採用・労務・経理に関するお役立ち情報

仕事探しで最も気になるのは、企業の給与や福利厚生だけではありません。「どんな人が働いているのだろう?」「実際の職場の雰囲気は?」「入社後のギャップはないか?」—誰もが、企業サイトの裏側にあるリアルな情報を求めています。
求人広告だけでは伝えきれない、自社の魅力や社風を求職者に届ける最強のツールが「採用サイト」であり、その核となるのが「社員インタビュー」です。
本記事では、採用のミスマッチを防ぎ、求職者のエンゲージメントを高める社員インタビューを載せるメリットと、応募意欲を刺激する効果的な質問内容を徹底解説します。「社員インタビューで何を聞けばいいか分からない」「どんなコンテンツが求職者の心を掴むの?」とお悩みのご担当者様は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。

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社員インタビューの目的・効果

採用サイトに社員インタビューを掲載する目的と効果は、主に以下の4点に集約されます。これらの点を明確に言語化しておくことで、どのようなコンテンツを作るべきかが分かり、質の高い採用コンテンツ制作につながります。
1. 入社後の具体的なイメージ形成
採用候補者は、給与や福利厚生などの条件面が良くても、実際にその会社で働くことに対して漠然とした不安を抱いています。社員インタビューを読むことで、候補者は入社後の生活を具体的に想像できるようになります。どのような人と一緒に働くのか、先輩となる人の顔や人柄、具体的な一日のスケジュール、仕事のやりがいや苦労といった情報に触れることで、応募の判断材料を得られるのです。
したがって、社員インタビューにおいては、単に企業を「良く見せる」ことよりも、会社のリアルな姿を正直に伝えることが極めて大事になります。
2. ミスマッチを防ぐ
社員インタビューを通して、企業が求める人物像や、会社の文化にフィットする人柄、現在活躍している社員の特徴を伝えることができます。
これにより、自社に合わない人からの応募を減らし、望む人材からの応募を増やすことが可能になります。候補者は自身が会社に合いそうかを判断した上で応募してくれるため、企業と候補者とのマッチ度を高める効果が期待できます。採用サイトを制作する側も、誰に何を伝えたいのかという意図を持ってコンテンツを作成することが不可欠です。
3. 他社との差別化に貢献する
もしユニークな経験を持つ社員や、際立った個性を持つ社員がいれば、そのエピソードを伝えることで他社との明確な差別化を図れます。特に、複数の企業から内定をもらっている候補者に対しては、内定承諾率を高める上で有利に働きます。
さらに、魅力的な社員インタビュー記事はSNSなどでシェアされやすく、認知拡大にもつながる効果が期待できます。
4. 社員のモチベーション向上と社内エンゲージメント強化
社員インタビューはポジティブな内容を発信する場となるため、インタビューを通じて社員自身が働きがいや会社の良い部分を再認識し言語化することで、「よし、頑張ろう!」というモチベーションアップにつながります。
また、複数社員による座談会形式にすると、社員同士の信頼関係が深まり、仲間意識が向上するという社内的な効果も生まれます。動画として公開すれば、その楽しげな雰囲気もより伝わりやすくなります。
5. コンテンツの二次利用による相乗効果
採用サイトで制作した社員インタビューは、一度きりのコンテンツではありません。これをSNSや求人サイト、採用広告などで発信し二次利用することで、各媒体の採用コンテンツが充実し、相乗効果で企業理解や認知拡大につながる一石二鳥の効果が得られます。
採用サイトにおける社員インタビューの作り方

