採用お役立ち情報

新卒採用における面接は、多くの企業が実施する選考ステップです。しかし、これは単なる合否判定の場ではなく、学生と直接向き合い、互いを深く理解するための貴重な機会であることを、改めて認識しておく必要があります。
この記事では、新卒採用の面接に携わる方が知っておくべきポイントをまとめました。面接の質を高めたいとお考えの方は、ぜひ最後まで読んで参考にしてください。

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目次
新卒採用面接におけるマニュアルのメリット
新卒採用面接におけるマニュアルは、面接全体の質を高める上で重要なツールです。特に、複数の面接官が担当する場合、候補者を統一された基準で公平に評価するためには、マニュアルの存在が大きなポイントとなります。
以下で、マニュアルを作るメリットをご紹介します。
統一された基準による評価
複数の面接官がいる場合、経験や価値観により評価基準にばらつきが生じやすい傾向があります。これは候補者にとって不公平であり、採用の質低下にも繋がります。
マニュアルを整備すれば、面接官が共通の視点で評価できるようになり、主観的な判断を抑えることが可能です。公平かつ質の高い採用のためにマニュアルは有効です。
面接のレベルアップと標準化
統一された一貫性のある面接プロセスは、質の高い対話を生み出し、候補者の安心感に繋がります。
候補者は能力や可能性を最大限に発揮し、自然な姿を表現できます。また、面接官も共通手順で対応できるため、予期せぬ事態にも落ち着いて対処可能です。
両者にとってメリットが大きく、面接全体の質を高める上で大切です。
会社のブランド価値を守り育てる
面接官の態度・言動は企業の印象を大きく左右し、学生間の評判にも影響します。
マニュアルがあれば、全ての候補者へ一貫して質の高い面接体験を提供でき、これは現在の採用だけでなく、将来的な人材獲得にも良い影響をもたらします。
適切に設計された面接マニュアルは、企業の持続的な成長を支える重要なツールと言えます。
適切な面接官の選任方法
面接の質は、担当する面接官のスキルや適性に大きく左右されます。
適切な面接官を選任しないと、応募者の能力や資質を正しく見極められないだけでなく、学生に企業の魅力を十分に伝えることも難しくなってしまいます。
面接で知りたい能力に応じて担当者を変える
面接官は、その面接の目的や評価ポイントに合う人材を選定することが大事です。
選考ステップ(一次、最終など)や面接内容(職種など)によって適任者は異なります。例えば、一次は現場社員、最終は経営層、技術職面接ならエンジニア、営業職なら営業担当者など、評価に必要なスキル・知見を持つ担当者を配置しましょう。
コミュニケーションスキルが高い人材
面接官には、応募者の能力を見極める力に加え、本音を引き出す雰囲気を作る力が求められます。そのため、コミュニケーションスキルが高い人材を選びましょう。
具体的には、適切なアイスブレイクで緊張を和らげ、応募者の発言にうなずきや相槌など良いリアクションを取ることが大切です。応募者が安心して本来の姿を表現できる雰囲気を作り出しましょう。
公平な評価ができる人材
面接官には客観的な評価能力が不可欠です。個人的な好みや主観的な印象に頼らず、評価基準に基づき冷静に判断できる人材を選びましょう。
「一緒に働きたいか」といった感覚ではなく、具体的なエピソードで評価することが重要です。複数面接官間での評価の適切なすり合わせも求められます。

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新卒採用面接のステップとポイント
一般的な新卒採用面接のステップと各段階で押さえておくべきポイント、をご紹介します。面接全体の流れを理解し、安心して当日を迎えられるよう、ぜひ参考にしてください。
1.自己紹介とアイスブレイク
面接冒頭は軽い雑談(アイスブレイク)で学生の緊張を和らげましょう。リラックスできる話題を選べば、本音やポテンシャルを引き出しやすくなります。
次に面接官が自己紹介で安心感を与え、学生の自己紹介へ。履歴書等を確認しつつ、自然な流れで質問へ繋げていきましょう。これがスムーズな面接実施のポイントです。
2.会社についての説明
面接において、学生に自社に関する正確な情報を提供することは非常に重要です。面接官は、会社概要や事業内容などを事前にしっかり把握し、分かりやすく説明できるよう準備しておきましょう。
