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労務業務はデジタル化やアウトソーシングと相性が良いため、令和に入ってから大幅に業務の効率化が進みました。勤怠管理業務にもデジタル化やアウトソーシング化の影響が大きく現れ、勤怠管理の効率化を進めるツールやサービスが多く存在します。
本記事では勤怠管理の業務効率化につながる情報を解説します。
勤怠管理業務が煩雑になりやすい要因や効率化できるツールの解説など、日々の業務をより深く理解できるトピックスを扱っているので、勤怠管理を効率化したいと考えている人はぜひ最後までご覧ください。
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労務業務の『属人化』を改善する方法
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目次
勤怠管理業務は企業にとって必要不可欠
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勤怠管理業務は従業員の労働時間や出退勤状況を記録・管理する業務です。
適切な給与を計算するために必要不可欠な業務であり、企業を健全に経営するためには、正確かつどの従業員でも使いやすい仕組みを整えることが重要になります。
日々発生する業務であるうえに、その他労務業務の起点となる情報になるので、デジタル化やツールを活用した効率化の恩恵が大きいです。
勤怠管理業務の項目を一挙解説
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勤怠管理業務を効率化するためには、管理する項目を理解しておく必要があります。
ここでは勤怠管理業務で管理する項目を4つ解説します。勤怠管理業務の核となる部分であるため、担当者は必ず理解するように心がけましょう。
始業・終業時刻、労働時間、休憩時間
始業・終業時刻や労働時間、休憩時間は賃金算定のために必ず把握が必要な項目です。
遅刻や早退などトラブルが発生した際には、通常の勤怠処理と異なる対応をしなければならないので注意しましょう。
時間外労働時間、深夜労働時間、休日労働時間
時間外労働時間、深夜労働時間、休日労働時間は通常よりも高い賃金を支払う必要があるだけでなく、法律によって制限が設けられている場合もあるため、特に注意して管理しなければならない項目です。
シチュエーションによって異なる割増率が適用されるので、給与計算に間違いがないように注意が必要です。
また、労働基準法や労働安全衛生法の改正によって対応が変わることも珍しくないため、法改正があった場合は対処方法を見直す必要があります。
出勤日、欠勤日、休日出勤日
出勤日や欠勤日、休日出勤日は1か月単位で勤務状況を把握する必要があります。
休日出勤があった際には、振替休日や代休を取得できているかを忘れずに確認するように心がけましょう。
有給取得日数・残日数
2019年4月より年次有給休暇の年5日取得が義務化されているため、適切に有休を消化しているかどうかを管理する必要があります。
また、有給休暇付与を怠ってしまうと労働基準法違反となり、違反者1人につき30万円以下の罰金を支払う事態に発展する恐れがあります。
勤怠管理業務が煩雑になりやすい3つの要因
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勤怠管理業務は企業経営に必要な業務でありながらも、働き方の多様化や法律の改正により年々複雑化しています。
ここでは、勤怠管理業務が煩雑になりやすい要因を3つ紹介します。
勤怠管理業務の改善方法を考えるためには、複雑化しやすい原因を把握しなければなりません。以下の要因はどの業界の企業にとっても共通のものを厳選しています。
勤怠管理業務に問題を抱えている方は下記を参考に、問題と感じている原因を明確にしてみてはいかがでしょうか。
1.勤務形態によって管理内容が異なる
勤務形態は労働者が働く際の勤務時間や労働条件を指します。
勤務形態によって労働時間の契約内容や、賃金の割増条件が異なるため、勤怠管理業務の管理内容も変わります。
誤った勤務形態や労働条件で勤怠を管理してしまうと、適切な給料を支払えなくなってしまうので注意が必要です。
代表的な勤務形態と管理方法は以下のとおりです。
勤務形態 | 所定労働時間 | 休憩の有無 | 時間外労働の割増有無 | 休日労働の割増有無 | 深夜労働の割増有無 |
固定時間制(通常勤務) | 固定 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
変形労働時間制 | 変動 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
フレックスタイム制 | 始業・終業を労働者に委ねる | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
事業場外みなし労働時間制 | 所定労働時間&みなし労働時間 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
裁量労働制 | みなし労働時間(時間は労働者にゆだねる) | 〇 | × | 〇 | 〇 |
高度プロフェッショナル制度 | なし | × | × | × | × |
シフト制・交代勤務制 | 変動 | 〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
宿直勤務制 | なし | × | × | × | 〇 |
管理監督者 | なし | × | × | × | 〇 |
2.扶養範囲内で勤務を希望する従業員への対応が必要
扶養控除は所得税や住民税の計算において、納税者が扶養している家族がいる場合に適用される控除です。
扶養控除の対象になるには年間の収入額を調整する必要があるため、扶養控除内での勤務を希望している従業員がいる場合、扶養控除の基準を考慮した勤怠管理が必要になります。
扶養控除の対象となる条件は法改正によって変わることがあるため、毎年確認する必要がある点も煩雑になりやすい要因の一つだといえるでしょう。
3.テレワークで働く従業員の対応が必要
テレワークは企業に出社せず働く性質上、タイムカードや紙の出勤表などの勤怠管理システムを活用している企業の場合、別の対応策を講じる必要があります。
なお、デジタルでの勤怠管理システムを使用しても、実態に即していない時間を打刻する可能性もあるため、定期的に実態調査を実行するなど、勤怠管理の適正化に努めなければなりません。
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労務業務の『属人化』を改善する方法
労務業務の属人化を解消するための、具体的な方法を徹底解説します!
