採用・労務・経理に関するお役立ち情報

2025年卒の採用プロセスで適性検査を設けている企業は1443社のうち86.8%、また適性検査の結果を採用基準として重視する企業は39.7%といった結果が報告されています。
参考・引用:『日本の人事部 人事白書2024』
適性検査の導入は一般的になっていますが、数多くのツールが存在するため、「どれを選べば良いかわからない」「導入したが期待した効果が得られない」と悩む採用担当者の方もいるのではないでしょうか。
適性検査選びを間違えると、早期退職による採用コストの増大や優秀な人材の見落としにつながるリスクがあります。
本記事では、適性検査選びで失敗しない4つのポイントと、おすすめ適性検査5つを紹介します。
自社の採用課題に応じた、最適な適性検査の選択にお役立てください。

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適性検査選びで失敗しない4つのポイント

適性検査選びで失敗しないためには、採用したい人物像の明確化が必要です。そのうえで、以下の4つのポイントを押さえて適性検査を選定しましょう。
1. 測定したい内容を測る質問項目になっているか
職種によって必要なスキル・特性は異なります。自社が重視する項目が適性検査で測定可能かを確認しましょう。
確認手順は以下のとおりです。
- 適性検査の詳細資料を取り寄せる
- 測定項目一覧と自社の求める人材像を照合する
- 重要度の高い特性が測定できているかチェックする
例えば、営業職であれば「コミュニケーション能力」「ストレス耐性」、事務職であれば「正確性」「持続力」といった項目が重視されます。スキルだけでなく、自社の経営理念やカルチャーとの相性も考慮した測定項目があるかを確認しましょう。
2. 候補者への負担を考慮した設計になっているか
適性検査の導入前に人事担当者や既存の社員に受検してもらい、候補者が負担に感じるか調査しましょう。受検時間が長すぎる場合、後半で回答の質が低下する可能性があります。
適性検査の多くがWeb形式であり場所を選ばず受検が可能なため候補者にとってメリットです。一方で、ネット環境の依存や不正行為の可能性も考慮する必要があります。
ただし、目的は候補者の負担軽減ではなく、ミスマッチの削減です。結果報告書のサンプルを確認し、求める分析レベル(簡易結果か詳細分析か)も検討しましょう。
3. 検査結果の再現性(信頼性)が担保されているか
同じ人が2度受検した場合の結果の安定性を確認しましょう。同様の結果が得られる「信頼性」は適性検査の品質を示す重要な指標です。
提供会社の担当者に「信頼性係数」を聞き、0〜1.0のうち数字が高いほど信頼性があると判断できます。
ただし、信頼性は測定の一貫性を示すものであり、測定内容の正しさを示すものではないと認識しておきましょう。
信頼性係数だけでなく、質問項目や結果分析のサンプルを確認し、実際に測定したい内容が測れているかを判断しましょう。
4. 報告書のサンプルで活用のしやすさを確認する
適性検査を選ぶ際は、報告書のサンプルを確認しましょう。報告書の内容によって、面接での活用のしやすさが変わります。
面接の際に活用したい場合は、以下の内容が記載されていると参考になります。
- 他の候補者との比較データ
- 面接で確認すべき点の提示
- 面接での質問例
- 注意すべき特性の明示
面接経験が少ない担当者がいる場合は、面接質問を自動生成する機能がある適性検査を選ぶと良いでしょう。
採用で活用できる|おすすめの適性検査5選

採用で活用できる適性検査を5つ紹介します。各社によってサポート内容が異なるため自社にあった適性検査を見つけるためにお役立てください。
Compass|スピーディーな結果表示と充実したサポート

https://www.gdl-cubic.com/compass/
Compassは、職業適性やストレス耐性、コミュニケーションなどの採用者個々の能力が計れます。
WEB 上で受検後、診断結果を即時に表示することができるスピーディーさが特徴です。
| 診断内容 | 採用適性検査:148問/4択式 |
| 実施時間 | 平均回答時間:20分 |
| 実施形態 | Web 形式:インターネット上で回答入力を行う方法 質問紙方式:紙の質問シートを印刷し、回答を手書きで記入する方法 |
| 対象範囲 | 新卒採用(学生)、中途採用(社会人)、既存社員 |
| 実施料金 | 基礎能力はオプション |

以下の充実したサポートが受けられます。
- Compass適性検査導入時の設定方法
- 検査実施前の注意事項等の説明
- 基礎能力検査の科目の相談
- 分析結果の見方のご説明(何度でも)
- 解説書のご提供
- 「採用・早期戦力化」マニュアルの提供
ミキワメ|既存の社員分析から採用基準を策定

https://mikiwame.com/aptitude-test.html
ミキワメは、性格の分析に特化し、採用・組織開発を最適化をすることに長けた検査です。
従来人事コンサルが行っていたものをシステム化し、「受検・分析・活用」を一貫して利用できます。
2025年4月時点で総受験者数150万人以上、累計企業5,000社の実績です。
| 診断内容 | 記載なし |
| 実施時間 | 平均回答時間:性格検査10分、能力検査20分 |
| 実施形態 | Web 形式:インターネット上で回答入力を行う方法のみ 質問紙方式:なし |
| 対象範囲 | 既存社員、候補者 |
| 実施料金 | 550円(込)/人、従業員は何回受けても無料 システム利用料44,000円/月(税込)~ |
カスタマーサクセスチームによる丁寧なオンボーディングと多様なコンテンツの他、以下も特徴です。
- 回答から面接で聞くべき質問を自動生成
- 部署との相性を元に適正配属
アッテル|最先端のAI適性検査

