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中途採用市場では、求人広告を出すだけでは応募が集まりにくい状況が続いています。背景には求職者の情報収集行動の変化や採用競争の激化があり、受け身の採用手法だけでは母集団形成が難しくなっています。
候補者との接点を増やすためには、スカウトの活用がおすすめです。なかでもエン転職スカウトは、会員基盤の大きさや若年層の多さ、豊富なスカウト機能を持つ点で注目を集めています。
本記事では、エン転職スカウトの特徴や利用方法を整理し、メリット・デメリット、採用成功のポイントまで体系的に解説します。

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スカウト代行サービスの活用の基本を解説。25社のサービスが一気に比較できます!
目次
エン転職スカウトの基本的な特徴
エン転職スカウトは豊富な求職者データと柔軟な機能設計により、採用活動を支援する仕組みを備えています。以下では、会員基盤・年齢層の特徴、そしてプランによる利用条件の違いについて詳しく解説します。
特徴 | 内容 |
---|---|
会員数 | 1,100万人以上、転職意欲の高い会員は300万人超 |
年齢層 | 約7割が35歳以下の若手人材 |
プラン条件 | Bプラン以上でスカウト利用可能、通数はプラン事に異なる |
会員数1,100万人以上の求職者データベース
エン転職は会員数1,100万人を超える国内最大級の求人サービスであり、中でもスカウト対象となる転職活動に積極的な人材は300万人以上にのぼります。さらに、同社が展開する「エン転職ダイレクト」では375万人を超える人材データベースを利用でき、幅広い層への接点が確保されています。
経験職種や業界は偏りがなく、営業や事務からITエンジニア、管理部門まで幅広い人材が登録しているため、多様な採用ニーズに対応可能です。企業は豊富な母集団を活用することで、対象人材に合わせた採用活動を効率的に展開できます。
若年層に強い採用媒体としての特徴
エン転職の特徴として、登録者の年齢層が比較的若い点が挙げられます。会員全体の約7割が35歳以下で構成されており、新卒から数年の社会人や20代後半の転職層を中心にアプローチできます。
若手人材はキャリア形成の初期段階で転職を検討するケースが多いため、企業にとってはポテンシャル採用の機会を広げやすい環境です。さらに、会員の85%がスマートフォンユーザーであり、サイト設計はモバイル利用に最適化されています。
結果、スカウトメールが日常的に目に入りやすく、メッセージ開封の可能性も高まります。
スカウト機能の利用条件
エン転職でスカウトを利用するためには、Bプラン以上を契約する必要があります。Cプランではスカウト機能が含まれないため注意が必要です。
利用可能通数はプランごとに異なり、SS・Sプランは1日50通、Aプランは30通、Bプランは15通が割り当てられます。1日の上限を超えた分を翌日に繰り越すことはできないため、日々の活用計画が重要となります。
- SS・Sプラン:1日50通(4週間で1,400通)
- Aプラン:1日30通(4週間で840通)
- Bプラン:1日15通(4週間で420通)
例えば掲載期間が4週間の場合、上記の通数が付与されます。掲載期間を6週間や8週間に延長すると総通数も増加するため、採用目標や募集人数に応じて最適なプランを選ぶことが効果的です。
エン転職スカウトの種類と違い
エン転職スカウトには複数のスカウト手法が用意されており、目的や採用ターゲットによって使い分けられます。主な機能と特徴を整理すると、以下のようになります。
種類 | 特徴 |
---|---|
デイリースカウト | 個別に送信、日々の通数制限あり |
ターゲットオファー | 一括大量配信、非公開人材にも送信可能 |
シークレットスカウト | 非公開求人として特別感を演出 |
スカウト特典 | 書類選考免除など特典付与で応募促進 |
会ってみたい | 「気になる」人材に応募歓迎通知を送信 |
