採用・労務・経理に関するお役立ち情報

「テレワークにも対応できる月次決算チェックリストがない」「月次決算チェックリストのテンプレートを探している」担当者の方もいるのではないでしょうか。
実践的な月次決算チェックリストがあれば、毎月の負担だけでなく年次決算にかかる負担も軽減できます。
この記事では、実践的な月次決算チェックリストを公開、最初に着手すべき項目から運用の際の注意点まで解説します。
月次決算チェックリストの運用で、年次決算早期化にお役立てください。

経理代行サービス比較表
経理代行サービスの活用の基本を解説。8社のサービスが一気に比較できます!
目次
月時次決算チェックリスト
以下のチェックリストを用いて、属人化も防止しましょう。
現金取引が日々遅れずに入力されているか
当座預金勘定の月末帳簿残高と銀行発行の当座預金照合表などが一致しているか
未決済手形の一覧表とその残高が勘定科目残高と一致しているか
売掛金明細表と、補助簿の各残高とが一致しているか
役員・社員等が消費した、たな卸資産について適正な販売価額で売上計上が行われているか
貸付金明細表と、補助簿の各残高とが一致するか
資産を賃借するための権利金などが、税務上の繰延資産に区分されているか
期中に売却、除却、交換、取替等により減少した資産について確認する
有価証券・出資金の取得、または減少があるか
支払手形明細表
買掛金取引先別残高一覧表と請求明細書
口座別残高と返済予定表・残高証明書の借入金残高
請求書、納品書等を参考にして、収益または他勘定へ振替えるべきものはないか
適正見積額が毎月計上されているか
貸借対照表がマイナス残高になっていないか
月次決算とは?

「月次決算」とは、企業や団体が毎月行う会計業務の一環で、月の財務状況や経営成績を把握するための決算処理を指します。
年度決算や四半期決算とは異なり、月ごとに定期的に実施され、主に資金繰り管理や経営成績のモニタリングに使用されることが多いです。
事業が拡大し、変化が大きいベンチャー・スタートアップにとっても例外ではなく、正確な月次決算を作ることは変化の大きい事業の経過を確認するのに役立ちます。
事業の状態を適時確認することで、課題解決の糸口を見つけることにも繋がりますので、月次決算を実施するメリットは大きいと言えるでしょう。
年次決算との違い
「年次決算」とは、1年に1度行う決算業務で、会社法によってすべての株式会社に義務付けられている特徴があります。
月次決算は年次決算の準備や経営の効率化などの目的で、あくまでも任意で行われるため、対象とする期間が異なることや義務付けられていないことが、年次決算の違いとして挙げられます。
関連記事:https://marugotoinc.jp/blog/keiri_os/
月次決算チェックリストを作る3つのメリット
月次決算チェックリストを作成すると、一定のクオリティとミスの防止に役立ちます。大きく3つのメリットがあるので解説します。
1、項目の標準化
判断基準を統一化すると、担当者の経験値に左右されずに一定のクオリティで決算を完了できます。
さらに、各タスクに「完了条件」と「エビデンス(どの資料を確認したか)」を紐付けることで、確認漏れを物理的に防ぎます。「完了印を押す」というアクションをフローに組み込むと、責任の所在が明確になり、ケアレスミスを最小限に抑えられるでしょう。
2、作業の重複や漏れ防止
決算業務の遅れは、多くの場合「次に何をすべきか」という迷いや、不必要な手戻りから発生します。チェックリストがあれば、業務全体を構造化が可能です。
余計な進捗確認メールやMTGが減り、チーム全体のリードタイム短縮に直結します。
3、属人化防止と効率的な引き継ぎ
チェックリストがあれば、ノウハウを組織の資産にできるでしょう。
特定の社員にしかわからない「ブラックボックス化した業務」は、組織にとって最大の経営リスクです。
ベテランの視点をチェック項目に反映させることで、組織全体のスキルレベルが標準化されます。
月次決算チェックリスト作成5ステップ

