採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2023.04.14 更新日:2026.01.17
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

採用広報の成功事例12選と戦略設計の全手法|効果測定とKPI設定まで

求職者にとっても選択肢が多く、さまざまな企業があるなかで、自社の採用活動を成功させるために情報発信の重要性は高まっています。

採用広報では、自社のより実態に近い情報の発信ができ、求人への応募者数の増加や、会社が求める人材とのミスマッチを減らすことなどにつながります。

本記事では、採用広報とは何か、実施するメリット、有効な手法、トレンドの解説にくわえ、採用広報における12の成功事例を紹介します。

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関連動画:採用広報の概要

目次

採用広報とは

採用広報とは

採用広報とは、企業が求職者への認知向上と企業理解を促し、応募・採用につなげるための広報活動を指します。

具体的な業務内容や働き方、職場の雰囲気やカルチャー、企業ミッションやビジョンなどのテーマをもとに記事や動画、パンフレットなどを作成し、採用媒体や自社採用ページ、SNSなどでコンテンツとして公開します。

採用広告を出すだけでなく、採用広報をおこなうことで自社の取り組みや実際の社員の声を具体的に届けられるため、求職者の興味をより強く引き付けることができます。

採用広報を通じて求職者が事前に企業の情報をより多く得られる状況をつくることで、採用後のミスマッチの低減や認知の拡大につながります。また、採用広報をおこなうことで求職者からの応募が増えれば、ほかの採用サービスを利用する場合に比べてコスト削減も見込めるでしょう。

さらに、採用広報で行った発信は求職者以外にもステークホルダーが目にする可能性があるため、広報本来の意味である社会とのつながりをつくることも期待できます。

参考:採用広報とは?具体的な手法と進め方、取り組むメリットを徹底解説

採用広報と採用活動の違い

採用広報と採用活動は混同されやすいものの、両者には明確な違いが存在します。採用活動は求人票の掲載や面接の実施など、直接的に人材を選考するプロセス全般を指すものです。一方、採用広報は企業の魅力や価値観を広く発信し、求職者との接点を創出する役割を担っています。

具体的には、採用活動が「今すぐ応募してほしい人」へのアプローチであるのに対し、採用広報は「将来的に応募候補となる潜在層」も含めた幅広い層への情報発信を意味します。

採用広報によって企業への理解が深まり、結果として質の高い応募者が集まりやすくなるでしょう。両者を適切に組み合わせれば、採用活動全体の効率と成果を大きく向上させられます。

採用広報が注目される3つの背景

採用広報が重要視される背景には、労働市場と求職者行動の大きな変化があります。主な理由は、以下のとおりです。

  • 少子高齢化による労働人口の減少で、企業間の人材獲得競争が激化している
  • SNSやWebメディアの普及により、求職者が多様なチャネルから情報収集を行うようになった
  • 給与や待遇だけでなく、企業文化や働き方への共感を重視する価値観が広がっている

まず少子高齢化の進行により、企業が採用したい人材に対して求人数が上回る「売り手市場」が定着しました。また、情報収集手段の多様化によって、求職者は企業の実態をさまざまな角度から調べるようになっています。

さらに、働き方改革やワークライフバランスへの関心の高まりから、企業理念や職場環境への共感が応募動機として重視されるようになりました。企業はただ求人を出すだけでなく、積極的に魅力を発信する姿勢が求められるでしょう。

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採用広報をおこなう5つのメリット

採用広報をおこなう5つのメリット

採用広報をおこなうことで採用に限らずさまざまなメリットを得られます。

以下では、採用広報をおこなう5つのメリットを具体的に紹介します。

応募数の増加

採用広報は採用活動の一つとしておこない、広報活動からも求職者を獲得することができるため、応募数の増加が期待できるでしょう。また、採用広報のコンテンツの一つである、社内インタビューや自社の取り組みをまとめた「採用広報記事」などを展開していれば、求職者の自社への理解もより深まります。それにより、働くイメージを具体的にもつことができ、強い志望度と適性をもった人材からの応募の可能性も高まるでしょう。