アッテルは、は、10万人のデータと特許技術により開発された最先端の「AI適性検査」です。
従来人事コンサルが行っていたものをシステム化し、「受検・分析・活用」を一貫して利用できます。
2025年4月時点で総受験者数150万人以上、累計企業5,000社の実績です。
| 診断内容 | 採用適性検査 |
| 実施時間 | 平均回答時間:性格15分、学力15分 |
| 実施形態 | Web 形式:インターネット上で回答入力を行う方法 質問紙方式:なし |
| 対象範囲 | 既存社員、候補者 |
| 実施料金 | 3つのプラン
料金は資料ダウンロードか問い合わせが必要 |
検査結果レポートの読み解きやマネジメント層向けの研修も無料で提供しています。
ミツカリ|採用要件の見直しに活用

ミツカリは、は、AIによる分析でコミュニケーションや考え方の傾向、個人と部署の相性などを提示します。
退職者・活躍者の特徴を抽出し、採用要件定義の見直しにも役立ちます。
利用企業5,000社以上で受検者総数40万人以上の実績です。
| 診断内容 | 採用適性検査:72問 |
| 実施時間 | 平均回答時間:10分 |
| 実施形態 | Web 形式:インターネット上で回答入力を行う方法 質問紙方式:紙の質問シートを印刷し、回答を手書きで記入する方法 |
| 対象範囲 | 新卒採用(学生)、中途採用(社会人)、既存社員 |
| 実施料金 | 月額+採用応募者2,000円 従量課金 2つのプランあり
|
チャット・電話サポートやコンシェルジュによるサポートが受けられます。分析・活用研修もあり適性検査の判読に役立ちます。
SPI 3|ATSとのサービス連携による業務効率化

https://www.spi.recruit.co.jp/lp/landing_v7.html
SPI 3は、計30以上の項目から「知的能力・性格特徴」を可視化し、業界ごとの平均と職種別で受検結果が比較できます。
ATS(採用管理システム)とのサービス連携があり、業務効率化が図れます。申し込みから最短1営業日で利用可能です。
2024.3〜2025.3の期間での導入社数18,100社、受検者数257万人(2025年3月期実績)です。
| 診断内容 | 記載なし |
| 実施時間 | 記載なし |
| 実施形態 | テストセンター・インハウスCBT |
| 対象範囲 | 新卒採用(学生)、中途採用(社会人)、既存社員 |
| 実施料金 | 人数分の従量課金制・受検のキャンセル料無料・1名〜OK 性格検査3,000円〜・基礎能力1,500円〜・両方4,000円〜 |
独自のロジックで、嘘をついている可能性がある場合に報告書に表示される仕組みになっています。

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適性検査を採用で活用する際の注意点

適性検査を採用で活用する際は、結果だけで判断せず、面接や書類選考と組み合わせて個人の特性を総合的に把握することが重要です。ここでは、適性検査を効果的に活用するための2つの注意点を解説します。
一次選考のサポートツールとして位置づける
適性検査はあくまで統計的な傾向を示すツールだと認識しましょう。
適性検査の結果のみで採用を進めた場合、以下のリスクが生じます。
- 数値だけで優秀な人材を見落としてしまう
- 多様性のある組織作りが困難になる
- 「適性検査の点数が高い=活躍する」という誤った判断をしてしまう
適性検査で基準を下回った項目や評価の低い項目は、面接で深掘りして確認しましょう。適性検査はあくまで補完的なツールとして位置づけ、候補者の本質的な特性を総合的に判断することが大切です。
面接で捉えにくい一面を読み取る
面接での印象と適性検査の結果が異なる場合があります。短時間の面接では把握しにくい特性は適性検査の結果から補完しましょう。
適性検査は以下のような傾向を把握しやすく、面接での質問設計に役立ちます。
- プレッシャー下での冷静さ
- 困難な状況での対処スタイル
- ストレス発散方法の傾向
適性検査で気になる点が見つかった場合、以下のような質問で深掘りしましょう。
Q1:「今までで最も大変だった仕事について教えてください」
Q2:「締切が厳しいプロジェクトをどう乗り切りますか?」
Q3:「プレッシャーを感じた時、どんな方法で解消していますか?」
質問の際は「例えば?」「具体的には?」と深掘りし、過去の行動から候補者の本質を見抜きましょう。
自社に最適な適性検査を選択しよう

適性検査は、採用において役立つツールですが、結果だけで判断すると優秀な人材を逃しかねません。
自社に最適な適性検査を選ぶには、採用したい人物像を明確化し、測定項目を確認しましょう。実際に、既存社員に受検してもらい、データを取得することで、採用基準の精度が高まります。また、少数の候補者でトライアル実施を行い、面接での活用しやすさも検証しましょう。
適性検査はあくまでもサポートツールであり、面接や書類選考と組み合わせて総合的な判断が必要です。適性検査の適切な導入により、優秀な人材の確保と早期離職の防止を同時に実現し、組織の成長を加速させましょう。

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