お役立ち情報
採用難が続く近年、企業から求職者に直接アプローチを行う「スカウトメール」を取り入れる企業が増えています。攻めの採用手法として注目される一方で、「求職者から返信がない」、「文面をどのように改善したらよいかわからない」など、お困りの採用担当者様もいるかもしれません。
今回は、スカウトメールを活用するメリット、返信率を上げるためのポイントや良い例・悪い例の文面を解説します。スカウトメールの返信率向上に向けて、参考にしてみてください。
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目次
スカウトメールとは?
スカウトメールとは一般的に、スカウト型採用サービスを通じて、企業自らが求職者にメールを送信し自社への応募を促すことを目的としたダイレクトリクルーティングのうちの1つです。。
スカウトメールの送信手段としては、専門のスカウト型採用サービスの他に、ビジネスSNSや求人広告媒体などが挙げられます。
スカウトメールを用いた採用(スカウト型採用)は、もともとは主流であった求人を人材紹介会社に依頼して待つ、求人広告を掲載して応募を待つ、といった「待ち」の採用手法とは異なり、企業から自社が求める人材に対して直接アプローチを行う「攻め」の採用手法と言えます。
ダイレクトリクルーティングとスカウトメールの違いは?
ダイレクトリクルーティングとは企業側から求職者へ直接アプローチする採用手法です。
リファラル採用やスカウトメールもダイレクトリクルーティングの1種と言え、「企業が求める人材」にいかにアプローチをするか、が近年の採用トレンドになっています。
スカウトメールが注目される背景
売り手市場において、求人広告や人材紹介会社からの流入を利用した従来の「待ち」の採用だけでは不十分なことから、近年では自社のニーズに合った人材を採用するために「スカウトメールを活用した採用」が注目されています。
企業はより即戦力の人材や、優秀な人材を求めるようになり、採用の難易度は上がっていると言えるでしょう。
そのため、従来の手法だけではなく、企業自らが求める人材を選び、直接アプローチすることで、自社のニーズに合った人材からの応募を期待できます。
スカウトメール送信の手段
ここではスカウトメールを送信できるツールを3つ紹介します。スカウトメールの送信は下記のいずれかを使った方法が一般的です。
1. スカウト型採用専門のサービス
スカウト型採用専門のサービスを通じて、スカウトメールを送信する方法です。
サービスに登録している会員のデータベースから対象者をピックアップしてスカウトメールを送信することができます。
専門のサービスを通じたスカウトメールは、以降のサービスと比較しても自社の人材要件にマッチした人材の選定がしやすいため、より質の高い母集団形成が期待できます。スカウトメールの送信対象者を選定する際に条件をより具体的に設定することや、求職者の履歴書や職務経歴書を細かく確認することが可能です。専門のサービスを通じたスカウトメールは、以降のサービスと比較しても自社の人材要件にマッチした人材の選定がしやすいため、より質の高い母集団形成が期待できます。
代表的なサービス
- BIZREACH(ビズリーチ)
- doda ダイレクト
- リクルートダイレクトスカウト
2. ビジネスSNS
ビジネスに特化したSNSを通じても、スカウトメールの送信が可能です。
ビジネスSNSの利用者は、ビジネスに関する情報収集や、ビジネス上で知り合いになった人との交流を目的にした利用者も多いです。
一部、転職目的に限らない利用者もいますが、サービスによってはスカウトの受け取りを希望している求職者に絞ってアプローチができる機能もありますので、「まずは交流を図る」という観点で活用してみるのもおすすめです。
ビジネスSNSでは求職者のプロフィールから職歴やスキルを確認できるため、自社の人材要件に合った人材を選んで送信することができます。また、転職目的に限らない利用者もいますが、サービスによってはスカウトの受け取りを希望している求職者に絞ってアプローチができる機能もあります。
