採用お役立ち情報

2025.05.05 更新日:2025.05.13
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

新卒採用の課題を徹底解説!失敗しない6つの対策と注意点を紹介

「求める人材が来ない」「そもそも学生に見つけてもらえない」「内定辞退が目立つ」など、多くの企業が新卒採用に課題を抱えています。

企業は、変化し続ける新卒採用の環境に適応しながら、将来の成長を左右する優秀な人材を確保していく必要があります。

そのためには、新卒採用における課題とその根本原因を明確に捉え、解決策を実行することで「採用力」を向上させることが不可欠と言えるでしょう。

本記事では、現在の新卒採用を取り巻く環境、企業が直面する一般的な課題とその解決策を解説するとともに、新卒採用の課題を克服した事例をご紹介します。

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新卒採用の現状

新卒採用の現状図解

現在、新卒採用市場は様々な要因が複雑に絡み合い、変化し続けています。

売り手市場による人材獲得競争の激化

少子高齢化による労働人口の減少を背景に、1人の求職者を複数の企業が奪い合う「売り手市場」が続いています。

リクルートワークス研究所の「大卒求人倍率調査(2023年)」(※1)によると、2023年卒の大卒求人倍率(※2)は1.58倍と、新型コロナウイルス感染症の影響下でも高水準を維持しています。

このような売り手市場においては、人材獲得が困難となるため、企業の採用競争は激化します。就活生に選ばれるためには、多様な工夫が求められるでしょう。

特にエンジニアをはじめとする理系人材のニーズは増加傾向にあります。優秀なスキルを持つ人材を獲得するためには、他社との差別化を図る魅力的なアピールポイントが必要です。

出典:リクルートワークス研究所「大卒求人倍率調査(2023年)」

※2:大卒求人倍率=求人総数÷民間企業就職希望者数

早期選考の普及

早期選考は、企業の新卒採用活動に大きな影響を与えています。

ベンチャー企業や外資系企業を中心に、インターンシップやイベントの参加者に対し、従来の就職活動ルールで定められた時期よりも早期に内定を出す動きが目立っています。

早期選考は新卒採用活動の早期化を招くことから、企業の新卒採用環境は今後ますます厳しくなると考えられます。

採用チャネルの多様化

新卒の採用チャネルは多岐にわたっています。

従来は就職サイトを通じた母集団形成が主流でしたが、より効率的な採用を目指し、「ダイレクトリクルーティング」や「マッチングイベント」といったターゲット特化型の採用手法を導入する企業が増えています。

さらに、学生の活動時期が早期化している現状を踏まえると、自社の採用ターゲットの動向に合わせて適切な手法やサービスを選定することが重要です。

関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/shinsotsusaiyomerit/

新卒採用を振り返る際に重視する点

新卒採用を振り返る際に重視する点図解

採用目標と計画の再確認

まず最初に行うべきは、当初の採用目標と計画の再確認です。既に課題として認識している点があるかもしれませんが、問題点はそこだけとは限りません。

採用計画の達成度合いを測るため、目標人数、予算、イベント数、広報活動といった採用コスト、そして各選考段階における歩留まり率など、数値化できる要素は正確にデータ化しておきましょう。

振り返るべき主な項目は以下の通りです。

  • 全体の目標(予算、採用予定人数、採用コスト)
  • 採用フロー(母集団形成、会社説明会、面接など各選考段階)

また、数値化が難しい要素、例えばターゲットとする人材像や具体的な人材要件なども、可能な限り詳細に言語化しておくことで、検証時の精度が高まります。

目標と実績のズレを分析

次に、採用目標や計画と実際の結果との間に生じたギャップを把握します。採用フローの各段階におけるデータを詳細に分析してください。

そして、「なぜ、このようなギャップが生じたのか?」という問いに対し、その要因を徹底的に洗い出し、整理します。最初のステップで採用目標や計画を具体的に明確化しておくことで、結果と要因のより精緻な洗い出しと分析が可能になります。

