お役立ち情報
優秀な人材を採用するためには、PDCAサイクルを回して、採用活動を改善し続けていくことが重要です。そのためには「歩留まり」の計算が欠かせません。今回は、採用活動における歩留まりとは何か、低下する主な原因と、改善する方法を詳しく解説します。
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目次
採用における歩留まりとは
採用活動における「歩留まり」とは、採用フローの中で、次の採用フェーズに進んだ人の割合のことです。算出された歩留まりをパーセント(%)で表したものを「歩留まり率」といいます。
次のフェーズに進んだ人が多いほど歩留まり率は高くなりますので、歩留まり率が低いところには、解決すべき課題が隠れている可能性があります。
たとえば、「説明会」から「応募」への歩留まり率が低いなら、せっかく説明会を実施したのに、応募につなげられていないということがわかります。この場合、「説明会で企業の魅力が求職者に伝わらなかった」ことが原因の一つとして考えられます。説明会の内容を見直すことで、歩留まり率が改善するかもしれません。
このように、歩留まりを計算することで、採用フローのどこに課題があるのかが明確になります。採用を成功させるためには、歩留まりの計算が欠かせないのです。
歩留まりの計算方法
歩留まりは、次の計算式で求めることができます。
「選考通過数」÷「選考対象者数」×100=「歩留まり率」
たとえば、一次面接を受けた50名のうち20名が二次面接に進んだ場合、計算式は「20÷50×100=40」で、歩留まり率は「40%」となります。
以下は、採用フローの中で特に重要な歩留まり率と、その計算式です。
- 応募率(応募者数÷求人サイト閲覧数×100)※求人サイトからの応募率
- 書類通過率(書類選考通過者数÷応募数×100)
- 面接通過率(面接通過者数÷面接受験者数×100)
- 内定率(内定者数÷応募者数×100)
- 内定承諾率(内定承諾者数÷内定者数×100)
- 途中辞退率(途中辞退者数÷応募者数×100)
- 内定辞退率(内定辞退者数÷内定者数×100)
すべてのフェーズの歩留まりを計算するのが難しい場合でも、上記の歩留まりは押さえておきましょう。
また、先ほど「歩留まり率が低いところには解決すべき課題が隠れている可能性がある」とお伝えしましたが、途中辞退率と内定辞退率は逆です。この2つは、辞退者が多いほど高い数値となりますので、低いほど良いということになります。
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歩留まりが低下する主な理由
ここからは、歩留まりの低下を招く4つの理由を紹介します。
求める人物像が明確でない
採用フローの中でも、歩留まりが低下しやすいのが「応募率」です。求人を出しているのに、なかなか応募が集まらないというパターンです。応募率が低下する原因としては、求める人物像が明確でないために、採用チャネルや訴求方法がターゲットに合っていないということが、まず考えられます。
応募率が低い場合は、自社が求める人物像を改めて設定し直してみましょう。人物像を明確にした上で、採用チャネルや訴求方法を見直してみてください。
また、応募率が低くなかったとしても、要件にマッチする人材からの応募がなければ、採用にはつながりません。採用を成功させるためには、良質な母集団を形成することが重要です。「応募は集まるものの、その後の選考通過率が低い」という場合も、求める人物像と採用チャネルや訴求方法が合っているかを見直すことで、改善につながるかもしれません。
候補者への連絡が遅い
面接通過率と内定承諾率も、歩留まりが低下しやすい項目です。就職活動を行っている多くの人は、できるだけ早く就職先を決めたいと思っていることでしょう。面接の日程調整や選考結果を知らせるのが遅いと、候補者は連絡が早い他社に流れやすくなりますので、できるだけスピーディーに行うことが重要です。
また、内定承諾率の低下は、内定後のフォロー不足が原因である可能性も考えられます。採用活動のゴールは「内定」ではなく、「入社」もしくは「定着」です。このことを意識して、内定通知後も候補者の入社意欲が下がらないように、コミュニケーションをとり続けるようにしましょう。
面接官の説明が求人票の内容と違う
面接官の説明が、求人票に書かれている情報と違うと、候補者は不信感を覚え、辞退につながる恐れがあります。たとえば、求人票には「週休2日制」と記載があるにもかかわらず、実際は「状況によっては土曜日に出勤しなければならないこともあり、現状隔週ペースで出勤している」ことが、面接官と話す中で判明した、というようなケースです。
