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近年、採用活動において「オウンドメディア」が注目されています。オウンドメディアを活用することで、早期から多くの求職者にアプローチできるだけでなく、採用のミスマッチを減らす効果も期待されています。そのため、多くの企業がオウンドメディアの運営を開始しています。
この記事では、採用オウンドメディアを運営するメリット・デメリット、作成手順(6つのステップ)、そして参考になる企業のオウンドメディア事例をご紹介します。
採用オウンドメディアとは?
オウンドメディアとは
オウンドメディアとは、自社で所有・運営するメディアの総称です。
オウンドメディアは、自社サイト内のブログ、採用サイト、SNSアカウントなどを指します。企業の魅力を直接発信し、求職者との相互理解を深めることで、ミスマッチを減らす効果が期待できます。
従来の求人広告に比べ、企業文化や社員の声をリアルに伝えられる点が特徴です。
採用オウンドメディアの定義
採用オウンドメディアとは、自社で所有・運営するメディアを活用した採用手法です。具体的には、採用サイトの制作やSNSでの情報発信などが挙げられます。
目的は、企業の魅力を直接伝え、共感する人材を採用することです。求人サイトや人材紹介に依存せず、能動的な採用活動を実現します。
採用オウンドメディアでは、自社の価値観や必要なスキルを持つ人材に効果的にアプローチできます。これにより、採用のミスマッチを減らし、長期的な活躍が期待できる人材の獲得が可能です。
採用サイトとの違い
採用サイトと採用オウンドメディアは、どちらも求人情報を掲載しますが、目的と手段が異なります。
採用サイト
- フォーマットが決まっており、情報掲載に制限がある
- 掲載期間があり、情報が蓄積されない
採用オウンドメディア
- 自社で自由に情報発信が可能
- 社風や社員紹介など、求人サイトでは伝えきれない情報を発信できる
- 情報が蓄積され、長期的な採用活動に貢献
採用オウンドメディアは、企業の魅力を深く伝え、共感する人材を集めるための資産となります。

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採用オウンドメディアが注目される理由
採用オウンドメディアは、自社サイトを活用した採用手法です。近年、注目される理由は3つあります。
1.潜在層に早期アプローチが可能
労働力不足の売り手市場が続く中、企業は優秀な人材獲得に苦戦しています。そこで注目されているのが、採用オウンドメディアです。
従来の求人サイトに加え、自社サイトで積極的に情報発信することで、潜在層を含む多くの求職者に早期アプローチできます。
採用オウンドメディアでは、企業の魅力を深く伝え、求職者の心を動かせます。これにより、求職者の企業理解が深まり、入社後のミスマッチを減らす効果も期待できます。
継続的な情報発信は、将来の応募者との接点を増やし、企業ファンを育成します。求職者が転職を検討する際、自社が候補に挙がる可能性を高められるでしょう。
2.多様化する働き方や仕事観に対応していることを外部に伝えられる
働き方の多様化や価値観の変化に伴い、企業は自社の魅力を積極的に発信する重要性が高まっています。
コロナ禍を経て、多くの人が仕事とプライベートのバランスを重視するようになりました。給与や労働時間だけでなく、仕事のやりがいや役割への共感も重視される傾向にあります。
終身雇用が終わりを迎えつつある今、企業は自社の理念、制度、福利厚生などを積極的にアピールする必要があります。
採用オウンドメディアは、これらの情報を効果的に発信し、求職者との相互理解を深めるための有効な手段として注目されています。
3.自社が用意したコンテンツで正しく情報を伝えられる
インターネットで情報収集が容易になった現代、求職者は企業情報を徹底的に調べます。しかし、情報過多な状況下で、正確な情報を見極めるのは困難です。
採用オウンドメディアは、企業が正確かつ魅力的な情報を発信できる場です。求職者が求める情報を発信することで、企業の魅力を直接伝えられます。
検索結果で上位表示されれば、求職者との接点を増やし、自社をアピールする機会になります。

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採用オウンドメディアのメリット
採用オウンドメディア運用は、自社の魅力を発信し、求める人材を効率的に獲得するための有効な手段です。下記では採用オウンドメディアのメリットを6つご紹介します。
1.ミスマッチを減らす
中小企業では、採用した社員の3割が3年以内に離職するというデータがあります。ミスマッチによる早期離職は、企業にとって大きな損失です。
