採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2024.10.25 更新日:2025.07.11
この記事の監修者:矢上 真季

この記事の監修者:矢上 真季

ベンチャー・スタートアップ企業が参考にすべきSNS採用活用事例

SNSの普及に伴い、企業の採用活動も大きく変化し始めています。求人媒体に頼る従来の手法では接点を持ちづらかった潜在層ともつながれるSNS採用は、ターゲットに応じた柔軟なアプローチが可能な手法として注目されています。

一方で、ただアカウントを開設して投稿を続けるだけでは、期待した成果にはつながりません。採用活動の一環としてSNSを活用するには、設計と運用の両面で戦略的な思考が求められます。

今回は、SNS採用を成果に結びつけるために押さえておきたい成功のポイントについて、実践的な視点から解説していきます。

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関連動画:採用広報の概要

SNS採用とは

SNS採用とは

SNS採用とは、その名の通りSNSを用いて新卒・中途採用を行う手法を指します。総務省の統計(※表1)からも分かる通り、全世代平均と比較してもZ世代(10代〜20代)のSNS利用時間が特に長いことが目立ちます。

そのことから、SNSを採用活動のチャネルの一つとして用いることで一定の効果が期待できるのではないかと考えられています。

(※表1)

平日/休日

全世代のSNS平均利用時間

10代のSNS平均利用時間

20代のSNS平均利用時間

30代のSNS平均利用時間

平日

40分

64分

84分

46.2分

休日

45分

74分

114分

50.5分

参照:総務省情報通信政策研究所_令和3年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書(https://www.soumu.go.jp/main_content/000831289.pdf?_fsi=IgGanMgk&_fsi=YTKZeDac

SNS採用については、以下記事でも詳しく紹介しているのでぜひ参考にしてください。

SNS採用で成果を出すために押さえたい3つの成功ポイント

SNS採用で成果を出すために押さえたい3つの成功ポイント

SNSを活用した採用活動で成果を得るには、設計段階から明確な意図を持って進めることが大切です。採用戦略を立てずに投稿を続けても、思うような効果は得られません。誰に向けて何を伝えるのか、媒体ごとの特性に応じて最適な手法を選ぶ必要があります。

さらに、コンテンツを通して興味を引き出し、応募までの導線を意識した設計が求められます。加えて、運用後の振り返りも不可欠です。投稿結果を分析し、改善を繰り返しましょう。

ここでは、SNS採用の成果を高めるために意識したい3つの観点を紹介します。

ターゲット層を明確に設定し最適な媒体を選ぶ

SNS採用を成功させるには、まず対象となる人物像を具体的に描くことが必要です。年齢や関心、利用している媒体の傾向を把握し、ペルソナを設定しましょう。

たとえば、ビジュアルで訴求したい場合にはInstagramが向いています。一方で、情報収集を重視する層にはX(旧Twitter)のほうが適しています。

広く発信するのではなく、採用したい人材の行動パターンに合わせて媒体を選ぶことで、無駄のない運用が可能になるでしょう。発信する情報の形式や頻度も、メディアごとの特性を踏まえて最適化することが成果を左右します。

共感を生むコンテンツ設計で応募意欲を高める

求職者に興味を持ってもらうには、情報だけでなく感情に訴える発信が効果的です。現場の様子や働く社員の姿をリアルに伝えることで、応募へのハードルを下げられます。

たとえば、仕事に向き合う姿勢や入社後の成長ストーリーなどは、多くの求職者に響く内容です。投稿内容にストーリー性を持たせ、閲覧者の心に残る設計を意識しましょう。

また、画像や動画を活用することで、視覚的な印象も強まります。一方的な情報ではなく、見た人が共感しやすい構成にすることで、応募意欲を高めることが可能です。

継続的な運用とデータ分析でPDCAを回す

SNS採用の成果を継続的に得るには、投稿後の分析を行い、改善を繰り返す姿勢が欠かせません。エンゲージメント数やクリック率、フォロワーの増減といった指標をもとに、どのような投稿が効果的かを見極めましょう。

