採用お役立ち情報

ベンチャー・スタートアップなどを中心に、経理業務のリソースが足りないといった課題解決の手段として、経理BPOが注目されています。
本記事では、経理BPOサービスの基本的な情報から、ベンチャー・スタートアップ向けのメリット、注意点などを解説します。

経理代行サービス比較表
経理代行サービスの活用の基本を解説。8社のサービスが一気に比較できます!
目次
BPOとは?
「BPO」とは、ビジネス・プロセス・アウトソーシング(Business Process Outsourcing)の略で、バックオフィス業務などの一部業務プロセスを専門業者に外部委託することを指します。
人材派遣やアウトソーシングは「業務単位で委託すること」をサービス対象としているが、BPOは「ビジネスプロセスごと委託すること」をサービス対象にしているため、人材派遣やアウトソーシングより、社内のシステムに与える影響は大きいです。
BPOにはシステム運用などのIT上の業務に対応する「IT型」と、財務・経理や人事などのIT上以外の業務まで対応できる「非IT型」があります。
経理BPOサービスって何?
「経理BPOサービス」は、記帳仕訳、債権債務管理、月次決算などを代行しているサービスです。
一般的には、「非IT型」のBPOサービスに分類されますが、書類の電子化の影響もあり、ITを活用しているケースも増加しています。
システムのデジタル化を推進するのと同時並行で、経理BPOサービスを利用する企業は増加傾向にあると言えるでしょう。
経理BPOサービスにも種類がある
経理BPOには3つのサービス形態があります。
サービス形態によって、強みや向いている企業の性質が異なるため、上手く経理BPOを活用するためには、それぞれの仕組みを把握することが重要です。
自社の特性にマッチしている、適切な経理BPOサービス形態を見極めてみてはいかがでしょうか。
オンライン経理代行
「オンライン経理代行」とは、リモート環境で専門スタッフが経理業務を行う経理BPOサービスです。
オンラインで経理業務を代行する体制が整っているため、柔軟性が高い強みがあります。
また、一貫してオンライン上で業務に対応しているため、リモート環境をメインに業務を行っている企業と相性が良いと言えるでしょう。
ただ、ファイリングなど書類ベースの業務に対応していない業者が多いため、注意が必要です。
センター型BPO
「センター型BPO」とは、発注者のオフィスに常駐せずに他の場所で経理業務を行う経理BPOサービスです。
IT上の作業だけでなく、紙ベースの業務でも対応可能など、対応できる業務幅が広い強みがあります。
加えて、拠点を他の場所に構えることで、災害時にも事業を継続しやすいメリットも考えられます。
ただ、発注には一定規模以上の業務ボリュームが必要なため、ベンチャー・スタートアップでは運用が難しい傾向が強いです。
常駐型BPO
「常駐型BPO」とは、専属スタッフがクライアントのオフィスに常駐して経理業務を行う経理BPOサービスです。
同じ職場で作業するため、スタッフの専門性や業務品質が確保しやすい強みがあります。
ただ、業務スペースや設備などのインフラ整備する必要があり、リモート環境をメインに業務を展開している企業だと運用が難しいと言えるでしょう。