また、求人媒体やエージェントを通じて自社を知った人材が採用広報を見て応募を決めるケースもあります。応募の動機づけとしても有効に働き、応募の獲得につながります。

認知の拡大

採用広報では求職者以外にも一般的な認知も獲得することができます。自社の提供する価値や取り組みが広がっていくことで、自社の認知度が高まることも大きなメリットです。認知度が高まればその後の発信を受け取る人が増えるため、一度の発信で多くの人へ情報を伝えることができます。採用活動を続けていく中で応募数の増加も期待できるでしょう。

自社を知り、自社への理解度があがることでファンやユーザーの増加にも繋がる可能性は高いので採用以外のシーンにも多くの恩恵が発生します。

ミスマッチの低減

採用広報のコンテンツでは自社の取り組みや社員の声を発信することができるため、求職者が事前に社風や働き方などを確認することができます。そのため入社後のイメージや、会社に自分が合うかどうかを事前に確認することができるため、ミスマッチが低減されるでしょう。会社からアクションを起こさずに、求職者が理解を深めたことでミスマッチのリスクを回避できる可能性が高まるのは大きなメリットです。

採用コストの軽減

採用広報は、求人広告や採用エージェントなどのサービスを利用するよりもコストが低いため採用コストを軽減することができます。求人広告では掲載料金が、採用エージェントでは採用が成立するたびに成果報酬が発生します。採用広報であれば、1人でも採用ができれば大きなコストカットが期待できるのです。さらに、採用広報活動では採用以外の広報も兼ねられるため、一度の支出に複数の効果を期待できます。

会社のブランディング強化

自社の取り組みから普段の社内の様子まで、実績以外の詳しい部分についても伝えることができるため、会社のブランディング効果も期待できます。本来であれば発信する機会に恵まれないような社内情報やイベントの実施などについても伝える機会になり、「会社そのもののイメージ構築」にもつながるでしょう。

参考:採用ブランディングとは?取り組むメリットや実施のステップを解説

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採用広報を成功させる戦略設計3ステップ

採用広報をおこなう5つのメリット

採用広報を効果的に実施するには、戦略的な設計が欠かせません。闇雲に情報発信を始めても、期待する成果は得られないでしょう。ここでは、採用広報を成功に導く3つのステップを紹介します。

ターゲット人材とペルソナの明確化

採用広報で最初に取り組むべきは、どのような人材に届けたいのかターゲットを明確にする作業です。年齢や性別、職種といった基本情報だけでなく、価値観やキャリア志向、情報収集の方法まで具体的に設定します。

たとえば「30代前半のWebエンジニアで、スキルアップを重視し、SNSで情報収集を行う人物」といった詳細なペルソナを作成すれば、発信すべき内容や使用するメディアが自然と見えてくるでしょう。ペルソナが曖昧なままだと、誰にも響かない情報発信になってしまいます。

自社が求める人材像を関係者間で共有し、言語化する作業は採用広報の土台となるはずです。

自社の独自価値と採用コンセプトの策定

ターゲットが明確になったら、次は自社ならではの魅力を言語化する段階に移ります。競合他社と比較しながら、自社だけが提供できる価値を洗い出す必要があるでしょう。

採用広報における独自価値の要素は、以下のとおりです。

  • 企業理念やビジョン、社会に提供する価値
  • 事業の成長性や業界内での競争優位性
  • 働く環境や制度、キャリア形成の機会
  • 企業文化や社員の雰囲気、多様性への取り組み

上記の要素を分析し、ターゲット人材のニーズと重ね合わせれば、採用コンセプトが形成されます。たとえば「挑戦を後押しする文化」や「ワークライフバランスを重視した働き方」など、一貫したメッセージとして表現しましょう。