採用サイトの社員インタビューを効果的に制作するためのプロセスを、以下の4つのステップに分けて解説します。この順番で進めることが、コンテンツの質を高める上で大切です。
1. ゴール(目的)を明確に定める
まず、社員インタビューを読者に届ける最大の目的を一つに絞って決定します。
- 目的例: 応募数を増やすためなのか、内定承諾率を高めるためなのか、あるいは早期退職を防ぐためなのか。
目的を「企業理解を深める」「入社後のイメージをしてもらう」といった抽象的なものに留めてしまうと、具体的な質問内容や最適なインタビュー対象者を決定できません。また、応募や内定承諾など複数の目的をすべて均等に設定してしまうと、質問項目や分量が多くなりすぎて読者の記憶に残らず、途中で離脱されるリスクが高まります。インタビュー対象の社員数が多い場合は、なおさら質問項目を絞る必要があります。
目的を多数設定するのではなく、読んでもらう最大の目的を一つに絞ることで、「何が言いたいのか分からない」「誰にも響かない」といった事態を防ぐことができます。
- ゴール設定の具体例:
- 「社員の1日を理解してもらう」が目的の場合:平均的な業務活動をしている社員を選び、インタビュー内容も人柄より業務風景を多く説明します。
- 「魅力的な社員をアピールしたい」が目的の場合:業務紹介よりも人柄や仕事での活躍を押し出した内容が中心となります。
伝えるべき内容に迷った場合は、自社の社員に「入社前にどんな情報を知りたかったか?」と尋ねてみましょう。「一緒に働く社員の性格が知りたかった」「業務のやりがいや苦労が知りたかった」といった声は、採用候補者が求めるリアルなニーズであり、コンテンツのヒントになります。
2. ゴール達成のための質問項目を作成する
最初に設定した最大の目的から逆算して、社員インタビューの質問リストを作成します。この最大の目的を達成するための質問を核として、プラスアルファで補足的な質問を加えていきます。
- 応募数を増やす目的の場合:入社前の会社のイメージ、応募した理由、応募前に魅力に感じたことなどの質問が中心となります。
- 内定承諾を高める目的の場合:入社の決め手になった理由や、入社を決めるためにどんな情報が必要だったのかといった質問を中心に構成します。
具体的な質問例については次章で詳しく紹介します。
3. 質問内容にふさわしい人物を選定する
目的と質問項目が定まったら、次にインタビューの質問内容に最もふさわしい人物を選びます。
選定基準は、「こんな社員と同じような人に応募してもらいたい」と思える、採用したい人物像に近い社員を選ぶのが基本です。求める人材からの応募を促進しやすくなります。
また、募集職種や配属部署、先輩社員が決まっている場合は、一緒に働くことになる上司やチームメンバーを起用すると、候補者にとってより具体的な入社後のイメージにつながり効果的です。
4. その人ならではの個性を引き出す
制作の最終段階として、インタビューを受ける社員ならではの個性を最大限に引き出しましょう。「人」こそが競合他社と最も差別化できる要素となります。
業務内容に関する話だけでなく、プライベートの過ごし方や人生で印象に残った出来事など、その人の人柄や価値観が伝わる質問を意図的に加えることで、コンテンツに深みが増し、読者の共感や親近感を生み出すことができます。
ワンポイントアドバイス:現場でのインタビューがもたらす効果
採用サイトの社員インタビューにおいて、複数人を掲載する際、工数削減のために同じ日に同じ場所で撮影することが多くあります。しかし、その結果として全ての社員インタビューが同じ背景になってしまい、読んでいる採用候補者にとってはマンネリに感じられてしまう可能性があります。
このような状況を避けるため、可能であれば、それぞれの社員の仕事の持ち場(実際の現場)でインタビューを行うことをお勧めします。
実際の現場でインタビューすることにより、現場のリアルな雰囲気が伝わり、採用候補者が入社後に働くときの具体的なイメージをより強く持つことができます。さらに、背景が異なることで採用サイト全体のコンテンツにメリハリが生まれ、視覚的なメリットも多く得られるでしょう。
したがって、インタビューする場所を変えること、そして実際の現場でインタビューすることでリアルな雰囲気を伝えること、この2点を意識してみてください。

