力を的確に表現した上で、求める人材である「採用ターゲット」に見つけてもらい、応募や入社の確率を高める目的です。

ただし、採用キャッチコピーは求職者に選んでもらうだけではなく、入社後に活躍してもらうことも目的のひとつです。

そのためには、多くの人に応募をしてもらうためにキャッチコピーを作るのではなく、採用ターゲットとなる求職者が仕事に求める要素と、自社のアピールできる要素をマッチングさせることが重要です。

たとえば、求職者が採用キャッチコピーを見て自分とは合わないと感じれば、興味を持たず、選考にも進みません。より多くの人に応募をしてもらうことを目的とせず、自社にマッチした人材に「自分のための求人だ」、「自分が求めている仕事だ」と思って応募してもらうことが重要です。

 

採用キャッチコピーが求められる理由

売り手市場の近年では、数ある求人の中から求職者に自社を選んでもらうためのきっかけとして、採用キャッチコピーがより重要な役割を果たしています。

ここではその理由を解説していきます。

 

求職者の興味・関心を引き出すため

企業自ら求職者にアプローチをするダイレクトリクルーティングを利用する企業が増えたことは、採用キャッチコピーが注目される背景のひとつです。

ダイレクトリクルーティングでは、求職者に送信するスカウトメールのタイトルや、採用媒体のページに掲載する募集タイトルが採用キャッチコピーの役割を果たし、このように採用キャッチコピーを作成する機会が多いと言えるでしょう。

求職者に興味を持ってもらえる採用キャッチコピーほど、求人情報を詳細に見てもらえることや、応募といった次のアクションにも繋がりやすく、効果的に採用活動も行えます。

 

採用ミスマッチを防ぐため

採用キャッチコピーには、求職者に選んでもらうためではなく、選ばないきっかけとしての役割も果たします。そのため、採用ターゲット以外からの応募を遠ざける効果もあると言えるでしょう。

採用ミスマッチは企業と求職者の両方にとって大きな損失です。採用ターゲットではない人材からの応募を遠ざけることで採用ミスマッチの削減にもつながります。

また、採用ターゲット以外からの応募を減らすことで、書類選考や面接の日程調整といった候補者対応の工数も削減が見込めます。

 

採用キャッチコピー作成前の3つのステップ

ここでは採用キャッチコピーの作成にあたって事前に取り組むべき3つのステップを解説します。

下記のステップに沿って、あらかじめ、だれに・なにを伝えるのかを明確にすることで、より魅力的な採用キャッチコピーになります。

 

1. 採用ペルソナを設定する

採用ペルソナとは、自社が求める典型的な人物像を指します。

採用ペルソナを明確にすることで、自社がほしい人材が転職の際に求めるニーズや、現職に対する課題などを把握するのに役立つため、採用キャッチコピーにおいても訴求すべきポイントの精度を高めることができます。

設定にあたっては、属性やパーソナリティを含めたさまざまな情報をもとに一人の具体的な人物像をつくりあげていきます。たとえば、氏名、年齢、性別、居住地、勤務先の業種、部署、役職、年収、趣味、家族構成などの項目が挙げられます。加えて、どのような経緯で応募にいたるか、仕事に対してなにを希望しているのか、といった背景もイメージすることが重要です。

より的確に採用ペルソナを作り上げるために、社内で活躍している人材から、転職時に重要視していたポイントや、自社にマッチした要素をヒアリングしてみるのもおすすめです。

 

2. 自社や募集するポジションの魅力を洗い出す

採用キャッチコピーの作成にあたっては自社や募集するポジションの魅力を洗い出し、言語化することが重要です。

自社の魅力が曖昧なままでは、採用キャッチコピーで求職者に特徴や強みを伝えることは難しいでしょう。魅力の洗い出しにあたっては下記のように、さまざまな観点から洗い出してみることをおすすめします。

 ・会社:ミッション/ビジョン/経営陣の魅力

 ・事業:成長性・将来性/社会貢献性

 ・仕事内容:やりがい/おもしろさ/裁量の大きさ

 ・社風:カルチャー/雰囲気/社内イベント

 ・給与:年収/評価制度

 ・福利厚生:オリジナルの制度/有給消化率/リモートワークの可否

 

3. 採用ペルソナに対して、自社が提供できる価値を明確にする

最後に採用ペルソナが抱えるニーズや課題に対して、自社が提供できる魅力を見つけて訴求したいポイントの仮説を立てましょう。

たとえば、より大きな裁量をもって仕事をしたいと考える求職者に対しては、「ポジションアップを見据えた採用」、「事業の規模感や成長性」がメリットとして合致しそうである、などの仮説が立てられます。他にも、年収をあげたいと考える求職者に対しては「評価制度」や「自身の業務と評価制度の連動性」がメリットとして訴求できるなどの仮説を立てられます。

これらを採用キャッチコピーに盛り込むことで、求職者に対して、自社の価値を的確に訴求でき、より採用ターゲットに近い人材からの応募が期待できます。

 