効果測定のためのKPI設定方法

採用広報の成果を可視化するには、適切なKPIを設定する必要があります。KPIがなければ施策の効果を検証できず、改善も進まないでしょう。

設定すべきKPIは、認知段階から採用決定まで複数の指標を組み合わせるべきです。たとえば、採用サイトの訪問者数やSNSのエンゲージメント率は認知拡大の指標となります。

応募数や選考通過率は、ターゲット層へのリーチ度を測る指標として有効でしょう。さらに内定承諾率や入社後の定着率まで追えば、採用広報がミスマッチ防止に貢献しているか判断できます。

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採用広報の手法

採用広報の手法

採用広報にもいくつかの手法が存在します。どの手法を利用すれば良いかは会社の取り組みによりさまざまです。自社にあった手法を選択するためにもそれぞれの手法について詳しく解説します。

オウンドメディアの利用

オウンドメディアとは、自社で運営しているホームページやブログなどのメディアを指します。オウンドメディアから発信する情報は非常に自由度が高く、自社運営であるため迅速に実装することができます。

また、実装したコンテンツは自社の運営下に蓄積して充実していきます。これは自社で管理している資料が増えていることを意味します。発信の内容によっては自社の取り組みや人の変遷、会社体系の変遷に至るまでさまざまな歴史を象る資料にもなるのです。これらの資料は採用活動をおこなう際にずっと使用することもできます。

ペイドメディアの利用

ペイドメディアとは、駅ナカ広告やテレビCM、新聞、就活イベントへの出展などの有料広告に関するメディアを指します。短期的に多くの求職者に対して発信することができ、認知の拡大や新規求職者の獲得に効果的です。

注意点として、利用する媒体への依存度が高いため、目的に合わせて何を利用するかを決定しなくてはなりません。また高額な費用が発生する場合もあります。

アーンドメディアの利用

アーンドメディアとは、消費者やユーザーが発信するSNSやブログなどのメディアを指します。アーンドメディアは消費者やユーザー視点が起点となってメディアを通じて発信するものであるため、会社側が発信をおこなうことはできません。採用広報の活動を通じて、求職者が発信しやすい施策を講じる必要があります。

たとえば、SNSではより身近に会社の日々の進捗や取り組みを手軽に発信することができます。自社からそうした発信をおこなうことで求職者は自社の情報を拡散したり、発信したりしやすくなります。しかし、ほかのメディアと比較して特殊なメディアであり、専門的な知識が必要となります。コンテンツの拡散や認知のコントロールが非常に難しいため、炎上や誹謗中傷など自社への不利益が発生するリスクが存在します。

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採用広報のトレンド

採用広報のトレンド

採用手法であるメディアで利用できるコンテンツはさまざまな種類があります。そのなかでも注目されている採用広報のトレンドについて紹介します。

採用広報記事での発信

採用広報記事とは、社内インタビューや自社の取り組みをまとめた記事コンテンツです。

社内インタビューでは実際に会社で働く人の声をそのまま発信することができるため、実態に近い情報となり、説得力が高いといえるでしょう。自社の取り組みをまとめた記事ではより分かりやすく、自社が取り組んでいることについて伝えることができます。

また、音声を必要としないコンテンツであるため、閲覧する場所や時間を選ぶことなく、ユーザーが自由に関わることができます。また、自分が知りたい情報へのアクセスがしやすいことも特徴です。

動画コンテンツでの発信

動画コンテンツでの発信とはTikTokやYouTube、Instagramなど動画アップロードサービスを利用した発信です。動画コンテンツは近年急速に成長しており、多くの人にとって身近な存在となっています。とくに10~20代を中心に現代では主流な情報源となっています。

しかし、動画コンテンツはコンテの作成に文章構成、そして音声の調整が必要など、包括的なコンテンツであるため、制作難易度はほかと比較して高いといえるでしょう。

また、動画を最初から最後まで観てくれるとは限らず、動画の再生を倍速にして視聴する文化も存在しているため、伝えたいことがすべて伝わるとは限りません。

動画コンテンツでは社内の様子や取り組みを映像として臨場感を持って伝えることができます。また、制作物のある会社であれば自社の制作物の作業工程から完成品までを動画コンテンツにのせて発信することも可能です。そのほかにも、自社の取り組む課題についてのコンテンツを発信している会社もあります。