デイリースカウト(個別送信型)
デイリースカウトは、求職者のWeb履歴書を確認しながら個別にメッセージを送れる機能です。
Bプラン以上に標準搭載され、スカウト公開を許可している人材にのみアプローチできます。候補者選定は企業側で行い、文面も自由に調整可能なため、ターゲット人材に合わせた丁寧なアプローチが実現するでしょう。
さらに、「おすすめレコメンド」により採用条件に近い新着人材情報が毎日通知され、効率的に候補者を探せます。加えて、足あとや「気になる」履歴を確認し、関心を持つ人材へ送信できる点も効果を高めるポイントです。個別対応のため手間はかかりますが、返信率や面談率向上に直結しやすい仕組みといえます。
ターゲットオファー(一括大量配信型)
ターゲットオファーはオプション機能であり、採用条件に合致する人材に対し、一度に大量のスカウトを自動配信できる仕組みです。配信通数は500通から最大1万通まで対応可能で、スカウト非公開設定をしている人材にもアプローチできる点が特徴です。
配信業務はエン転職側が代行するため、採用担当者の負担を減らしつつ幅広い層に接触できます。料金は500通で30万円から設定されており、特に母集団を大きく確保したい場合に有効です。
大量配信型のため個別のパーソナライズには向かないものの、候補者プールを一気に広げられるメリットがあります。効率性を重視し、短期間で候補者リストを拡大したい企業に適した方法です。
シークレットスカウト(非公開求人の特別アプローチ)
シークレットスカウトは、エン転職ダイレクト契約企業が利用できる特別機能です。求人を非公開のまま送信できるため、受け取る求職者には限定的な印象を与えられます。通知画面も専用デザインとなり、開封率や返信率が高まりやすい仕様です。
さらに、リクルーターの顔写真や所属部署を表示できるため、信頼感を持ってもらいやすい効果があります。加えて、スカウト理由を詳細に記載できるため、納得感を高めやすく、動画や画像を添付して魅力を多角的に伝えられる点も特徴です。
新規事業の管理職募集や公開したくないポジション採用など、戦略的に進めたい採用シーンに有効なアプローチです。
スカウト特典(書類選考免除などの特典付与)
スカウト特典は、メール送信時に応募意欲を高める特別な条件を付けられる機能です。内容は「書類選考免除」「一次面接免除」「役員面接確約」など選考プロセス短縮型から、「面接交通費支給」「食事会実施」「体験入社」など体験型まで計13種類が用意されています。
付与すると一覧画面でスカウトが強調表示され、他社よりも目立ちやすくなります。実際に、特典を設定するだけで開封率が14%、応募率が12%上昇したというデータもありました。
特に「管理職採用」や「前給保証」は応募数の伸びに直結しやすい傾向です。求職者に「特別扱いされている」と感じさせる仕組みとして、高い効果を発揮します。
「会ってみたい」機能との違い
「会ってみたい」は、企業が自社求人に「気になる」を押した人材に対し、応募歓迎の意思を伝えられる仕組みです。全プランに搭載され、双方向的なアプローチを実現します。
一方、デイリースカウトは企業から一方的にスカウトメールを送信する仕組みで、Bプラン以上でのみ利用可能です。両者の違いは、アプローチのきっかけが求職者からか、企業からかにあります。
「会ってみたい」通知を受けた人材は応募検討に前向きになりやすいですが、面接確約とはならないため、次の行動につなげる工夫が必要です。デイリースカウトと組み合わせて利用することで、候補者への接触機会を最大化でき、効果的な採用活動を進められます。

スカウト代行サービス比較表
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エン転職スカウトのメリット4選
エン転職スカウトを活用することで、企業は効率的かつ質の高い採用活動を実現できます。ここでは、具体的な4つのメリットを紹介します。
アクティブユーザーに直接アプローチできる
