採用お役立ち情報

新卒採用において「良い人材がなかなか見つからない」「入社後すぐに辞めてしまう」という悩みを抱えている企業も多いでしょう。思うように新卒採用が進まない背景には、曖昧な人物像で採用活動を進めていることが原因かもしれません。
そこで重要なのが、採用したい人物像を明確に描き、社内外の認識を統一する「ペルソナ設計」です。本記事では、ベンチャーやスタートアップにこそ取り入れてほしい新卒採用のペルソナ設計について、メリットから実践方法、運用時の注意点、さらには外部支援の活用方法までを詳しく解説します。

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目次
新卒採用における重大な「変化」とは
キャリア観が多様化する今、新卒採用の成功には明確なペルソナ設計が欠かせません。
かつては「安定した企業に長く勤める」という価値観が主流でしたが、現在の学生は将来のキャリアを自分で築く意識を強く持つ傾向にあります。
「どの会社に入るか」ではなく、「どのような経験を積めるか」に重きを置き、共感できる理念や挑戦できる環境を選ぶ傾向が顕著になっています。企業の知名度や待遇面よりも、自分の成長に直結するかどうかが判断基準となっているのです。
また、新卒採用のスケジュールも大きく変化しています。年に一度の選考活動にとどまらず、通年採用やインターン経由の選考が一般化しつつあります。こうした変化により、柔軟でスピーディーな採用体制を整えた企業ほど優秀な人材に出会いやすくなっています。
その中で欠かせないのが「採用ペルソナ」の設計です。自社が本当に求める人物像を明確に描くことで、どのような発信が刺さるか、どの媒体が有効かといった戦略の軸が定まり、採用活動に一貫性と成果が生まれます。ペルソナを明文化せずに採用活動を進めることは、地図なしで旅に出るようなものです。
変化の激しい新卒市場で成果を上げるには、ペルソナ設計を土台とした取り組みがますます重要になっています。
採用活動における「ペルソナ」とは
採用活動の「ペルソナ」とは、採用したい人物像を具体的に描いた架空のモデルです。効果的な採用を実現するには、採用ターゲットの設定に加え、さらに踏み込んだ「ペルソナ」の設計が不可欠です。ここでは、ペルソナの重要性とターゲットとの違いを解説します。
採用活動でペルソナが重要な理由
応募者の価値観やキャリア観が多様化する中で「なんとなく良さそうな人」を求める曖昧な採用方針ではマッチ度の高い人材に届きません。具体的な人物像をもとに戦略を立てることで、求人原稿や面接対応の軸がぶれず、社内の意思統一も図りやすくなります。
また、ペルソナを基準にすれば訴求ポイントや評価基準にも一貫性が生まれ、学生側にも説得力あるアプローチが可能です。自社に本当に合う人物像を明確にすることが、採用全体の質を底上げする第一歩といえるでしょう。
「採用ターゲット」との違い
採用ペルソナは「どんな学生を採るか」という構想を、よりリアルな人物像として具体化するものです。たとえば「関西の国立大卒」というターゲットに対し「大阪大学経済学部出身、バスケ部で主将を務めた主体性のある〇〇さん」のように、顔が思い浮かぶような設計がペルソナの特徴です。
ターゲットは広く母集団を集めるための枠ですが、ペルソナは評価基準の設定や志望動機への訴求など、実務フェーズで威力を発揮します。目的や活用シーンが異なるため、両者を混同せず併用することが重要です。