音声コンテンツでの発信

ポッドキャストやYouTubeを利用したラジオ系のコンテンツです。動画コンテンツに次いで親しみやすく、気軽に閲覧できる発信方法といえるでしょう。移動中にも聴きやすいため、動画コンテンツに近い効果を期待できます

コンテンツの内容としては、記事コンテンツと同様にインタビューの様子や対談などが挙げられます。

しかし、記事コンテンツと比較して、内容をまとめにくく、深い理解を得てもらう難易度は高いと考えられます。また、動画コンテンツ同様、最初から最後まで聴いてもらえるとは限らず、倍速再生により詳細な情報は伝えにくい側面もあります。

採用ピッチ資料での発信

採用ピッチ資料とは、会社紹介資料をよりカジュアルな形に改良したものです。自社の実際の取り組みだけではなく、魅力や課題なども取り入れたオープンな資料になります。

採用市場には会社の魅力だけでなく、課題も含めた実態を知りたいと考えている求職者も少なくありません。そのため、採用広報としても有効です。

しかし、情報をオープンにする特性上、取り扱いには注意が必要です。資料が使い回しであったり、古くなっていたりすしないように更新することを心がけましょう。

参考:採用ピッチ資料とは?作成するメリット、手順や活用方法、採用ピッチ資料20選を紹介【2022最新版】

SNSでの発信

現代において、多くの若者が使用している媒体のSNSを利用した発信方法です。

ここまで紹介した全てのコンテンツを紹介する発信の場にもなるため、コンテンツの拡散に利用できます

SNSでは情報が流れていくのが早いため、文章は短くまとめると良いでしょう。よりリアルな会社の情報を身近かつ、ライブ感をもって発信でき、ユーザーも手軽にその情報をキャッチすることができます。

ライブ配信とミートアップの活用

ライブ配信やミートアップは、求職者とリアルタイムで双方向のコミュニケーションが取れる採用広報手法です。YouTubeやInstagram Liveを活用したオンライン説明会、ZoomやTeamsを使った座談会などが代表例として挙げられます。

ライブ配信では、チャット機能を通じて求職者からの質問に即座に答えられるため、企業への理解が深まりやすいメリットがあるでしょう。また、オフラインでのミートアップイベントを開催すれば、より親密なコミュニケーションが可能になります。

一方で、日程調整や配信環境の整備には手間がかかり、参加者が集まらないリスクも存在します。しかし、録画したライブ配信をアーカイブとして残せば、当日参加できなかった求職者にも情報を届けられるでしょう。

技術広報(エンジニア採用特化)の台頭

技術広報とは、エンジニア採用に特化した情報発信手法で、自社の技術力や開発環境を詳しく紹介する活動を指します。技術ブログやQiita、Zennといったエンジニア向けプラットフォームでの発信が主流です。

技術広報では、実際の開発で使用している技術スタックや、解決した技術的課題、チームの開発フローなどを具体的に公開します。エンジニアは企業の技術レベルや開発文化を重視するため、詳細な技術情報の発信は採用に直結しやすいでしょう。

ただし、技術広報を継続するには、現場エンジニアの協力が不可欠であり、執筆の負担が課題となります。また、競合他社に技術情報が伝わるリスクも考慮しなければなりません。それでも、技術広報を通じて企業のエンジニアリング力をアピールできれば、優秀なエンジニアからの応募増加が期待できるはずです。

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【手法別】採用広報の成功事例12選

【手法別】採用広報の成功事例12選

採用広報の理論を理解したら、次は実際の成功事例から具体的な手法を学びましょう。ここでは、オウンドメディアやSNS、組織体制・ターゲティング・透明性という切り口から、12社の取り組みを紹介します。各社の工夫や独自性を参考に、自社の採用広報戦略を考えるヒントを見つけてください。