学生は、リアルな情報を知った上で入社を判断したいと考えています。そのため、自社の良い面だけでなく、課題や大変な点についても正直に伝えるべきです。
労働条件等の明示については、法令においても、労働者に誤解を生じさせないよう、分かりやすい言葉で明快に説明することが求められています。
- 労働条件等の明示について
従事すべき業務の内容及び賃金、労働時間その他の労働条件(以下「従事すべき業務の内容等」という。)を可能な限り速やかに明示しなければならない
引用:平成11年労働省告示141号/ 厚生省
課題や大変な点については、今後の改善に向けた取り組みと併せて伝え、自社の魅力や強み、そして自身の仕事への思いなどは、自信を持って具体的にアピールしましょう。
3.面接官からの質問
志望動機や自己PRなど、学生が答えやすく重要度の高い内容から始めましょう。評価を比較しやすく、学生も落ち着いて臨めるよう、最初の数問は共通化がおすすめです。
続く深掘り質問では、学生の回答をよく聞き、キーワードなどを受けて「〇〇について詳しく教えてください」のように具体的に問いかけます。これにより学生は話しやすくなり、傾聴の姿勢も伝えられます。
学生の経験や志向に合わせ、「〇〇な経験は弊社で△△な仕事に活かせます」といったように、自社の具体的な仕事内容を紹介するのも効果的です。学生の入社意欲を高めることにつながります。
4.学生からの逆質問
学生からの逆質問は、学生の企業への理解を深める貴重な機会であると同時に、その質問内容から学生の志望度や熱意を測る上でも非常に有効です。逆質問のために確保する時間は事前に決めておき、面接中は、あらかじめ決めた時間配分を意識しながら、企業側の質問を切り上げるタイミングを調整することがベストです。
5.今後の選考スケジュールの流れを説明
面接の締めくくりとして、まずはご参加いただいたことへのお礼を学生に伝えましょう。
次に、選考結果の通知方法や今後の選考スケジュールなどの流れについて、学生が不安に思わないよう丁寧に説明します。
説明が終わったら、学生に退出を促し、最後にお見送りの挨拶をしたら面接は終了となります。
面接官が意識すべき印象アップの5つのポイント
ここでは、学生に良い印象を与え、入社意欲を高めるための具体的な5つのポイントをご紹介します。
1.面接官の清潔感は必須
面接で好印象を与えるには、服装や身だしなみを整えることが基本です。以下の点に注意しましょう。
- 清潔感のある服装を心がける
- 髪型・髪色を整える
- 爪をきちんと切る
- 過度な香水や化粧は控える
- 派手なアクセサリーは避ける
服装は、企業の社風や職種に合わせて選びましょう。例えば、金融機関ではスーツが一般的ですが、IT企業などではカジュアルな服装が認められる場合もあります。面接官に良い第一印象を与えるため、事前に確認しておくことが大切です。
2.オンライン面接での効果的なアイコンタクト
オンライン面接で話す際は、Webカメラのレンズに視線を向けましょう。
相手は画面を通してあなたの表情を見ています。レンズに視線を向けることで、画面越しでも目が合っているような印象を与え、親近感や信頼感につながります。
3.真摯な態度で候補者と向き合う姿勢
面接は、企業と学生が初めて直接向き合う大切な機会です。この場で信頼関係を築くためには、面接官の誠実な態度が不可欠です。
面接時間の遅刻、学生の話を遮る、質問に曖昧に答えるといった振る舞いは、学生からの信頼を一瞬で失う可能性があります。
学生の話に真摯に耳を傾け、分かりやすい言葉で話すよう心がけましょう。これにより、学生は安心して話せ、企業への信頼感も高まります。
4.学生のリラックスを引き出す雰囲気作り
新卒採用面接では、学生がリラックスして、楽しく話せる雰囲気を作ることがポイントです。
学生が気持ちよく話せることで、面接官は学生の素顔やポテンシャルを引き出し、より的確な判断を下せるようになります。
そのために、以下の点を心がけましょう。
- 学生が話しやすい、得意な話題を選ぶ
- 相槌や質問による深掘りで、話を自然に引き出す
- 共通の話題で親近感を作り出す
特に、面接官自身と学生に共通の趣味や経験などがあれば、会話も弾みやすく、親近感を感じてもらいやすくなるのでおすすめです。
5.マニュアルにない「面接官自身の声」
単なる事務的な説明に終始せず、面接官自身の考えや仕事への思いなどを率直に伝えましょう。そうすることで、学生は面接官に心を開きやすくなり、親近感を抱きやすくなります。
面接官に対して親近感を抱いた学生は、その面接官が属する会社にも、良いイメージを持ってくれる可能性が高まります。
面接で活用する質問リストとその目的