要因を特定し、データで検証

次に、「なぜ、このような結果になったのか」という問いに対し、洗い出した要因に基づいて因果関係の仮説を立て、データを検証しながら分析を行います。

各プロセスの計画と結果の分析だけに目を向けてしまうと、「一次面接の合格者に対して二次面接の合格者数が少なすぎたから、来年は二次面接の合格者数を増やす方法を考えよう」といった、表面的な対応に終始しがちです。根本的な原因に対処しないままでは、採用のPDCAサイクルが適切に機能しなくなるリスクが高まります。

要因の因果関係について仮説を立て、データに基づいて検証することで、本質的な課題を特定し、より効果的な対策を導き出すことができます。

検証結果から見える採用課題と自社の強み

次に、仮説の検証結果に基づいて採用課題を整理し、自社の採用活動の特徴を明確にしましょう。ここまでは採用課題を中心に分析してきましたが、採用活動で成功パターンを確立するためには、自社の強みを活かすことも大事です。

強みを分析する際も、採用課題と同様に、採用目標・計画と実際の結果のギャップを基に洗い出し、「なぜ、この結果が出せたのか?」という視点で仮説を立て、データを用いて検証します。

弱点として認識されていた部分に対して、強みを活かす形でアプローチを加えることで、弱点を意識させることなく、強みをより効果的に発揮できるようになります。

翌年度の採用戦略と計画に反映する

最後に、これまでの分析で明らかになった採用課題を克服する手段と、自社の強みを活かすための具体的な施策を、翌年度の採用戦略と計画に反映させます。

実施したい施策を全て盛り込むと、工数やコストが大幅に増加し、実現が難しくなります。各施策の「効果性」「実現可能性」「コスト」などの観点から優先順位をつけ、導入を検討しましょう。

また、新たな施策を導入する際は、次年度の振り返りがきちんとできるよう、可能な限り数値化し、検証の精度を高める準備をしておいてください。

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新卒採用を振り返る際の注意点

新卒採用を振り返る際の注意点図解

新卒採用の振り返りは、ただ行うだけでは十分な成果に繋がらない可能性があります。効果的な振り返りのためには、以下の点に注意しましょう。

振り返りは「目的」ではなく「手段」

採用活動の振り返りは重要ですが、真剣に取り組むあまり、振り返り自体が目的にならないよう注意しましょう。振り返りは、あくまで採用の精度を高めるための「手段」です。

仮説と検証を繰り返すことは重要ですが、振り返りに時間をかけ過ぎて、具体的な解決策を検討する時間がなくなっては意味がありません。

振り返りの目的は、新卒採用の精度を向上させ、各フローや施策の確実性を高めることです。振り返りに過度な時間と労力を費やすのを避けるためにも、最初に明確な論点を設定し、検討の方向性を定めておくことが大切です。

競合他社との相対的な評価をする

採用計画の振り返りにおいては、自社の過去の取り組みとの比較分析に留まらず、外部からの相対的な評価も考慮に入れるべきです。特に、応募者の併願率が高い競合他社とのベンチマークを実施し、比較検討を行いましょう。

社内では「強み」だと認識していた点が外部と比較するとそうではなかったり、応募者数が少ないと感じていても業界水準より高かったりするなど、採用市場における自社の立ち位置や課題が明確になります。

もちろん、他社との比較に偏重するのは適切ではありませんが、全く外部の状況を把握しないのも危険です。大手人材会社の統計データで市場全体の傾向を把握し、応募者アンケートなどで自社がどのように評価されているかという個別の傾向を掴んでおくことが大切です。

優先順位をつけて課題に取り組む

課題に取り組む際は、優先順位をつけ、特に重要な課題や効果が出やすいものから着手しましょう。

採用にかけられる時間、予算、工数は限られています。また、採用や会社の課題は、一つ解決しても次々と新たな課題が現れるため、全てを同時に解決することは現実的ではありません。