オウンドメディア・ブログ活用の成功事例

オウンドメディアやブログは、企業が自由に情報を発信できる採用広報の中核となる手法です。ここでは、独自性の高いコンテンツで求職者の心を掴む3社の事例を紹介します。

株式会社メルカリ

株式会社メルカリでは、オウンドメディア「メルカン」を通じて採用広報を展開しています。メルカンでは、社内イベントの様子やプロジェクト完了後の振り返り記事を定期的に公開し、リアルな職場環境を伝えています。

特に注目すべきは、成功事例だけでなく失敗から学んだ教訓も積極的に発信している点です。プロジェクトメンバーへのインタビューを通じて、意思決定のプロセスや課題解決の方法を詳細に紹介しています。入社後の具体的な働き方が想像しやすい構成になっており、求職者の不安を解消する効果があります。

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントが運営する「CyberAgent Way」は、同社の公式オウンドメディアとして展開されている採用・企業情報発信プラットフォームです。社員インタビューや事業紹介、企業カルチャーや価値観に関する記事など、多様なコンテンツを通じてサイバーエージェントの社風や働き方を伝えています。

直接的な求人情報や応募ページに誘導するコンテンツだけでなく、企業理解を深めることに主眼を置いた設計になっている点が特徴です。結果として、同社との価値観や文化に共感する潜在的な求職者との接点を創出し、長期的な採用ブランディングに貢献しています。

ナイル株式会社

ナイル株式会社は「NYLE ARROWS」というオウンドメディアで、人/事業/組織/カルチャーの4つのカテゴリーに分けて情報を発信しています。各カテゴリーが明確に整理されているため、求職者が知りたい情報にアクセスしやすい設計です。

社員インタビューでは、入社の決め手や現在の業務内容、今後のキャリアビジョンまで丁寧に掘り下げています。また、社内イベントのレポートを通じて、社員同士のコミュニケーションの様子も伝えています。情報の網羅性と分かりやすさを両立させた構成により、企業理解を深めやすい環境を整えている事例です。

SNS・動画マーケティングの成功事例

SNSや動画は、視覚的に企業の魅力を伝え、若年層にリーチしやすい採用広報手法です。ここでは、各プラットフォームの特性を活かした3社の取り組みを見ていきます。

株式会社Speee

株式会社Speeeは、オウンドメディア「Speez」と新卒エンジニア向け採用サイトを併用する戦略を展開しています。Speezでは事業の取り組みや開発事例を発信し、技術力の高さをアピールしています。

新卒エンジニア採用サイトでは現場エンジニアへのインタビューを中心に構成し、開発環境や使用技術、成長機会について具体的に紹介していました。ターゲット層に応じてメディアを使い分け、それぞれに最適化された情報を届けています。顧客と求職者の両方にアプローチする発信により、企業の認知度と採用力を同時に高めています。

冒険社プラコレ

冒険社プラコレは、TikTokを活用した採用広報で大きな成果を上げています。短尺動画で社員の日常や仕事風景を親しみやすく紹介し、若年層からの認知を獲得しました。

2022年入社期の新卒説明会では約1,500人がエントリーし、そのすべてがTikTok経由だったという実績があります。エンターテインメント性の高いコンテンツで興味を引きつけながら、企業の価値観や働き方もしっかり伝えています。

従来の採用手法では届かなかった層にアプローチし、応募者数の大幅な増加を実現しました。

伊藤忠商事株式会社

伊藤忠商事株式会社は、Instagramで新卒採用に特化した情報発信を行っています。ビジュアル重視のプラットフォームの特性を活かし、社員の写真や社内の雰囲気を魅力的に伝えているのが特徴です。

投稿内容は、若手社員の1日の業務スケジュールや休日の過ごし方、先輩社員からのメッセージなど多岐にわたります。堅いイメージを持たれがちな総合商社の親しみやすい一面を見せ、学生との心理的距離を縮めているのです。

