採用・労務・経理に関するお役立ち情報

「書類選考でチェックすべきポイントがわからない」「どの部分を意識して評価すればいいのか知りたい」 そのように考えている採用担当者の方は少なくありません。この記事では、書類選考で応募者を正しく見極めるためにチェックすべきポイントについて解説します。
書類選考で抑えるべきポイントを知っていれば、優秀な求職者を見極めやすくなります。
本記事では、書類選考をする際に抑えておくべきポイントや、「書類選考をスムーズに進めるために準備しておきたいこと」や「注意点」もご紹介します。

中途採用に使える「面接評価シート」
面接評価の属人化を防ぎ、候補者の魅力を正しく見極める!カジュアル面談から最終面接まで一貫して使える設計で、選考判断の精度とスピードを高めます。
目次
書類選考の目的

そもそも、書類選考を実施する目的や必要性はどこにあるのでしょうか。主な理由は、下記の2点です。
1.面接に進む候補者を絞り込むため
知名度の高い人気企業や人気職種の募集で大量の応募が想定されるような場合、選考効率を高めるために書類選考を実施します。最近は質の高い応募書類が多く見られるようになったため、明確なチェックポイントを決めてスクリーニングをかけることで効率性を担保します。
もちろん、こういった人気ポジションでなくとも、限られた時間・工数を割いて面接を行うわけですから、その工数を割くに値する優秀な人材を選定する意味でも、書類選考は有効な手段と言えます。
2.配属部署の調整を検討するため
中途採用の場合、1つのポジションに対してピンポイントで応募が来るという特性上、「事前に配属部署を調整する必要ってあるの?」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
しかし、実際は当初の募集求人の条件に完全に該当しなくても、他の部署で活躍できる可能性のある人材が見つかることもあります。
例えば未経験者を対象とするポジションが存在するような場合、応募書類から自社への熱意やポテンシャルを知ることで、結果として優秀な人材を獲得する可能性を上げることにもつながります。また、エンジニア採用などの場合であれば、配属先を柔軟に変更して受け入れができる場合も多いため、この点に留意して選考を進めると良いでしょう。
書類選考を開始する前に準備すべきこと

書類選考をスムーズに進めるために、事前に準備しておくべきことは主に以下の2点です。
1.人材要件(採用ペルソナ)を明確に整理する
人材要件とは、求職者に求めるスキル、経験、そして資質を具体的に言語化したものです。書類選考を公正かつ効率的に行う上で、事前に人材要件を必ず整理しておきましょう。
人材要件を整理しておかないと、書類選考時に評価のブレが生じミスマッチが起こります。そのまま選考を進めてしまえば、早期離職につながる可能性もあるため、事前準備として最も重要なステップと言えます。
2.客観的な評価基準シートを作成する
評価ポイントを決めたら、合わせて評価基準シートも作成しましょう。これにより、客観的な視点で書類選考をスムーズに進められます。評価項目としておすすめなのは、以下の視点です。
- 文章はコピペ(流用)されていないか
- 誤字脱字、または不自然な表現がないか
- 一文が冗長すぎないか
- 具体的な成果やエピソードを持って書かれているか
- 読み手に配慮し、伝わりやすい構成になっているか
各項目に点数を設定しておくと、「何点以上で合格」といった形で明確な通過ラインを設けて書類選考ができます。一度作成すれば、継続して使い続けられる点も大きな魅力です。
書類選考の見極め基準と判断方法

書類選考の見極め基準と具体的な判断方法について解説します。
文書作成スキルとビジネスマナー
誤字脱字がないか、不自然な日本語表現がないか、卒業年や入社年などの記載に矛盾がないかなど、まずは社会人として必要な基本的なスキルが備わっているかを判断しましょう。
中途採用では、これらは最低限の条件と思われがちですが、ダブルチェックを徹底した上で提出されているかという観点で見ると、応募者の自社への応募意欲の高さや仕事への丁寧さを測ることができます。
転職理由と勤続年数
前職はどれぐらいの期間働いたのか、退職理由に妥当性・納得感はあるかといった点をチェックしましょう。
その上で、「転職理由についてさらに詳しく聞きたい」、「自社とのカルチャーマッチを測りたい」というような場合は、次ステップの面接で確認事項としましょう。
自己PRが適切に書かれているか
自己PR欄は、書類選考において応募者のパーソナリティを判断するための必要不可欠なポイントです。履歴書や職務経歴書しか判断材料がない書類選考では、貴重な情報源として活用できます。
チェックする際に意識したいのは、「どのような人物なのか」を誰が見ても理解できる文章で書かれているかという点です。自分自身を深く理解している応募者ほど、仕事や状況を客観的かつ俯瞰的に見る能力が備わっていると判断できます。