分析結果をもとに仮説を立て、次の発信内容へとつなげることで、運用の精度が向上します。改善が反映されることで、採用活動はより効果的になります。

また、数値に基づいた振り返りは社内共有にも役立ちます。

採用活動におけるXの活用事例

採用活動におけるXの活用事例

X(旧Twitter)は国内で月間6,650万人を超えるユーザーが利用するといわれており、「#転職」を用いた転職活動の事例も見受けられます。

Xを用いた採用活動の事例を紹介します。

株式会社Kaiketsu

株式会社Kaiketsuは採用領域に特化したWebマーケティング事業を行う企業で、2022年に設立されました。Xアカウント開設から25日でフォロワー数1,000名を突破し、採用マーケティング専用のアカウントも保有するなど、Xでの採用活動に注力しています。

本企業はXの活用にあたって、転職ハッシュタグの活用、1日1ポストという投稿頻度、トレンドランキング上位に入っているトピックを交えた投稿、画像・動画を用いたユーザーの目を惹くポスト内容などの取り組みによって、フォロワー数の獲得を実現しました。

必ずしも自社の紹介のみではなく、トレンドに触れるなど多くのユーザーに触れる機会をうまく創出した点が成功の要因だと考えられます。

株式会社favy

株式会社favyは飲食店関連事業の運営、同領域にて利用できるSaaSサービスを展開している2015年設立の企業です。採用広告費を一切かけず、Xユーザーの採用に成功した実績があります。

どのような人材が欲しいのかというターゲット要件の明確化、興味・関心を惹く文面作成、やり取りのスピードを重視し、X上で9名にDMを送付し1名の採用を実現しました。

X上で把握できる候補者の情報は限られていますが、これまでの投稿内容やそこからみえる人柄や志向性のイメージを膨らませるといった丁寧な分析を行い、実行に移した点が特徴的な事例です。

株式会社KOMPEITO

株式会社KOMPEITOはオフィスワーカー向け福利厚生サービスのOFFICE DE YASAIの企画・運営、メディアビジネスのOFFICE DE MEDIAの企画・運営、サラダ自販機SALADA STANDを運営する2012年設立の企業です。

新鮮な野菜やフルーツを抽選でプレゼントする企画を度々投稿し、応募条件としてアカウントのフォローやRTをお願いするなど、Xを活用した幅広いユーザーに対するアプローチが見受けられます。また、プレゼント企画のみではなく、資金調達の状況や、入社者のインタビュー記事、ビジネス事例など、自社への興味・関心を持ってもらうための投稿も積極的に行っています。

自社の取り組みを知ってもらうためのきっかけ作りと、採用関連情報の発信という広報・採用の両軸でXをうまく活用している点が特徴的です。

採用活動におけるFacebookの活用事例

採用活動におけるFacebookの活用事例

Facebookは国内月間2,600万人が利用しているSNSで、20代から40代が主なユーザーだといわれています。

上記のXと比べると長文投稿が多く、ビジネス関連の投稿も目立ちます。

株式会社コロプラ

株式会社コロプラはエンターテイメントや投資育成事業を主軸とする企業です。Facebook上で採用専用のアカウントを開設しており、約1,500人のフォロワーを獲得しています。

新卒向けのインターンシップ情報や、座談会・説明会など就職活動に関連する情報を発信する一方で、直近のビジネスに関する投稿も頻繁に行っています。例えば、生成AIなどの昨今のトレンドを組み込んだ新しいゲームタイトルの発表などは、コロプラに興味を持ってもらうきっかけを提供しているといえるでしょう。

自社ビジネス事例の紹介を通じてファンを増やす取り組みを仕掛けながら、新卒採用に関する具体的な情報を発信しているのが特徴的です。

ソフトバンク株式会社

ソフトバンク株式会社は通信・インターネットサービスの提供、携帯端末の販売を手掛ける大手企業です。ベンチャー・スタートアップに括られる企業ではありませんが、Facebookの活用において参考にすべき取り組みがあります。

