採用・労務・経理に関するお役立ち情報

「募集要項」は“技術情報”ではない
中小建設企業が陥りがちなミスのひとつが、求人情報を「スペックの羅列」としてしか発信していないことです。
- 施工管理技士2級以上
- 普通自動車運転免許
- 月給25万円〜35万円
- 社会保険完備
- 週休2日制
たしかに必要な情報ですが、これは例えるなら「商品の性能表」のようなものです。求職者は単なる条件比較をしているのではなく、「この会社に応募したら、どんな未来が待っているか?」を想像したいのです。
この視点が欠けた求人情報は、よほど高待遇か立地条件がよくない限り、他社に埋もれてしまいます。
写真・動画・ストーリーの力
採用広報の肝は「共感」と「納得」です。
たとえば次のようなコンテンツは、特に若手や未経験者に響きやすいとされています:
- 現場の1日のスケジュール(写真や図解)
- 若手社員のインタビュー(入社の決め手/成長実感)
- 代表の思いと求める人物像
- 社内イベントや福利厚生の紹介
- 工事のビフォーアフター
「知らないから不安」が「なんかよさそう」になるには、視覚的・感情的な情報が欠かせません。
写真は高価なものでなくても構いません。スマートフォンで撮った現場の様子でも、丁寧に構成して伝えるだけで十分効果があります。
また、文字コンテンツだけでなく、1分程度のショート動画(社員のひとことや社内風景)もSNS上では特に有効です。
採用ページは「会社案内」+「採用動線」
今や自社サイトや採用ページは、最初に見られる「第一印象」です。
- スマホで見やすいレイアウトになっているか
- 求人票との情報差がないか
- 写真や言葉に“温度感”があるか
- 募集職種がすぐに分かるか
- 応募までの導線が分かりやすいか
上記を満たしていないと、どんなに魅力的な社風でも応募にはつながりません。
また、建設業界の採用ページでは「中途採用(現場職)」だけでなく、
- 若手向けのページ(例:高卒・専門卒)
- 女性社員のインタビュー
- IT・設計志向人材へのアピール
など、求職者の属性に応じて“切り口”を分けた設計が効果を発揮します。
地方企業こそ「外の視点」を
発信する内容は「当たり前すぎて書かないこと」が最も響きます。
たとえば、
- 月1回の全社会議で社長が全社員と話す機会がある
- 新人は半年間、ベテランとペアを組んで現場を回る
- 資格取得の受験費用や講習代は全額会社負担
これらは企業にとっては当たり前でも、求職者にとっては応募の決め手になり得ます。
だからこそ、発信は“社内ではなく、社外の目線で見直す”ことが大切です。
可能であれば、求職者視点に近い20代社員や外部の採用パートナーと一緒に、コンテンツを整理・設計していくのが理想です。
次回予告
次回は、採用活動の成功確率を大きく左右する「面接・選考」の工夫についてお伝えします。「見極める」だけでなく「惹きつける」プロセスとしての面接設計を、具体例とともに解説します。
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