中途採用に使える「面接評価シート」
面接評価の属人化を防ぎ、候補者の魅力を正しく見極める!カジュアル面談から最終面接まで一貫して使える設計で、選考判断の精度とスピードを高めます。
書類選考のチェックすべきポイント

その他に書類選考でチェックすべきポイントはどこでしょうか。
読み手を意識した文章か
一文が冗長で長すぎる、あるいは、読み手に分かりづらい表現があるなど、読みにくい印象を与える文章になっていないかを確認してください。逆に、強調したい内容が太字になっている、専門用語に補足説明があるといった配慮のある文章は、相手(読み手)を意識して書いている証拠です。
一見細かな点ですが、こうした書類の体裁から、客観的に物事を捉え、相手への配慮ができる人材かどうかをチェックすることができます。
自分の言葉で書かれているか
Web上には、「履歴書や職務経歴書の書き方」やテンプレートなどが多数存在します。もちろん「見やすい書類」を作成する上でそうした情報を参考にするのは良いことですが、具体的な内容まで、どこかで見たことがあるような借り物の表現になっていないかを確認しましょう。
特に職務経歴書における経歴は、抽象的な表現で終わらせず、具体的な情報が記載されているかを見ることが大切です。記載内容が実際の経験に基づくものなのか、あるいは誇張や虚偽の記載ではないかといった判断材料としましょう。
募集要件となる資格や経験の有無
中途採用において最も重要な項目の一つとも言えます。入社後すぐに活躍できるスキルや資格、経験を持っているかはもちろん、これまでのキャリアに一貫性があるかどうかといった点を確認しましょう。
自社が求める人材要件に左右されますが、一貫性のない経歴を持つ応募者は、飽きやすい性格で早期離職する傾向があるため、特に注意が必要です。

書類選考の評価基準で厳守すべき注意点

書類選考の基準を定める際は、「就職差別」にあたる項目がないか、新卒採用・中途採用を問わず入念にチェックしましょう。特に厚生労働省の定める「採用選考時に配慮すべき事項」は必ず確認し、公正な評価基準を設けることが重要です。
厚生労働省は、以下のような応募者本人の適性や能力に関係のない事項について、把握や質問をしないよう求めています。
1.本人に責任のない事項の把握
- 本籍・出生地に関すること
- 住宅状況に関すること
- 家族構成、職業、病歴に関すること
- 生活環境・家庭環境などに関すること
2.本来自由であるべき事項(思想・信条にかかわること)の把握
- 宗教に関すること
- 人生観・生活信条などに関すること
- 思想に関すること
- 購読新聞・雑誌・愛読書などに関すること
- 支持政党に関すること
- 尊敬する人物に関すること
- 労働組合(加入状況や活動歴など)、学生運動などの社会運動に関すること
上記は配慮すべき事項の一部分です。必ず「採用選考時に配慮すべき事項」の全体像を確認し、書類選考の基準に組み込まないように細心の注意を払いましょう。
たとえ書類選考では評価項目に設けていなくても、面接で「ご家族構成は?」「影響を受けた書籍は?」などを不注意に質問してしまうと、就職差別に該当する可能性があります。面接時の評価基準や質問リストにも設定しないよう、徹底した確認が必要です。

中途採用に使える「面接評価シート」
面接評価の属人化を防ぎ、候補者の魅力を正しく見極める!カジュアル面談から最終面接まで一貫して使える設計で、選考判断の精度とスピードを高めます。
優秀な人材を逃さないための戦略