会員1,100万人以上の中でも、スカウト対象となるのは転職活動を積極的に行っている人材です。デイリースカウトやターゲットオファーを使えば、ただ登録しているだけではなく実際に動いている層へ接触可能です。
さらに「おすすめレコメンド」機能で新規人材を毎日受け取れるため、常に鮮度の高い母集団へアクセスできます。最終ログイン日や履歴書更新日での絞り込みにより、返信が期待できる人材に効率的にアプローチできます。
応募率・面接率の向上が期待できる
求人サイトに掲載して待つだけでは埋もれてしまう可能性がありますが、スカウトで直接声をかければ求職者の関心を引きやすくなります。スマートフォンに最適化された設計により、スカウトメールは目に留まりやすく、開封率の上昇にもつながります。
さらに特典を設定することで、他社との差別化が進み応募数や面接率の改善が期待できるでしょう。デイリースカウトは送信数が制御されているため、過剰配信によるメールの埋没を防げる点もメリットです。
採用ミスマッチを防ぎやすい
スカウト送信前に履歴書を確認できるため、スキルや経験を見極めたうえで声をかけられます。そのため「会ってみたら条件が合わなかった」といったミスマッチを削減できるでしょう。
加えて、求職者もエンゲージのクチコミ情報を閲覧し、企業理解を深められるため、双方の認識差を抑えやすくなります。
- 企業側:スキルや経験で精査してから声かけ
- 求職者側:企業の評判や情報を確認して応募判断
- 結果:入社後のギャップが小さく定着につながりやすい
事前に十分な情報共有が可能となるため、採用の質が安定しやすくなります。
特典設定で応募を促進できる
スカウトメールには特典を付与でき、13種類の中から選択可能です。例えば「書類選考免除」や「面接交通費支給」などがあり、応募意欲を後押しできます。
特典が表示されることで一覧画面で目立ちやすくなり、結果的に開封率と応募率の向上が見込めます。特に「管理職採用」や「前給保証」などの条件は、高い効果が期待できるでしょう。
エン転職スカウトのデメリット3選
エン転職スカウトは有効な採用手法である一方、導入にあたって留意すべき点もあります。ここでは、特に意識すべき3つの課題について解説します。
魅力的なスカウト文面の作成が必須になる
個別にスカウトを送る際、応募につながるかどうかは文面の質に大きく左右されます。汎用的な文章では効果が薄く、求職者ごとの経歴やスキルに合わせた内容が求められるでしょう。
特に繁忙期には作成に時間を割くのが難しく、担当者の負担になる可能性があります。
- 汎用文:「誰にでも同じ内容」と見られやすい
- パーソナライズ文:経歴やスキルへの具体的言及が必要
- 工数増加:文面調整に時間がかかる
上記の背景から、魅力的なメッセージ作成力が採用成果を左右するといえます。
スカウト枠の管理が必要になる(通数制限あり)
デイリースカウトはプランごとに1日の上限数が設定されており、繰り越しは不可能です。そのため、付与された枠を無駄なく活用するためには計画的な管理が欠かせません。追加枠の購入もできますが、コストが増加してしまいます。
プラン | 1日上限 | 4週間換算 |
---|---|---|
SS・Sプラン | 50通 | 1,400通 |
Aプラン | 30通 | 840通 |
Bプラン | 15通 | 420通 |
日ごとの運用計画を立て、募集ポジションごとに送信先を調整することが効率的な活用につながります。
オプション機能利用時の追加コストがかかる
ターゲットオファーやシークレットスカウトなど一部機能はオプション提供となっており、利用には別途料金が発生します。スカウト代行や追加枠購入も同様で、総合的にみると予算を圧迫する可能性があります。
- ターゲットオファー:500通で30万円から
- シークレットスカウト:別途ダイレクト契約(80万円〜)が必要
- 代行サービス:文面作成・送信を依頼可能だが費用発生
費用対効果を十分に検討し、予算に応じた運用が不可欠です。

スカウト代行サービス比較表
スカウト代行サービスの活用の基本を解説。25社のサービスが一気に比較できます!