勤怠管理業務を効率化する方法2選
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勤怠管理業務を効率化するには、従来の勤怠管理システムを見直すことが重要です。
ここでは勤怠管理業務を効率化する2つの方法を解説します。
企業の特色や従業員の使い勝手を見直して、自社に合った効率化の方法を導入してみてはいかがでしょうか。
1.勤怠管理システムを導入する
勤怠管理システムはPCやスマートフォンなどのデジタルデバイスで、従業員が勤怠打刻できるようにするシステムです。
Excelや紙の出勤簿よりも手軽かつミスなく集計しやすいので、業務の効率化に有効です。
勤怠管理システムには、勤怠管理情報がクラウドに蓄積されて集計されるクラウド型や、給与計算システムと連携できるタイプのもの等、さまざまな種類のサービスが展開されているため、自社の特色に合ったツールを選びやすいでしょう。
2.アウトソーシングを導入する
アウトソーシングは勤怠管理業務を外部業者に委託する方法です。
アウトソーシング業者は複数社の支援をしているため、効率的な勤怠管理のノウハウが蓄積されています。
そのため、実践業務で得た膨大な経験・成功例を元に自社の特性に合った業務改善・システム導入の支援が可能です。
また、アウトソーシング業者では専門知識が豊富なスタッフが対応してくれるので、さまざまな勤務形態を採用している企業でも、安心してコア業務に集中できる効果が期待できます。
業務を効率化できる勤怠管理ツールの種類3選
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勤怠管理業務を効率化するツールは複数あり、それぞれメリットとデメリットが異なります。
ここでは勤怠管理業務を効率化できるツールを3つ解説します。
従業員のITスキルや自社の予算を考慮して、ニーズにマッチしたツールを選択してみてはいかがでしょうか。
勤怠管理システム(オンプレミス)
勤怠管理システム(オンプレミス)は自社でサーバーを構築し、管理するツールを指します。
オンプレミス型のメリットは以下のとおりです。
- 自社の働き方・特性にあったカスタマイズがしやすい
- 情報漏洩のリスクが少ない
オンプレミス型のデメリットは以下のとおりです。
- 初期費用が高い
- 自社にITスキルのノウハウがないと運用が難しい
導入コストが高く、うまく運用を始めるにも労力と専門知識が必要になるので、ある程度規模の大きい企業でないと導入が難しい傾向が強いです。
勤怠管理ソフト(SaaS)
勤怠管理ソフト(SaaS)はインターネットを経由して、外部の勤怠管理サーバーを活用するツールを指します。
SaaS型のメリットは以下のとおりです。
- 導入が簡単にできる
- 初期費用が安い
SaaS型のデメリットは以下のとおりです。
- 外部のサーバーを活用するため、情報漏洩のリスクがともなう
- 自社の特性に合わせたカスタマイズが難しい
初期費用・管理コストが低いだけでなく、多種多様なソフトが展開されているため、自社にマッチしている仕様であれば中小企業でも導入しやすいツールであるといえるでしょう。
スマートフォンアプリ型勤怠管理システム
スマートフォンアプリ型勤怠管理システムは、スマートフォンに専用のアプリをインストールし管理するツールを指します。
スマートフォンアプリ型勤怠管理システムのメリットは以下のとおりです。
- リモートワークでも問題なく対応できる
- 打刻機など、専用のデバイスが必要ない
スマートフォンアプリ型勤怠管理システムのデメリットは以下のとおりです。
- 端末の機種やOSによって使用できない場合がある
- 不用意にOSをアップデートしてしまうと、動かなくなる恐れがある
どこでも簡単に打刻できる強みがあるため、フィールドワークの多い企業におすすめです。
勤怠管理の効率化は企業成長に必要不可欠
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本記事では業務効率化につながる、勤怠管理に関する情報を解説しました。
勤怠管理の効率化には多くの方法があるため、自社の特色に合った方法を選択することが重要です。
多様なツールをスムーズに確認するためにも、勤務形態や規模を元に煩雑になっている課題を特定し、自社に必要なツールの機能や特長を明確にすることを心がけましょう。
勤怠管理に手間がかかるなど、勤怠管理に関する悩みがある経営者・管理部門のご担当者様がいましたら、労務ノウハウが豊富な「まるごと労務」に相談してみてはいかがでしょうか。
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