採用お役立ち情報

2025.04.03 更新日:2025.04.03
この記事の監修者:今 啓亮

この記事の監修者:今 啓亮

リファレンスチェックとは?4つの注意点や目的、基本的な流れを解説

中途採用の選考では、面接や書類だけでの見極めは容易ではありません。実際、問題を抱えた人物を採用してしまったり、早期離職による再度の採用が必要になったりするケースも少なくありません。

これらの課題を解決し、ミスマッチを防ぐ目的で、リファレンスチェックを実施する企業が増えています。しかし、個人情報に関する法への抵触を懸念する採用担当者も多いようです。

本記事では、リファレンスチェックの目的や基本的な流れ、配慮すべき法律や注意点を解説します。

リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは

リファレンスチェックとは、企業が採用を検討している候補者の人物像や実績などを、共に働いていた関係者にヒアリングし、採用の判断材料とする調査のことです。自己PRなどで提示された内容が事実かどうかを第三者の視点から確認することで、企業はより客観的に採用の可否を判断できます。
ヒアリング対象者は、前職または現職の上司、同僚、部下などが一般的です。外資系企業では広く実施されていますが、近年では日系企業でも導入するケースが増えています。

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リファレンスチェックに違法性はあるか

リファレンスチェックに違法性はあるか

個人情報の取得について

リファレンスチェックで得られる候補者や推薦者の情報は、個人識別情報(個人情報保護法第2条第1項)に該当する可能性があるため、情報の取り扱いおよび個人情報保護法の適用有無に注意が必要です。

参考記事:https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057

個人情報を取り扱う場合は、原則として、あらかじめ利用目的を公表するか、取得後速やかに本人に通知または公表しなければなりません(個人情報保護法第21条)。

候補者の前職や現職に知り合いがいたとしても、候補者の同意を得ずにリファレンスチェックを実施すると、違法となる可能性があります。

参考記事:https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057

個人情報の提供について

個人情報を本人の同意なく第三者へ提供することも、原則として禁止されています(個人情報保護法第27条)。

候補者の同意を得ずに候補者の情報を企業に提供した場合、企業だけでなく推薦者も違法となる可能性があります。

参考記事:https://laws.e-gov.go.jp/law/415AC0000000057

前職調査(バックグランドチェック)との違い

リファレンスチェックと類似する前職調査ですが、両者には違いや特徴があります。それぞれの概要を説明します。

リファレンスチェックの概要

リファレンスチェックの概要

リファレンスチェックとは、選考中の候補者が前職または現職でどのように働いていたか、選考での発言と実際の働きぶりに齟齬がないかなどを確認する調査のことです。

選考において、候補者は自社に合わせてアピールするため、例えば本当に企業理念に共感しているか、自社が求める人物像や実績を有しているかを最終確認する目的で、企業はリファレンスチェックを実施する傾向にあります。

実施する際は、前職または現職の上司などに連絡を取り、候補者の仕事ぶりについて第三者の意見を聴取する形で行われます。

前職調査の概要

前職調査の概要

前職調査とは、経歴や保有資格の詐称、金銭トラブルなどの有無を確認するものです。履歴書や職務経歴書などの書類に記載された内容が事実と合致するかを、調査会社などが確認します。

前職調査は、企業が採用リスクを軽減するために行うもので、主に以下の内容を確認します。

  • 経歴詐称の有無
  • 保有資格の真偽
  • 過去のトラブル(金銭トラブル、訴訟など)の有無
  • 犯罪歴の有無

調査会社は、公的機関や信用情報機関などの情報を利用して、これらの情報を確認します。

リファレンスチェックの目的

リファレンスチェックの目的

企業がリファレンスチェックを行う目的について、4つのポイントに絞って解説します。

1.職歴・経歴詐称がないか確認する

リファレンスチェックには、職歴や経歴の詐称がないかを確認する目的があります。前職調査(バックグラウンドチェック)を別途行う場合もありますが、リファレンスチェックと併せて実施する企業もあります。

リファレンスチェックで職歴や経歴の詐称が判明した場合、内定取り消しにつながる可能性があります。履歴書や職務経歴書を作成する際は、当然ながら事実のみを記載するよう注意が必要です。