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社員インタビューの質問例と活用法

社員インタビューでどんな質問をすれば良いのか、代表的な質問例を紹介します。
1. 応募のきっかけ
- 主な質問例: どのように会社の存在を知りましたか?応募しようと思った理由はなんですか?入社前にどんなイメージを持っていましたか?
- 中途採用の場合: 転職を決めた理由を教えてください。転職先はどのように探しましたか?
応募率を高めるために有効です。候補者が「応募」というキーワードを目にすることで、同じアクションにつながりやすくなります。また、応募の理由はポジティブな内容なので、仮に応募につながらなくても採用候補者に会社の良い印象を与えられます。
2. 選考の印象
- 主な質問例: 入社試験や採用面接で印象に残っていることはありますか?入社試験や採用面接のどんな準備をしましたか?
採用サイトで目にすることは珍しいですが、応募率を高める効果があります。採用候補者が自身の選考をシミュレーションできるため、応募のハードルが下がります。
3. 内定承諾
- 主な質問例: 内定を承諾した理由を教えてください。他の会社と比較しましたか?
内定承諾率を高める効果があります。もし他の会社からも内定をもらっていた上で現職を選んだとすれば、その理由を記載することで良い印象を与えます。採用候補者が複数の内定をもらっていたときも、先回りして同社を選んでもらうきっかけを与えられます。
4. 入社前後の印象
- 主な質問例: 入社前後でイメージの違いはありましたか?
応募を増やす効果、早期退職を減らす効果がメインになります。早期退職の理由のほとんどが、入社前と入社後のギャップです。これを先回りして社員が回答しておくことで、採用候補者が自分に合うか合わないかの判断材料となります。
5. 普段の業務
- 主な質問例: 1日の仕事の流れを教えてください。日頃の業務内容を教えてください。他にどんなメンバーがいますか?
応募増加や早期退職の減少の効果があります。1日のスケジュールは一覧できるように図にして可視化すると伝わりやすいです。
6. 業務のやりがい・苦労
- 主な質問例: 仕事のやりがいを教えてください。印象に残っている仕事はなんですか?苦労したこと、どうやって乗り越えたかを教えてください。入社して成長したこと、身についたスキルなどを教えてください。
生々しい部分で個性も出やすく重要な質問項目です。ここが採用候補者に伝わるかどうかで、応募の成果が変わってきます。ポジティブな内容だけでなく、苦労話や課題に感じていることなども盛り込みましょう。ネガティブな話を入れると応募率が悪くなると思われがちですが、むしろ綺麗事やリアリティのない採用サイトを候補者は嫌います。
リアルを伝えることで仮に応募率が下がったとしても、早期退職を防ぐメリットがあります。企業の採用にとって最もダメージが大きいのは早期退職です。
7. 社風・カルチャー
- 主な質問例: どんな人がこの会社に向いていますか?この会社の良いと思うところを教えてください。どんな人と一緒に働きたいですか?
会社が望む人物に応募してもらうために重要な質問項目です。ストレートに「どんな人と一緒に働きたいですか?」「どんな人が会社に向いていますか?」など聞きましょう。
8. 今後の目標
- 主な質問例: 今後の目標を教えてください。応募や入社を検討している人にメッセージをお願いします。
応募するかの判断材料になります。採用候補者は入社直後のことだけでなく、将来のキャリアなども考慮に入れて応募する会社を決めます。既存社員の今後の目標は、候補者自身の将来像の参考になります。応募の最後の一押しに、採用候補者に向けたメッセージがあると良いです。