代表的なサービス
- Wantedly
- Eight
- YOUTRUST
3. 求人広告媒体
求人広告媒体においても、サービスに登録している会員のデータベースをもとに、スカウトメールの送信が可能です。会員の年齢や職種、住所などの配信条件を設定し、スカウトメールを送信します。スカウトメール+求人広告の2方向から候補者へアプローチが可能です。
代表的なサービス
- リクナビ
- doda
- AMBI
スカウトメールを活用するメリット3つ
ここではスカウトメールを活用するメリットを解説します。
1. 転職潜在層を含め、多くの求職者にアプローチができる
売り手市場では、転職顕在層だけではなく転職潜在層へのアプローチも必要です。
自社が求める人材を採用するためには、アプローチ先を広げれば広げるほど、自社が求める人材に出会える可能性が高まると言えます。
スカウト型採用サービスやビジネスSNSは、転職潜在層も多く登録をしている採用媒体です。
スカウトメールの活用によって、転職潜在層に向けても自社の認知を図ることができます。求職者が転職活動を始める前にアプローチできるため、転職を考える際に、転職先として検討される可能性を高めることができます。
2. 自社が求める人材を企業自ら選定してアプローチできる
スカウトメールは企業側で送信する対象者を選んでアプローチができるため、自社の人材要件にマッチした求職者からの応募を見込めます。
「待ち」の採用手法の場合、自社が求める人材から応募がくるとは限りません。また、求人を見つけてもらわなければ、自社の魅力や強みを伝える機会さえありません。
スカウトメールであれば、自社のターゲットとなる求職者に自社の魅力を直接伝えることができます。求職者とのタッチポイントを増やし、企業理解を促進する点においても有効です。
3. リソースの削減が期待できる
スカウトメールは自社が採用したい人材にターゲットを絞ってアプローチができるため、書類選考にかかるリソースの削減を見込むことができます。
また、スカウト型採用サービスを利用した場合の費用についても、成功報酬であれば通常15〜20%で設定されており、人材紹介の35〜40%と比べても比較的安価です。スカウト型採用サービスで安定的に採用することができれば、エージェントに頼らず採用活動ができるため、採用コストの削減にも効果的と言えます。
スカウト型採用サービスにはさまざまな料金形態があるため、あらかじめ確認をしておきましょう。
スカウトメール作成のステップ
ここではスカウトメール作成方法を各ステップに分けて紹介します。
魅力的なスカウトメールを作成するためには闇雲に書き始めるのではなく、事前に情報を整理したうえで書くことがポイントです。
各ステップのコツを押さえ、スカウトメールをより魅力的にしましょう。
- だれに(対象)
- なにを(内容)
- どのように(文面)
1. だれに(対象)
最初にスカウトメールを「だれに」送信するのかを決めましょう。
スカウトメールを送信する対象者は、スカウト採用型サービスやビジネスSNSなどのデータベースから、自社の人材要件にマッチした人材を選定します。
1-1.採用ターゲットを明確にする
まずは、自社が求める人材の性別、職種やスキルなどを具体的にイメージし、採用ターゲットとして明確にしておきましょう。
採用ターゲットの明確化は、この後のスカウトメール文面で「なにを伝えるか」や「どのように伝えるか」を検討する上で必要になっていきます。
1-2. 検索条件の優先順位つける
スカウトメールの送信対象者を検索する際には、MUST条件とWANT条件を明確にし、優先順位をつけることもポイントです。MUST条件は、業務に欠かせない条件、WANT条件はあると望ましいスキルや経験を指します。
検索条件が細かすぎたり、厳しすぎたりすると条件に合致する対象者が少なくなる場合があります。そういった場合には、優先順位が低い条件を除いたり、条件を緩和したりして、検索範囲を広げていくとよいでしょう。
2. なにを(内容)
ここでは、スカウトメールで「なにを」伝えるのか、内容を考える際のポイントを紹介します。