2.ミスマッチを防ぐ

リファレンスチェックによって、応募者の前職における人物像や適性、職務遂行能力などを確認できます。そのため、企業が求める人材とのミスマッチを防ぐ効果が期待できます。

3.コーポレートガバナンスの強化

リファレンスチェックは、コーポレートガバナンスの強化に貢献します。具体的には、企業文化との適合性を評価し、組織への適応性が高い人材を選抜することで、組織全体のパフォーマンス向上に繋がります。また、コンプライアンス意識の向上を促し、企業倫理の重要性を社会に示す効果も期待できます。

4.採用選考の効率化

採用選考は互いに良い印象を与える場であり、候補者の全てを把握するのは容易ではありません。入社前に両者の方向性を確認することは重要です。

経験豊富な面接官であれば、選考過程で相互理解を深めることも可能です。しかし、経験不足の場合もあります。

そこで、リファレンスチェックが有効です。面接官の不足時や育成中には、リファレンスチェックで候補者を絞り、面接官の負担を軽減するなど、状況に応じて使い分けることで効率化を図ると良いでしょう。

リファレンスチェックの注意点

リファレンスチェックの注意点

リファレンスチェックを行う上で、特に注意すべき点を4つご紹介します。これらの点に注意しながら実施し、内容を精査して採用のミスマッチを防ぎましょう。

1.リファレンス起因での内定取り消しはできない

企業が一度内定を出した後、リファレンスチェックの結果を理由に内定を取り消すことは、原則として認められません

内定を出した時点で、企業と候補者の間には始期付解約権留保付(※1)の労働契約が成立します。内定の取り消しは「解雇」に該当するため、「リファレンスチェックの結果が良くなかった」という理由のみでは、内定を取り消すことはできません。

参考記事:https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=73aa9536&dataType=0&pageNo=1

※1 始期付解約権留保付:就業開始日までの間に、雇用者が被雇用予定者との労働契約を解約できる権利を留保すること。

ただし、「重大な経歴詐称が発覚した」など、客観的に合理的な理由があり、「社会通念上相当である」と認められる場合は、内定を取り消すことも可能です。

リファレンスチェック後に内定を取り消したい場合は、専門家に相談した上で、不当解雇とならないよう慎重に対応を検討しましょう。

2.基準を設ける

リファレンスチェックを始める前に、どこまでの情報を確認できれば安心して採用できるのか、社内で明確な基準を設けることが大切です。ファレンスチェックで得られた情報をどのように判断するかで、意見が分かれる場合があるためです。

リファレンスチェックで多くの情報が集まっても、基準が定まっていないと、集まったデータを有効に活用できません。

例えば、採用選考のデータとリファレンスチェックで得られたデータの差が◯◯以内であれば採用、重視する4つの項目が一致していれば、それ以外の項目は入社時に求めないなど、社内で明確な基準を設けておくと、情報を得てから採用の可否を決める際も迷わずスムーズに進められます。

3.個人情報の取り扱いに注意

リファレンスチェックで収集する情報は、すべて個人情報に該当するため、候補者本人の同意を得てから実施する必要があります。同意を得ずに実施した場合、個人情報保護法違反となることを認識しておきましょう。

また、面接などで質問が禁止されている項目と同様に、宗教などの思想に関わる情報や家族構成、家族の職業など、候補者本人以外の情報をヒアリングすると、選考に関係のない事項を確認したとして公正な選考を行わない企業とみなされる可能性があります。注意しましょう。

4.鵜呑みにしない

リファレンスチェックは、候補者と関係性の良い人に依頼される可能性が高いため、公平な回答を依頼しても偏りが生じる可能性があります。良く見せようとするバイアスがかかっている可能性も否定できません。

そのため、一般的な質問だけでは候補者の自己評価と変わらない結果になる可能性があります。例えば、「選考では主にリーダーの役割を担っていたとのことですが、実際はどうでしたか?」「◯◯プロジェクトにおけるリファレンス先の上司と候補者、それぞれの役割について教えてください」など、選考時のアピールにどの程度の脚色があるのかを冷静に判断できる質問を心がけましょう。

