お役立ち情報
スタートアップにおいて、採用広報は採用活動において有効な手段のひとつです。
スタートアップは、創業からの年数が短いことが多く、世の中に認知がされていないからこそ、採用広報によって職場としての認知や理解を高めるための工夫が必要です。
本記事では採用広報とはなにか、スタートアップにこそ採用広報をおすすめする理由や意識すべきポイントや対策を解説します。
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目次
スタートアップとは
スタートアップとは、先進的な技術やアイデアによって、ゼロから市場やビジネスモデル創出に挑戦する成長速度の早い企業を指します。スピード感をもって事業を展開し、新たな市場を開拓していく傾向があり、創業間もない企業であることが多いです。
もともとアメリカのシリコンバレーで使われ始め、「始動」や「開始」を意味する英語「startup」に由来しています。本記事では創業間もないスタートアップを中心に、採用広報に取り組む際のポイントを紹介します。
スタートアップとベンチャーの違い
スタートアップと混同しやすい言葉に「ベンチャー」がありますが、ベンチャーは和製英語です。
英語では「venture」となり、投資をする企業や投資家を指し、ベンチャーの本来の意味としては「投資を受けている会社」と定義できるでしょう。
ベンチャーは企業規模を問わず、独自の技術やアイデアをベースに、新しいサービスやビジネスを展開する企業を差します。
比較的早い段階での黒字化を目指し、長期的に右肩上がりの成長を遂げていく傾向があると言えます。
採用広報とは
採用広報とは、自社が求める人材に向けて情報を発信し、応募や採用に繋げ、入社後の定着を図るための広報活動を指します。
採用広報が注目される背景として、売り手市場が加速するなか、企業自ら情報を発信し、転職潜在層も含めた多くの求職者にアプローチをする必要が出てきたこと、SNSやWebを通じた採用活動が広がり、求職者が透明性の高い情報を求めるようになったことが挙げられます。
採用広報には、さまざまなコンテンツがあります。
たとえば、社員インタビューやブログなどの採用広報記事、採用ピッチ資料や採用動画の作成、SNSへの投稿などが代表的な例でしょう。
スタートアップにこそ採用広報が必要な理由
ここではスタートアップにこそ、採用広報が必要な理由を解説します。
1. 自社の認知度を高めるため
スタートアップは創業間もないことが多く、大手企業と比較して知名度が低い傾向があります。そのため、採用活動においてはまず、企業側から積極的に情報を発信し、認知度を高める必要があります。
とくに転職潜在層とも言える若い世代に対して自社の認知を高めることで、転職先として検討してもらえる可能性が高まります。
最初に「自社を知ってもらう」手段のひとつとして、採用広報は有効と言えるでしょう。
2. 自社理解を促すため
多くのスタートアップは、既存の事業形態に囚われず、新たなアイデアやビジネスモデルで事業を展開していいますが、前例がない取り組みは求職者からの共感や理解を得づらい傾向があります。
そのため、採用広報によって事業内容やビジネスモデルを分かりやすく伝えることや、事業内容だけでなく企業の理念やビジョンなど多角的に魅力を伝えることなど、自社への理解を促す必要があります。
3. 他社との違いを伝えるため
求職者は多くの求人の中から、応募や選考の判断をおこなっています。
オリジナルのアイデアをもとに事業を展開し、少数精鋭で事業をおこなうスタートアップだからこそ、伝えられる魅力があるはずです。
自社の魅力や強み、働く上でのメリットや他社との違いを求職者に訴求していきましょう。
4. 採用ミスマッチを軽減するため
採用広報によって、求職者の自社理解を促せるため採用ミスマッチの軽減も期待できます。
とくに成長段階にあるスタートアップにおいては、事業展開のスピード感が重要です。また人的リソースに限りがある場合も多く、採用ミスマッチによって早期離職が発生してしまうと、事業成長の鈍化に繋がる可能性があります。
採用広報では早期離職の要因でもある入社前後のギャップをなくすため、自社の実態も伝え、正しい自社理解を促しましょう。そうすることで求職者側でも自社にマッチするかどうかの判断材料になり、採用ミスマッチの軽減が見込めます。
スタートアップにおすすめの採用広報コンテンツ例
ここでは採用広報コンテンツ例の中からスタートアップにおすすめのコンテンツを紹介します。
1. 採用広報記事の作成
採用広報記事とは、自社の代表や社員のインタビュー記事やブログ記事などを指します。
文字情報、図や写真を活用することで自社の魅力を伝えられるため、自社の理解を深めてもらい、認知度を高めたいスタートアップにおいて、おすすめの方法です。
たとえば、自社のビジネスモデルに関する理解を深めてもらいたい場合、採用広報によって事業内容やビジネスモデルを分かりやすく伝えたり、事業の将来性を伝えたりすることで、志望意欲を高める効果が期待できます。
作成した記事はWeb上で公開したり、面接前に求職者に共有したりするなどして求職者に届けることができます。
2. 採用ピッチ資料の作成
採用ピッチ資料とは会社説明資料のひとつです。