新卒採用面接における質問リストは、限られた時間の中で候補者の潜在能力を見極めるための、重要な要素です。
特に、職務経験が少ない新卒候補者の場合、学生時代の経験やそこから得た考え方を通じて、その人物の可能性を深く探る質問の工夫が必要となります。
オープン・クエスチョンとクローズド・クエスチョン
オープン・クエスチョンは、相手に自由に、詳細な回答を引き出す質問形式ということ です。例えば、「なぜそのように考えられますか」「具体的にどのような点が重要ですか」「〜についてどのように捉えられますか」といった問いかけがこれにあたります。
このような場面で活用できます。
- 相手から幅広い情報や本音を引き出したいとき
- 相手の思考プロセスや表現力を確認したいとき
- 対話を深め、新たな視点を得たいとき
- 面接やヒアリング、意見交換などの場面
クローズド・クエスチョンは、回答が「はい」「いいえ」、あるいは限定された選択肢となる質問形式ということ です。例えば、「〜で相違ありませんか」「〇〇でよろしいでしょうか」「AとBのどちらを選択されますか」といった問いかけがこれにあたります。
このような場面で活用できます。
- 特定の事実や状況を素早く確認したいとき
- 相手の意思決定を促したいとき
- 会話の方向性を確認したり、内容を簡潔にまとめたいとき
この2つの使い分けは、対話の目的や状況に応じて適切に行うことが重要 です。例えば、対話の開始時や相手に多くを語ってほしい場合はオープン・クエスチョンを、詳細を確認したい場合や意思決定を促したい場合はクローズド・クエスチョンを用いるなど、状況に応じて使い分けることで、より効果的なコミュニケーションが実現できます。
志望理由や自己PRの背景を聞き出す深掘り術
志望動機や自己PRといった質問では、単に表面的な回答を引き出すに留まらず、回答の背景にある思考や価値観まで深く掘り下げることがポイントです。
例えば、「当社の何が具体的に魅力だと感じましたか?」「他社と比較検討される中で、特に注目されたポイントは?」「その強みを当社でどのように活かしたいとお考えですか?」といった質問を投げかけることで、応募者の本質に迫りましょう。
STAR法に沿った質問で本質を見抜く
STAR法は、候補者の過去の具体的な行動や経験を掘り下げることで、その人物の能力や特性、さらには将来の行動を予測するための効果的な手法です。
STAR法では、以下の4つの要素に着目して質問を展開し、深掘りします。
- Situation(状況):その経験における具体的な状況について尋ねます。「具体的にどのような状況でしたか?」
- Task(課題): その状況下で直面した課題や、あなたが担っていた役割について尋ねます。「あなたはどのような役割を担っていましたか?」「どのような課題に直面しましたか?」
- Action(行動):その課題に対して、あなたがどのような行動を取ったかについて尋ねます。「どのような行動を取りましたか?」
- Result(結果):その行動の結果、どのような成果が得られたかについて尋ねます。「その結果、どのような成果が得られましたか?」
ストレス耐性や変化への適応力を測る質問例
ストレス耐性や変化への適応力は、入社後の活躍や定着に必要不可欠な要素です。これらの能力は、以下のような質問を通じて具体的に評価できます。
「予期せぬ問題が発生したとき、具体的にどのように対処しましたか?」
「チームメンバーとの意見の相違に対し、どのように解決を図りましたか?」
「大きな失敗を経験したとき、どのように立て直しましたか?」
これらの質問からは、候補者の問題解決能力や、困難な状況、ストレス下での具体的な対応力を引き出すことができます。ただし、単に質問を投げかけるだけでなく、その意図を候補者に伝え、答えやすい具体的なエピソードを引き出す文脈で問いかけることを心がけましょう。

このまま使える面談・面接マニュアル
面談・面接初心者にオススメ!候補者の入社意欲を高め、的確に見極めができるコツをわかりやすく紹介します
新卒採用面接官が避けるべき言動リスト
面接官の言動は、候補者の入社意欲や企業への印象を大きく左右するだけでなく、企業のブランドイメージや法的なリスクにも直結する、慎重に扱うべき要素です。
ここでは、面接官が特に意識し、注意すべき具体的なポイントについて解説します。
法令遵守に関わる質問の注意点
面接において、候補者のプライバシーに不当に立ち入る質問や、差別的な発言は厳に慎む必要があります。これは、厚生労働省の「公正な採用選考の基本」でも示されています。
