採用お役立ち情報

2025.04.25 更新日:2025.04.25
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

フラクショナルタレントとは?期待できる効果と起用する際のポイント

近年、企業の人材活用のあり方が大きく変化しています。中でも注目を集めているのが、特定の専門スキルを持つ人材を必要な期間だけ起用する「フラクショナルタレント」の活用です。

フルタイムでの雇用が難しい状況でも、柔軟に高度な知見を取り入れられることから、スタートアップや中小企業を中心に導入が進んでいます。

本記事では、フラクショナルタレントの基本的な定義と注目されている背景に加え、起用することで得られる効果や起用する際のポイントを解説します。

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フラクショナルタレントとは?

フラクショナルタレント図解

フラクショナルタレントとは、一部の期間だけ企業に関わる、専門的なスキルや豊富な経験を持つ人材のことを意味します。

「フラクショナル(fractional)」は「部分的な」「ごく一部分の」という意味をもち、フルタイムや長期雇用ではなく、プロジェクト単位や数ヶ月単位での業務参加が一般的です。一時的に必要な人材を、人件費を抑えながらも柔軟に取り入れられる点が大きな特徴となっています。

スタートアップや中小企業をはじめ、特定の課題に対して即戦力となる人材を必要とする場面での活用が増加している状況です。

フラクショナルタレントについて詳しく知りたい人は、ソーシャルリスニングを提供するMeltwater Japan株式会社が公開した記事も参考にしてみてください。

参考:フラクショナルタレントとは?

注目されている理由

フラクショナルタレントが注目されている理由は、必要なときだけ専門性の高い人材と連携できる柔軟さにあります。

近年では、DX推進やグローバル展開、新規事業開発など、即戦力となる高度なスキルを持つ人材への需要が高まっています。しかし、通常そうした人材を正社員として確保するのはコストや雇用条件などの理由から難しいケースが多いです。

そこで、必要な時間やプロジェクト単位で関わってもらえるフラクショナルタレントの活用が、現実的な選択肢となります。

また、人件費を抑えつつ外部の優れた知見を取り入れられるという企業にとってのメリットに加え、人材側にも複数の企業での経験を通じてキャリアの幅を広げられるというのもメリットがあります。

働き方の多様化が進む中、企業と働き手の両者のニーズを柔軟に満たすものとして関心が高まっている仕組みです。

フラクショナルタレントを起用する効果

フラクショナルタレントを起用する効果図解

企業がフラクショナルタレントを起用することで期待できる主な効果を3つ紹介します。

  • 専門知識を活用できる
  • 企業の成長段階や事業展開に応じて柔軟に人材を確保できる
  • D&Iを効果的に推進できる
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専門知識を活用できる

フラクショナルタレントを起用することで得られる最大の効果は、特定領域における高度な専門知識を必要なタイミングで活用できる点です。

たとえば、DX推進やグローバル展開、マーケティング戦略、法務対応など、社内に十分な知見がない分野において、第一線で活躍するプロフェッショナルの知見を取り入れることで、的確な戦略立案や実行が可能になります。

フラクショナルタレントは、単なるアドバイザーではなく、プロジェクト単位で実務にも関与するため、即戦力として成果に直結するサポートが期待できるでしょう。

また、最新の業界動向や他社の成功事例など、内部人材だけでは得にくい知見を社内にもたらすことで、チーム全体のスキル向上にもつながります。

人件費を抑えながら専門性を補完できる点は、特に中小企業やスタートアップにとって大きなメリットです。

企業の成長段階や事業展開に応じて柔軟に人材を確保できる

フラクショナルタレントを活用することで、企業の成長段階や事業展開に応じて柔軟に人材を確保できます。

企業が新規事業の立ち上げ、または成長フェーズにある場合、すべての業務に対して人材をフルタイムで雇用することは現実的でないことも。そうした場面において、フラクショナルタレントを起用すれば、ピンポイントで足りないリソースを補うことが可能です。

また、短期的な支援だけでなく、中長期的な関与も可能であるため、経営や事業戦略において継続的に伴奏してもらう形も選択できます。変化の激しいビジネス環境において、人材の柔軟な最適配置は大きな強みとなるでしょう。

D&Iを効果的に推進できる

フラクショナルタレントの活用は、企業におけるD&I(ダイバーシティ&インクルージョン)の推進にも効果的です。

フラクショナルタレントの多くは、副業や子育て、介護などを理由にフルタイム勤務を選ばず、柔軟な働き方を希望しています。こうした人材を積極的に受け入れることは、多様な働き方や価値観を尊重する企業文化の醸成につながります。