経理代行サービス比較表
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経理BPOサービスを利用するメリット3選
ここでは、経理BPOサービスを利用するメリットを3つ紹介します。
経理BPOサービスを導入する判断を下すためには、メリットの把握が必須です。
自社の課題を明確にし、メリットが課題解決に繋がるかどうか、考えてみると良いでしょう。
1.コストの削減に繋がる
経理BPOサービスのメリットとして、コストの削減に有効であることが挙げられます。
経理のビジネスプロセスごと業務を代行してくれるため、経理業務に関する人件費や設備費を大幅に削減できるでしょう。
特にベンチャー・スタートアップ企業は人材獲得・育成が困難な傾向があるため、コスト削減の効果が大きいです。
繁忙期に限定して導入しても効果が見込めるため、導入コストを抑えたい企業は繁忙期にサービスを導入してみると良いでしょう。
2.事業により注力できる
経理を外部に委託することで、時間を確保できる点も、経理BPOサービスのメリットとして挙げられます。
特に企業の人数が少ない場合は、1人の業務範囲が広いため、コア事業に対する時間の確保が事業拡大の鍵になります。
さらに、サービスを利用することで、自社の経理業務に社内と社外からチェックの目が入るため、ブラックボックス化が解消できる効果も期待できるでしょう。
3.経理の品質を簡単に向上できる
経理BPOサービスは、専門的な知識が必要な仕事をプロに任せられるので、経理の品質を向上させられます。
ベンチャー・スタートアップでリモートなどの自由な働き方を実現するためには、経理の品質を高く保つ必要があります。
自由度が高い働き方でも、プロに作業を任せることで正確かつ効率的な経理業務を実現できるため、リスク管理がしやすいと言えるでしょう。
加えて、プロの視点で経理の面からアドバイスも受けられるので、財政面の安定にも効果を期待できるでしょう。
【思わぬ落とし穴?】経理BPOを導入する時に注意したいこと
ここでは、経理BPOを導入する時に注意すべき項目を4つ紹介します。
経理BPOの運用が不適切だと、事業にデメリットを被ることも少なくありません。
上手く運用するためにも、事前に注意事項を把握することが大切です。
1.依頼先によってはかえって業務が増えることも
派遣社員系やアシスタント系のように都度指示が必要な場合や、決まった業務しか対応できない場合は、依頼先の管理工数で業務が増えることがあります。
依頼前に業者にどのような進め方になるか確認しておくことで、導入するイメージを固められます。
指示する内容や手間が多そうな場合は、導入する前に入念な準備が必要になるでしょう。
2.適切な運用プランを意識しないと費用が割高になってしまう
サービス内容の費用対効果を意識しないと、かえってコストがかかってしまうケースもあります。
導入する際には、自社の課題を細分化して、代行依頼する業務の量や項目を明確にしておくことが重要です。
また、リモートで業務を展開しているか否かや経理業務の媒体によって、業者やサービス形態が異なりますので、自社の特性もきちんと把握するようにしましょう。
3.情報漏洩のリスクが伴うこともある
外部にサービスを依頼することで、送付する書類には社員の個人情報や会社の機密情報なども含まれるため、情報漏洩のリスクを伴うことを意識することも重要です。
業者がサイバー攻撃や不正アクセスを受けると、情報漏洩する事態に陥ります。
サービス先の実績やセキュリティ面を確認することで、信用できる企業であるかを判断できます。
4.社内にシステムを浸透させるには情報共有が重要
経理BPOをただ導入するだけでは、社内に仕組みが浸透しないことも考えられます。
そのため、仕組みを浸透させるには、効果的な情報共有が重要です。
導入前は勿論のこと、導入後も使用の変更があった際には、社内にきちんと情報が伝達される仕組みを構築しておきましょう。
経理BPO導入までの流れ

経理BPOを活用するには、事前準備から導入後の運用までいくつかのステップを踏む必要があります。以下で、代表的な3段階の流れを紹介します。
1.依頼の要件定義
スムーズに経理BPOを導入するためには、まず外部に委ねたい業務内容を整理することが求められます。すべての業務を任せるのではなく、自社で対応しきれない領域やボトルネックとなっている作業に絞り込むのが現実的です。
たとえば、伝票処理や請求書発行など日常的な業務を委託対象とすることで、社内の業務負担を軽減しやすくなります。委託対象が明確になれば、その後の業務設計や契約内容の調整も進めやすくなるでしょう。
2.サービスの比較検討
業務内容が整理できたら、次に行うべきはサービス提供会社の選定です。選ぶ際には対応できる業務範囲の広さや、過去の導入実績、セキュリティ対策の有無といった複数の視点から比較することが大切です。
とくに経理業務では機密性の高い情報を扱うため、セキュリティ体制が整っているかどうかを見極めておくと安心です。さらに、サービス開始後のサポート体制も確認しておけば、継続的な改善につなげやすくなります。
3.契約手続き・依頼開始
導入するサービスが決まったあとは、具体的な業務フローの設計に進みます。自社の既存業務に合わせてマニュアルや手順書を整備し、委託先との間で齟齬が生まれないよう共有内容を精査しましょう。なお、マニュアルが不要なサービスがあることも覚えておいてください。
そのうえで業務委託契約を締結し、スケジュールに沿って引き継ぎやトライアル運用を開始する流れです。導入直後は小さなトラブルが起きやすいため、社内外でこまめな連携を保ちながら体制を整えていくことが重要です。