早期離職を防ぐには、自社の社風や価値観に合った人材を採用することが重要です。採用オウンドメディアを活用すれば、企業の魅力を的確に伝えられます。
求職者は、メディアを通して企業のリアルな情報を知ることで、入社後のミスマッチを減らせます。結果として、企業と求職者の相互理解が深まり、長期的に活躍できる人材の採用につながります。
2.社員エンゲージメントが高まる
採用オウンドメディアは、採用活動だけでなく、社員エンゲージメント向上にも貢献します。
社員インタビューや経営層の考えを発信することで、社員は互いの理解を深め、企業への共感を高めることができます。
インタビューに協力した社員自身も、入社時の気持ちや会社への想いを再確認する機会となり、愛着が増す効果が期待できます。
オウンドメディアは、社内外への情報発信を通じて、企業全体の結束力を高めるツールとしても活用できます。
3.応募数を増やせる
Indeed Japanの調査によると、求職者の8割以上が転職活動でオウンドメディアを訪問し、実践企業の8割以上が応募者・採用者数の増加を実感しています。
採用オウンドメディアは、求職者の疑問や懸念を解消し、入社意欲を高める効果があります。
求職者は、企業の情報を多角的に比較検討します。オウンドメディアを通じて、企業の魅力を積極的に発信することで、求職者の意思決定を支援し、自社への理解を深めてもらい、応募に繋げることができます。
4.自社への理解度を深められる
採用オウンドメディアは、求人媒体と異なり、自由なコンテンツ制作が可能です。企業の魅力を最大限に引き出すため、構成を工夫し、自社への理解度を深められます。
具体的には、求人媒体では文字数制限などがありますが、オウンドメディアは写真、グラフ、動画、デザインなど、自由にサイトを構築できます。これにより、求職者は企業を深く理解し、入社後のミスマッチを防げます。
5.コンテンツが資産となる
求人サイトは掲載期間が終了すると情報が削除され、採用サイトも定期的なリニューアルが必要です。しかし、採用オウンドメディアはコンテンツを蓄積し、長期的な情報発信が可能です。
コンテンツが増えるほど、求職者は企業の情報を深く理解できます。関連コンテンツへの誘導も容易になり、企業理解を促進します。
また、コンテンツの蓄積は検索エンジンでの上位表示にもつながります。これにより、検索結果からのアクセス増加が期待でき、より多くの求職者に自社の魅力を届けられます。
6.採用コストをおさえられる可能性がある
採用オウンドメディアは、長期的な視点で見れば採用コスト削減に貢献します。求人サイトやエージェントへの依存度を下げ、自社で母集団形成が可能になるためです。
ただし、即効性は期待できません。オウンドメディアは継続的な情報発信が大切であり、効果が出るまでには時間がかかります。
短期的なコスト削減ではなく、長期的な視点で採用戦略を考える企業にとって、オウンドメディアは有効な手段となります。
採用オウンドメディアのデメリット
採用オウンドメディアには多くのメリットがある一方で、いくつかのデメリットも存在します。ここでは、注意すべき5つのデメリットについて解説します。
1.短期的な効果を出すのは難しい
採用オウンドメディアは、成果が出るまでに時間がかかる点がデメリットです。立ち上げから軌道に乗るまでには、制作期間やコンテンツ充実のための時間、予算が必要です。
コンテンツが少ない段階では、求職者の企業理解が進まず、応募も集まりにくいでしょう。
長期的な視点で、予算と時間を確保し、計画的に運用する必要があります。
2.工数が大きい
オウンドメディアリクルーティングでは、コンテンツ制作に継続的な労力が必要です。記事作成、画像制作、撮影など、多岐にわたる業務が発生し、工数が大きくなります。
そのため、安定した運用体制の構築が不可欠です。人事部門での対応だけでなく、外部委託も視野に入れ、自社に適した体制を整えましょう。
3.マーケティング知識が必要
採用オウンドメディア運営には、Webサイト運営やマーケティングの専門知識が大事です。アクセス分析やコンテンツ企画など、人事労務とは異なるスキルが求められます。
専任担当者の採用や外部委託も選択肢ですが、自社担当者も一定の知識を持つ必要があります。専門知識が不足すると、効果的な運営は困難です。
4.社員の協力が必要
採用オウンドメディア運営には、社員の協力が必要です。インタビューや記事執筆、写真撮影など、様々な場面で協力を仰ぐ必要があります。
スムーズな運営のため、事前に社員への根回しがポイントです。採用の現状やオウンドメディアの重要性を伝え、協力を得やすい環境を整えましょう。
経営層からの働きかけや、協力を評価に反映させる仕組みも有効です。
5.継続運用が難しい
