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少子高齢化による労働人口減少は、企業にとって優秀な人材の確保を困難にしています。そこで注目されるのが、応募者のスキルを実務に近い形で評価する「ワークサンプルテスト」です。
しかし、導入には手間と時間がかかり、効果的な活用法に悩む採用担当者も少なくありません。
本稿では、ワークサンプルテストのメリットと実施のポイントや作成方法を解説します。自社で活躍できる人材を見極めるために、ぜひ参考にしてください。

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ワークサンプルテストとは
ワークサンプルテストとは
ワークサンプルテストとは、採用選考において、求職者に実際の業務を模した課題に取り組んでもらう選考手法です。いわば、選考中のインターンシップとも言えるでしょう。
従来の質疑応答型の面接では見えにくい、応募者のスキルや適性を評価できるため、近年注目されています。
特に、業務内容が明確な企業や、ITエンジニア、技術開発など専門知識が求められる職種において有効です。新卒・中途採用のどちらにも活用できますが、職種が明確な中途採用でより効果を発揮します。
世界的に有名なGoogleも、選考でワークサンプルテストを実施しており、その有効性が伺えます。
ワークサンプルテストの実施タイミング
ワークサンプルテストの実施タイミングは、一次・二次面接を通過した候補者を対象に、最終面接の直前に実施されることが多いです。実施期間は、数時間から半日、または一日かけて行われます。
ワークサンプルテストは、「半日から1日の体験入社」「半日のオンライン体験入社」「課題提出と社員との意見交換」などの形式で実施されます。
【ワークサンプルテストの例】※1日体験入社の場合
- 09:00 ワークサンプルテストの説明、社員との自己紹介
- 09:30 1日の流れ、企業説明、オフィス見学
- 10:00 課題への取り組み
- 12:00 社員との昼食(意見交換含む)
- 13:00 課題への取り組み
- 17:00 課題解決の発表、フィードバック
- 18:00 終了
ワークサンプルテストの導入目的
ワークサンプルテストの導入目的は、主に以下の3つが挙げられます。
1.優秀な人材の確保
従来の面接では判断が難しいスキルや適性を可視化し、能力的なミスマッチを防ぐことで、より優秀な人材の確保が可能です。事前に候補者の能力を把握することで、採用の精度を高め、企業と候補者双方にとって最適なマッチングを実現します。
2.スキルレベルのチェック
ワークサンプルテストは、候補者のスキルレベルを的確にチェックできます。従来の面接では、経歴や自己申告に基づくスキルのみで判断するため、実務能力との間にギャップが生じることがあります。
一方、ワークサンプルテストでは、実際の業務を模した課題を通じて、候補者のスキルが自社の求める水準に達しているかを客観的に評価できます。これにより、スキルに関するミスマッチを防ぎ、より適切な人材配置が可能となります。
3.採用後のミスマッチの防止
ワークサンプルテストは、採用後のミスマッチを防ぐ有効な手段です。実務に近い課題を通じて、企業と候補者が互いのスキルや業務内容を深く理解することで、「入社前の想定と実際の業務内容が異なる」というギャップを減らせます。
また、事前に把握したスキルに応じてOJT内容を調整することで、入社後のスムーズな立ち上がりと早期のパフォーマンス発揮を促進します。候補者にとっても、入社後の成長やキャリアパスが明確になり、仕事へのやりがいを感じやすくなるでしょう。
結果として、早期離職を防ぎ、定着率向上に繋がります。ワークサンプルテストは、企業と候補者双方にとって有益な選考手法と言えます。
ワークサンプルテストの重要性
限られた人手で成果を上げる
ワークサンプルテストを実施することで、候補者のスキルや適性を事前に詳細に把握し、最適な人材配置が可能になります。これにより、入社後の部署配属のミスマッチを防ぎ、各人材が最大限に能力を発揮できる環境を構築できます。
また、事前に把握したスキルに応じて業務を割り当てることで、チーム全体の生産性が向上します。結果として、社員数が限られた企業でも、少数精鋭で高いパフォーマンスを発揮できる組織を実現できます。
売り手市場により求人倍率が高まっている
有効求人倍率の上昇により売り手市場は、採用倍率が高まっています。理想の人材確保が困難な状況下で、ワークサンプルテストは重要な役割を果たします。
採用要件の緩和では応募が集まりにくい現代において、ターゲット像を明確化し、マッチする人材を少数でも確実に見つけることが採用成功の鍵となります。
ワークサンプルテストは、候補者のスキルや適性を事前に把握し、企業と候補者のミスマッチを防ぎます。これにより、効率的かつ質の高い採用活動が実現可能となります。

