採用・労務・経理に関するお役立ち情報

採用面接はもっとも属人化しやすく、再現性を保ちにくいプロセスです。面接官の主観による判断や情報共有の遅れが、通過基準の不統一や候補者体験の低下を招いてきました。
AI技術の進化により、面接データを客観的に分析する仕組みが求められています。特に、会話の要約や評価の自動整理を活用することで、見極めの精度を高めながらアトラクトを強化する取り組みが注目されています。
本記事では、株式会社リブセンスが提供する面接最適化クラウド「batonn(バトン)」を取り上げ、AI要約とアセスメント型手法によって採用を変革する具体的な仕組みと導入効果を詳しく紹介します。

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オンライン面接ツールbatonnとは

オンライン面接支援クラウド「batonn(バトン)」は、採用活動の効率と品質を高めるために開発された面接最適化ツールです。AI技術と録画・文字起こし機能を組み合わせて、面接データを可視化します。
候補者の発言を根拠として蓄積できるため、評価の一貫性を保ちながら属人化を防ぐことが可能です。ChatGPTによるAI要約により面接全体を短時間で振り返れるので、選考判断をチーム全体で支える「積み上げ型面接」を実現します。
β版から進化してきた背景
2021年11月にβ版として登場したbatonnの原点にあったのは「内定承諾率の低さ」や「面接判断の曖昧さ」といった人事課題です。採用担当者は、面接通過率が伸びない理由を把握できず、改善の手が打ちにくい状況に直面していました。そこで、面接を客観的に見える化し、評価の再現性を高める発想から開発が始まりました。
| 課題領域 | 従来の状態 | batonn導入後の改善 |
|---|---|---|
| 面接の透明性 | 面接官の主観に依存 | 録画と文字起こしで可視化 |
| 判断基準 | 感覚的な合否判断 | AI要約で根拠を明確化 |
| 情報共有 | 口頭・断片的 | チーム内で一元管理 |
上記のように属人化していた面接を可視化することで、通過理由の分析や評価基準の統一が容易になりました。β版以降も現場の声をもとに改善を重ね、より高度なAI機能を搭載した正式版へと進化しています。
面接を「個人戦」から「チーム戦」に変える発想
従来の採用活動では、面接官一人の判断に依存する「個人戦」構造が一般的でした。
batonnは面接データの自動共有により、複数の担当者が同じ情報を基に議論できる「チーム戦」への変革を可能にしました。録画・要約・観点別整理によって、誰が見ても同じ結論に至る透明性を確保します。
さらに、過去の面接履歴をもとにした比較検討が可能になり、見極めの精度が向上します。チーム全体で候補者を理解する仕組みが整うことで、採用プロセスの再現性と一貫性を高められるでしょう。
batonnの主な機能

batonnにはオンライン面接の透明性を高め、選考のスピードと再現性を両立するための機能が複数搭載されています。ここでは、batonnの主な機能を5つ紹介します。
自動録画と文字起こしで面接の記録を残せる
batonnはオンライン面接の映像と音声を自動で記録し、数分以内に文字起こしを生成できるツールです。記録作業に人手をかける必要がなく、誰でも後から同じ情報を確認できます。
Zoom Video SDKを利用した安定した通話品質により、面接全体の内容を正確に再現できます。
主な特徴
- ビデオ通話を行うだけで自動録画・文字起こしが開始
- 面接後3〜5分で全文テキスト化
- 任意の時間帯を検索・引用して確認可能
録画データと文字情報の両方を活用することで、判断の根拠を確保しながら議事録作成の手間を削減できます。結果として担当者の作業時間を短縮し、次の面接準備に集中できる環境を整えられます。
ChatGPTによる会話全体のAI要約を生成する
batonnの要約機能は、OpenAIのChatGPTを採用しています。会話全体を文脈ごとに分析し、要点を数分で抽出できます。以前は部分的な要約しか行えませんでしたが、現在は会話全体をセクション別に整理できるようになりました。
AI要約によって面接後の振り返り時間が大幅に短縮され、次の選考準備も迅速に行えます。また、複数の担当者が同じ要約を共有することで、評価の認識ズレを抑制できます。
企業独自の評価ポイントを観点別に整理する
最新のアップデートで追加された「観点別要約機能」は、企業ごとの採用基準を最大10項目まで設定できる仕組みです。ChatGPTが面接内容を解析し、評価観点ごとに関連する発言やエピソードを要約します。
| 観点例 | 自動整理される情報 |
|---|---|
| スキル適性 | 実務経験・成果・課題対応力 |
| 行動特性 | 発言の姿勢・協働意識・挑戦姿勢 |
| キャリア意向 | 今後の目標・転職理由・価値観 |
上記の観点別整理により、面接官ごとの判断が「感覚」から「根拠」に変わります。重要項目の見落としを防ぎ、評価・申し送りのスピードを飛躍的に向上させます。
面接の重要部分をハイライト動画で確認できる
batonnは、AIが面接全体を解析し、要点となる発言やテーマを自動抽出してハイライト化します。録画全編を再生することなく、重要な場面を数分で確認できるのです。
要約とハイライトを組み合わせることで面接の全体像と重要瞬間を効率的に把握でき、判断の精度が向上します。採用責任者が多忙な場合でも、必要な部分だけをピンポイントで確認できる点が大きなメリットです。
候補者の面接後の感想を収集できる
batonnには、面接後に候補者のフィードバックを直接収集する機能も備わっています。面接の印象や疑問点、会社に対する期待などをヒアリングでき、双方向のコミュニケーションを促進可能です。
企業側は候補者の心理的温度感を把握し、フォローアップの優先度を判断できます。結果、単なる「選考」ではなく「対話」を通じた関係構築が可能になります。