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新卒採用のペルソナ設計によるメリット
採用ペルソナを導入することで、単なる人材募集から一歩進んだ戦略的な採用活動が実現します。ここでは、新卒採用のペルソナ設計による具体的な効果を3つの観点から紹介します。
ミスマッチの防止
採用後の早期離職には「社風が合わなかった」「思っていた業務と違った」といったギャップが影響します。ペルソナを設計しておけば、選考段階から自社との相性を見極める仕組みが整い、入社後のミスマッチを減らすことが可能です。
求職者に対して一貫した情報提供ができるため、認識のズレを防げます。結果として、納得感を持った入社につながり、早期離職のリスクを抑えられるでしょう。
採用戦略の確立
どんな人物を採用すべきかが明確になれば、媒体選定や選考ステップ、告知タイミングまで一貫性のある設計が可能になります。たとえば「探究心の強い学生を10名」といったKPIも現実的に設定でき、行動と結果のズレが起こりにくいでしょう。
採用が感覚頼みで進むのではなく、データと方針に基づく戦略に変わることで、限られたリソースを最大限に活用できる体制が整います。
社内連携の円滑化
ペルソナは人事部門だけでなく、面接官や現場の担当者と共通認識を持つための「共通言語」として機能します。評価基準にばらつきが出ることを防ぎ、面接での判断に一貫性を持たせやすくなります。
また、ペルソナを共有することで、採用が「人事だけの業務」ではなくなり、現場も巻き込んだチーム体制を構築可能です。結果的に、採用活動全体のスピードと精度が高まるでしょう。
新卒採用に向けたペルソナの設計方法
効果的な採用活動を実現するためには、設計プロセスごとの整理が欠かせません。ここでは、以下6つのステップに分けてペルソナ設計の流れを解説します。
- 採用方針の確定
- 採用目的との照らし合わせ
- 採用する人材の明確化
- 優先順位の設定・条件の絞り込み
- 採用ペルソナの作成・調整
- 採用活動への反映
1.採用方針の確定
まずは、事業の方向性や組織ビジョンと紐づけて「どのような人材が必要か」を明らかにしましょう。ただ人数を増やすのではなく、達成したい成果や抱えている課題に応じたスキル・志向を具体化することが肝要です。
たとえば「主体的に学ぶ力」や「変化に柔軟な思考」など、自社に求められる資質を先に定義することで、その後の全体設計がブレなくなります。
2.採用目的との照らし合わせ
ペルソナを設計する際は「なぜこの人材を採りたいのか」という目的と整合性があるかを確認する必要があります。即戦力を求めているのか、それとも将来的なリーダー候補を育成したいのかによって、理想の人物像は大きく変わるでしょう。
採用目的を明確にしたうえで、中長期的視点の人材像を描くことが重要です。
3.採用する人材の明確化
設計精度を高めるには、求める人物の特徴を多角的に捉える視点が欠かせません。スキルセットはもちろん、価値観や行動特性、志向性といった要素も洗い出し、言語化していきましょう。
過去に活躍した社員や、採用後にミスマッチが生じたケースを分析することにより、説得力のあるペルソナを構築できます。
4.優先順位の設定・条件の絞り込み
人物像を詰めすぎて非現実的にならないよう、条件の優先度を整理する工程も重要です。「理想をすべて満たす人」を求めると、母集団形成が難しくなります。
複数のペルソナを併用する場合は、それぞれの用途やフェーズに応じた使い分けを意識し、目的ごとの運用設計に落とし込むことがポイントです。
5.採用ペルソナの作成・調整
構成した情報をもとに、具体的な人物ストーリーとしてまとめていきます。たとえば「学生時代に地域課題に取り組んだ経験がある、自ら壁を越える力を持つAさん」のように、背景や価値観まで踏み込んだ設計が理想です。
社内の現場社員やマネージャーとワークショップ形式で共創すれば、実態に即したリアルな人物像に仕上がります。
6.採用活動への反映
ペルソナは「設計」だけで終わらせず、求人原稿や面接設計、広報コンテンツなど、あらゆる接点に落とし込む必要があります。WantedlyやnoteといったSNSで発信する場合も、ペルソナを意識した言葉選びが有効です。
候補者が「これは自分のことだ」と感じるような発信ができれば、共感によるエントリー率の向上も見込めるでしょう。
新卒採用のペルソナ設計におけるポイント
採用活動で活用されるペルソナは、理想像の設定にはとどまりません。以下7つの観点から、設計精度と実用性を高めていきましょう。
- 自社の強み・魅力を客観視のうえで作成する
- 労働における「価値観」に注視する
- 年齢・経験・人柄などを重視する
- 詳細に決めすぎない
- 設計したペルソナを社内で共有する
- 定期的にアップデートする
- 経営層・現場の意見を取り入れる
自社の強み・魅力を客観視のうえで作成する
採用側が感じている自社の魅力と、学生から見える印象にはギャップがあります。そのため社内評価だけでなく、外部の視点も交えて強みを洗い出すことが大切です。
「働きがいがある」だけでは抽象的で伝わりにくいため「なぜ選ばれているのか」「どこに共感されているのか」といった切り口から、自社の強みや魅力を言語化していきましょう。
労働における「価値観」に注視する
採用ターゲットの価値観を読み解くことは、ペルソナ設計の根幹をなす部分です。ワークライフバランスを重視する傾向や社会貢献への意識、あるいは圧倒的な成長志向など、学生側の志向性をしっかり把握しましょう。
そのうえで、自社の考え方や働き方とフィットする価値観を抽出し、価値観レベルでの相性を明確にすることが採用後の定着にもつながります。
年齢・経験・人柄などを重視する
スタートアップにおける新卒採用では、即戦力のスキルよりも将来的なポテンシャルを評価する場面が多くなります。そのため、どのような人柄であれば社内で活躍しやすいかという視点が重要です。
成長意欲・柔軟性・協調性といった内面的な特徴を見極め、自社カルチャーに調和する要素に着目した設計が、長期的な活躍を促す採用につながります。
詳細に決めすぎない
ペルソナを細かく設定するほどリアリティは増しますが、行き過ぎるとかえって採用の幅を狭めてしまいます。実際には設計から外れる応募者の中にも、思わぬ強みや魅力を持つ人材が含まれていることが多いものです。
ペルソナはあくまで採用戦略の軸であり、排他基準にしないことを意識しましょう。柔軟な対応力こそが、採用の可能性を広げます。
設計したペルソナを社内で共有する
設計したペルソナは、人事部内だけでなく現場にも浸透させてこそ価値を発揮します。面接官や配属予定部署と人物像を共有しておくことで評価のブレを防ぎ、選考に一貫性が生まれます。
スライドや社内資料にまとめ、定例ミーティングなどで継続的に確認・更新することで、実務に即した運用が可能です。
定期的にアップデートする
ペルソナは一度設計したら終わりではなく、採用活動の結果を踏まえて見直し続けることが重要です。毎年の応募者傾向やエントリーの反応、入社後の活躍度をもとに、PDCAを回しながら最適化していく必要があります。
状況に応じた見直しを怠らないことで、時流に合った採用設計を維持できます。
経営層・現場の意見を取り入れる
ペルソナの設計は人事だけで完結させず、現場や経営陣の視点も織り込みましょう。育成や定着を見越したうえでの採用像を描くには、実際に配属されるチームや上司の声を聞くことが不可欠です。
組織の中長期ビジョンをふまえた人材設計こそが、入社後の成長と定着を見据えた採用へとつながります。
関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/recruitment-persona/