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おすすめ経理BPOサービス7選

業務負担の軽減や体制の安定化を目指すうえで、信頼できるパートナー選びは欠かせません。ここでは、経理業務の外部委託を検討する企業に向けて、実績とサポート力のあるおすすめの経理BPOサービスを7つ紹介します。
まるごと経理
「まるごと経理」は、ベンチャーや中小企業を中心に、記帳代行・請求書発行・経費精算などの定型業務を月額固定で依頼できる経理のサブスクリプションサービスです。オプションで年末調整や支払調書の作成も依頼可能で、繁忙期のスポット対応にも柔軟に対応しています。契約期間の縛りがないため、必要なときだけ使いたい企業にもぴったりです。
- 料金:要問い合わせ
- 契約期間:縛りなし
- サービスサイト:まるごと経理

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CASTER BIZ accounting
キャスターが提供する「CASTER BIZ accounting」は、完全オンラインで経理業務を代行するサービスです。請求書発行や仕訳処理、月次決算まで幅広くカバーし、顧問税理士との連携にも対応しています。クラウドツールに精通したスタッフが対応するため、IT環境に親和性のある企業に適しています。
- 料金:月額11万円~
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:CASTER BIZ accounting
Merry Biz(メリービズ)
Merry Bizは、経理のアウトソーシングに加え、業務フローの見直しやツールの導入支援も行っているサービスです。仕訳入力や債権債務管理のような実務だけでなく、コンサルタントや会計士など多様な専門家が支援にあたるため、経理体制を根本から見直したい企業におすすめです。
- 料金:月額50万円〜(要見積)
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:Merry Biz
パソナの経理代行サービス
パソナグループの経理代行サービスは、従来の人手による作業だけでなく、RPAやOCRなどの自動化技術を活用し、業務全体の効率化を図ります。顧客の業務フローを丁寧に分析したうえで最適な改善策を提案してくれるため、属人化に悩む企業にも最適です。
- 料金:要問合せ
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:パソナ 経理代行サービス
トランスコスモス
トランスコスモスは、経理業務のBPO分野で多くの大企業と取引実績があり、AI技術を活用した請求書処理や支払業務の自動化に力を入れています。拠点数が多く、セキュリティ体制も整っているため、全国規模での支援が求められるケースにも適しています。
- 料金:要問合せ
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:トランスコスモス 経理代行サービス
タクセル経理
タクセル経理は、日々の記帳業務から年次決算、さらに財務戦略の立案やIPO支援といったCFO領域まで一括で対応しています。税理士や会計士がチームに加わっているため、専門性の高い業務も安心して任せられます。
- 料金:月額10万円〜30万円
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:タクセル経理
SEVENRICH Accounting
SEVENRICH Accountingは、業務マニュアルの作成からツール導入・定着まで一貫してサポートする体制構築支援に強みを持っています。社内の経理体制をゼロから整えたい企業や、業務の属人化を解消したい場合に有効な選択肢です。
- 料金:要問合せ
- 契約期間:要問合せ
- サービスサイト:SEVENRICH Accounting
経理BPOサービスを選ぶコツとは?
ここでは、経理BPOサービスを選ぶコツをいくつか紹介します。
経理BPOサービスは多くの種類があるため、自社にマッチしたサービスを見つけることが重要です。
以下のコツを意識して、複数のサービスを比較検討してみてはいかがでしょうか。
委託したい業務内容を決めておく
経理BPOサービスは多種多様な経理代行サービスを展開しているため、委託したい業務内容を決めておくことが重要です。
委託したい業務内容を明確にすることで、費用対効果を高められる効果があります。
さらに、項目を絞ることで、サービスの比較検討がしやすくなるため、スムーズに業者を選べます。
社内に知見がない場合は、月額制で依頼業務をフレキシブルに変えられるサービスを選ぶことがおすすめです。
依頼先の実績・信頼性を調べておく
経理BPOサービスを依頼する際には、過去の実績や取引先の業種・企業規模などを確認しておくと安心です。とくに確定申告や年末調整といった専門性の高い業務に対応する場合には、税理士や公認会計士などの専門家が在籍しているかを見ておくと信頼性を測るひとつの指標になります。
実績が豊富であれば、類似企業での対応経験を踏まえた提案が期待でき、運用もスムーズに進むでしょう。
予算と価格がマッチしているか確認する
コスト削減を目的に経理BPOを導入する場合には、価格設定が自社の予算に合っているかを事前に見極めることが重要です。業務内容に見合った料金かどうかを見極めるには、提供されるサービスの範囲や品質を比較する視点も欠かせません。
また、不要なオプションが含まれていないかにも目を配り、費用対効果が高いかどうかを慎重に判断しましょう。
業務量の変動にも対応してくれるかどうか確認する
業務量に応じてスタッフの人数変更ができ、人数に合わせて料金も下げられるプランがあるかどうか確認すると良いでしょう。
特に閑散期と繁忙期の差が激しい企業は、調整できるかどうかで費用が大きく異なります。
ベンチャー・スタートアップは金銭のリソースをシビアに考える必要があるため、業務量の変動にも対応してくれるかどうかの確認は重要です。