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batonnで解決できる4つの課題

batonnは、録画・AI要約・観点別整理といった複数の仕組みを通じて、採用面接における課題を構造的に修正する仕組みを備えています。ここでは、batonnで解決できる課題を4つ紹介します。
面接内容のブラックボックス化
従来の面接は面接官と応募者だけで実施される閉鎖的な環境で進み、記録が残りにくい状態でした。結果、合否判断の根拠を説明できない状況が発生していました。
batonnは映像記録と文字データを同時に生成し、AIが会話全体を整理します。発言内容がそのまま評価の材料となるため、面接の透明性が高まります。
- 面接全体を後から全員で再確認できる
- 発言の根拠をそのまま保持できる
- 判断理由を明確に提示できる
記録の一貫性により合否の背景が客観的に示され、採用チーム全体で正確な意思決定を行えるようになりました。
評価基準の属人化やばらつき
面接官ごとに異なる判断基準を持つと、採用の一貫性が崩れてしまいます。batonnの観点別要約機能は、評価項目ごとに発言を整理し、データとして保存します。感覚的な判断から、事実に基づく評価へと転換できる仕組みです。
| 改善要素 | 具体的な動作 |
|---|---|
| 判断の根拠 | 発言ログを自動で蓄積 |
| 評価の統一 | 観点別の整理で基準を固定 |
| 精度の向上 | 定量的な分析で再現性を確保 |
面接官の解釈に左右されない評価が実現し、選考全体の信頼性が向上します。面接後の申し送りも根拠つきで行えるため、次の担当者が迷うこともなくなります。
担当者間での情報共有の鈍化
従来の採用活動では申し送りや評価メモの作成に時間がかかり、面接間の情報伝達が遅れる傾向がありました。batonnは、面接終了直後に自動で録画・要約・文字データを共有し、すぐに内容を確認できるようにします。
- 録画リンクを共有して重要箇所を即確認
- 要約テキストにコメントを追加可能
- ハイライト部分を直接引用して申し送り
作業の省力化によって、面接担当者が次の準備に集中できる体制が整います。面接内容の重複が防止され、選考全体のスピードも向上するでしょう。
候補者理解と入社意欲向上の停滞
batonnでは、会話履歴とAI要約をもとに候補者の志向・価値観・キャリア意向を体系的に把握できます。データに基づく質問設計が可能になり、担当者によって質問が重複することを防げます。
また、候補者のフィードバックも自動収集されるため、心理的な温度感を把握しながらのアプローチ最適化も可能です。企業が理解を深め、かつ候補者が納得できる関係を築くことで選考における満足度が高まるでしょう。
batonn導入による4つのメリット

