導入事例
新卒採用人数は前年の1.5倍に!専門性の高いエンジニア職種でも、母集団形成を加速できた要因とは
写真:(右端)長谷川様
「新しい科学技術への挑戦を通じて、世界中の人々の健康な生活に貢献する」というミッションのもと、医療用検査システムや機能性食品素材の研究開発・販売などを行なっているアークレイ株式会社。
同社では、採用チームのリソース不足を解消するために、2022年9月よりまるごと人事を導入いただいています。
今回は、同社HR統括部採用チーム責任者の長谷川様に、まるごと人事導入の効果についてお話を伺いました。
当社の状況をすぐ理解し、採用ノウハウも蓄積できると感じたことが導入の決め手に
採用代行導入を検討した背景や、当時の採用体制・課題を教えてください。
産休や退職・定年などで、採用チームのメンバーが減ることになり、採用代行の利用を検討し始めました。
もともと2022年の初めには、社内の採用担当は新卒・中途合わせて8名いたのですが、一気に数名減る状況になったのです。
人数が減ることが決まった2022年5月時点で、すぐに採用担当の募集を開始しました。結果、異動と中途採用で2名の増員はできたのですが、まだリソースは足りず、このままだと業務が回らないため、中途採用を継続するのではなく採用代行への依頼に切り替えました。
採用代行選定の基準はありましたか?
採用代行を選ぶ基準は3つありました。1つ目は即戦力。当社の業務内容やフローをすぐに理解して動いてくれることです。
2つ目は、採用に関するノウハウを共有してもらえるかどうか。当社のやり方を踏襲しつつも、採用代行会社がもつ知識を共有してもらうことで、契約終了後も社内に採用ノウハウが蓄積されている状態にしたかったんです。
3つ目は、コスト面ですね。
最終的にまるごと人事を選んだ決め手を教えてください。
商談の際にまるごと人事の担当者と話してみて、当社の課題や業務フローのキャッチアップが早かったんです。「この会社はノウハウをたくさんおもちだからこそ、当社の採用がどういう状態なのかを手触り感をもって察知してくれた」と感じました。
加えて、定期的に業務レポートを出していただけて、日々の業務でも頻度高くコミュニケーションを取っていけることが確認できたのも安心できました。
もう1つの理由が、まるごと人事を導入する少し前にまるごと労務でも支援してもらっていたのですが、その際も我々の業務フローを見た段階で、「この業務なら対応できます」とわかりやすく回答いただけたことです。「これはできません」といった回答はほとんどなかったですね。
マルゴト株式会社様なら即戦力として臨機応変に対応してくれそうだと感じました。
退職により採用オペレーションの再構築が必要に…丁寧なサポートによりトラブルなく乗り越えられた
導入当初の採用状況と、まるごと人事との業務分担を伺えますか。
新卒採用は年間30名ほど、中途採用は年間100名以上を目標に採用活動を行なっていました。職種は研究開発・営業・学術・マーケティングを中心に、フィールドサービス・品質管理・製造・バックオフィスなど多岐に渡ります。
当時の採用手法としては、中途採用は人材紹介をメインにスカウトや求人媒体など、新卒採用はスカウトをメインにイベント開催や大学訪問などでした。
まるごと人事への依頼業務は、採用オペレーションとスカウト、エージェントコミュニケーションなどです。
当時の採用課題を教えてください。
新卒採用の大きな課題は、母集団形成でした。2020年前半からコロナ禍で合同説明会がオンラインに移行したことで、慣れないオンラインでの集客に苦戦し、前年よりも採用数が減ってしまったんです。
このままでは母集団形成が危ぶまれると考え、スカウトにも注力することにしました。しかし、社内で知見の少ないオンラインの採用チャネルを導入しながら、採用の行動量も増やす必要があるなかで、さらにリソースが減ることになってしまいました。
中途採用では、特に当社の採用領域である即戦力のエンジニア採用において、専門知識を持ち、現場社員とコミュニケーションを取りながら採用活動を進めていくことが重要になります。
具体的には、「レジュメを見て求められるスキルがあるかを判断し、現場に申し送りする」というプロセスが必要になるのですが、それによりリードタイムが長くなってしまい、内定に至らないという課題がありました。
導入当初、特に役立った支援はありますか?