ソフトバンクは新卒・中途採用それぞれのアカウントを運用しており、大手企業でありながら自社ビジネスを知ってもらうための発信を続けています。また、新卒採用アカウントでは内定者のインタビュー記事など、学生がソフトバンクを志望する理由を考える上で参考になる情報も発信しています。

自社が手掛けているビジネスの具体例を丁寧に発信している点は、ベンチャー・スタートアップ企業も参考にできる部分があるのではないでしょうか。

採用活動におけるYouTubeの活用事例

採用活動におけるYouTubeの活用事例

YouTubeは国内7,000万人以上のユーザーが活用する動画プラットフォームです。自社の広告を視聴動画の合間に流したり、アカウントを保有して積極的に自社に関する動画を発信する活用方法が目立ちます。

また、YouTubeでは最長3分程度のショート動画と呼ばれるコンテンツ投稿も可能で、ユーザーは気軽に視聴できることから再生回数を伸ばしやすく、チャンネル登録者の獲得にも繋げられる可能性があります。

サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は業務効率化のためのITサービスを幅広く展開している企業です。YouTube上では採用の公式チャンネルを運用しています。

動画の内容は非常に充実しており、企業研究や取り組んでいるビジネス内容をまとめた3分動画、動画視聴者からの質問に答えるQ&Aセッション、サイボウズでのキャリアに関する情報など、サイボウズで働くことに興味を持たせる内容を発信しています。

中でも、サイボウズの各事業部・職種ごとに動画を作成し、具体的にどのような仕事をするのかまで詳しく紹介している点は特徴的です。動画を視聴すれば、サイボウズが何をしている会社で、どんな仕事ができるのかなど具体イメージが湧くようなコンテンツを発信しているので、視聴者の興味・関心を惹く上で効果的な運用を実現しています。

株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーはゲーム・ライブコミュニティ・スポーツ・まちづくり・ヘルスケアなど、幅広い事業を展開している大手IT企業です。

YouTubeでは、ディー・エヌ・エーに入社した社員のバックグラウンドを振り返る動画や、最新のビジネス取り組み事例など、ディー・エヌ・エーという企業を知るための情報が豊富に公開されています。また、新卒採用責任者が考える「ディー・エヌ・エーで活躍する人材」といった動画も公開されており、企業研究や面接対策時の参考になる情報が多く、企業を知ってもらうための情報・採用に関連する情報の両方を発信しています。

ディー・エヌ・エー創業者の南場氏も動画に登場しており、経営者の想いや考えに触れられる点も魅力です。また、ショート動画の投稿もあり、思わず続きを視聴したくなるような本動画への導線を考えた丁寧な設計になっています。

採用関連情報を軸に、ディー・エヌ・エーで働く面白さなどをYouTubeを用いて丁寧に発信している点が特徴的です。

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採用活動におけるTikTokの活用事例

採用活動におけるTikTokの活用事例

TikTokはショート動画といわれる短い時間で動画を楽しめる点が特徴的なプラットフォームで、国内で月間2,700万人が利用しています。

動画内ではオフィスの雰囲気や社員同士の仲の良さを発信しているコンテンツが目立ちます。

株式会社BEEM

株式会社BEEMはマーケティング・映像制作を手掛ける企業で、2020年に設立されました。TikTokでは46万人を超えるフォロワー数を獲得しており、認知度の向上において高い成果を実現しています。

7名程の社員がオフィス内で踊っている動画や、社長と若手社員が交流している動画、バーベキューを楽しんでいる動画など、視聴者に和気藹々とした職場である印象を与えます。

「フラットな職場で働きたい」「こんな人たちと働きたい」といった視聴者の第一印象にストレートに訴えかけるわかりやすい動画内容がフォロワー数獲得に繋がっていると考えられます。