2-1. 自社の魅力や働く上でのメリットを伝える
採用ターゲットによって、仕事選びにおいてなにを魅力やメリットだと感じるのかは異なります。
採用ターゲットの志向性や潜在ニーズを分析し、「なにを伝えれば興味をもってくれるか」、「なにを魅力だと感じてもらえるのか」を考えましょう。
たとえば、「より裁量をもって仕事をしたい」と考える人材には、マネジメント範囲の広さや事業の成長性を伝えるなどが考えられます。また、「ライフワークバランスを考えて働き方を改善したい」と考える人材には、リモートワークの可否や休日などの労働条件のよさを伝えるなど、採用ターゲットによって魅力として伝える要素が異なります。
自社の魅力を洗い出す際の項目としては、下記が挙げられます。
- 会社:ミッション/ビジョン/経営陣の魅力
- 事業:成長性・将来性/社会貢献性
- 仕事内容:やりがい/おもしろさ/裁量の大きさ
- 社風:カルチャー/雰囲気/社内イベント
- 給与:年収/評価制度
- 福利厚生:オリジナルの制度/有給消化率/リモートワークの可否
2-2. スカウトメールを送った理由・背景を伝える
なぜスカウトメールが自分に送られてきたのか、採用ターゲットに理由や背景を伝えることで、納得感が増し、説得力のあるスカウトメールになります。
「自分だからこそ求められている」、「自分のための求人だ」と思ってもらえることで、返信率の向上が期待できるでしょう。
そのためには、「どのようなスキルを評価したのか」、「どのような経験を活かしてほしいか」といった理由を伝えることがポイントです。
また、採用ターゲットの経験やスキルをもとに、転職動機や次に求めるキャリアまで想定できると「○○の経験を持ったあなたに」、「○○を叶えられる当社で活躍しませんか」など具体的な内容を記載でき、より魅力的なスカウトメールになります。
2-3. スカウトメールの送り主を明記する
だれからのスカウトメールなのか、送り主も明記しましょう。
送り主を明記することで、受け取り手の安心感につながるだけでなく、問い合わせ先があった際のやり取りがスムーズになります。
3. どのように(文面)
スカウトメールは、採用ターゲットに「自分のための求人だ」と思ってもらい、企業側の採用への温度感を感じ取ってもらうことが重要です。
下記を意識して、スカウトメールを受け取った際のオリジナル感を出す工夫をしましょう。
- スカウトメールを送った理由が書かれているか
- きちんとキャリアシートを見てくれているかがわかる内容になっているか
- 受け取り手に期待する理由が書かれているか
- スマートフォンでも読みやすい文字量/構成になっているか
3-1. 開封してもらえる件名を心掛ける
スカウトメールは、開封されなければ内容を読んでもらうこともできないため、まず開封してもらうための工夫が重要です。求職者は件名を見て開封するかどうかを判断するため、件名が魅力的かどうかはポイントの一つです。
開封してもらうためのポイントは下記の通りです。
- 採用ターゲットの経歴や名前を入れることで「自分に送られている」と一目で感じてもらう
- 具体的な業務内容や給与など、求職者が仕事に求める要素を件名に反映する
- 【】を使うなど視覚的にわかりやすい件名にする
- 媒体で検索上位に入っているキーワードを件名に組み込む
3-2. 自社で働くメリットは冒頭に書く
多くの採用ターゲットが知りたい情報は、自社で働くうえでのメリットと言えるでしょう。
件名を見てスカウトメールを開封しても、冒頭で魅力を感じてもらえなければ最後まで読んでもらうことは難しいです。
そのため、メリットをメールの冒頭に伝えることで興味を持ってもらい、最後までメールを読んでもらえる可能性を高めることが重要です。
3-3. 会社紹介は端的にわかりやすく書く
会社や事業の紹介は端的に、わかりやすく伝えましょう。
求職者の知らない企業から長文のスカウトメールが送られてきても、最後まで読む可能性は高くないでしょう。
受け取り手の目線に立った文章を心掛けましょう。
3-4. 視覚的なわかりやすさを心掛ける