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ワークサンプルテストのメリット
ワークサンプルテストを実施することによるメリットは、多岐にわたります。主に以下の4つが挙げられます。
1.自社に合う人材を見極められる
ワークサンプルテスト最大のメリットは、自社に合う人材を見極められることです。経歴や面接では見えにくい実務能力を、実際の業務に近い課題で評価し、ミスマッチを防ぎます。
即戦力人材の効率的な採用、既存社員との連携強化、OJT時間短縮など、多岐にわたる効果が期待できます。
企業は候補者の能力を事前に把握することで、最適な人材配置と育成計画が可能となり、早期のパフォーマンス発揮を促せます。
2.面接が効率的に実施できる
ワークサンプルテストを実施することで、候補者のスキルや能力を事前に把握できるため、面接では価値観、志向性、企業文化への適合性など、候補者の内面を深く理解することに集中できます。
ワークサンプルテストと面接で、候補者の評価項目を分担することで、候補者の多角的な情報を効率的に収集し、より精度の高い人材評価が可能となります。これにより、限られた面接時間を有効活用し、企業と候補者双方にとって最適なマッチングを実現できます。
3.入社後すぐに高いパフォーマンスを発揮してくれる
ワークサンプルテストを実施することで、候補者は入社前に業務内容を理解し、スムーズに業務へ移行できます。特に、経験者採用やマネージャー採用など、専門性の高い職種においては、候補者のスキルレベルを客観的に評価することが重要です。
ワークサンプルテストの結果に基づき、前職での実績や能力を詳細に把握することで、企業は求めるスキルと経験を持つ人材を的確に採用できます。これにより、入社後すぐに高いパフォーマンスを発揮できる「即戦力人材」の確保が実現します。
4.採用コストの削減
ワークサンプルテストの導入は、初期費用や人事リソースを要しますが、長期的な視点では採用コストの削減に繋がります。候補者のスキルと適性を事前に評価することで、採用ミスマッチによる再募集や、早期離職に伴う追加の採用費用を抑制できます。
具体的には、求人広告費、人材紹介手数料、そして再選考にかかる時間的コストなどが削減可能です。一度ワークサンプルテストのフローを確立すれば、継続的な採用活動におけるコストを大幅に削減し、効率的な人材確保を実現できます。
ワークサンプルテストのデメリット
一方で、ワークサンプルテストを導入することによるデメリットは何でしょうか。
1.選考期間の長期化
一つ目は選考期間が長期化し、候補者の負担が増加することです。入社までの期間が長引くと、選考途中で辞退者が出る可能性があります。
より良い採用を目指して導入したワークサンプルテストが、かえって候補者の離脱を招いてしまうのは本末転倒です。候補者の負担を軽減し、離脱を防ぐために、「背景説明」や「依頼のタイミング」を工夫する必要があります。
2.選考辞退の可能性増加
ワークサンプルテストの存在自体が、応募や選考辞退につながる可能性もあります。
特に求人倍率が高い現代において、求職者は基本的に「企業を選べる立場」です。そのため、企業はできる限り早期に内定を出し、優秀な人材を採用したいと考え、選考のスピードを重視する必要があります。
3.ディレクション工数が増加する
選考プロセス中にワークサンプルテストを実施すると、問題の作成や確認などディレクション工数が増加し、新たなリソースが必要になります。
人事部の人員が豊富な企業であれば問題ありませんが、専任の採用担当者がいない、または人員が少ない企業の場合、リソースの増加がデメリットとなる可能性があります。
ワークサンプルテストを実施する場合は、自社に十分なリソースがあるか、一時的なリソース増加に対応可能かを把握した上で進めましょう。

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ワークサンプルテストの作成方法
ワークサンプルテストの作成を検討している企業の方は、以下の手順を参考にしてください。
1.ペルソナ設計
まず、採用したい人物像を具体的に定義します。年齢、スキル、価値観など多岐にわたる要素を含め、テストの焦点を絞ります。例えば、営業職ならコミュニケーション能力を重視するなど、評価基準を明確にします。
2.課題・評価基準の設計
次に、業務で直面する課題を想定し、候補者の能力を評価する課題を作成します。同時に、客観的かつ測定可能な評価基準を設定します。プログラミングならコードの速度、正確性などを評価基準とします。
3.テストの作成
具体的なタスクや質問を含むテストを作成します。テストの客観性と一貫性を確保するために、タスクの完了度、正確性、効率性など、具体的なパフォーマンス指標に基づいて評価基準を設定します。
評価基準は明確かつ具体的であり、全ての評価者が同じ基準に従って評価することが大切です。また、テストの形式や時間配分も考慮します。
4.実施
テストを実際の選考で実施し、評価基準に基づき客観的に評価します。評価結果は候補者へフィードバックすることで成長を促し、テスト後は有効性を評価し改善を図ります。ワークサンプルテストを受ける候補者の中には、合格し自社の戦力として活躍する可能性を秘めた人材もいます。
不採用となった候補者に対しても、丁寧なフィードバックをすることで、「真摯に対応してくれた」と好印象を与え、自社のファン化や、口コミによる良い評価の拡散につながる可能性があります。
まとめ
ワークサンプルテストは、候補者の入社後の業務に近い仕事を通してスキルや適性を見極め、入社意欲の向上やミスマッチ防止に繋がる有効な採用手法です。選考期間の長期化や現場の工数増加といった課題に対しては、事前に評価項目を明確にし、評価基準を統一することで対応できます。
候補者が入社後のイメージを持ちやすくなるよう、実施の目的と有用性を十分に伝え、お互いにとって有益な時間となるよう工夫しましょう。

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