また、フラクショナルタレントは、性別や年齢、国籍、キャリアの背景が多様であるというのが特徴です。社内チームに多様な視点が加わることで、より想像的なアイデアが生まれやすくなり、新たな市場機会の発見につながる可能性があります。

D&Iの実践を現場レベルで進める手段として、フラクショナルタレントの活用は非常に効果的なアプローチです。

フラクショナルタレントを起用する際のポイント4選

フラクショナルタレントを起用する際のポイント4選図解

続いて、フラクショナルタレントを実際に起用するにあたって、知っておきたいポイントを4つ紹介します。

  • 目的とゴールを明確にする
  • 専門スキルを持つ人材を探す
  • 企業の価値観やビジョンを共有する機会を設ける
  • 積極的にコミュニケーションをとる
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目的とゴールを明確にする

フラクショナルタレントを起用する際は、まず「なぜその人材が必要なのか」「どのような成果を期待するのか」といった目的とゴールを明確にすることが大切です。

目的が曖昧なままフラクショナルタレントを起用すると、役割が不明瞭になり、期待した成果を得られない可能性も。逆に、明確なゴールを共有できれば、フラクショナルタレントも自身の専門性を活かしやすくなり、限られた時間の中で高いパフォーマンスを発揮できるようになります。

プロジェクトの課題や現在のボトルネック、内部人材で補えないスキルギャップなどを十分に洗い出した上で、自社が必要とする人材像や求める成果を言語化しましょう。そして、業務内容や成果指標を契約前にすり合わせておくことで、スムーズな協働がしやすくなります。

専門スキルを持つ人材を探す

フラクショナルタレントは即戦力としての活躍が期待されるため、起用の際には自社の課題やフェーズに合った専門スキルを持つ人材を見極める必要があります。

たとえば、事業開発の立ち上げ時期なら企画に強い人材、海外展開を目指すならグローバル経験のある人材など、求めるスキルや専門性や状況によって異なります。スキルセットや経歴だけでなく、実際に過去にどのようなプロジェクトでどんな成果を出したのかも確認しましょう。

また、外部パートナーやタレントマッチングサービスなどを活用することで、自社が必要とする人材を探しやすくなる場合もあります。短期間で成果を求めるためには、専門スキルを重視して人材を選定することが大切です。

企業の価値観やビジョンを共有する機会を設ける

フラクショナルタレントはあくまで外部人材ですが、組織の一員として成果を出すには、企業の価値観やビジョンを理解してもらうことが欠かせません。

限られた時間の中でも、企業のミッションや事業の背景、将来のビジョンなどを共有する場を設けることで、タレント自身が目的意識を持って関わりやすくなります。逆に価値観の共有ができていないと、業務はこなせても企業の方向性とズレた成果になってしまう恐れがあるので注意しましょう。

特に、ブランド戦略や組織開発など、企業文化に深く関わる領域では、企業の価値観やビジョンの共有が成功の鍵となります。

オンボーディングのタイミングで経営層や主要メンバーと対話の機会を作ったり、ミッションステートメントを資料として渡したりと、形式にとらわれず共有方法を工夫できるといいでしょう。

積極的にコミュニケーションをとる

フラクショナルタレントを起用する際は、積極的にコミュニケーションを取ることが大切です。

フラクショナルタレントは多くの場合、リモート勤務や短時間での関与となるため、日常的なコミュニケーションの機会が少なくなりがちです。しかし、業務の背景理解や方向性のすり合わせが不十分だと、本来の力を発揮することができません。

そこで、積極的な情報共有とこまめなフィードバックの機会を設けることが重要です。たとえば、定例ミーティングの設定、チャットツールでの随時連絡、週次のレポート共有など、小さな接点を積み重ね、信頼関係を構築することが理想です。

特に、プロジェクトの進行スピードが速いスタートアップや成長企業では、些細なズレが大きなミスにつながることもあるため、密な連携が必須です。また、タレント側からの発言を促す姿勢も、円滑な協働の鍵となるでしょう。

まとめ

まとめ図解

今回は、フラクショナルタレントの特徴や起用効果、起用時の具体的なポイントなどについて紹介しました。

必要なタイミングや分野に応じて専門性をを取り入れられるフラクショナルタレントは、柔軟な働き方を求める人材とマッチしやすく、D&Iの観点からも注目されています。自社に必要なスキルや役割を明確にし、信頼関係を築きながら連携することで、短期間でも大きな成果を得られる可能性があります。

今後の人材戦略の一つとして、ぜひフラクショナルタレントの活用を検討してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

まるごと人事として530社以上の企業の採用支援
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2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと労務””まるごと経理”も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
コメンテーターとして出演。
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