採用オウンドメディアは継続運用が難しい一面もあります。継続的な情報発信には、体制構築が不可欠です。担当者のみでは限界があるため、外部委託も検討しましょう。
また、自社理解に長けたインハウスエディターの登用も有効です。自社の目的に沿った情報発信を強化できます。

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採用オウンドメディアを運営するステップ
採用オウンドメディアの構築と運用に必要な手順を、以下の図解を参考に説明します。
1.目的の設定
採用オウンドメディアを始めるにあたり、まず「なぜ運営するのか?」「何のために運営するのか?」など目的を明確にしましょう。自社の採用課題を洗い出すことから始めると、目的を定めやすくなります。
目的の例:
- 応募者数増加
- マッチング精度向上
- 潜在層へのアプローチ強化
- 自社採用比率向上
- 社員へのブランディング、エンゲージメント向上
目的を定めたら、目標達成度を測るためのKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/saiyosenryaku/
2.人材要件を定義し、ペルソナを設定する
採用オウンドメディアでは、求める人材像(ペルソナ)を明確にすることが重要です。
ペルソナ設計では、年齢や職種だけでなく、キャリアの悩み、価値観、目標など、内面まで詳細に設定します。
既存社員を参考にすると、より現実的で妥当性の高いペルソナを作成できます。
関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/recruitment-persona/
3.自社の魅力や強みを整理する
求職者に訴求するため、自社の魅力や強みを明確にしましょう。株式会社ナレッジワークCEO・麻野耕司氏提唱の4つの「P」(Philosophy:理念、Profession:仕事、People:人材、Privilege:待遇)を参考に、魅力を整理します。
魅力は独自性にこだわる必要はありません。求職者目線で捉え直すと、自社の強みが見つかることもあります。STEP2で設定したペルソナの視点も活用しましょう。
また、競合他社との差別化も欠かせないポイントです。求職者は比較検討するため、自社の強みが他社とどのように異なるのかを明確にしましょう。
4.検索キーワードを意識しながらジョブディスクリプションを整理する
採用オウンドメディアでは、求職者が検索しやすいよう、ジョブディスクリプション(職務記述書)に検索ワードを盛り込むことが大事です。
近年、ジョブ型雇用が浸透し、詳細な職務定義の必要性が高まっています。ジョブディスクリプションには、職務内容、目標、必要なスキルなどを詳細に記載しましょう。
作成時は、各部署と連携し、人事部が内容を精査します。ペルソナに沿っているか、求職者目線であるかを意識しましょう。
完成したジョブディスクリプションを基に、求職者が検索するであろうキーワードを予測し、オウンドメディアに反映させます。キーワードは常に変化するため、定期的なメンテナンスが必要です。
頻出キーワードを含めることで、アクセス数向上とマッチング精度向上に繋がります。
5.自社の社会的な存在意義や魅力を伝える
採用オウンドメディアでは、企業の社会的意義や魅力を発信することが欠かせません。企業の魅力を共有する「シェアードバリューコンテンツ」は、特に力を入れるべきポイントです。
シェアードバリューコンテンツとは、企業理念や社風、職場環境など、企業の価値観を求職者と共有するためのコンテンツです。具体的には、企業の存在意義や社会貢献性を伝える「理念共感コンテンツ」と、企業の文化、社風、オフィス環境、福利厚生などを伝える「職場体験コンテンツ」に分けられます。
6.PDCAを回す
最後にKPIを測定し、効果を検証しながらPCDAサイクルを継続しましょう。
このサイクルを繰り返すことで、継続的な改善、目標達成の効率化、問題解決能力の向上が期待できます。ただし、計画の具体性、評価の客観性、改善の継続性が欠かせません。PDCAサイクルは、あらゆる業務に活用できる汎用性の高いフレームワークです。
まとめ
採用オウンドメディアは、企業の魅力を広く発信し、ミスマッチを防ぐために非常に有効な手法です。採用競争が激化し、転職潜在層へのアプローチが重要になっている現代において、オウンドメディアでの情報発信は採用成功の鍵となります。
採用オウンドメディアを適切に活用することで、採用コストの削減やブランディングの強化、応募者の質の向上など、多くのメリットが得られます。
ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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