お役立ち情報
社内のリソース不足や採用難など、採用活動を取り巻く課題はさまざまです。
近年では採用代行サービスの選択肢も増え、活用を検討されている採用担当者様も多いのではないでしょうか。採用代行サービスを提供する企業は多いですが、近年ではフリーランスの採用代行も存在し、選択肢が広がっています。
本記事では、フリーランスの採用代行について、メリット、法人サービスとの違い、委託する際の注意点などを解説していきます。
関連動画:採用代行(RPO)の代表が語る「採用代行」の種類と特徴
目次
採用代行(RPO)とは?
採用代行とは、企業が社内で行っている採用業務を外部のパートナーに委託できるサービスです。
Recruitment Process Outsourcing(リクルートメント・プロセス・アウトソーシング)を略して「RPO」とも呼ばれます。
採用代行に委託できる業務は幅広く、採用計画の立案・設計、スカウト業務や候補者対応などの実務、選考・研修など多岐に渡ります。採用代行のニーズは高まっており、近年では法人の採用代行だけではなく、フリーランスの採用代行も出てきています。
フリーランスの採用代行(RPO)とは?
近年では副業(複業)の広がりにともない、組織や企業に所属しながら副業としてスキルや経験を活かして活躍する個人も増えています。
採用代行を請け負うフリーランスは、特定の企業で専任として採用業務を行うのではなく、複数の企業と業務委託契約を結び、採用活動を支援するケースが一般的です。複数の企業で採用業務の経験があるため、各業界・職種における採用方法やノウハウを持っていることが特徴です。
採用代行(RPO)におけるフリーランスと法人の違い
採用業務をフリーランスに委託する場合と、法人に委託する場合の違いを紹介します。
1. 契約対象
フリーランスと法人の大きな違いは契約対象です。
- フリーランスの採用代行:個人単位での契約
- 法人の採用代行:企業単位での契約
2. 担当者のアサイン方法
採用業務を行う担当者の選定方法にも、以下のような違いがあります。
- フリーランスへの委託:委託側が直接、担当者となるフリーランスの経歴やスキルを確認して選ぶ
- 法人への委託:契約先の企業が社内で担当者を選ぶ(担当者を直接選ぶことはできない)
3. 稼働時間の安定性
稼働の安定性や対応時間も、フリーランスと法人では異なる場合があります。
- フリーランスへの委託
フリーランスの採用代行は基本的に個人での対応となります。そのため、担当者が急に欠勤となったり、契約を解除したりした場合には、代わりに対応できる人員がおらず、稼働が安定しづらい可能性があります。
また、担当者が副業として採用業務を請け負っている場合には、一般企業の業務時間外での対応となることもあります。担当者により対応時間が異なるため、事前に確認しておきましょう。
- 法人への委託
法人に委託をする場合、担当者の急な欠勤や退職の際にも、代わりの担当者による対応が可能なため、採用業務が滞るリスクは少なく、稼働が安定しやすいといえます。
また、基本的には業務時間内での対応となるため、タイムリーなコミュニケーションが可能で候補者対応のスピード感も担保しやすいでしょう。
4. 業務内容の柔軟性
採用代行に委託できる業務の範囲は、フリーランス・法人によってさまざまです。
- フリーランスへの委託
担当者個人の経験やスキルに依存するため、対応できる業務範囲やレベルにばらつきがあります。個人として、各業界での採用に関する知見やノウハウを持っている担当者もいるため、担当者のレベルやスキルの見極めを慎重に行いましょう。業務内容についても具体的にすり合わせができると安心です。
- 法人への委託
委託できる業務内容や範囲がパッケージプランとしてあらかじめ定義されている場合がほとんどです。また、社内で採用業務に関するノウハウの蓄積や教育体制があるため、担当者によるスキルや知識の差は比較的少ないといえます。
フリーランスに採用業務を委託する3つのメリット
次に、フリーランスに採用業務を委託するメリットをご紹介します。前提として、フリーランスは個人での対応となるため、担当者によってサービスのクオリティには幅があります。
1. 実績・経験から担当者を選べる