月次決算を効率よく進めるには、チェックリストを単なる確認リストとして使うだけでなく、全体のプロセスの中に組み込むことが重要です。
ここでは、スケジュール立案から経営陣への報告まで、5つのステップに分けて解説します。
1、スケジュール立案
スケジュール立案では、「月末締めなら何日までに決算整理を完了させるか」「経営陣への報告は何日に行うか」といった具体的な日付を設定しましょう。特に、他部署から資料を回収する期限と経理部門の作業期限は分けて明記するのがポイントです。
スケジュール立案のチェックリスト
月末締め(何日か)を全社で統一しているか
営業部からの売上資料の提出期限を設定しているか(例:月末翌日)
購買部からの仕入資料の提出期限を設定しているか
経理部門の仕訳入力完了期限を設定しているか(例:月末3~5営業日後)
試算表確定期限と経営陣への報告日を設定しているか(例:月末7営業日後)
営業部から請求書の提出が遅れると、その後のプロセスに影響するため、前月の月末には「来月の資料提出期限」を全社に通知しましょう。
2、必要資料の収集(請求書、銀行通帳、納品書など)
必要な資料は企業によって異なりますが、一般的には以下のようなものが挙げられます。
- 営業部からの売上資料(請求書控え、納品書)
- 購買部からの仕入資料(仕入請求書)
- 銀行からの通帳コピーや残高証明書
- カード会社の利用明細
- 給与計算データなど
月次決算では月末の日付が重要です。「この売上は今月に計上すべきなのか、来月なのか」といった期間ズレが発生しやすいため、資料を集める段階で日付の確認も併せて行いましょう。
3、決算整理で仕訳・残高を確認
各勘定科目について、チェックリストの項目を一つずつ確認しながら、以下の作業を進めましょう。
現預金の照合:帳簿上の残高と銀行通帳の残高が一致しているか。一致しない場合は、未決済の小切手や銀行手数料など、原因を特定して修正仕訳を入力
売掛金・買掛金の確認:請求書と帳簿の金額が一致しているか、回収遅延や支払遅延がないか
在庫の確認:期末に実地棚卸を行い、帳簿上の在庫数量と実物が一致しているかを確認。差異があれば、商品の盗難や破損がないか、帳簿入力のミスがないかを調査
固定資産・減価償却費:月中に固定資産の新規取得や売却がないか、毎月の減価償却費が正しく計上されているか
決算整理のチェックリスト:
現金と預金の残高照合を完了させたか
売掛金・買掛金の照合を完了させたか
在庫の実地棚卸と帳簿との差異を確認したか
固定資産の新規取得・売却を記録したか
減価償却費を計上したか
経過勘定(未払金、前払費用など)を整理したか
すべての修正仕訳を入力・確認したか
スタートアップ企業などの人数が少ない場合は、月初2日目から4日目の3日間を「決算期間」と決めて、この間は営業業務を最小限に抑え、短時間で完了させると良いでしょう。
4、月次試算表を作成し、前月・前年と比較月次報告資料の作成
月次試算表作成時には、まず貸借が一致しているかを確認しましょう。
試算表作成のチェックリスト:
試算表の貸借が一致しているか
異常値や予想外の数字がないか確認したか
前月との増減を計算したか
前年同月との増減を計算したか
売上・利益・経費の主要項目の変動原因を分析したか
グラフやレーダーチャートで視覚化したか(経営陣向けプレゼン用)
試算表が確定したら、次は前月や前年同月との比較分析を行います。「今月の売上は前月と比べてどう変わったか」「利益率は上昇したか低下したか」といった分析を通じて、経営課題を見つけられます。
この比較分析は、経営陣への報告資料として使われるだけでなく、次月以降の経営戦略を立てる重要な基礎情報になります。
5、経営陣に報告し、経営課題を抽出
報告は単に数字を読み上げるのではなく、「この月の経営成績がどうだったのか」「どのような課題があるのか」「次月以降どのような施策が必要か」といった経営判断に役立つ情報を提供することが重要です。
報告の際は、以下のような点を意識しましょう。
主要指標の説明:売上高、利益率、キャッシュフロー状況など
前月との比較:「売上は前月比110%だが、営業利益は前月比95%」といった、単月の数字だけでは分からない動き
経営課題の指摘:「売上が好調だが、○○部門の経費が予算を20%超過しているため、改善が必要」といった、具体的な改善施策につながる課題指摘
銀行から融資を受ける予定がある場合、月次決算の報告書は企業の経営管理体制が整備されていることを示す重要な証拠になります。
月次決算の効率化はチェックリストを活用しよう

