ベンチャー企業で発生する経理業務とは？一覧形式で仕事を確認

経理業務は企業の規模に関わらず、全ての組織で取り組まなければならない、負担の大きい業務です。経理業務は年間を通して発生しますが、時期によって対応が必要なものが異なるため、あらかじめそのスケジュールを把握しておくことが大切です。

この記事では、経理業務とはどんな仕事なのか、具体的な年間スケジュールを踏まえながら、その重要性について解説します。

経理業務とは何か？

経理とは、簡単にいえ会社経営における金銭の管理を行う部門です。金銭の流れを常に追いかけ、記録と管理をする部門なので、必然的に年中何らかの業務が発生します。

小さなもので言えば、毎日の取引に伴う請求書の作成や保管に従業員の給与の支払い、大きいものだと決算書類の作成に至るまで、業務範囲は多様です。

経理と財務の違い

経理と似たような業務に、財務が挙げられます。どちらもお金を扱う部門である点は同様ですが、異なるのはどんなお金を管理するのかという点です。

経理は基本的に、会社が使ったお金を管理する業務を指します。一方で財務の場合、企業がこれから運用するお金の管理を担当します。

例えば銀行と融資の交渉を行うのは財務の仕事ですし、M&Aのような場面においても企業の財務部が担当します。資金調達が必要なシーンは、いずれも財務の仕事と言えるでしょう。

経理業務はなぜ重要なのか？

経理は財務とは異なり、資金調達に関わることはありません。また、経理業務が直接営業利益につながることもないため、企業の売り上げを伸ばすための業務には関わらない部門であることがわかります。

それでも経理業務は、いかなる組織においても必ず必要な部門です。というのも経理は会社のお金の流れをまとめ、経営状況を明らかにすることで、組織運営を支える役割を負っているからです。

経理業務が疎かになっていると、余計な資金調達コストが発生したり、経営コストそのものが肥大化する可能性もあります。また、それに伴う支払いの遅れや不要な税の支払い、さらには脱税のおそれも出てくるなど、余計なリスクに企業を晒すこととなります。

健全な組織運営を実現する上で、経理業務は不可欠の存在です。

ベンチャー企業における経理業務は？大企業との違い

経理業務は大企業でもベンチャー企業でも、同様に発生する仕事です。ただベンチャー企業が懸念する必要があるのが、経理業務が負担となり、コア業務に十分なリソースを回せなくなるリスクです。

少数精鋭となりやすいベンチャー企業でも、大企業と同様に経理業務の負担はのしかかります。年中経理に追われながらコア業務にもリソースを割くというのは、いささか健全性に欠ける事態です。

そのため、ベンチャー企業では特に経理業務の改善に力を入れ、働きやすい職場づくりと成果の獲得の両立を促す必要があるでしょう。

経理業務の改善手法には、ツールの導入やアウトソーシングといった方法が挙げられます。自社で抱えている課題に応じて、最適なソリューションを選びましょう。

経理業務の主な流れ

経理業務には大きく分けて日次業務、月次業務、年次業務の3種類が存在します。それぞれでどのような業務が発生するのか、把握しておきましょう。

日次業務

日次業務とは、一日単位で発生する業務のことです。基本的には、

• 経費精算
• 出納管理
• 請求書作成

などといった業務が発生します。これらの業務は、年間を通して対応する必要があるため、経理担当者はこれらのプロセスを身につけることが優先事項となるでしょう。

月次業務

月次業務は、月間で発生する業務のことです。月末や月初など、月が入れ替わるタイミングで発生することが多く、経理担当者はこの時期が小さな繁忙期となります。

主な業務として、

• 給与計算
• 請求・支払い
• 月次貸借対照表・損益計算書の作成

などが発生します。

年次業務

年次業務は、年間で発生する業務です。一年に一回、あるいはシーズンごとに発生する業務など、月をまたいでの対応が発生します。

年次業務はいずれも経理業務の中で最も負担が大きく、残業などの原因になりやすいものが大半を占めます。年次業務のための時間を確保する、あるいは年次業務を効率化するための仕組みを整備するなどのアプローチで、改善に努めましょう。

主な経理担当者の年次業務として、

• 四半期・年度決算
• 税金の支払いと計算
• 年末調整
• 保険料の申告

などが挙げられます。

経理業務の年間スケジュールを一覧で確認

経理業務は日次業務に加え、以下のような業務が各月で発生します。毎日同じことをやる側で、異なる業務にも目を向ける必要がある点に注意が必要です。

ここではまず、表形式で年間スケジュールを確認しましょう。

表を見るとわかる通り、経理業務が最も忙しいのは年末年始や、決算前のタイミングです。この辺りは年次業務が集中しており、日次業務や月次業務と合わせて対応しなければならないため、慢性的に残業が発生しやすい時期と言えます。

逆に経理部門の閑散期となるのが9月や10月の時期です。決算期をこの時期に設定していない限りは、比較的少ない負担で業務を遂行できるでしょう。

経理部門がどのような時期に、どんな業務の負荷が大きくなっているのかを知っておくことが大切です。

アウトソースしやすい経理業務は？

経理業務の改善アプローチには複数存在しますが、有効な方法の一つとしてアウトソーシングが挙げられます。

業務のアウトソーシングは、専門のBPOサービスに経理部門の業務を丸ごと任せてしまい、業務負担の削減を進める手法です。

業務のアウトソーシングのメリットは、すぐに成果が期待できる上、社内で業務プロセスの刷新負担が小さく抑えられるところにあります。管理業務も含めて外部の会社に任せられるため、効率的です。

また、経理業務をアウトソースする際には、任意の業務を任せることもできます。どのような業務を任せるかは企業によって異なりますが、比較的委託が容易なものとしては

• 記帳業務
• 経費精算
• 給与計算
• 売掛金・買掛金管理

日次業務や月次業務が挙げられます。これらはルーティンワークとして発生するため、外部に任せてしまうことで、重要性の高い年次業務にリソースを割くことができるでしょう。

経理業務を外部に任せると、ケアレスミスの発生や修正・確認負担の削減にもつながります。業務負荷が大きいと、ついついミスが増えたり確認の時間を十分に取れなかったりするものですが、このような問題を迅速に解決できるのがアウトソースです。

一方、業務のアウトソーシングには委託費用がかかります。費用対効果を踏まえ、適切なサービス利用となるよう計画を立てることも大切です。

また、業務のアウトソーシングは自社でのノウハウ蓄積が進まなくなる問題も抱えています。いずれ業務を内製化していきたいと考えている場合、より計画的な利用が求められるでしょう。

まとめ

この記事では、経理業務にはどのようなタスクが発生するのか、年間スケジュールでまとめながら業務を解説しました。

経理業務は日次業務のルーティンワークに加え、定期的に大きな負荷のかかる年次業務も発生するため、時期によって負担にギャップがあることを知っておかなければなりません。

経理業務の負担を解消する上では、比較的委託しやすい業務をアウトソースするというアプローチも有効です。外部の専門会社に任せることで、人件費の高騰を抑えつつ、生産性の向上を実現できます。

ただ、業務の外部委託は自社でノウハウが蓄積が進まないなどのデメリットもあります。運用に際しては、メリットとデメリットのバランスも考えることが大切です。

当社が提供する「まるごと経理」は、月額プランでの利用が可能な経理業務の外部委託サービスです。年間契約の必要がなく、試験的な導入からスタートして相性を確認できます。

業務委託に際しては、業務フローの検討からサービスに任せることができるため、短期間でアウトソースによる成果を期待できるのが強みです。経理業務の負担削減にお悩みの際は、お気軽にご相談ください。

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