これまでの選考と前職・現職での評価を総合的に判断することをおすすめします。

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リファレンスチェックの基本的な流れ

リファレンスチェックの基本的な流れを解説します。

リファレンスチェックの基本的な流れ

1.リファレンスチェック実施の説明をする

リファレンスチェックを実施する際は、個人情報保護法の観点から、候補者本人の同意を得るのが一般的です。実施内容を説明し、同意を得ることで、候補者と採用企業間で起こり得るトラブルを回避できます。

候補者は、リファレンスチェックの実施に同意しなくても構いません。ただし、内定が決まっており、隠したい事情がないのであれば、リファレンスチェックを受けた方が、入社後も気持ちよく働けるでしょう。

2.推薦者の連絡先を教えてもらう

候補者に推薦者(候補者と働いた第三者)を選定してもらい、候補者からリファレンスチェックについて説明してもらいます。推薦者から協力の同意が得られたら、連絡先を共有してもらいます。

3.推薦者と日程調整を行う

推薦者の連絡先に連絡し、推薦者とインタビュー日程を調整しましょう。

4.質問内容を決める

リファレンスチェックで確認する質問内容を決めます。質問は大きく分けて、以下の3つです。

  • 勤務状況確認
  • 候補者の人物像
  • スキル(長所/短所)等

質問内容の詳細については、このページの後半で説明します。

5.インタビューを実施する

事前に決定した日程になったら、推薦者の方にご連絡またはお会いし、インタビューを実施します。お時間をいただいていることへの感謝の気持ちを忘れずに、丁寧な対応を心がけましょう。

6.レポートにまとめる

インタビューで得られた回答をレポートにまとめ、以下の内容を記載します。

  • 推薦者名
  • 質問項目
  • 回答結果
  • 総合評価

報告書は採用関係者のみに共有し、採用の参考資料として役立てます。

リファレンスチェックでの質問内容

リファレンスチェックでの質問内容

リファレンスチェックでの質問内容は、大きく分けて以下3つです。

1.勤務状況確認

在籍期間や役職、仕事内容、過去の職務経歴などを確認し、選考時の発言と整合性が取れているかを検証します。
また、勤務態度や休暇の取得状況、労働時間や残業への取り組み方など、勤務状況全般についてヒアリングします。

2.候補者の人物像

候補者の人物像については、共に仕事をした際の印象、コミュニケーションの特徴、上司・同僚・部下との接し方、周囲への影響力、社内での評価などをヒアリングし、社内での立ち位置や役割を正確に把握します。

3.スキル(長所/短所)等

第三者から見た実績、トラブル対応能力、業務における得意分野、改善点など、候補者の長所・短所やスキルを把握します。

これらの内容を通して、選考中とは異なる角度から候補者の情報を得ることで、選考情報と合わせて多角的に人物像を把握できます。

まとめ

リファレンスチェックでの質問内容

本記事では、企業が行うリファレンスチェックの目的や流れ、注意点などをまとめました。

採用した人材の早期離職を防ぎ、採用のミスマッチを回避したり、採用選考の効率化を図ったりするなど、リファレンスチェックには様々なメリットがあります。しかし、個人情報保護などの観点から、実施にはいくつかのハードルが存在します。また、「採用担当者の工数がひっ迫してしまう」といったデメリットも考えられます。

負担とリスクを軽減するためにぜひリファレンスチェックの検討をしてみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者:今 啓亮
この記事の監修者:今 啓亮

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2015年に東京でマルゴト株式会社(旧社名:株式会社ビーグローバル)を創業。
スタートアップから大手企業まで幅広く採用関連のプロジェクトに携わった後、2017年に月額制の採用代行”まるごと人事”の提供を開始。
2021年にバックオフィス代行”まるごと管理部”も開始。
「理想のサービスと理想の職場を同時実現する」を経営理念に掲げ、全員がフルリモートで働くユニークな組織運営を行う。
2022年に本社住所を東京から札幌に移転し、自身も関東から札幌に移住。

出演イメージ

2024年11月、ABEMAの報道番組「ABEMA Prime」に
コメンテーターとして出演。
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