書類選考は、応募者の人柄やポテンシャルを直接把握できないプロセスであるため、細心の注意を払って進める必要があります。ここでは優秀な人材を逃さないための戦略を3つをご紹介します。
1.ポテンシャル重視の評価基準
学歴や社歴を評価基準の中心に置きすぎると、その他の資質や高いスキルを見落とすリスクがあります。たとえば、名門大学卒や大企業出身者であれば一見魅力的に見えるかもしれませんが、それが必ずしも現場での高いパフォーマンスに直結するとは限りません。一方で、学歴や社歴に過度にこだわらない基準を設定することで、多様なバックグラウンドを持つ候補者を公平に評価できるようになります。
具体的には、応募者の実績や具体的なエピソードに着目することが有効です。たとえば、学歴が一般的であっても、「前職で売上目標を200%達成した」といった数値で示せる具体的な成果を記載している候補者は、実務で活躍できる可能性が高いといえます。学歴や社歴はあくまで参考情報にとどめ、応募者のスキルや実績を重視した基準を設定することが大切です。
2.経歴の「空白期間」や「年齢」に対する先入観の排除
休職期間がある応募者や年齢が高めの応募者に対して、ネガティブな先入観を持つことは避けるべきです。休職期間については、その理由や背景をしっかりと確認することで、応募者の状況を正しく理解することが可能です。たとえば、スキルアップや資格取得のために一時的に仕事を離れていた場合、それはむしろ主体的な姿勢の表れといえます。
また、年齢が高めの応募者に対しても、豊富な経験や高いリーダーシップスキルが期待できる可能性があります。特に、特定の業界や職種での専門知識が必要なポジションでは、年齢をポジティブな要素として捉えましょう。採用担当者は、固定観念にとらわれることなく、応募者の能力や経験を公正に評価する視点を持つことが求められます。
3. 「価値観」と「思考特性」で人柄を読み解く
書類選考では、職務経歴やスキルを数値化して評価することが一般的ですが、それだけでは人柄や職場への適合性(カルチャーフィット)を正しく把握できないことがあります。たとえば、「目標達成率120%」といった実績は評価の一部として大事ですが、それだけで採用の判断を下すのは時期尚早です。
人柄を評価するためには、自己PRや志望動機を読み取りながら、応募者の価値観や思考特性に触れることが大切です。また、エピソードの具体性や文章からにじみ出る情熱が感じられるかどうかも見極めるポイントです。採用後にチームに溶け込み、長く貢献できる人材かどうかを見極めるには、こうした非定量的な要素を意識することが不可欠です。
書類選考で不採用とすべきケース

書類選考の段階で、応募者とのミスマッチを早い段階で防ぐために、不採用を判断する基準を明確にしておくことが重要です。ここでは、書類選考の段階で判断を下すべき代表的なケースを簡潔に解説します。
1.必須要件が充足されていない場合
資格や経験年数など、求人票であらかじめ定められた必須条件を満たしていない場合は、書類の段階で選考を終了するのが適切です。面接後に条件不一致が発覚すると、企業側にも応募者側にも無駄な時間と工数が生じてしまいます。選考の公平性を保つためにも、募集要件の充足は最初に確認すべき絶対的な基準といえます。
2.ビジネスマナーや書類の品質に問題がある場合
誤字脱字が多い書類や、読みにくい構成は、応募者のビジネス基礎力にも懸念が残ります。書類への丁寧さは、そのまま仕事への姿勢とも結びつくため、品質が著しく低い場合は不採用を検討すべきです。特に、読み手への配慮が欠けている書類は、入社後の実務的なコミュニケーションにも不安が残ります。
3.経験やスキルが業務要件と大きく乖離している場合
募集ポジションで求めるスキルや経験と応募者の経歴が大きくかけ離れている場合、採用後の早期の活躍を見込むことが難しくなります。専門性が高い職種ほど、この乖離は重要な判断ポイントになります。双方の負担を避けるためにも、業務要件とのギャップが大きい場合は書類段階で見送りを検討することが望ましいです。
4.志望動機やキャリアプランに一貫性がない場合
志望動機や転職理由は、応募者の価値観やキャリアの方向性を読み取る大事な材料です。内容が抽象的すぎたり、他社にも使い回せるような文章になっている場合は志望度が見えづらく、選考を進めても長期的な定着性に不安が残ります。動機に論理的な一貫性があるかどうかは、書類段階で必ず確認すべき要素です。
5.短期離職を繰り返し、定着性に懸念がある場合
職歴で短期間の離職が連続して見られる応募者は、環境への適応力や継続性に課題がある可能性があります。もちろん正当な理由がある場合もありますが、その理由の説明に矛盾があるケースは注意が必要です。採用後の早期離職は企業の大きな損失(採用コストや育成コスト)につながるため、定着性への不安が読み取れる場合は慎重な判断が求められます。

中途採用に使える「面接評価シート」
面接評価の属人化を防ぎ、候補者の魅力を正しく見極める!カジュアル面談から最終面接まで一貫して使える設計で、選考判断の精度とスピードを高めます。
書類選考を効率よく進めるコツ