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経理BPOサービスを導入するポイント

経理BPOサービスの委託先が決定した後、スムーズに業務を進めるためには、いくつかの重要なポイントがあります。以下にそのポイントを解説します。
1. 業務範囲と責任分担の明確化
まず重要なのは、委託する業務の範囲と、自社・委託先それぞれの責任分担を明確にしておくことです。例えば、仕訳入力、請求書の発行、月次決算など、どこまでを委託し、どこからを自社で対応するのかを事前に整理しておくことで、認識のズレやトラブルを防げます。
2. 業務フロー・マニュアルの共有
委託先によって、依頼時にマニュアルが必要なサービスと不要なサービスがあります。マニュアルなしでも委託できるサービスの方が依頼の負荷が少なく導入できます。その場合でも、密にコミュニケーションを取って、これまでの業務フローや会社として大切にしたいポイントなどを共有しましょう。
マニュアルが必要なサービスの場合は、マニュアルを準備する工数を確保しておきましょう。委託先によって、どの程度マニュアルを作り込む必要があるかも異なりますので、導入の際には確認しておくと良いでしょう。
3. 定期的なコミュニケーションの確保
経理BPO導入後も、定期的なミーティングやレポートを通じて、業務の進捗や課題を共有する場を設けましょう。初期段階では週次、安定してきたら月次での確認など、段階に応じたコミュニケーション設計が重要です。
4. セキュリティ・情報管理体制の確認
経理業務には機密情報が多く含まれるため、委託先の情報管理体制も確認しておくことが大切です。アクセス権限の管理や、データの送受信方法、セキュリティポリシーの共有などを徹底しましょう。
5. トライアル期間の活用
可能であれば、初期段階にトライアル期間を設けるのも一つの手です。実際の業務を通じて、双方の相性や業務の進め方を確認することで、正式な委託前に改善点を洗い出すことができます。
経理BPOは、導入の仕方次第で大きな効果を発揮します。委託先との信頼関係を築きながら、業務の効率化と品質向上を目指していきましょう。
【まとめ】ベンチャー・スタートアップが経理BPOを活用するメリットはとても大きい
この記事では、経理BPOの概要やメリット、注意点などを解説しました。
経理BPOの導入は、事業が成長していくベンチャー・スタートアップの業務の品質を向上させることに繋がります。
経理BPOを効果的に運用するには、企業の特性に合ったサービスを選択することが必要不可欠です。
経理業務のリソース不足や知見不足に悩んでいる経営者・経理担当者は、ぜひ「まるごと経理」にご相談ください。

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