採用オペレーションの立ち上げですね。採用オペレーションのノウハウをもっていたメンバーが数名抜けてしまい、さらに新しく入ったメンバーも採用経験がなかったので、再度オペレーションの立ち上げをしなくてはなりませんでした。
そんななか、まるごと人事がさまざまな会社の支援により培ったノウハウをもとに丁寧にサポートしてくださったので、オペレーションの毀損がなくスピーディーに対応いただけました。
例えば理系採用のスカウトでは、機械系、電気系、情報系、薬学系など、学生の専攻ごとに訴求を変えていく必要があります。まるごと人事に任せたことで、学生の専攻別にカスタマイズした丁寧なスカウト対応をしてもらえました。
さらに選考でも、当社に合いそうな優先度の高い学生に絞って、早く選考に回せるように調整してくれたのが助かりましたね。
コミュニケーションにおいても、滞りそうな部分は逐一報告してくれますし、当社のアクションで危なそうな点があればフォローしていただけます。
もし自社だけで進めていたら、採用オペレーションのノウハウがないゆえに、トラブルが起こっていたかもしれません。同じ方向を向いて伴走してもらえ、ときにはリードもしてくださる。本当に至れり尽くせりの状態でありがたかったですね。
新卒採用人数が1.5倍に増加!選考の早期化による母集団形成が実現できた
まるごと人事導入後の効果を教えてください。
新卒の採用人数が、前年よりも約1.5倍にまで増加しました。
導入後1年目には約30名だった採用人数が、2年目には約50名にまで改善したんです。この結果が出せたのも、まるごと人事が支援1年目の実績をもとにPDCAを回して、迅速に学生へのアプローチを開始してくれたおかげだと思っています。
具体的には、インターンシップや会社説明会への集客するためのスカウト配信や、エントリーした学生へのタイムリーな説明会案内などです。
それも当社の事業内容をきちんと理解して、弊社の魅力を各学生ごとにカスタマイズした文章で発信してくださいました。イベント集客数も、24年卒で約60名だったところから25年卒では約140名と前年の倍ほどに増え、早期選考からもたくさんの内定承諾につながりました。
2年以上ご契約を継続いただいていますが、まるごと人事のどのような点に価値を感じられていますか?
常に変化する採用トレンドや採用ツールの情報を、タイムリーに共有してくれるのがとても助かっています。
採用トレンドは、本当は採用責任者として私がキャッチアップできれば良いのですが、他の業務もあるなかで手が回らない部分です。
また、新しいツールを取り入れようと思うと、企画内容を把握して見積もりを取得したり、本当に効果の出るサービスなのか自分の目で確かめたりと、非常に時間がかかります。
まるごと人事が採用の専門家として、採用市況や他社事例、当社にとって有効なツールなどの情報提供をしてくれることで、採用活動のPDCAを回すうえで重要な判断材料となっています。
例えば、ATSや採用媒体なども、「こういうツールもありますよ」「このメディアを使ったら情報系の学生が集まるかもしれません」といろいろご提案をいただきました。
まるごと人事は、当社の方向性やニーズをきちんと把握したうえで提案してくれるので、当社に必要な情報を効率よく収集できている実感がありますね。
まるごと人事でのご支援全体を通じて、ご評価いただいている点があれば教えてください。
特にありがたいのは、毎週いただけるレポートのクオリティの高さです。PDCAを回して次につなげるためにも、必ずデータを振り返ることが必要だと思いますが、行なった施策とその結果を定量面も含めてスピーディーに共有してもらえるので、後工程でより精度の高い判断ができています。
それも、こちらからデータ集計を依頼したり、「こういうデータをこのように集計してください」と言わなくても素早く出してくださるので、自社で行なっていたときよりもデータ分析の質が上がりました。
他にも、当社のように職種数が多く職種理解が重要な会社にとっては、しっかり各職種の理解を深めたうえで、採用フローの改善提案をしてくれたのもありがたかったです。