フリーランスへの委託であれば、担当者の実績や経験、スキルを事前に確認したうえで委託できます。自社のニーズに沿った担当者を選べば、採用代行による成果が出やすく、効果的な採用活動が行えます。
とくに経験が豊富で、実績のあるフリーランスであれば、業務を細かなタスクに落とし込まなくても、自律的に業務を遂行してもらえる場合があります。
2. 柔軟な対応が期待できる
フリーランスは担当者本人の裁量が大きいため、業務内容、稼働ボリュームやプロジェクトへの関わり方など、柔軟な対応が期待できます。
たとえば、担当者によっては、豊富な知見をもとに採用状況に応じたアドバイスや、採用の戦略策定から面接対応までを一貫して任せられるなど、幅広い業務に対応が可能なケースもあります。
一方で、法人に委託する場合は、各企業のマニュアルやルールに沿って業務を行うため、イレギュラーな対応が難しい場合や、一定のマネジメントコストがかかる場合があります。
また、委託期間については両者とも必要な期間にスポットで委託することが可能ですが、法人に委託する場合は、最低契約期間が決まっているサービスもあります。
3. 費用を抑えられる場合もある
フリーランスの採用代行は、委託する個人によって費用に幅があります。ただし、個人単位で費用の交渉ができるため、費用の相場が決まっている法人と比べて安価に委託できる場合があります。
採用は、企業にとっての一大投資ともいえる大切な業務です。採用業務を外部に委託する際には、金額の安さだけではなく、信頼して仕事を任せられる人材か、またはサービスかを見極めましょう。極端に相場より安い場合にはクオリティ面で注意が必要です。
フリーランスに採用業務を委託する注意点と対処法
ここでは、フリーランスに採用業務を委託するデメリットをお伝えします。委託先を選ぶ際には下記の項目をあらかじめ確認しておくと安心です。
1.長期での契約ができない場合がある
フリーランスは個人のため、他社からの依頼や家庭の都合など、担当者個人の事情で、契約開始後も継続して契約ができない場合があります。
そのため、短期で契約が終了した場合には、別のサービスを探す必要があるなど、委託する側に新たな委託先を探す時間的コストがかかってしまいます。
契約が終わることも想定して、あらかじめ採用業務の内製化に向けて体制を整えておく、他のフリーランスやサービスの情報収集を進めておくなどの準備をしておくと安心です。
2.担当者の変更がしづらい
フリーランスは個人単位での対応となるため、基本的に契約締結後の担当者変更はできません。
担当者とのミスマッチを避けるためにも、委託時には担当者の実績やスキルだけではなく、コミュニケーションの円滑さも確認しておきましょう。
また、担当者との関係構築においては委託側からの働きかけも重要です。委託時には採用活動のゴールを確認し、業務の認識合わせを丁寧に行いましょう。委託期間中は自社の採用状況に変化があれば共有する、採用活動に関する相談をするなどの工夫も必要です。
3.稼働が安定しづらい場合がある
フリーランスは個人での稼働となるため、トラブルが発生して稼働できない際に代わりの担当者がおらず、一時的に採用業務が滞ってしまうリスクがあります。
とくに候補者対応はスムーズなやり取りがCX(候補者体験)の向上に影響するため、スピード感が重要です。担当者が対応できない場合を想定し、自社内で対応ができるように体制を整えておく、日頃から担当者とコミュニケーションをとり、引き継ぎがスムーズにできるよう連携しておくなどの準備をしておきましょう。
フリーランスに採用業務を委託する際の費用相場
フリーランスに採用業務を委託する場合の費用相場は、月額20万円〜30万円程度(週2〜3日/1日7時間稼働を想定)といわれています。個人単位での料金設定となるため、担当者のスキルや経験、実績により料金は変動します。
一方、法人に採用業務を委託する場合の費用相場は、月額10〜90万円程度といわれています。法人のサービスは、作業項目によって算出される「月額一律料金型」と、作業の内容と量によって算出される「従量課金型」の2パターンの料金形態があります。
フリーランスへ採用業務を委託する際の3つのポイント
フリーランスの採用代行に業務を委託する際のポイントを解説します。
1.担当者の実績・スキル
法人でもフリーランスでも採用代行を選ぶ際には、自社のニーズにマッチしていることがポイントです。