また、ストーリーズ機能を活用したライブ配信で、リアルタイムの質問にも対応しています。

戦略的組織体制構築の成功事例

採用広報を全社的な取り組みとして位置づけ、専門組織を設置する企業が増えています。ここでは、体制面で先進的な2社の事例を紹介します。

パナソニックグループ

パナソニックグループは、採用マーケティング・ブランディング専門の部門を設置し、戦略的な採用広報を展開しています。学生のインサイトを徹底的に調査し、データに基づいた情報発信を実施しています。

「Iメッセージ」という手法で、社員個人の視点からストーリーを発信する取り組みが特徴的です。企業としての公式メッセージではなく、個人の経験や想いを伝えるアプローチにより、共感を生みやすくしています

結果として、2年間でエンゲージメントが約16倍に向上しました。大企業でありながら、個人の顔が見える発信により、学生との距離を縮めています。

株式会社博報堂・博報堂DYメディアパートナーズ

博報堂グループでは、広告業界の専門知識を活かした高度な採用広報を実践しています。自社の強みであるマーケティング視点を採用活動にも適用し、ターゲット学生の行動分析から情報設計まで緻密に計画しているのが特徴です。

採用サイトではクリエイティブな表現で企業の世界観を伝えると同時に、職種別の詳細な情報も網羅しています。また、現役社員によるSNS発信を推奨し、多様な社員の姿を見せる戦略を採用していることでも知られています。

広告業界ならではのストーリーテリング技術を駆使し、学生の記憶に残る採用広報を展開した事例です。

特化型ターゲティングの成功事例

特定の職種や属性に絞った採用広報は、専門性の高い人材獲得に効果を発揮します。ここでは、ターゲットを明確にした3社の取り組みを解説します。

株式会社コインチェック

株式会社コインチェックは、noteを活用してエンジニアやブロックチェーン技術者に特化した採用広報を行っています。社員が自身の専門技術や取り組んでいる課題について深く掘り下げた記事を執筆しています。

業界の最先端を走る企業として、技術的な知見を惜しみなく公開する姿勢が特徴です。求職者だけでなく、業界全体の発展を視野に入れた情報発信により、技術コミュニティでの存在感を高めています。

専門性の高いコンテンツは、同じ分野に関心を持つ優秀な人材を惹きつけます。採用に直結する短期的な効果だけでなく、業界内での評価向上という長期的な価値も生み出しているのです。

株式会社スペースマーケット

株式会社スペースマーケットは、エンジニアとデザイナーが主体的に運営する技術ブログで採用広報を展開しています。現場メンバーが執筆する技術記事を通じて、開発環境や使用技術、チームの雰囲気を伝えているのが特徴です。

エンジニアが重視する技術的な深さと透明性を兼ね備えたコンテンツにより、同じ技術スタックに興味を持つ人材からの応募を獲得しています。採用担当者ではなく現場エンジニアが発信主体となるアプローチは、技術者採用において高い説得力を持つでしょう。

Xtalent株式会社

Xtalent株式会社は、Podcastで「キャラトラ」という音声コンテンツを配信し、ワーキングペアレンツや転職希望者に特化した情報を発信しています。

社内外のゲストを招いた対談形式で、社会課題への取り組みを紹介しています。音声メディアの特性を活かし、通勤時間などスキマ時間に聴けるコンテンツとして定着させました。

また、Instagramやnoteなど複数のチャネルを組み合わせ、多角的な情報発信を実施しています。ターゲットのライフスタイルに合わせたメディア選定により、効率的にリーチしています。

透明性重視の採用広報事例

企業の良い面だけでなく、課題や実態も含めて発信する透明性の高い採用広報が注目されています。最後に、オープンな情報開示で成果を上げる事例を紹介します。

株式会社ベルク

株式会社ベルクは、YouTubeでストーリー性の高い採用動画を公開し、170万再生を超える大きな反響を得ています。

単なる企業紹介ではなく、視聴者が自分事として捉えられる構成が特徴です。動画では、従業員の成長ストーリーや、仕事を通じて得られるやりがいを丁寧に描いています。

また、小売業という業態の社会的意義や、地域への貢献についても言及しています。エンターテインメント性と企業メッセージのバランスが取れた内容により、幅広い層からの共感を獲得しました。