例えば、家族構成や結婚の予定、出身地など、応募者の適性・能力に関係ない事柄や、先入観につながる可能性のある質問は、法的な問題となるリスクがあります。たとえ何気ない会話の中であっても、こうした不適切な質問は決して行ってはいけません。
面接官は、あくまで応募者の職務遂行能力や適性を見極めることに集中し、個人のプライベートな領域に不当に踏み込むことは厳に避ける必要があります。
圧迫的な態度が招く悪影響
圧迫的な態度や威圧的な質問は、候補者の本来の能力やポテンシャルを引き出す妨げになるだけでなく、企業のイメージを著しく損なうことに繋がります。
面接の目的は、候補者が持つ素質や可能性を適切に見極めることです。威圧的な態度によって候補者を萎縮させてしまうことは、その目的から外れた本末転倒な行為と言えます。
むしろ、候補者がリラックスし、自然体で応答できるような雰囲気や環境を積極的に整えることが肝となります。そのため、面接官自身が落ち着いて余裕を持って臨み、候補者が話しやすいよう穏やかな口調で質問を投げかけることを心がけましょう。
主観的評価を失くし、客観的な視点を保つ
個人的な印象や、特定の属性に基づく先入観による評価は、選考の公平性を著しく損なうリスクがあります。特に、出身校や外見など、応募者の職務能力とは直接関係のない表面的な要素に影響されないよう、常に公平な視点を保つ意識的な努力が求められます。
評価は、事前に設定された明確な基準に照らし合わせて行い、感覚ではなく具体的な事実や根拠に基づいて判断することが大切です。また、面接中の応募者の態度や具体的な回答内容を評価シートに丁寧に記録することで、後から見返した際にも客観的な判断が可能になります。
先入観を排し、目の前の候補者と向き合う姿勢
面接官は、書類選考の段階で「この候補者は自社に合いそうだ」といった先入観を持ってしまうことがあります。しかし、そうした先入観や思い込みは、他の候補者への評価に偏りをもたらし、公平な選考を妨げる要因となる可能性があります。
面接に臨む際は、常に先入観を排し、候補者一人ひとりと白紙の状態で向き合いましょう。候補者の発言や態度を、事前に設定した基準に照らして虚心坦懐に評価することを心がけてください。また、面接の途中で特定の印象を抱いたとしても、感情に流されず、最後まで設定した評価基準に基づいて一貫した視点で評価を行うことがポイントです。
新卒採用面接を成功に導く3つのコツ
新卒採用面接を成功に導くためには、面接本番だけでなく、事前準備と面接後の適切なフォローが非常に大事です。
ここでは、面接成功に繋がる3つのコツをご紹介します。
1.面接官用のマニュアル作成で評価基準を統一する
新卒採用面接において、面接官用のマニュアルを作成することは、面接をスムーズに進めるために有効です。マニュアルには、主に以下の項目を記載すると良いでしょう。
- 面接の目的
- 面接官の心構え
- 面接の基本的な流れ
- 質問すべき項目
- 評価基準
マニュアルがあることで、面接官は実施すべきことや評価のポイントが明確になり、採用面接をより効果的に進めることができます。さらに、蓄積されたノウハウや基準を後任に引き継ぐツールとしても役立ちます。
2.公平な評価のため採用面接評価シートを活用する
新卒採用面接において、面接評価シートは、面接官の主観的な評価を防ぎ、学生を公平に選考するために有効なツールです。評価シートは、求める人材像を明確に定義してから作成しましょう。評価シートに盛り込むべき項目例は以下の通りです。
- 経験・スキル(資格、業界・職種経験、プロジェクト経験など)
- 人物像(企業理念への共感、価値観、風土への適応性、性格、志向性など)
面接で得た情報を一枚のシートに集約できるため、社員間での情報共有がスムーズになり、採用活動の振り返りや改善も容易になります。これらのメリットにより、面接評価シートの活用は、採用活動全体の効率化と効果向上に繋がります。
3.内定ブルー対策としてのメール活用
内定辞退を未然に防ぐ上で、内定者へのフォローメールは非常に重要な役割を果たします。内定後、学生が「内定ブルー」と呼ばれる状態に陥るケースも見られます。内定ブルーとは、内定をもらったにもかかわらず、入社への不安やプレッシャーを感じ気分が落ち込む状態です。
このような学生の不安や悩みを解消し、入社意欲を高めるためには、企業側からのきめ細やかなサポートが必要不可欠です。フォローメールは、そのための有効な手段の一つと言えます。
フォローメールには、主に以下の内容を盛り込むと良いでしょう。
- 入社までのスケジュール
- 個別相談窓口や担当者の連絡先