ここでは、月次決算の決算整理で活用できるチェックリスト内容を、項目ごとに解説します。
チェックリストを活用することで、項目の抜け漏れや重複を避けられるため、月次決算の効率化が期待できます。
加えて、チェックリストを作成することで属人化を防止できるため、少ない人員で経理作業しているベンチャー・スタートアップの方は、ぜひ参考にしてみて下さい。
現金
「現金」とは、企業がすぐに使える資産のことで、紙幣や硬貨などの手元にある現金や、即時に引き出し可能な銀行預金も含みます。
この項目では、現金取引が日々遅れずに入力され、日々の現金残高に係る金種別残高表が適時に作成保存されているか確認しましょう。
また、小口現金制度を採用している場合は、資金補充以外の入金がないかもチェックすることが重要です。
預金
「預金」とは、企業が銀行や金融機関に預けている資金のことです。企業の運転資金や支払いに使用されることが多く、現金と同じく流動性の高い資産として扱われることがほとんどです。
この項目では、当座預金勘定の月末帳簿残高と銀行発行の当座預金照合表などが一致しているか確認しましょう。
確認時には、両落ちによる仕訳入力の脱漏等がないか注意する必要があります。
受取手形
「受取手形」とは、取引先が企業に対して商品やサービスの支払いを約束した手形(手形による約束書)のことを指します。
手形は、一定の支払期日が設定されており、その期日になれば現金化できます。
この項目では、未決済手形の一覧表と、その残高が勘定科目残高と一致しているか確認しましょう。
確認時には、受取手形明細表と受取手形記入帳もチェックする必要があります
売掛金
「売掛金」とは、企業が商品やサービスを販売したが、取引先からまだ現金を受け取っていない債権(未収金)のことを指します。
この項目では、売掛金明細表と、補助簿の各残高とが一致しているか確認しましょう。
売上割戻し等が発生している場合は、税法上交際費等に該当しないか注意する必要があります。
たな卸資産
「たな卸資産」(棚卸資産)とは、企業が販売目的で保有している在庫のことを指します。
この項目では、役員・社員等が消費した、たな卸資産について適正な販売価額で売上計上が行われているか確認しましょう。
受払帳残高との差異があったときは、必ず原因を判明するように心がけましょう。
貸付金・仮払金等
「貸付金」は、企業が他者(取引先、関連会社、従業員など)に対して一定の期間貸し付けた資金のことを指します。
一方「仮払金」は、後日発生する正式な取引や経費に対する前払いのことを指します。
この項目では、貸付金明細表と、補助簿の各残高とが一致するか確認しましょう。
費用または他勘定へ振替えるべきものは処理を施す必要があります。
税務上の繰延資産
「繰延資産」とは、すでに支出が行われたにもかかわらず、その支出による経済的効果が将来にわたって得られると判断されるものを指します。
繰延資産は、支出を一度に費用として処理せず、将来の会計期間にわたって段階的に費用化(償却)するため、資産として一時的に計上します。
この項目では、資産を賃借するための権利金などが、税務上の繰延資産に区分されていることを確認しましょう。
固定資産・繰延資産
「固定資産」とは、企業が長期間使用することを目的として保有する資産で、通常は1年以上にわたり企業の業務や事業活動に利用されるものを指します。
この項目では、期中に売却、除却、交換、取替等により減少した資産について確認しましょう。
また、権利保有の事実を確認する際には、営業権等や契約書などの資料を照らし合わせる必要があります。
有価証券
「有価証券」とは、財産的な価値を持つ権利や義務を証券化したもので、法律上または市場において売買が可能な資産のことを指します。
この項目をまとめる際には、有価証券・出資金の取得、または減少があるか確認しましょう。
また、固定資産・繰延資産と同じように、事実を確認する際には、営業権等や契約書などの資料を照らし合わせる必要があります。
支払手形
「支払手形」とは、企業が商品やサービスの代金を支払うために、特定の期日に代金を支払うことを約束した手形のことを指します。
この項目では、支払手形明細表を確認する必要があります。
また、休祭日が決済日となっている手形の処理が一貫しているかにも注意が必要です。
買掛金
「買掛金」とは、企業が商品やサービスを購入した際に、後払いとして取引先に対して支払う義務がある未払いの代金を指します。
この項目では、買掛金取引先別残高一覧表と請求明細書を確認する必要があります。
また、長期にわたり動きのない取引先や買掛金残高が滞留している場合は、取引先に問い合わせるなど、問題を残さないように対処しましょう。
借入金
「借入金」とは、企業や個人が金融機関や他の企業、個人などから資金を借り入れた際に発生する返済義務のある負債のことを指します。
この項目では、口座別残高と返済予定表・残高証明書の借入金残高を確認する必要があります。