ミスマッチを防ぐためには、 採用業務の経験の長さや取引件数だけではなく、具体的な実績や業務範囲までヒアリングしたうえで、信頼して業務を依頼できる人材なのかを判断しましょう。
ただし、委託前に担当者のスキルや経験を見極めることは難しいものです。そのため、まずは小規模な案件を依頼して「求める成果が得られるか」を見極めるのも一つの手です。問題がなければ業務範囲を広げる、契約期間を延ばすなど、段階的に業務量を調整していくのがおすすめです。
2. コミュニケーションの円滑さ
採用実務の能力だけではなく、コミュニケーションの円滑さも重要です。たとえば、チャットやメールの返信が遅いと、それだけで一時的に業務が滞ってしまうことも考えられます。
とくに採用業務のなかでも面接の日程調整や選考結果の通知は、スピード感がCX(候補者体験)の向上に影響します。コミュニケーションの円滑さは、委託時には確認しておきたいポイントです。
3. 委託する業務内容や目標のすり合わせ
外部の担当者は社内で働く自社の社員よりも、自社の事業、組織への理解度が低い可能性があります。
委託する担当者と、自社の採用担当者の間で認識のズレが生じないよう、業務の委託前はもちろん、委託後も定期的な情報共有が重要です。日頃のコミュニケーションから自社の採用状況や方向性の変更などを共有し、認識合わせを怠らないようにしましょう。
フリーランスの採用代行(RPO)に求めたい4つのスキル
ここでは、フリーランスの採用代行に求めたい4つのスキルを解説します。
1.採用計画の立案能力
採用を成功させるためには、採用フローにおいて改善すべき部分を把握してPDCAを回していくことが大切です。そのためには、採用目標から逆算して応募数、面接数などのKPIを定めるのが一般的です。
採用業務全般をフリーランスに委託する場合には、自社の採用目標からKPIを設定することを含めて、採用計画の立案ができる人材が望ましいです。
2.採用活動の知見・ノウハウ
採用に関する基本的な知識や全体像を把握するスキルに加えて、業界や職種、採用のトレンドなどをタイムリーに把握できているかも重要です。変化が激しく未来の予測が困難な現代は「VUCA時代」と呼ばれ、オンライン化に代表されるように採用手法や媒体も大きく変化しています。
そのため、業界、職種に応じた媒体の選定や運用、急増しているスカウト採用に関する知見や経験があるかどうかも重要なポイントです。
3.採用オペレーション能力
ミスなくスピーディーに業務を行えるか、効率的な業務フローの設計ができるかどうかも、必要なスキルの一つです。選考フェーズに進むと、面接の日程調整や候補者の管理、スケジュールの把握などのさまざまな業務が発生します。対応件数が増えるほど、管理が複雑になるため、漏れがなくスムーズな業務フローを構築できるスキルが必要です。
4. コミュニケーション能力
採用業務を委託するフリーランスは、候補者、企業の採用担当者、面接官など、さまざまな関係者と連携する必要があり、コミュニケーション能力が求められます。相手目線に立った配慮や気遣いができているか、チャットやメールの返信はスムーズかなどを確認しておきましょう。
自社の採用状況・課題に合わせて、フリーランス・法人どちらに委託するかを検討しましょう
採用代行をフリーランスと法人それぞれに委託する場合のメリットとデメリット、委託する際のポイントなどを解説してきました。
フリーランスの採用代行は、個人での対応となるため、担当者によって稼働時間やサービスの範囲などサービスのクオリティには幅があると言えます。一方、法人の採用代行はサービスのクオリティが一定の水準が担保されていると言えるでしょう。
それぞれの特徴を理解し、自社の採用状況や課題に応じて、どちらに委託するのが適しているかを判断しましょう。
関連記事
採用代行(RPO)の活用事例|成功のポイントも紹介
- 採用代行
採用支援サービスとは?支援内容と選び方のポイント
- 採用代行
【2024年11月版】エンジニア採用代行サービスおすすめ20選!各社の特徴や選び方も解説
- 採用代行
採用代行(RPO)の種類と選び方を解説!
- 採用代行
人材紹介と採用代行の違いとは?それぞれのメリット・注意点を解説
- 採用代行
採用代行(RPO)の費用相場はどのくらい?料金体系や依頼できる業務例を紹介
- 採用代行