動画というメディアの強みを最大限に活かし、企業の価値観と働く魅力を効果的に伝えています。

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採用広報を成功に導く5つの実践ポイント

採用広報を成功に導く5つの実践ポイント

採用広報の戦略を立てたあとは、実際に成果を出すための実践が重要になります。ここでは、採用広報を成功させるために押さえておくべき5つのポイントを解説します。

候補者視点での情報設計

採用広報で最も重要なのは、企業目線ではなく候補者が本当に知りたい情報を発信する姿勢です。「働き方の実態」や「キャリアパス」「職場の雰囲気」など、求職者が応募を判断する際に必要とする情報を優先的に提供しましょう。

企業の実績や事業内容だけを一方的に伝えても、求職者の心には響きません。たとえば、1日の業務スケジュールや実際に働く社員の本音、入社後に得られる経験などを具体的に示せば、入社後のイメージが湧きやすくなるでしょう。

求職者の不安や疑問に寄り添った情報設計を行えば、応募へのハードルは確実に下がります。候補者視点を徹底すれば、自然と共感を生む発信内容になるでしょう。

透明性の高い情報開示

採用広報では、良い面だけでなく企業が抱える課題や改善中の点も含めて発信する透明性が求められます。完璧な企業像を演出するよりも、ありのままの姿を伝えるほうが信頼を獲得できるでしょう。

採用広報における透明性の高い情報開示の例は、以下のとおりです。

  • 現在取り組んでいる組織課題や改善プロジェクト
  • 残業時間や有給取得率などの実績データ
  • 社員の退職理由や離職率の推移
  • 入社後に苦労するポイントとサポート体制

上記のような情報を開示すれば、求職者は企業の実態を正しく理解したうえで応募を決められます。入社後のギャップが少なくなり、早期離職のリスクも低減するでしょう。

現場社員を巻き込む体制構築

採用広報の成果を最大化するには、人事部門だけでなく現場社員を巻き込む体制が不可欠です。実際に働く社員の生の声や経験談は、求職者にとって最も説得力のある情報源になります。

社員インタビューやブログ執筆、SNS発信など、現場社員が主体的に関われる機会を設けましょう。特にエンジニアや営業など、各職種の社員が自らの言葉で仕事の魅力を語れば、同じ職種を希望する求職者の共感を得やすくなります。

ただし、社員に負担をかけすぎないよう、発信の頻度や内容は柔軟に調整する必要があります。現場社員が採用広報に協力しやすい環境を整えれば、より多様で魅力的なコンテンツが生まれるでしょう。

継続的な発信とPDCAサイクル

採用広報は一度実施して終わりではなく、継続的な発信と改善が成果を左右します。定期的に情報を更新し、求職者との接点を保ち続ける必要があるでしょう。

発信を継続するには、年間のコンテンツカレンダーを作成し、計画的に進めるのが効果的です。また、発信後は必ずアクセス数やエンゲージメント率などのデータを確認し、反応の良かったコンテンツと改善が必要な部分を見極めましょう。PDCAサイクルを回せば、どのような情報が求職者に響くのか徐々に分かってきます。

数値を分析しながら改善を重ねれば、採用広報の精度は確実に向上するでしょう。

採用コンセプトの一貫性維持

採用広報で発信する情報は、すべて採用コンセプトに基づいた一貫性が必要です。SNS、採用サイト、説明会など、あらゆる接点で同じメッセージを伝えなければ、求職者の記憶に残りません。

たとえば「挑戦する文化」を採用コンセプトに掲げているなら、社員インタビューでも新規事業への取り組み事例を紹介し、SNSでもチャレンジを後押しする社内制度を発信しましょう。発信内容に矛盾があると、企業への信頼が損なわれてしまいます。また、採用担当者だけでなく、面接官や現場社員も採用コンセプトを理解し、統一したメッセージを伝える必要があるでしょう。