BEEMアカウント:https://www.tiktok.com/@beem_official

株式会社ハーバルアイ

株式会社ハーバルアイは漢方の通信販売、薬局店舗の運営、製薬栽培などを手掛ける企業で2015年に設立されました。「全力会社員のよこちゃん」という名前でアカウントを運用しており、30万人を超えるフォロワー数を有しています。

おすすめの食事や美容などプライベートな内容や、働くことの大変さを面白おかしく動画にまとめており、法人アカウントというイメージをほとんど与えない手法が特徴的です。まず本アカウントに興味を持ち、ハーバルアイという会社を知るという流れで自社の認知度向上に役立てている印象です。

オフィスや働いている社員の紹介に特化していない点がほかの企業との差別化になっています。

ハーバルアイアカウント:https://www.tiktok.com/@herbal_i

採用活動におけるInstagramの活用事例

採用活動におけるInstagramの活用事例

Instagramは画像・動画のプラットフォームとして国内で月間6,000万人を超えるユーザー数を誇ります。

画像・動画×文面でわかりやすく端的なコンテンツを発信している企業が目立ちます。

株式会社サイバーエージェント

株式会社サイバーエージェントはメディア・インターネット・ゲーム・投資育成事業を手掛ける企業で、Instagram上では新卒採用アカウントも運用しています。

ビジネス職・クリエイター職など職種ごとにアカウントを使い分けており、それぞれで事業紹介・内定者の紹介・選考情報・面接対策など、サイバーエージェントを志望する就職活動生にとって参考になるコンテンツを多く配信しています。

特に、面接対策内容はサイバーエージェントに特化したものではなく、就職活動において他社でも活用できる情報となっており、ガクチカを作成する際の注意点などにも丁寧に言及しています。

就職活動の準備としてサイバーエージェントの投稿を参考にでき、同時に同社にも興味を持たせるような導線が設計されているのが特徴です。

成果につながるSNS採用を実現するために必要な視点

成果につながるSNS採用を実現するために必要な視点

SNSを採用活動に取り入れる企業は年々増えていますが、成果を得ている企業には共通点があります。目的とする人物像を明確にし、適切な媒体を選定したうえで、心を動かすコンテンツを届けている点です。

さらに、短期的な結果に一喜一憂せず、継続的な運用とデータに基づく改善を重ねることで、採用成果を最大化しています。SNS採用は手軽に始められる一方で、戦略なくしては埋もれてしまうリスクもはらんでいます。

自社に合ったスタイルを見極め、丁寧な設計と運用を心がけることが、長期的な採用力の向上へとつながるでしょう。

SNS採用のお悩みはマルゴトへ

SNS採用のお悩みはマルゴトへ

社内でSNS運用を行うには、採用戦略の設計や媒体ごとの特性理解、継続的な発信と分析といった多くのタスクを並行して進める必要があります。限られた人員と時間のなかで成果を出すには、運用面での知見や専門的なサポートが求められる場面も少なくありません。

そんなときに頼れる存在が、採用支援を専門とする外部パートナーです。SNSを活用した採用活動においても、ターゲット設計からコンテンツ制作、効果測定まで一貫して対応できるサービスを選ぶことで、社内負担を抑えながら理想の人材にアプローチできます。

マルゴトでは、SNS採用に関する課題に寄り添い、戦略設計から運用代行までを包括的にサポートしています。

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この記事の監修者:矢上 真季
この記事の監修者:矢上 真季

マルゴト株式会社まるごと人事事業部 ゼネラルマネージャー

新卒でニトリ、2社目でLINEに入社し、リクルーター兼採用広報専任者として従事。マルゴトには2020年に入社。マネージャーとして複数のITスタートアップ・ベンチャーの採用を支援。
「まるごと人事」のゼネラルマネージャーと採用広報・ピッチ資料制作を代行するサービスの責任者を兼任。自社の採用マネージャーとしても従事。

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