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【実践編】採用ペルソナを活用した新卒採用の進め方と支援サービスの活用法
作成したペルソナを新卒の採用活動にどう落とし込むか、具体的な進め方を見ていきましょう。
ペルソナを起点とした募集要項・採用サイトの見直し
設計したペルソナに合ったメッセージが届いていないと、母集団の質も変わりません。訴求すべきポイントやキャッチコピーを見直す際には、学生が共感しやすい言葉を使う工夫が求められます。
たとえば「自由に挑戦できる」ではなく「入社1年目で新サービスを企画したAさんのように」など、具体性を持たせると伝わりやすくなります。表現をペルソナ視点で再設計することで、興味喚起やエントリー率の向上が見込めるでしょう。
面接官へのペルソナ共有と選考基準のすり合わせ
せっかく設計したペルソナも、選考に関わるメンバーとの認識がずれていれば効果は半減します。面接官や現場メンバーに対しては、事前の社内研修やブリーフィングで人物像を共有しましょう。
さらに評価観点をテンプレート化すれば選考時の判断基準が明確になり、評価のばらつきを防げます。属人的な判断に頼らない仕組み化が、より公平で的確な選考体制の構築につながります。
自社だけで進める限界と外部サービスの有効性
少人数で動くベンチャー・スタートアップにとって、採用活動にかけられるリソースは限られています。そもそもノウハウが蓄積されていない状態で、効果的なペルソナ運用を目指すのは簡単ではありません。
そこで有効なのが、採用支援のプロと伴走する外部サービスです。設計段階から実務への落とし込みまでを共に進める「伴走型支援」は、人的制約のある企業にとって現実的かつ成果につながる選択肢です。
「まるごと」のような支援企業に相談するメリット
新卒採用をゼロから立ち上げる際には、設計から実行まで多くのリソースと専門知識が求められます。「まるごと人事」は、ペルソナ設計から選考フロー、媒体選定・スカウト代行・面接設計に至るまで、採用業務全般を一貫してサポートできるサービスです。
特に「まるごと新卒採用」プランでは、初期の採用活動設計をスムーズに進め、採用業務のスタートを支援します。採用活動の工数やコストを抑えつつ、クオリティの高い選考が可能です。
また、外部の専門家による客観的な視点と豊富なノウハウを活用することで、属人的な採用活動を脱却し、組織に最適な人材を確保できます。採用活動の効率化と精度向上を実現する「まるごと新卒採用」のサービスは、成長企業にとって大きな助けとなるでしょう。
既存のペルソナを改善する方法も併せて把握
一度設計した採用ペルソナも、採用後の実績をもとに見直すことで精度が高まります。まずは過去に採用した人材のうち、どのような人物が定着し、組織内で成果を上げたのかを分析しましょう。
社員へのインタビューやエンゲージメント調査を通じて、行動特性や価値観の傾向を洗い出す方法も有効です。改善時には、特定の社員像に偏りすぎて属人的になることや、人物像の項目が曖昧になり判断基準がぶれる点に注意が必要です。
抽象度が高すぎると実務で活用しにくくなるため、現場での運用を想定したバランスの取れた再設計を意識しましょう。定期的なアップデートを行うことで、採用活動の成果につながりやすくなります。
新卒採用を成功に導くペルソナ設計と活用戦略が重要
採用活動を単なる人数確保から脱却させるには、明確なペルソナ設計が欠かせません。自社のビジョンや求める人物像を言語化することで、採用広報・面接・選考フローまで一貫性が生まれます。
加えて、設計後の活用方法や社内連携、改善サイクルを取り入れることで、採用精度はさらに高まります。初めての新卒採用や限られたリソースで動く企業にとっては、外部支援を通じたプロの知見の導入も有効です。
採用の質を高めたいスタートアップ・ベンチャーこそ戦略的にペルソナを設計し、柔軟に運用していく姿勢が大切なのです。

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