一貫性のある発信を続ければ企業のブランドイメージが定着し、理想の人材からの応募が増加します。

採用広報の効果測定とKPI管理手法

採用広報の効果測定とKPI管理手法

採用広報の成果を正確に把握し、継続的な改善を実現するには、適切なKPI設定と測定が欠かせません。ここでは、効果測定の具体的な方法と、データに基づいた改善アプローチについて解説します。

短期KPIと長期KPIの設定方法

採用広報の効果を測定する際は、短期的な指標と長期的な指標を組み合わせて設定する必要があります。短期KPIはコンテンツの閲覧数やSNSのエンゲージメント率など、即座に確認できる数値を中心に設定しましょう。

一方、長期KPIは応募者の質や入社後の定着率、企業認知度の向上など、時間をかけて測定すべき指標となります。短期KPIだけに注目すると、数字は伸びても採用につながらない可能性があります。

反対に、長期KPIのみでは日々の改善活動が見えにくくなるでしょう。両方の指標をバランスよく設定し、短期的な成果を確認しながら長期的な目標達成を目指す姿勢が重要です。

主要な測定指標

採用広報で測定すべき主要な指標は、認知から定着まで各段階で異なります。代表的な測定指標は、以下のとおりです。

フェーズ 測定指標 目的
認知拡大
  • PV数
  • UU数
  • SNSフォロワー数
情報がどれだけ届いているか測定
興味関心
  • エンゲージメント率
  • 滞在時間
  • 記事シェア数
コンテンツへの反応を確認
応募促進
  • 応募数
  • 応募率
  • 応募者の質
採用活動への直接的な貢献度
採用決定
  • 選考通過率
  • 内定承諾率
ターゲット人材とのマッチング精度
定着確認
  • 入社後定着率
  • 早期離職率
情報発信と実態の整合性

上記の指標を段階的に追跡すれば、採用広報がどの段階で効果を発揮し、どこに改善余地があるのか把握できます。たとえば、PV数は多いのに応募数が少ない場合、コンテンツ内容と求職者ニーズにズレがある可能性が考えられます。

データ分析に基づく改善アプローチ

測定したデータを採用広報の改善に活かすには、数値の背景にある要因を分析する必要があります。単に数字が良い・悪いを判断するのではなく、なぜその結果になったのか深掘りする姿勢が重要です。

たとえば、特定の記事のPV数が高い場合、タイトルの付け方や公開タイミング、扱ったテーマなどを分析しましょう。成功パターンを見つければ、他のコンテンツにも応用できます。反応が悪かった場合は、求職者が求める情報とのギャップを検証する必要があります。

また、GoogleアナリティクスやSNS分析ツールを活用すれば、流入経路やユーザー属性も把握できるでしょう。

データに基づいた仮説を立て施策を実行し、結果を検証するサイクルを回せば採用広報の精度は着実に向上します。

採用広報は組織の特色や魅力を最大限伝えられる手段で行おう

採用広報は組織の特色や魅力を最大限伝えられる手段で行おう

ここまで紹介してきたように、採用広報にはさまざまな発信手段があります。

個人でも手軽に情報を発信できる社会になり、Web上には情報が溢れているため、メディアを上手く運用しなければ効果的に求職者とつながることは難しいでしょう。自社の魅力、特色、歴史をもっとも良い形で伝えられるコンテンツ形式や掲載メディアを選択することが重要です。

また、一つひとつのコンテンツに力をいれて充実した情報発信を続けることで大きな成果が得られるでしょう。

この記事を参考に、採用広報活動のタッチポイントを増やし、つながりを広げていってください。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

まるごと人事として610社以上の企業の採用支援
書籍『「本当にほしい人材」が集まる中途採用の定石』好評発売中

2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”(労務プラン・経理プラン)も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
採用のプロフェッショナルとして出演。
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