採用プロセスを効率的に進めるためには、書類選考を滞りなく行うことを意識しましょう。ここでは、書類選考を効率よく進めるための具体的なコツを紹介します。
1.評価ポイントを整理し、優先順位を明確化する
書類選考をスムーズに進めるには、評価ポイントを整理し、優先順位をつけることが大事です。すべての項目を均等に評価しようとすると時間がかかりすぎるため、特に重視するポイントを事前に明確にしておきましょう。
たとえば、専門職であれば資格やスキル、実務経験の有無が最優先事項となります。一方、未経験者歓迎のポジションでは、ポテンシャルや自社への志望動機がより重視されるでしょう。このように、職種やポジションごとの要件に応じて評価の重点を切り替えることで、無駄な時間を省きつつ適切な候補者を選定することが可能になります。
また、事前にスコアリングシート(評価基準表)を用意し、各評価項目に点数をつける方法も効果的です。この方法により、数値的な根拠をもとに候補者を比較することができ、公平性を保ちながら効率的な選考が可能になります。
2.綿密なスケジュール管理と迅速なフィードバック
採用プロセスがスムーズに進むかどうかは、スケジュールの設定と管理にかかっています。特に書類選考は、後続の面接や内定プロセスに直接影響を及ぼすため、計画的に進めることが求められます。
まず、採用チーム全体で選考スケジュールを共有し、各ステップの完了期限や役割分担を明確にします。たとえば、「応募締切から2営業日以内に書類選考を完了する」といった具体的な目標を設定することで、進捗管理がしやすくなります。
さらに、候補者への迅速なフィードバックも不可欠です。選考結果を早く伝えることで、候補者の期待感を高め、優秀な人材が他社に流れてしまうリスクを防ぐことができます。迅速かつ丁寧な対応を心がけることで、候補者に対する企業イメージの向上にもつながります。
3.応募者追跡システム(ATS)を最大限に活用する
応募者追跡システム(ATS)は、採用活動を大幅に効率化するための強力なツールです。このシステムを活用することで、応募者情報の一元管理や検索、選考状況の追跡が簡単に行えます。
また、近年のATSはAIを活用した機能を持つものもあり、候補者のスコアリングや予測分析が可能です。これにより、評価作業の手間を大幅に削減し、スピーディーに選考を進めることができます。
4.採用代行(RPO)の活用
採用代行(RPO: Recruitment Process Outsourcing)は、書類選考や応募者管理といった採用業務を外部の専門業者に委託することで、採用担当者の負担を大幅に軽減するサービスです。特に、大量の応募者を短期間で処理する必要がある場合や、リソースが限られている中小企業にとって極めて有効な手段となります。
採用代行を利用すれば、経験豊富なプロフェッショナルによる客観的かつ一貫性のある選考が可能になり、選考の公平性と効率性が向上します。また、採用プロセスが迅速化されるため、優秀な候補者を競合他社に奪われるリスクを最小限に抑えることもできます。自社の採用ニーズに合わせて戦略的に活用することで、より効果的な人材確保が実現できるでしょう。
まとめ

書類選考では、確認すべきポイントが多数存在します。一見細かな部分に思えますが、採用後のミスマッチを引き起こす可能性もあるため、厳密に評価しなければなりません。
選考時には、事前に評価基準を決めておくことが特に大切です。これにより、選考の属人化を防ぎ、応募者に対して公平かつスピーディーに判断を下すことができます。近年は選考にも高いスピード感が求められています。優秀な人材を他社に逃さないためにも、この点を意識して取り組みましょう。
書類選考のチェックポイントや評価基準を定めるには、自社の採用要件を明確化する必要があります。
「まるごと人事」は、採用戦略の立案から応募者管理、内定後のフォローまで、人事・採用業務を幅広くサポートし、貴社の「採用力強化」に貢献します。ぜひ一度、お気軽にご相談ください。

中途採用に使える「面接評価シート」
面接評価の属人化を防ぎ、候補者の魅力を正しく見極める!カジュアル面談から最終面接まで一貫して使える設計で、選考判断の精度とスピードを高めます。
CATEGORYカテゴリ
TAGタグ
関連記事
採用担当者の業務内容を徹底解説!人事担当との違いや必要なスキル、心構えまで
- 採用企画
採用力とは?採用力を高める7つのポイントを解説
- 採用企画
採用ブランディングとは?取り組むメリットや実施のステップを解説
- 採用企画
採用ツール11種類の特徴・価格帯、選ぶ際のポイントを紹介
- 採用企画
- 採用媒体・チャネル
HERP Trustとは?リファレンスチェックの仕組み・料金・評判まとめ
- 採用オペレーション
RJPとは|4つの効果や入社後のミスマッチを防ぐ方法、メリットを解説
- 採用企画