エン転職スカウトを活用した採用成功のポイント4つ
エン転職スカウトを成果につなげるためには、やみくもに送信するのではなく戦略的に運用する必要があります。以下4つのポイントを押さえることで、採用成功の確率を高められます。
ターゲット人材の条件を明確にする
採用活動の初期段階では、求める人材像を具体的に定義する必要があります。人事部門と配属予定部門が協議し、職務内容や必須スキル、期待する人物特性を整理することで、対象人材を選定しやすくなります。
- 採用人物像を文章化して関係者間で共有
- 必須条件と歓迎条件を明確に区分
- 部署と人事の双方で採用基準を統一
採用ターゲットの条件が明確化されることで、スカウト文面の精度が高まり、ミスマッチを防ぐ採用活動を実現できます。
パーソナライズされたスカウト文を送る
スカウトメールは汎用的な内容ではなく、求職者一人ひとりの経歴に合わせた文面に調整する必要があります。履歴書に記載された実績やスキルを引用し、社内でどのように生かせるか伝えることで応募意欲が高まります。
営業職には成果の評価基準や活躍事例を、エンジニアには最新技術に関与できる環境を提示すると効果的です。件名には目を引く要素を盛り込み、本文では箇条書きを活用して具体的な魅力を整理すると、読みやすさと説得力が向上します。
スカウト特典を戦略的に活用する
スカウト特典は13種類が用意されており、候補者の応募意欲を刺激する効果が期待できます。特典の設定により、一覧画面でスカウトが視覚的に強調され、応募に直結する可能性が高まります。
区分 | 代表的な特典 |
---|---|
選考免除型 | 書類選考免除、一次面接免除、役員面接確約 |
サポート型 | 面接交通費支給、食事会、出張面接 |
体験型 | 社内見学、体験入社 |
スカウト特典を戦略的に組み合わせることで企業からのメッセージに特別感を与え、候補者の反応を高められます。
定期的な効果検証と改善を行う
スカウト配信は一度の実施で終わらせるのではなく、継続的な検証と改善を伴うプロセスと位置づけることが重要です。開封率や年齢層ごとの反応を分析し、件名や本文を細かく修正することで成果を積み重ねられます。
採用代理店を活用すれば、データを活用した文面最適化や運用サポートを受けられ、社内リソースを補うことが可能です。改善サイクルを定着させることで、安定的に応募率を高める体制を確立できます。
エン転職スカウトとアウトソーシング活用の相性
エン転職スカウトは便利な仕組みですが、手間やリソース不足によって十分に活用できない企業も存在します。採用代行や外部パートナーを組み合わせることで、効率と成果の両立が可能になります。
スカウト代行サービスで時間を節約
スカウトメールは候補者ごとに調整が必要であり、作成や送信に時間がかかります。エン転職のスカウト代行サービスを利用すれば、専任スタッフが文面作成から配信まで任せることが可能です。
条件設定や文面修正も複数回可能であり、再スカウトにも対応するプランが用意されています。採用難易度が高いバスドライバーの募集においても導入実績があり、成果を出した事例が確認されています。
担当者が限られた時間で他業務を抱える場合でも、代行サービスを利用することで業務負担を大幅に削減できるでしょう。
採用業務をアウトソースするメリット
候補者選定や文面調整を自社で行う場合、相応の工数が発生します。採用代理店に業務を委託すれば、過去のスカウトデータを活用した効果的なメール作成が可能になり、内定後の定着率向上も期待できるでしょう。
加えて、専門知識を持つ代理店は内定辞退や早期離職といったリスクを抑える施策を提案できます。エン転職のカスタマーサクセス担当からは運用改善のためのアドバイスが提供され、代理店と組み合わせることで採用成果をより安定させられます。
戦略立案から実務まで任せることで本業に集中可能
採用活動には、以下のような幅広い業務が含まれます。
- 戦略立案
- 候補者選定
- スカウト文作成・配信
- 効果検証
中小企業や人事担当者が少ない組織では、これらを自社で完結させるのは大きな負担となります。アウトソーシングを導入すれば、工数の多い業務を外部に委ねられるでしょう。
採用コンサルタントや代理店は、営業・ディレクター・コピーライターが連携する体制を持ち、スカウト運用から採用戦略全般に関するアドバイスを提供します。企業は専門的な支援を受けることで採用に関するリソースを最小化しつつ、本業へ集中する余裕を確保できます。
まとめ
エン転職スカウトは若年層を中心にアプローチできる有効な手段ですが、文面作成や候補者選定、送信計画の調整には大きな工数が伴います。限られたリソースで成果を最大化するためには、専門的なノウハウを持つ外部支援を取り入れることが効果的です。
まるごと人事は、成長企業向けに設計から運用・改善までを一貫して代行する月額制の採用支援サービスです。560社以上の支援実績と95%を超える契約継続率を背景に、スカウト運用から戦略立案まで幅広くサポートします。
自社の採用体制だけではカバーしきれない課題を感じている場合は、まるごと人事の導入を検討することで、効率的かつ安定した人材確保が実現できます。

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