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労務管理業務は、あらゆる企業で発生する一般的なバックオフィス業務です。従業員数が多いほど負担が大きいのはもちろんですが、ベンチャー企業のような少人数の組織においても相応の負担が発生するため、その内容への理解を深めておくことが大切です。
この記事では、労務管理とはどのような業務なのか、具体的な業務内容や必要な人員、そして効率化のポイントについて、解説します。
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目次
労務管理とは
労務管理は、従業員の勤怠や福利厚生の管理など、労働に関する管理業務全般を指す業務です。従業員が正しい労働時間のなかで就業ができているか、必要な福利厚生を受けることができているかといった点を管理し、健康的な働き方の実現に貢献します。
労務管理業務は、営業業務のように直接的な企業の成長に貢献するものではありません。ただ、従業員に向けた安全・安心な職場環境の実現は、組織の持続可能性の観点から近年特に重視されている取り組みです。
労務管理の重要性は大企業で注目されるようになってきており、働き方改革推進においても重視されています。これはベンチャー企業においても同様で、丁寧な労務管理の実施による健全な組織経営が必要です。
労務管理がベンチャー企業に必要な理由
労務管理業務を正しく遂行することは、企業の規模を問わず、全ての組織で義務付けられています。
労務管理業務の中でも重要性が高いのが、勤怠管理です。従業員の労働時間が残業や休日出勤などで極端に長くなることは、重大な健康被害などをもたらすことから、近年は厳しく規制されています。
働き方改革の推進に関する法整備は、ここ数年で抜本的に推進されてきました。2017年、厚生労働省は「労働時間の適正な把握のために使用者が構ずべき措置に関するガイドライン」を発表しました。その中では管理監督者、およびみなし労働時間制の適用者も勤怠管理を義務付けるよう定められており、例外なく必要なものと改められているのが現在です。
なお、例外的に勤怠管理が義務付けられていないものとして、会社経営者や役員が挙げられます。彼らは会社法により労働者ではなく使用者と定義されており、勤怠管理の必要がありません。
そのため、現在は従業員を抱えていない、ひとり社長の場合には労務管理の義務は発生しない点は覚えておくと良いでしょう。
労務管理と人事管理の違い
労務管理と似たような業務として発生するのが、人事管理です。人事管理もまた、従業員の就業をサポートするバックオフィス業務として知られていますが、労務管理とは差別化の上で対応します。
上でも解説したように、労務管理は「就業環境」の管理にフォーカスした業務です。労働基準法に則った勤怠管理や給与計算、従業員の入社・退社手続きを担います。
一方で人事管理は、企業を支える「ヒト」そのものの管理に特化している業務です。採用活動や従業員の評価、人員配置などを担当し、ヒューマンリソースの価値を最大限高めることが求められます。
労務管理と人事管理は似たような領域を扱うため、同じ担当部門が対応することが珍しくありません。ただ、これら二つの業務には明確な違いがあることを知っておけば、業務改善を効率よく進められるでしょう。
労務管理の主な仕事内容
ここで労務管理の主な仕事内容について、整理しておきます。
労働契約関連の業務
労務管理業務の主たる業務が、労働契約書の作成や締結です。契約期間や就業時間、賃金、従事する業務や勤務地など、従業員の労働に関するさまざまな決め事をあらかじめ定めておき、それに同意してもらう必要があります。
労働契約書の他に、労働条件通知書があります。これは労働条件についての内容をまとめて労働者に伝えるものです。これらの書類は兼用することができ「労働条件通知書兼雇用契約書」という形で書類を作成・交付するケースも見られます。
就業規則の作成
就業規則とは、簡単に言えば職場において守るべきルールです。休憩時間や制服、表彰、災害補償など、業務内容に応じた規則を設定し、従業員に周知します。
従業員が10人を超える場合、労働基準法に基づき就業規則の作成が必要です。10人に満たない場合は作成は義務ではないものの、事業が大きくなった際の混乱を避けるためにも、早期に作成しておくべきでしょう。
社会保険手続き
社会保険手続きは、厚生年金や健康保険の加入手続きを指します。入社時の保険資格の取得、および退社時の資格喪失届といった業務が発生します。
休職の際には給付金の手続きが発生しますが、これらも社会保険手続きの一種です。
勤怠管理