自社の良い面だけではなく、課題や実態も伝えることで入社前後のギャップを埋める役割もあります。Web上で公開するほか、会社説明に採用ピッチ資料を活用することで、面接官による説明内容の粒度を揃えることができ、採用ミスマッチの軽減の効果が高いと言えます。
とくに事業展開のスピード感が求められ、少数精鋭で事業を展開するスタートアップにおいては、採用ミスマッチは特に避けたいものです。
採用ピッチ資料の活用によって、採用ミスマッチの軽減に役立てましょう。
参考記事:https://marugotoinc.jp/blog/recruitmentpitch/
3. 採用動画の作成
代表や社員のインタビューやオフィスの様子を動画コンテンツとして作成し、採用広報に活用することも可能です。
文字情報や写真だけでは伝えるのが難しい社内の雰囲気や様子、社員の人柄などを臨場感をもって伝えることができます。
視覚的なアプローチが期待できる一方、他コンテンツと比較すると動画の撮影や編集によってはコストがかかりがちで、基本的な事業内容などを載せるのには採用広報記事や、採用ピッチ資料の方が優れています。
リソースが限られたスタートアップにおいては、取り組みの優先順位を確認してから作成を検討しましょう。
スタートアップにおすすめの採用広報の発信ツール
ここでは作成した採用広報コンテンツをどのように活用するか、スタートアップにおすすめの発信ツールを紹介します。
1. SNSでの発信
採用広報のツールとして、SNSでの発信も挙げられます。SNSは拡散性が高く、短期間で多くの求職者にリーチできるため、スピード感が求められるスタートアップとの親和性が高いと言えます。
ここでは一般的なSNSとビジネスSNSの2種類に分けて解説します。
一般的なSNSでの発信
シェア機能によって投稿が拡散され、幅広い層の人材にリーチできます。
求人サイトや人材紹介とは異なり、将来的に転職を検討する「転職潜在層」へのアプローチも可能です。
また、日常的に使われているツールだからこそ、自社の日常や実態を発信することで親しみやすさを感じてもらう手法として有効です。
代表的なSNSとして、Facebook、TwitterやInstagramが挙げられます。
ビジネスSNSでの発信
ビジネスSNSとは、ビジネスに特化したSNSを指します。
ビジネスで得た人間関係を維持・発展させて、事業開発や営業活動、採用活動に役立てることが可能です。自社のプロフィールページに基本情報や採用広報記事、ブログなどを掲載し、自社の魅力を発信できます。
代表的なビジネスSNSとして、WantedlyやLinkedin、Eightなどが挙げられます。
2. 自社採用サイトでの発信
自社採用サイトとは、自社で作成した採用情報の掲載サイトを指します。求職者に向けて、採用情報や自社の魅力を伝えることが目的です。
自社採用サイトは、志望意欲の高い求職者が閲覧するツールであり、目に触れやすいため、採用に注力したいスタートアップには活用をおすすめします。
自社での運用のため、コンテンツやデザインを自由に決めることができ、継続的に運用することで採用ブランディングの効果も期待できます。
3. 採用オウンドメディアでの発信
オウンドメディアとは、広義ではホームページやブログなど自社が所有するメディア全般を指しますが、狭義では、企業が運営するウェブマガジンやブログを指します。
採用オウンドメディアとは、求職者に向けに採用広報記事やブログを通じて情報発信するするサイトです。
自社採用サイトでは伝えきれない詳細な情報を発信できるため、スタートアップにおいて求職者の自社理解をより高めたい場合に有効です。
ただし、運用を続けるには一定のコストがかかるため、取り組む際は社内のリソースや運用体制も含めて検討しましょう。
採用広報記事のつくり方と作成時のポイント
採用広報のコンテンツはインタビューやブログといった記事、採用動画や採用ピッチ資料などさまざまです。
自社の魅力を的確に伝えるためには、コンテンツ作成前の企画が重要です。「だれに」、「なにを」、「どのように」伝えるかをあらかじめ設計することで、伝えるべきメッセージに一貫性が生まれ、採用広報の効果を高められます。
ここでは採用広報のインタビュー記事作成を例に、進め方と各手順におけるポイントを解説します。
1. 採用広報記事の目的を設定する
記事を書く前に下記のような企画書を作成し、目的、読むタイミングと期待する効果を整理しましょう。
目的や期待する効果を設定することで、記事の内容や活用方法を検討するうえで役立ち、採用広報の効果を高めることに繋がります。
目的の設定にあたっては、採用活動における課題を洗い出し、その課題解決を目的に設定すると、記事でなにを伝えたらよいか、いつ活用したらよいかなどを検討しやすくなります。
▼企画書
▼企画書(記入例)
2. 採用ペルソナを設定する
目的が決まったら、採用ペルソナの設定をおこないます。
採用ペルソナとは、自社がほしい人材の典型的な人物像を指します。具体的な人物像を設定することで、記事で伝えるべきメッセージをより明確にすることができます。