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社員インタビュー作成で重要なポイント

最後に、採用サイトの社員インタビューを作成するときに大事な観点や、失敗しやすいポイント・注意点を7つ紹介します。
1. 事前のすり合わせ(目的と構成の明確化)
社員インタビュー当日までに、事前に人事担当者とインタビュイー(被面談者)で「誰に何を伝えたいのか」をすり合わせてください。できれば、話す内容の台本(構成案)を作成できればベストです。 よくある失敗は、行き当たりばったりでインタビューを実施し、記事にした後に「語ってほしかったことはこれじゃなかった」と後悔するケースです。最悪の場合、やり直しが必要になることもあります。
2. タイトルへのメッセージや要点の盛り込み
採用サイトの社員インタビューでよく見かけるのは、「入社〇年目、〇〇部 〇〇さん」といった簡素なタイトルです。これでは、せっかく良い内容でもクリックしてもらえない可能性があります。上記のように、読み手の興味を引く一言メッセージを入れるか、「〇〇さんが語る〇〇の魅力」など、読みたくなる工夫をしましょう。ほんの数文字が、成果に大きな違いを生みます。
3. 最も伝えたい部分への写真の挿入
社員インタビューで採用候補者に最も伝えたい核となる部分には、必ず写真を入れましょう。テキストと写真の相乗効果が期待できます。ただし、写真の数が多すぎるとメッセージが弱まるため、「ここぞ!」という部分に絞って写真を挿入し、緩急をつけることが大切です。
4. リアルな雰囲気と背景の重視
社員インタビューの写真において重要なのは、会社や業務のリアルな雰囲気を伝えることです。背景が真っ白な壁など、証明写真のようなカットは避けましょう。写真の美しさよりも、オフィスの状況や臨場感が伝わるかどうかに重きをおきましょう。
5. スマートフォンでの撮影は避ける
プロのカメラマンに依頼せず自社で撮影する場合でも、スマートフォンでの撮影は避けるべきです。現在のスマートフォンは非常に高画質ですが、それでも一眼レフカメラとは画質に差が出ます。採用サイトの社員インタビューはデザイン上、写真の重要度が特に高いため、画質は意識しましょう。
6. 写真撮影における照明の必須性
社員インタビューの写真撮影の際、照明機材は必須です。照明の有無で被写体の印象度が大きく変わります。かなり明るい場所で撮影できる場合は不要なケースもありますが、たいていは暗い写真になってしまうため、照明器具は必須だと考えてください。
7. 熱量を伝えるなら動画の検討
社員の想いや理念などを重視して伝えたい場合、動画の活用をおすすめします。テキストと写真よりも社員の生の声のほうが温度が伝わるからです。動画1分の情報量は採用サイトの膨大なページ分に匹敵するとも言われます。また、社員同士の仲の良さをアピールする場合にも動画が適しています。さらに、インタビュイー自身に登場してもらうことで、取材を聞いている臨場感も生まれます。
社員インタビュー実施に際する注意点

社員インタビューを公開する前に、以下の重要ポイントを必ず確認し、公開後のトラブルを未然に防ぎましょう。
掲載内容の事実確認と公開範囲を徹底する
インタビュー内容を企業情報として発信する際は、公開しても問題のない情報か、事実に基づいているかを厳しく確認する必要があります。
具体的には、以下の点に注意してください。
- 倫理的な問題を含む表現がないか
- 社外秘や非公開の情報が含まれていないか
- 業務内容や企業情報に誤りや誇張がないか
インタビュー記事によって、かえって企業のイメージを損なうことのないよう、細心の注意を払いましょう。
顔写真の公開許可を必ず得る
社員インタビューは、顔写真を掲載することで働く人の雰囲気や人柄が伝わり、コンテンツとしての魅力が格段に向上します。
しかし、社員の中には顔出しに抵抗がある方もいます。そのため、インタビューを実施する前に、「顔写真を掲載しても問題ないか」について、必ず本人に確認し、許可を得ておきましょう。
まとめ

本記事では、採用サイトに社員インタビューを掲載する目的・効果と、効果的な質問内容について解説しました。
社員インタビューは、求職者が企業への理解を深められるだけでなく、「採用のミスマッチを防止できる」という大きなメリットがあります。
ぜひ、自社の採用ターゲットと共通する特徴を持つ社員を選定し、写真や動画も積極的に活用しながら、貴社の魅力が伝わるインタビューコンテンツを制作しましょう。
「インタビューを成功させたいけれど、社員選定や質問設計に不安がある」「魅力的なコンテンツ制作のノウハウが欲しい」という方は、ぜひ「まるごと人事」にご相談ください。採用戦略の策定からインタビューコンテンツの企画・制作まで、貴社の採用活動をトータルでサポートいたします。

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