自社や募集職種の魅力をわかりやすくまとめるのもポイントの一つです。
視覚的なわかりやすさも重要なため、目立たせる箇所は【】で囲む、話題が切り替わる箇所では改行をする、漢字やひらがなが続かないようバランスを意識する、などの読みやすさも工夫しましょう。
スカウトメール作成のポイントと悪い例・良い例
先述のポイントも踏まえ、スカウトメールの悪い例と良い例を紹介します。ここでは営業職の経験者向けに送信するスカウトメールを例に挙げて解説します。
営業職向けのスカウトメール例(ベンチャー・スタートアップ企業の場合)
突然のご連絡にて失礼いたします。 ◆◆様のご経験を拝見し、これまでの輝かしいキャリアの中で、 きっと現在の△△(在籍企業名)様でもご評価されていると存じますが、ぜひ0→1フェーズの当社にてご経験を活かし活躍いただきたいと思い、ご連絡させていただきました。 【弊社について】 【働く環境について】 【応募方法について】 ・ご意向について これまでのご経験ややりたいことをお伺いしつつ、当社の目指していることなども、ぜひ一度直接お伝えさせていただけたらと思います。 〇〇株式会社 〇〇部 部長 ◇◇ |
営業職向けのスカウトメールのポイント
- 求職者の職務経歴書を参照したうえで情報が具体的に記載されており、「なぜ自分に送られたのか」が理解しやすい
- 箇条書きで書くのが文章で書くよりも端的でわかりやすい
- 一般的には1~2個がメジャーだが、3~4つあることで「よくレジュメを読み込んでくれた」のが伝わる
- 求職者の職務経歴書を参照したうえで情報が具体的に記載されており、「なぜ自分に送られたのか」が理解しやすい
- 事業説明が簡潔
- どういう企業なのか、何名いてどういうフェーズなのか、どういう人を求めているのかなどを簡易的に記載することでイメージしてもらうことが可能
- 働く環境のおすすめポイントを記載
- 福利厚生面や独自のカルチャーなどをここで打ち出し、魅力訴求につなげる
- 応募へのアプローチを記載
- 読後のアクションが「まずは話を聞く」流れとなっており、求職者がアクションしやすく、どのような話をするかも具体的で安心感がある
エンジニア職向けのスカウトメール例
突然のご連絡にて失礼いたします。 【{NAME}様をスカウトした理由】 【弊社について】 弊社のプロダクトチームは技術者のみで構成されており、プロダクトに関わる意思決定はエンジニア主体で行っているため、裁量を持って開発に取り組むことができます。 【開発環境・〇〇チームメンバーについて】 【応募方法について】 ・ご意向について これまでのご経験ややりたいことをお伺いしつつ、当社の目指していることなども、ぜひ一度直接お伝えさせていただけたらと思います。 〇〇株式会社 CTO ◇◇ |
エンジニア職向けのスカウトメールのポイント(営業職向けのスカウトメールのポイントと重複するものは省略)
- 開発しているものや使用言語、開発環境が詳細に書かれている
- 具体的な業務がイメージでき、どのような活躍を期待されているのかがひと目でわかる
スカウトメールをより魅力的にするためには事前の整理とオリジナル感を出す工夫が重要
スカウトメールは採用ターゲットに「自分のための求人だ」と思ってもらい、応募につなげることが目的です。魅力的な文面にするためには、作成前に伝えたいメッセージを整理することが重要です。
「だれに」、「なにを」、「どのように」伝えるかを整理することで、伝えるメッセージが明確になり、自社の魅力を的確に、採用ターゲットへ伝えることができます。
また、「自分だけに送られている」と思ってもらうための工夫も必要です。採用ターゲットの経歴を参照し、オリジナルの要素をメール文面に盛り込むことで、より魅力的なスカウト文面の作成につながります。
スカウトメールの返信率向上に向けて、本記事で紹介したポイントを参考に文面を改善していきましょう。
【プロの採用テクニック伝授!】
「スカウト採用、どうすれば上手くいく?」
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