batonnを採用業務に導入すると、面接データの共有・分析・活用が容易になり、選考全体のスピードと精度が向上します。ここでは、batonnの導入によって得られる4つのメリットを紹介します。
選考スピードを高められる
面接の録画や要約データを即時共有できるため、次回面接の準備や評価が迅速に進みます。過去の面接記録を活用することで再確認のための面接を省略でき、日程調整の手間を減らせます。
- 録画・要約を活用して合否判断を即決
- 再面接や重複質問を排除
- 他社決定による機会損失を防止
選考の流れが滞らず、候補者へのレスポンスも早くなるでしょう。スピードが上れば競合他社より先にオファーを提示でき、採用成功も上昇します。
採用チームの連携を効率化する
batonnは、個人の判断に依存しない「共有型選考」を可能にします。評価の根拠を全員が同じ形式で参照できるため、面接担当者間の情報格差が解消されます。
| 改善領域 | 具体的な成果 |
|---|---|
| 情報共有 | AI要約と録画を同時に閲覧可能 |
| 評価の統一 | 観点別要約で基準を整理 |
| コミュニケーション | チャット形式で意見交換が可能 |
一人ひとりの見解を「感想」ではなく「根拠ある評価」として共有できる点が特徴です。結果として、合否判断の議論が短縮され、確認のためのやり取りも減少します。
候補者との双方向コミュニケーションを深められる
面接後のフィードバック機能により、候補者が感じた印象や疑問点を直接取得できます。感想データを可視化することで、企業側が候補者の心理を正確に把握できるようになります。
面接官同士の連携も強化されるため、選考における会話の一貫性が保たれるでしょう。応募者の疑問を迅速に解消し、信頼関係を構築することで、候補者が安心して選考に臨める環境が整います。
採用CXを改善し「選ばれる企業」になる
採用面接の目的は見極めだけでなく、候補者を惹きつけることにもあります。batonnは、評価に関する重複作業を削減し、アトラクト活動に十分な時間を確保できるようにします。
採用CX(Candidate Experience)は、応募者が選考を通じて受け取る体験価値のことです。AI要約と観点別整理の仕組みにより候補者ごとの特性を深く理解し、個別の魅力訴求を行えるようになりました。企業が提供する価値を明確に伝え、求職者が納得感を持って意思決定を下す流れが構築されます。

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batonnの活用シーン・事例

batonnは部門をまたいだ採用活動や現場連携、候補者への魅力づけなど、幅広い採用現場で効果を発揮します。面接の記録をデータ化し、チーム全体で活用することにより、採用スピードと候補者体験の両立を実現可能です。ここでは、代表的なbatonnの活用シーン・事例を3つ紹介します。
複数部門での効率的な選考
複数の部門が関わる採用では、情報共有の遅れが意思決定の妨げになることが多くあります。batonnを利用すれば録画と要約を基に判断ができるため、部門を横断した選考でも迅速な対応が可能です。
- 議事録担当者が同席せずとも面接内容を全員で確認
- 面接録画と要約を共有し、再面接を削減
- 過去の面接データをもとに適材配置を検討
記録をもとに各部門が共通認識を持つことで、判断の一貫性が維持されます。結果として、調整の手間が減り、候補者への回答スピードも向上するでしょう。
現場社員も含めたスムーズな連携
現場社員が面接に関与する際、申し送りや記録確認に多くの時間が費やされてきました。batonnの録画・文字起こし・AI要約によって、必要な情報を即座に確認できるようになります。
| 改善項目 | 実現される効果 |
|---|---|
| 情報確認 | 面接後すぐに文字起こしを閲覧可能 |
| 共有効率 | 要約とハイライトで短時間把握 |
| 判断精度 | 会話の引用により根拠が明確化 |
現場担当者が面接に同席できない場合でも内容を正確に把握できるため、判断のすり合わせが容易になりました。現場と人事の一体感が強まり、採用プロセス全体の連携が円滑になります。
候補者アトラクト強化につながる利用
batonnを活用すると、候補者が面接で語った具体的な経験や価値観を体系的に蓄積できます。蓄積データをもとに、オファー面談やフォロー面談で個別の魅力訴求が実現可能です。
候補者のキャリア意向を踏まえて企業の期待を伝えられるため、双方が納得できる対話が生まれます。AI要約を活用して強調すべきエピソードを抽出することで、説得力のあるメッセージを届けられるようになりました。
データ分析の結果、batonn導入企業では内定承諾までに必要な面接回数が平均で46%削減されており、採用効率とアトラクト効果の両立が実証されています。
まとめ

AI要約や観点別分析を活用することで、面接は属人的な判断からデータに基づく評価へと進化しました。batonnの導入により、選考のスピード向上や情報共有の効率化、候補者との双方向対話、採用体験の改善が実現します。
しかし、採用活動全体を社内だけで最適化するには限界も存在します。採用戦略の設計や候補者対応までを一貫して見直すには、専門的な伴走が効果的です。
「まるごと人事」では、戦略立案から面接運営、母集団形成までをトータルで支援し、採用成果の最大化を後押ししています。採用の質を根本から高めたい場合は、ぜひ相談してみてください。

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