単に連絡事項を羅列するだけでなく、感謝の気持ちや入社を歓迎する温かいメッセージを添えることで、学生に好感を持ってもらえます。
新卒面接マニュアル作成のロードマップ
採用活動の質を大きく左右する面接マニュアルの作成は、非常に重要な取り組みです。
しかし、単なる形式的な文書に留まらず、現場で活用される実用的なツールとして機能させるためには、綿密な準備と関係者全員の協力が不可欠となります。
面接の現状を把握し改善点を見つけ出す
マニュアル作成は現状分析から始めます。過去の面接データや面接官の意見などを検証し、評価基準のばらつきや質問内容の偏りといった課題を明確にしましょう。
他社の成功事例も参考に、問題点に対する具体的な解決策を検討し、現場で活用できる実践的なマニュアルの基本方針を策定します。
複数担当者によるマニュアルチェック体制
分析結果をもとに、面接マニュアルの初版を作成します。面接官など現場の声を幅広く反映させることがポイントです。
ドラフトには、面接の流れ、評価基準、よくある質問例、NG例、想定されるケースへの対応方法などを具体的に盛り込みましょう。
完成後のレビューでは、記載内容の正確性だけでなく、実際の面接現場での使いやすさも重要な判断基準となります。
実際にマニュアルを使ってみる試験運用
マニュアルのドラフト版を実際の面接で試験運用し、面接官からのフィードバックで実用性を検証します。
分かりにくい点や現場と合わない点は早期に修正が必要です。可能であれば候補者からも声を集め、候補者視点での改善点も洗い出します。
これらのフィードバックを次のバージョンアップに活かしましょう。
試行運用結果を反映したマニュアルの完成
試行運用での経験を踏まえ、マニュアル最終版を完成させます。しかし、これで終わりではなく、採用市場や方針変更等に応じ、定期的な見直し・更新が必要です。
最低でも年1回は見直しましょう。面接官交代時のための研修資料整備も必要不可欠です。継続的なメンテナンスが、マニュアルを常に最新かつ実用的な状態に保ちます。
失敗しない面接マニュアル作りのためのポイント
面接マニュアルの作成においては、単なる実務手順の整理に留まらず、法的要件への対応、企業としての姿勢、さらには候補者の心理面への配慮まで、幅広い視点からの検討が不可欠です。
法令遵守とコンプライアンスの意識
採用面接では法令遵守が最も重要です。労働関連法や個人情報保護法など、遵守すべき法律を把握し、マニュアルに反映させましょう。
避けるべき質問や法的リスクを具体的に明記し、面接記録や個人情報の適切な管理に関するガイドラインも併せて整備することが不可欠です。
企業理念やDNAを反映させる
面接マニュアルは、単なる手順書ではなく、企業の価値観や文化を体現し伝えるツールです。
経営理念や求める人材像を反映させ、質問や評価基準で明確に示しましょう。これらが形式的にならないよう実態と整合性を保ち、面接官が企業文化を体現できるよう具体的な振る舞いや言葉遣いにも言及することが大事です。
面接官への研修とマニュアル内容の理解促進
作成したマニュアルを現場で効果的に活用するには、面接官への教育・研修が大きなポイントになります。マニュアルの内容だけでなく、その背景にある考え方や意図まで理解してもらいましょう。
具体的には、ロールプレイングやケーススタディ、経験者からのノウハウ共有など、実践的な学習機会を設けることが効果的です。
新任面接官向けには、段階的なプログラムを用意することも検討しましょう。
候補者に寄り添う選考体験の設計
採用面接は企業と候補者の双方向の場であり、候補者の体験価値向上が大きな課題です。良い印象を与え、入社後のミスマッチを防ぐため丁寧な対応を心がけましょう。
マニュアルには、緊張緩和や質問意図の伝達など、候補者への配慮に関する具体的な指針を盛り込みます。不合格者への建設的なフィードバックも、将来的な評判向上に繋がります。
まとめ
面接の方法に、唯一絶対の正解はありません。企業の文化や求める人物像によって、最適な形式や内容は異なります。
この記事でご紹介したポイントも、あくまで一つの参考として捉えていただければ幸いです。全てをそのまま実行する必要はありません。
まずは、この記事で解説した面接の全体像と重要なポイントを踏まえ、どのような面接が自社に合っているか、ぜひ試行錯誤してみてください。
その過程で、この記事が皆様のより良い採用活動の一助となれば、大変嬉しく思います。ぜひ繰り返しご活用ください。

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