多くの施策を同時に行うと、一つひとつが中途半端になり、かえって状況が悪化する可能性があります。一般的に言われる2:8の法則のように、効果が見込まれる上位2割に集中し、その結果を検証しながらPDCAサイクルを回し、継続的に改善していくことがポイントです。

直面しやすい6つの新卒採用課題と解決策

直面しやすい6つの新卒採用課題と解決策図解

新卒採用における採用課題は多岐にわたります。企業が直面しやすい6つの採用課題と、その解決策について解説していきます。

1.母集団形成

新卒採用における母集団形成は、年々厳しさを増しています。

特に、前述のように売り手市場が激化していることで、学生からの応募数獲得に苦戦する企業が多く見られます。中でも、学生からの認知度が低い企業は、「そもそも学生に見つけてもらえない」「就職サイトに掲載しても埋もれてしまう」といった課題を抱えています。

さらに、学生の就職活動が早期化・短期化している影響で、採用後半期の母集団形成も困難になっています。

母集団形成の課題に対しては、利用する採用手法や採用サービスを見直すことが効果的です。特に、自社のターゲット人材の含有率が高いサービスを選定することで、効率的にターゲット層の母集団を形成できます。

2.ターゲット人材の採用

新卒採用において、ターゲット人材を効率的に採用できないという悩みも多く聞かれます。「応募は集まるものの、採用したい人材がなかなか現れない」といった、母集団の量だけでなく質に関する課題を抱える企業も少なくありません。

また、自社のターゲット人材が明確でないために、どの時期にどのような方法で採用活動を進めるべきか分からず、ターゲットと採用手法・時期が適切に合致していないケースも見受けられます。

ターゲット人材の採用に向けて、以下の2つの解決策をご紹介します。

採用ペルソナの設計

ターゲット人材の採用を実現するためには、まず自社の採用ペルソナを丁寧に設計することから始めましょう。

採用ペルソナは、企業の理念や経営ビジョンに加え、自社で活躍している社員の分析などを基に設計することが重要です。

また、ペルソナ設計にあたっては、採用担当者だけでなく、現場の社員から経営層に至るまで、社内の多様な意見を収集し、共有することで、社内全体の認識統一を図ることが肝要です。

2. 訴求内容の整理

設定した採用ペルソナに合致するよう、自社の強みを明確に打ち出すこともポイントです。

訴求内容を整理する際には、自社の魅力の洗い出し、競合他社のアピールポイントの分析、そして採用ターゲットのニーズの把握が不可欠です。多角的な視点から検討を重ね、効果的な訴求内容を決定していきましょう。

3.選考途中の辞退・内定後の辞退

近年、新卒採用において、選考途中の辞退だけでなく、内定後の辞退も深刻な課題となっています。

この背景には、学生の平均内定取得社数が関係しています。複数の企業から内定を得ることで、選考辞退や内定辞退の可能性が高まっていると考えられます。

選考辞退・内定辞退を防ぐための主な対策として、以下の3点をご紹介します。

1. 選考フローを見直す

選考辞退が多い場合は、選考フロー全体を見直しましょう。説明会から選考、選考から次のステップまでの期間が空くと、学生の意欲低下につながります。説明会と選考の同日実施や選考回数の削減などを検討しましょう。

また、選考前に仕事内容への理解を深めるインターンシップや、相互理解を促すカジュアル面談の導入も有効です。目的を踏まえ、選考フローを効果的に設計しましょう。

2. 迅速かつ丁寧な連絡

学生の活動が短期化している現代において、選考案内や合否連絡の遅れは、内定承諾の機会損失につながります。迅速な情報提供を心がけましょう。

また、説明会や選考前のリマインドなど、こまめな連絡は学生の不安軽減にもつながります。丁寧なコミュニケーションを意識しましょう。

3. 内定者フォローの実施

内定辞退を防ぐためには、内定者フォローが不可欠です。既に実施している場合も、その内容やタイミングが適切か見直しましょう。内定者の不安解消や入社意欲向上につながるような、継続的な情報提供や交流の機会を設けることが不可欠です。