採用キャッチコピー作成時の5つのポイント

ここでは採用キャッチコピーを作るための5つのポイントを解説します。

  1. 自社で得られるメリットを伝える
  2. 第一印象で伝わる、端的な言葉を選ぶ
  3. 専門用語は避け、わかりやすい表現を使う
  4. 数字やエピソードを用いる
  5. 自社ならではのオリジナリティを出す

 

1. 自社で働くメリットを具体的に伝える

採用キャッチコピーでは、自社で働くとどのようなメリットがあるのか、そのポジションで働くとどのようなメリットがあるのかを、明確に伝えることが重要です。

具体的には「裁量が大きい」点をメリットとして伝えたい場合、その言葉自体は曖昧でイメージがしづらいものになっています。そのため「裁量の大きさ」が具体的にどのようなメリットをもたらすのかを考える必要があります。

たとえば「成長フェーズの組織だからこそ、主体性をもって業務を進められる」、「事業を通じて社会により大きなインパクトを与えられる」など、得られる経験、やりがいやおもしろさなどを具体的に伝えましょう。

 

2. ひと目で伝えたいことがわかるよう、端的に伝える

採用キャッチコピーはひと目で求人や職場としての魅力を伝え、数ある求人の中から自社を見つけてもらうための言葉です。長すぎず、端的にまとめるのがポイントです。

掲載する媒体のレイアウトにもよりますが、採用キャッチコピーが募集文の冒頭に収まる文字数であることも重要です。一般的には90文字以内であれば2〜3行に収まるため、ひと目見て伝わりやすい文章になります。

文字数と合わせて、冗長表現は避け、端的な言葉選びも意識しましょう。

 

3. 専門用語は避け、だれにでも伝わる言葉・表現を使う

求職者は業界知識や、自社の仕事内容などの事前の知識がない中でキャッチコピーを見る場合がほとんどです。

そのため、採用キャッチコピーで使う言葉は専門用語を避け、だれにでも伝わる言葉や表現を使うことが望ましいです。

また、単に求職者の目を引くためだけの過激な言葉選びや表現は実態とそぐわない場合が多く、自社の信頼性を損ねてしまうため避けましょう。

 

4. 数字やエピソードを入れる

採用キャッチコピーに数字やエピソードを盛り込むことで、メリットや魅力がより具体的になります。

例として、以下の文面で確認をしてみましょう。

伝えたいメリット・魅力

反映する数字やエピソード

残業が少ないです

月の残業時間は平均10時間 です

事業成長中です

3年連続増収増益。前年度比130%の成長率です

 

このように伝えたいメリットを数字やエピソードを用いて表現すると、求職者も働くイメージをしやすくなります。

 

5. 自社ならではのオリジナリティを出す

他社と求人の条件が似ている場合にも、キャッチコピーで差をつけることを意識しましょう。

他社との違いを明確にして自社ならではのオリジナリティや優位性を訴求することで求職者の興味を引くことができます。

たとえば「自社独自の研修制度があり、未経験からスタートをしても3ヶ月で一人前になれる」、「スキルアップを目的として社内メンバー主催の勉強会が定期的に開催される」など、自社独自のエピソードや事実を伝えるとよいでしょう。

 

採用キャッチコピー完成時の確認リスト

採用キャッチコピーが完成したら、企業の視点だけではなく、求職者の視点でも見直しを行いましょう。

下記のチェック項目に沿って確認をすることで抜け漏れが防げるため、おすすめです。

  • 採用ペルソナの悩みや課題の解決になっているか
  • 働く上でのメリットが伝わっているか
  • 自社や募集職種の魅力を伝えられているか
  • 具体的な数字や事例、エピソードが入っているか
  • 専門用語や難しい言葉はないか
  • 端的でわかりやすい表現になっているか
  • 自社ならではオリジナリティがあるか

 

だれに・なにを伝えるかを明確にして、効果的な採用キャッチコピーを作成しましょう

採用キャッチコピーは、数ある求人から求職者に自社を選んでもらうきっかけとして重要な役割を果たします。

魅力的な採用キャッチコピーが作成できれば、自社がほしい人材からの応募を増やし、会社や募集しているポジションの理解を深めてもらえるなどの効果が見込めます。

採用キャッチコピーの作成にあたっては事前の設計が重要です。採用ターゲットを明確にする、 自社や募集ポジションの魅力を洗い出すなどのステップを通じて、より効果的に自社の魅力を訴求できます。

本記事で解説したポイントを踏まえて、魅力的な採用キャッチコピーを作成しましょう。

この記事の監修者:河地 宗太郎
この記事の監修者:河地 宗太郎

マルゴト株式会社 まるごと人事事業部 ゼネラルマネージャー

新卒でパーソルキャリアに入社。ヘルスケア領域のエージェントとして年間100名以上の採用支援に携わる。その後、Webマーケティングのスタートアップを経てマルゴトへ入社。マルゴトでは一貫してRPO事業に関わり、カスタマーサクセス、プロジェクトリーダー、マネージャーを経てゼネラルマネージャーに昇格。現在はまるごと人事のセールスマーケ領域の統括を担当している。

  • X(Twitter)
  • facebook
新規CTA

関連記事

新着記事