勤怠管理は、始業と終業、遅刻や欠勤、残業や休日出勤といった勤務実績を管理する業務です。従業員の労働状況を素早く把握し、後述の給与計算業務を効率化する上で欠かせません。
給与計算
給与計算は、勤怠データや雇用契約の内容、人事評価データを参考に従業員に支払う給与を計算する業務です。通常の給与に加え、残業代や各種手当、そして保険料や税金の差引を行い、最終金額を算出します。
福利厚生の整備
従業員、およびその家族には、会社で定めた福利厚生を享受する権利が与えられます。通勤手当の給付や社宅の提供、育児支援、カウンセリングサービスなど、さまざまな福利厚生が各社で与えられています。
どのような福利厚生を提供するか、どのくらい福利厚生が用いられているかといった情報の管理は、労務管理担当者の業務です。
関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/labor-management-system/
ベンチャー企業が配置すべき管理監督者と衛生管理者
労務管理を遂行する上で、知っておきたいのが管理監督者および衛生管理者の配置です。これらの担当者を正しく起用し配置することは、ベンチャー企業にも近年強く求められています。
管理監督者とは
管理監督者は、人事管理や労務管理における意思決定を行うポジションです。現場の判断に任せるのではなく、責任ある人物が労務管理の手綱を握ることで、健康的な組織経営の維持に貢献します。
経営者が兼任することもあるこの役割ですが、2019年の働き方改革関連法の施行に伴い、管理監督者自身の労働時間の把握も求められるようになりました。
管理監督者の選任条件
管理監督者となるためには、特別な資格は必要ありません。ただ専任条件としては以下の4つが労働基準法において定められています。
- 重要な職務内容を有していること
- 経営者と一体的な責任と権限を有していること
- 勤務時間の制限を受けていないこと
- 職務相応の待遇を受けていること
また、労務管理を法的に正しく遂行し、組織力を高める上で改善するためには、専門の資格を持っている人物の配置も望ましいとされています。具体的には、社労士や衛生管理者の資格を持つ人物です。
衛生管理者とは
衛生管理者は、従業員の健康維持や増進、そして労働環境の改善のための知見を有する有資格者のことです。全ての業種において活躍ができる第一種衛生管理者と、特定の業種でのみ採用が可能な第二種衛生管理者の2種類が存在します。
労働安全衛生法に基づき、常時50人以上の従業員を有する事業場においては、衛生管理者の選任が企業には求められています。
労務管理業務を遂行する上での課題
労務管理業務は、組織の規模が大きくなるごとにその負担が大きくなっていくというネックを抱えています。具体的には、以下のような課題の発生への対処です。
- 手続きの煩雑化
- 働き方改革の推進
- コンプライアンスの遵守
- 情報管理の強化
労務管理の各種手続きは、従業員数が増えると、それに比例して面倒になっていくことは言うまでもありません。人数分の処理が発生し、手動での対応には限界があるでしょう。
働き方改革を推進し、リモートとオフィスワークの混合が進むと、勤怠管理は困難になります。このような状況でも一括管理するためには、何らかの対策が必要です。
また、規模の拡大に伴い法律によって定められた義務も増えてきます。契約書の作成やその内容の確認を怠ると、重大な法令違反に発展する可能性も出てくるでしょう。
従業員情報が増えると、その情報管理にも目を配る必要が出てきます。近年はサイバー攻撃の頻度や凶悪さも増大し、生半可なセキュリティでは取り返しのつかない被害を被るケースが考えられます。
ベンチャー企業が労務管理を効率化・省力化するには?
これらの課題を解決するためには、労務管理ソフトの導入が不可欠です。労務管理や人事管理に特化した専用パッケージを導入することで、まとめて業務を自動化・効率化できます。また、しっかりとしたセキュリティが整備されたクラウド上にデータを保管しておくことで、サイバー攻撃を受けた際の被害を最小限に抑えられるメリットも期待できます。
近年は労務管理ソフトも多様な製品が登場しています。自社の規模や業務課題に応じて、最適な製品の導入ができるよう十分な検討をしておきましょう。
まとめ
この記事では、労務管理とはどのような業務なのか、労務管理の徹底はなぜ必要なのかについて解説しました。企業の規模は小さくとも、労務管理はほぼ必ず必要になってくるバックオフィス業務です。事業の成長に伴い、その負担はどんどん大きくなってくることから、早めの業務効率化に向けた取り組みが求められるでしょう。
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