改善提案の例として、書類選考のフロー変更があります。導入当初は、一度私が書類選考対象者を確認して合否を出してから、必要に応じて現場責任者にも確認を取っており、リードタイムが長くなっていました。
まるごと人事からの提案で、書類選考は私を通さずに直接現場が確認するフローに変更しました。それもただ書類を回すのではなく、現場責任者がすぐ合否を判断できるように、まるごと人事で職歴やスキルなどの要約を添えてくださったんです。そのおかげで現場ではすぐに判断ができるようになり、結果として書類選考にかかるリードタイムが2〜3日短縮できました。
現場の手間をできるだけなくせるようなアクション、痒いところに手が届くような配慮が、非常にありがたかったです。
入社後の活躍まで見越して、「広義の人事」で支援してくれるのがまるごと人事の魅力
今後に向けて、事業や組織の展望をお聞かせください。
アークレイは60年以上にわたり、医療検査システムと体外診断用医薬品を研究開発し続けてきました。臨床検査技師の皆様やダイアベティス(糖尿病)患者の皆様から長くご愛用いただいている製品で、医療機器としての信頼をより強固にしていくために事業を発展・継続していくことが必要です。
事業エリアも、日本のみならず海外市場においても、アークレイ製品をお使いいただけるお客様の獲得を加速させていく必要があります。
また、ものづくりの観点からは2つの挑戦が必要です。最新技術を製品に取り込む革新的な製品開発と、既存技術をさらに磨き上げ技術精度を向上させる製品開発です。科学技術のあくなき追及を通じて、より一層世界中の人々の健康な生活に貢献することができると信じて活動しています。
【がん検査(マイクロRNA)への挑戦】
アークレイは京都大学との産学連携により、マイクロRNAを用いた早期の膵臓(すいぞう)がんを見分けられる検査技術とAIアルゴリズムを開発しました。多くの膵臓がん患者様のいのちを救うことができるようになることを信じ、数年後の実用化を目指して、全社一丸となって取り組んでいます。
【エンジニア採用の強化】
採用面では、医療検査のものづくりに必要なエンジニアリングに強い好奇心をお持ちの方や、患者様や病院施設の現場をサポートする営業、さらにフィールドエンジニアリングに挑戦されたい方に、弊社でご活躍いただける機会をたくさん提供していきたいです。
【新規事業の拡大】
数年前に社内の新規事業として立ち上げた、「コーポレートベンチャーキャピタル」を通じて、世界中の医療やヘルスケア事業へアクセスする扉も開かれました。アジアを中心にメディカル・ヘルスケア領域の新規事業を支援する活動も拡大させていくことが求められています。
今後、まるごと人事に期待することをお聞かせください。
まるごと人事に依頼したことで、貴重な採用知見を共有いただけました。また反対に、まるごと人事の内部にも当社の業界や専門領域に関する経験値が溜まっているのではないかと思います。
今後もこれらのノウハウを互いに活かし伝承し合いながら、採用に新たな付加価値を生み出し、事業成長につなげていきたいです。
最後に、まるごと人事をご検討されている企業様に向けてメッセージをお願いいたします。
「人事」と聞くと人材採用のイメージが強いかもしれませんが、採用だけではなく、その人の今後の活動や目指す未来、ひいては組織の発展を総合して見られるのが「人事」のあるべき姿だと思います。そこまで見越して、広義の意味の人事として支援してもらえるのがまるごと人事です。
当社の採用目標や方針を本当に理解し、将来的な組織の発展までイメージしたうえで、「こういう人材をターゲットにしてはどうでしょうか?」と提案してくれていると感じますね。
ぜひご利用いただいて、ともに新たな発見と挑戦をしていければ、事業自体も大きく成長できるのではないかと思います。
(インタビュー実施日:2024年9月10日)
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