4.人材を見極める力

新卒採用において、企業は人材の見極めに苦慮するケースも少なくありません。

特に、新卒学生は社会人経験や実務経験がほとんどないため、スキルや経験ではなく、潜在的な能力、いわゆるポテンシャルで採用を判断する必要があります。

さらに、面接官のスキルが不足している場合、「見極めに自信が持てない」「どのような基準で判断すべきか分からない」といった悩みを抱えることも考えられます。

人材の見極めに関する課題に対して、効果的な対策として以下の2点をご紹介します。

1. 明確な合皮基準と適切な面接内容の設計

精度の高い見極めのためには、社内で統一された質問項目と明確な合否基準を設定することが重要です。事前に設計した採用ペルソナに基づき、共通の評価軸を設けましょう。

また、面接においては、質問してはいけない項目がある点に留意する必要があります。不適切な質問は企業イメージの低下や法的な問題につながる可能性があるため、事前に確認し、適切な質問内容を設計しましょう。

2. 適性検査の導入

客観的な判断材料として、適性検査の導入も有効な手段です。

適性検査は、学力や能力だけでなく、性格や価値観といったパーソナリティを数値化して把握できます。ポテンシャル採用が中心となる新卒採用において、候補者の潜在能力を見極める上で役立ちます。

さらに、自社の活躍人材のデータと照らし合わせることで、定量的な評価が可能となり、より精度の高い見極めが実現できます。

5.採用リソース不足

企業の採用リソース不足も、新卒採用における課題の一つとして挙げられます。

そこで解消する有効な手段として、採用代行サービスの活用が挙げられます。

採用代行サービスを導入することで、煩雑な採用業務を外部に委託し、自社の人事担当者は本来注力すべき戦略的な業務、いわゆるコア業務に集中できます。

また、重要度の低いノンコア業務をアウトソーシングすることで、生まれた時間を面接の質の向上や学生とのコミュニケーションに充てることができ、近年重視されている採用CX(候補者体験)の向上にもつながる可能性があります。

6.入社後の早期離職

計画通りに採用が進んでも、その後、早期離職につながるケースも少なくありません。

厚生労働省の調査*によると、大卒で就職した新卒のうち、従業員規模が100〜499名の企業では35.2%、1000名以上の企業では28.2%が3年以内に離職しているという状況です。

出典:厚生労働省「新規大卒就職者の事業所規模別就職後3年以内の離職率の推移」

このように、新卒採用においては、学生の母集団形成から選考、そして入社に至るまでの各段階で、様々な課題に直面する可能性があると言えるでしょう。

入社後の離職を防ぐための有効な対策として、以下の2点をご紹介します。

1. インターンシップやSNSの活用

早期離職の要因となる企業理解の不足やミスマッチを防ぐためには、選考段階から企業理解を深める取り組みが重要です。

特に、インターンシップは、仕事内容や社風を事前に学生に伝える効果的な手段です。

近年では、SNSや自社オウンドメディアを活用し、企業の魅力を具体的に発信することで、学生が入社後のイメージを持てるように工夫する企業も増えています。

2. 新入社員研修の導入

新卒の早期離職を防ぐためには、新入社員研修の導入も効果的です。

入社後の研修は、自社への理解を深め、エンゲージメントを高める役割を果たします。また、スムーズなオンボーディングを支援することで、新入社員の早期定着と戦力化を促進する有効手段となります。

まとめ

まとめ図解

新卒採用はルーチンワークではなく、常に変化する市場への適応が不可欠です。競合の成功事例はすぐに広まり、昨年の成功が今年も通用するとは限りません。

期間が限られた新卒採用では、途中の軌道修正は困難です。だからこそ、採用活動を深く振り返り、自社の強みを活かし弱みを補う施策を次年度計画に反映することが重要です。

年に一度、採用活動を徹底的に振り返り、次年度の採用計画を磨き上げ、成功へと繋げましょう。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

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2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと労務””まるごと経理”も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
コメンテーターとして出演。
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