採用・労務・経理に関するお役立ち情報

看護師の人材を獲得するには、求人媒体と他の採用手法を合わせた採用方法がおすすめです。実際に、看護師の働き方は多様化し、看護師自身の心の健康を守るためにもワークライフバランスを重視するといった声も多く聞かれます。
採用に成功している医療機関では、現場における課題の把握から始まり、戦略的な採用計画の立案、そして入職後の定着支援まで一貫したアプローチを実践しています。
本記事では、看護師採用動向を分析したうえで、おすすめの求人媒体6つと人材獲得を成功させるためのポイントまで、採用方法を網羅的に解説します。
人材確保に課題を抱える医療機関の採用担当者の方は、ぜひ参考にしてください。
採用計画のたて方でお悩みの採用担当者の方は以下の記事を参考にしてください。

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目次
【最新】看護師採用の現状や人数の推移を解説
厚生労働省や日本看護協会のデータを基に、看護師採用の現状を分析します。現在の看護師採用の困難さを理解し、長期的な人材確保戦略を立てるためには、まず実態を正しく把握することが重要です。
長期的な看護師の人材確保のために、ぜひ参考にしてください。
有効求人倍率は2倍を超える高水準
2022年度の看護職員全体の有効求人倍率は2.20倍であり、全職業平均の1.28倍を上回る水準です。特に常勤では2.84倍、訪問看護ステーションでは4.18倍と、深刻な人材不足を数値が裏付けています。
(ちなみに、保健師・助産師等の求人倍率は1.90倍)
訪問看護ステーションの看護師採用は、特に困難な状況にあります。高齢化社会の進展により、訪問看護のニーズは拡大し続けるでしょう。
医療機関の需要拡大と人材不足が同時進行すれば、採用競争は今後さらに激化すると予想されます。
また、訪問看護ステーションは夜勤が少なくオンコール対応が中心となるなど、病院勤務とは労働条件が大きく異なります。労働条件が異なるにもかかわらず、厚生労働省の賃金構造基本統計調査によると、病院勤務と訪問看護ステーションでの平均年収には大きな差はありません。
給与水準が同等であれば、月4〜5回の夜勤を伴う病院勤務よりも、日勤中心の訪問看護の方が働きやすさの面で選ばれやすいと言えます。
実際に、給与別で看護師の離職率は下記にもあるように、年収が低いほど高い水準です。
出典:公益社団法人 日本看護協会 広報部「看護職員の賃金に関する実態調査」
給与だけに目を向けるべきではなく、「やりがい」を求める看護師も存在します。
看護師の中では、急性期をみる大きい規模の病院で働きたいと思っても、子育て中や家庭の事情で叶わないことも珍しくありません。
特に、常勤の有効求人倍率は高く、看護師の勤務希望によっては採用が難しいと言えるでしょう。
看護の将来ビジョン2040に向けて
日本看護協会は「看護の将来ビジョン2040」において、看護職員のワークライフバランスの実現と満足度向上のため、以下の重点施策を策定しています。
- 看護職員の確保と育成
- 柔軟な働き方の推進
- タスク・シフト/シェアの推進
特に、柔軟な働き方を推進するのであれば、そもそも人材不足であれば難しいでしょう。保育園に通う年齢の子どもを育てる親は要望が多く、要望を叶えるために独身者や小学生以上の子を持つ看護師が担う業務が増えているのも現状です。
新卒人材を確保しても、年齢とともに働く目的やライフスタイルが変化し、病院からクリニック・介護施設へと移る可能性もあると認識しておきましょう。
また、日本医療労働組合連合会の2023年看護職員労働実態調査(回答者数:約3万人)では、「仕事を辞めたいと思うことがある」と回答した看護師が79.2%に達し、職場環境の改善が急務です。
情報収集とはいえ、転職サイトに登録している看護師も多いのが現状です。看護師の採用で課題がない医療機関も、職場環境や労働条件、処遇については常に改善しつつ、今いる看護職員を離さない対策が必要でしょう。
参考:看護の将来ビジョン2040~いのち・暮らし・尊厳を まもり支える看護~

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看護師の募集におすすめの求人媒体6選
効率的に看護師の採用を成功させるなら、求人媒体の活用がおすすめです。看護・医療に特化した求人媒体6社の特徴を表にしました。
サービス名 | 公開求人数 | 利用者数 | 料金体系 | 採用成功費用 |
---|---|---|---|---|
レバウェル看護(※旧:看護のお仕事) | 15万件以上 | 月間20万人 | 入植課金の完全成果報酬型 | 記載なし |
ナース専科 転職(※旧:ナース人材バンク) | 2万件以上 | 登録者数350万人 | 完全成功報酬型 | 記載なし |
看護roo!転職 | 20万件以上 | 記載なし | 完全成功報酬型 | 記載なし |
マイナビ看護師 | 8万件以上 | 累計利用者数50万人以上 | 完全成功報酬型 | 理論年収の20~35% |
看護師ワーカー(※旧:医療ワーカー) | 3万件以上 | 記載なし | 完全成功報酬型 早期退職時返金制度 | 理論年収の35% |
ジョブメドレー看護 | 3万件以上 | 272万人 | 完全成功報酬型 30日以内の退職で返金制度 | 7.2万円~ |
一見多く見られる登録者でも、自社の地域における求職者や求職志望度がどの程度なのかは抑えるべきポイントです。