特に、業務内容や勤務時間、勤務地、年間休日数などに乖離があると、候補者の入社意欲が下がってしまう可能性が高いでしょう。求人票には正しい条件を記載することはもちろん、どのような条件で募集をしているのか、あらかじめ面接官と情報を共有しておくことも大切です。
また、面接を通じて、企業の雰囲気や社風が合わないと感じる候補者も少なくありません。自社のことを深く理解した上で「合わない」と感じられたなら仕方ありませんが、面接官の印象や、対応一つで「合わない」と感じられてしまうこともあります。面接官が自社の社風を体現できているか、面接官に必要なスキルが身についているかどうかも、一度チェックしてみましょう。
SNSや口コミの影響
最近は、SNSや口コミサイトで、選考を受ける企業をあらかじめリサーチする候補者が多く、インターネット上での評判を見て辞退を決めるケースも増えています。候補者に企業のイメージダウンにつながるような書き込みをされないよう、各フェーズで丁寧な対応を心がけましょう。
また、インターネットもうまく活用すれば、求人票だけではわからない魅力を候補者に伝えることができます。SNSで職場の雰囲気を発信したり、候補者とコミュニケーションをとったりすることで、応募数の増加や、候補者の入社意欲向上につなげることもできるので、積極的に活用してみましょう。
歩留まりを改善する4つの方法
次に、採用活動における歩留まりを改善するための、具体的な4つの方法を紹介します。
1.採用フローを短くする
まずは、採用フロー全体を短くできないか検討してみましょう。たとえば、新卒採用で「エントリー」から「説明会」への歩留まりが低いなら、この間に学生の興味が薄れている可能性が考えられます。期間を短くすることで、説明会参加率を向上させられるかもしれません。説明会と書類選考を同時開催という形にするのも一つの方法です。
また、候補者への連絡をできるだけスピーディーに行うことも重要です。応募や問い合わせがあれば1営業日以内に対応する、選考結果は3営業日以内に行うなど、ルールを決めておくと良いでしょう。
2.面接はできるだけ候補者の都合に合わせる
中途採用の場合は、仕事をしながら転職活動を行っているため、平日に面接の時間を確保するのが難しい候補者も多くいます。仕事が終わる夕方以降や土日に日程を組んだり、対面だけでなくオンライン面接を取り入れたりするなど、できるだけ候補者の都合に合わせることで、面接辞退を減らすことができるでしょう。
また、「この企業に興味があるけれど、いきなり面接に進むのはハードルが高い」と感じる候補者もいますので、選考前にカジュアル面談を取り入れるのも一つの方法です。カジュアル面談をすれば、心理的なハードルも下がり、相互理解も深まるので、応募率や応募後の選考通過率の改善も期待できるでしょう。
3.採用ブランディングに力を入れる
SNSや口コミサイトによる辞退を防ぐためには、企業側から積極的にポジティブな情報を発信したり、自社のことを知ってもらう機会を作ったりして、候補者に自社の魅力を正しく理解してもらうことが大切です。たとえば、SNSやブログなどで求人票に載っていない情報を発信したり、社内見学会やランチ会などのイベントを開催したりといった施策が考えられます。
自社のアピールポイントを明確にして、どのようにすればターゲット層に伝えることができるかを検討してみてください。
4.入社への動機づけをする
辞退を防ぐためには、候補者の自社に対する興味や入社意欲を、高い状態でキープさせることが大切です。そのために、各フェーズで動機づけを行いましょう。中でも特に重要なのが、面接です。入社後、どのような能力やスキルが身につくのか、どのようなキャリアパスがあるのかなどを伝えると、候補者は自分が働く姿をイメージしやすくなるでしょう。
また、先ほどもお伝えしたように、採用活動のゴールは「内定」ではなく、「入社」または「定着」ですので、内定を通知した後も動機づけを忘れずに行ってください。
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歩留まりから自社の採用課題を見つけてみよう
採用活動を改善するために欠かせない「歩留まり」について解説しました。今回ご紹介した「歩留まりが低下する主な理由」は、あくまで歩留まりの低下を招く「よくあるパターン」です。
低下する理由は企業によって異なりますので、さまざまなデータを集め、しっかりと分析することが重要です。
まずは歩留まりを計算して、課題のある部分を特定するところから始めてみてください。
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