設定にあたっては、年齢、現在の職業、保有スキル、家族構成、趣味、性格、学歴といった項目に加え、「現職にどのような課題を感じているのか」、「仕事になにを求めているのか」、「当社のなにに魅力を感じて応募してくるのか」といった求職者の人柄、抱えている課題やニーズまでをイメージします。
採用ペルソナの設定によって、だれに向けたコンテンツなのかが明確になり、採用広報記事で発信すべきポイントを検討しやすくなります。
採用ペルソナの設定にあたっては、下記のようなペルソナシートを作成すると、検討項目の漏れが出づらく、自社が求める人材の志向性や人柄を把握する上で役立ちます。
また、可視化することで具体的な人物像を関係者に共有しやすくなり、面接に関わる各部門の社員や経営層との連携が取りやすくなるでしょう。
▼ペルソナシート
▼ペルソナシート(記入例)
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3. 伝えるべき内容を決める
記事の目的とペルソナを設定したら、伝える内容を決めていきます。
スタートアップだからこそ、自社独自のビジネスモデルやミッション、カルチャーなど他社との差別化を図れる魅力を発信していきましょう。
内容を決めていくには、あらかじめ自社の持つ要素を洗い出し、「自社ならではの魅力はなにか」、「なにを魅力として訴求するか」を整理しておくことが重要です。
伝えるべき魅力を整理することで、メッセージに一貫性が生まれ、求職者の志望意欲の向上や自社理解を深める効果が期待できます。
▼スタートアップならではの魅力例
- 会社:ミッション・ビジョンに対する経営陣の想い/優秀な経営陣
- 業務内容:やりがいの大きさ/新たな価値を創造する楽しさ/裁量の大きさ
- 事業内容 :自社独自のビジネスモデル/オリジナルの事業/業界の伸び代/スピード感
- 社員 :個性的な社員/若手の活躍
- 文化 :独自性のあるバリュー/少数精鋭だからこその風通しのよさ/フラットな組織
4. 読むタイミングと発信方法を設計する
魅力的な記事を作成しても、読者であるターゲットに届かなければ意味がありません。目的に応じて、発信方法までを設計しておきましょう。
たとえば、スカウトメールで自社の魅力が伝えきれず、スカウトメールの返信率の改善が必要な場合、スカウトメールに採用広報記事のURLを挿入することで、自社の魅力を具体的に伝え、志望意欲を上げるといった活用が考えられます。
自社の課題に応じて求職者にいつ、どのように届けるかを設計することで、採用広報の効果を高められます。
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採用広報に取り組む際の3つの注意点
スタートアップが採用広報に取り組む際には注意すべき点もあります。
とくに費用面や人的なリソースが限られたスタートアップで採用広報を進める際に考慮したいポイントを解説します。
1. 応募者の数だけを目標にしない
採用広報では、応募者の「数」ではなく、自社が求める人材からの応募があるか、 といった応募者の「質」の向上が重要です。応募数が増えても自社が求める人材でなければ、採用に繋がらないだけでなく、書類選考や応募者対応の工数が増えてしまいます。
自社が求める人材からの応募数が増えれば、選考の通過率が上がり、採用コスト全体の削減も期待できます。
そのためにも、採用広報によって自社が求める人材に対してアプローチをおこない「質」の向上を目指しましょう。
2. 取り組みに優先順位を付ける
採用広報を行う上でコンテンツの種類や、発信ツールの選択肢はさまざまです。
すべてに取り組もうとするとリソース不足によって満足な取り組みにならず、採用広報の効果を十分に得られないこともあります。
そのため、自社の採用体制やリソースを踏まえて、取り組みに優先順位を付け、最適な方法に注力することがポイントです。
3. 継続的に取り組む
採用広報は求人広告や人材紹介などと違い、すぐに応募数が増える、採用が増えるといった成果を見込める施策ではなく、継続的に取り組むことで、自社の認知向上や採用ブランディングに繋がるものです。
そのため、短期で目に見える成果がでないからと言ってすぐに採用広報をやめてしまうのではなく、中長期的な視点で取り組むようにしましょう。
継続的な取り組みになるため、採用広報の専任担当者を立てることや、社内の関係者には採用広報の目的を共有し、必要に応じて協力してもらえるような体制を整えておくことが重要です。
また、採用広報の知見をもった外部のパートナーに取り組みの一部を委託することも選択肢のひとつです。
スタートアップこそ採用広報を通じて、求職者の自社理解を促しましょう
本記事ではスタートアップの採用活動において、採用広報が効果的な理由や、採用広報記事の作成にあたってのステップを解説してきました。
自社理解を深め、認知度を高めたいスタートアップにおいて、採用広報は有効な手段のひとつです。
応募を促すためには、スタートアップだからこそ自社オリジナルの事業やカルチャー、ビジネスモデルなど魅力を自社が求める人材に届けることが重要です。
紹介した注意点や対応策を踏まえて、ぜひ採用広報に取り組んでみてください。
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