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看護師の採用を成功させるための5ステップ
看護師の採用を成功に導くためには、戦略的な採用計画の策定が不可欠です。効果的な人材確保を実現するための重要なプロセスを、5つのステップに分けて詳しく解説します。
1. 現場の課題を把握
効果的な採用計画を立案するには、現場の課題を多角的に分析することが重要です。管理層の経営視点と現場看護師の業務視点について、以下を情報を収集し、認識を統一する必要があります。
- 現場看護師へのヒアリング調査
- 業務量分析と人員配置の検証
- 離職理由の詳細分析
- 患者満足度と業務負荷の分析
単純に人員数を増やせば解決するのか、それともある程度の経験やスキルを持つ即戦力が必要なのかを見極め、適切な採用戦略を立案しましょう。
2. 採用ターゲットの明確化
自社が求める人材について、具体的に言語化し採用ミスマッチを防ぎましょう。
採用ターゲットを明確に設定すると、募集要項や求人票で求める人材像を具体的に提示でき、応募者とのミスマッチを防げます。
採用活動の真の目的は、単に人材を獲得することではなく、入社後の定着と継続的な活躍の実現です。
採用できても、早期に離職をしてしまえば医療機関にとって大きな損失になります。
既存の優秀な看護師の特徴を分析し、共通点を明文化することで、採用ターゲットをより具体的に設定できます。技術的スキル、コミュニケーション能力、価値観などを多面的に評価し、求める人材像を詳細に定義しましょう。
3. 採用基準の設定
採用ターゲットと同じく、採用基準の設定をすることで採用ミスマッチの抑制につながります。採用ターゲット以外からの応募の抑制のためにも採用基準は設定しておきましょう。
通過率や採用率が高すぎる場合には、より優秀な人材を採用するために採用基準を上げる必要があります。
反対に、選考通過率が低すぎる場合、採用基準の緩和も検討した方が良いでしょう。
ただし、看護師不足の現状では、完璧な人材を求めすぎず、入社後の成長を前提に採用基準を設定すると良いでしょう。
採用基準の設定によって、適切な採用手法や媒体の選定にも役立ちます。
4. 採用手法やサービスの選定
看護に特化したおすすめ求人媒体の他にも、indeedやWantedlyなどで情報収集する看護師もいます。
特に、Wantedlyでは看護師の求人が増えてきており、現場だけでなくオンライン事業など多岐に渡る働き方を打ち出す企業も増えています。
人材紹介会社からの頻繁な連絡を避けたい場合、登録の必要がないindeedを利用している看護師も一定数いると認識しておきましょう。
採用手法は、人材紹介、求人広告、ダイレクトリクルーティング、リファラル採用などさまざまです。近年では、多くの医療機関が求人媒体を利用しつつ、募集文だけでは伝わりづらい職場の雰囲気や研修の様子などをSNSの投稿やショート動画で投稿しています。
それぞれの手法の特徴を把握し、自社にとって最適な採用手法・サービスを選ぶことが重要です。
5. 入社後の教育体制の構築
単に採用人数を決めるだけでなく、入社後のフォロー体制も採用計画に含めましょう。
計画通りに採用が進んでも、内定辞退や早期離職に至っては成功とは言えません。
新卒採用においては、看護技術研修を十分に行った上で、患者との関わりの際は先輩とペアで回るなど不安を軽減する取り組みが必要です。
中途採用や育休復帰後においても、何をどこまでできるかを明らかにし、適切な指導を受けられるよう計画を立てましょう。
早期離職防止には、新入職員が職場環境に適応し、業務に習熟できるよう体系的なサポート体制を構築することが不可欠です。
最適な採用方法で看護師の採用を成功させよう
看護師採用の成功には、市場環境の正確な理解と、現場のニーズに基づいた戦略的なアプローチが不可欠です。有効求人倍率と看護師の離職意向の高さの現状から、採用活動と職場環境の改善を両輪で進めることが重要です。
単なる人数確保ではなく、自院の課題解決に貢献できる人材の採用と、その後の定着支援で人材不足に対策を講じましょう。
看護師不足がさらに深刻化すると予想される中、今回ご紹介した採用方法と5つのステップを参考に、人材確保戦略の構築を進めてください。

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