また、借入債務の実在性を担保するために、証拠書類で確認も徹底しましょう。
未払金・預り金等
「未払金」とは、企業が商品やサービスを購入した際、その代金をまだ支払っていない状態の金額を指します。
また、「預り金」とは、企業が一時的に他人の資金を預かっている状態を指します。
この項目では、請求書、納品書等を参考にして、収益または他勘定へ振替えるべきものはないか確認しましょう。
引当金・減価償却累計額
「引当金」とは、将来の特定の支出や損失に備えて、あらかじめ一定額を負債として計上しておく金額を指します。
「減価償却累計額」とは、企業が所有する固定資産の取得原価から、これまでに計上された減価償却費の累積額を指します。
この項目では、適正見積額が毎月計上されているか確認しましょう。
新規の従業員の採用や退職等により支給対象者が変化した場合は、金額の見直しをする必要があります。
貸借対照表
「貸借対照表」は、企業や組織のある時点における財政状況を示す財務諸表の一つであり、企業が保有する資産、負債、および純資産(資本)の状態を明確に記載したものを指します。
この項目では、貸借対照表がマイナス残高になっていないか確認しましょう。
マイナス残高があった場合、原因の特定と修正が必要です。
月次決算チェックリストを運用する際の注意点
チェックリストを作成したら、その後の運用段階が成功を左右します。作成時に完璧だったリストも、時間経過とともに実態とズレが生じます。ここでは、チェックリストを長期にわたって効果的に運用するための3つの注意点を解説します。
法改正に対応できるよう最低でも年に1回は見直しを
月次決算チェックリストは、法改正や業務フロー変更、システム更新などの外部環境の変化に合わせて、定期的に見直す必要があります。
見直しが必要になるケースとしては、法改正対応です。近年の例では、2023年10月のインボイス制度導入時、多くの企業で売上計上や仕入計上の手順が変わりました。従来のチェックリストでは「請求書発行」の確認項目で十分でしたが、制度導入後は「インボイス番号の記載確認」「区分記載請求書との整合性確認」といった新しい項目が追加されています。
見直しの際は、以下を確認しましょう。
- 法令・制度面での変化をチェック
- 毎月の業界ニュースや税務署からのお知らせを積極的に確認する
- 社内の業務フロー変更を確認する
- 現場からの改善提案を積極的に拾い上げるます。
経理担当者に「このチェック項目で困っていることはないか」「追加すべき項目があるか」と定期的に問いかけることで、チェックリストの実用性が大きく高まります。
テレワークの際の運用方法を工夫する
テレワークの環境下で月次決算を進めるには、チェックリストの運用方法そのものを工夫する必要があります。
テレワーク下での主な課題は、情報の可視化の難しさと進捗管理の曖昧さです。オフィスであれば、声がけ一つで進捗確認ができます。しかし在宅勤務では、各担当者がどこまで進んでいるか、問題が発生していないかを把握しにくくなります。この課題を解決するために、チェックリストの運用プラットフォーム選定が重要です。
例えば、スプレッドシートであればチェック項目の実行ステータス(未実施→実行中→完了)を列にして管理することで、一目で全体の進捗が分かる仕組みを作ります。合わせて、進捗確認の定期化によって意図的な情報共有の仕組みを作りましょう。
新人育成への活用の際はベテランの知見を反映させる
月次決算チェックリストの価値は、属人化防止だけでなく、新人育成の強力なツールになり得ます。経理業務は、文書化しにくい暗黙知が多い領域です。ベテランが「この取引はこう処理する」と判断しても、その背景にある知識やテクニックを新人に引き継ぐのは困難です。チェックリストは、この暗黙知を形式知(誰でも理解できる明示的な知識)へ変えるツールになります。
オフィスで先輩の横に付いて学ぶ(OJT)も有効ですが、チェックリストがあれば先輩が多忙な時期でも新人は自律的に学習を進められます。
経理責任者や経験者に「月次決算で気をつけるべき点」「よく起きるミス」「業界特有の処理」を聞き出し、チェックリストの項目や注釈として追加しましょう。
【まとめ】月次決算の効率化はチェックリストから、ベンチャー・スタートアップも活用しよう

この記事では、月次決算の効率化に活用できるチェックリストについて解説しました。
年次決算でミスを防止する策として、月次決算を毎月まとめることが有効です。
ただ、業務過程で項目を見落としがちなため、この記事で紹介した、チェックリストを活用することをおすすめします。
月次決算の業務を負担に感じている経営者・経理担当者は、多彩な経理のサブスクリプションサービスを提供している「まるごと管理部(経理プラン)」に相談してみてはいかがでしょうか。

「まるごと管理部」(労務・経理プラン)の資料を無料でダウンロード
労務・経理を仕組みづくりから実務まで代行!
急な担当者の退職など社内のバックオフィス担当の代わりとして伴走支援します

経理代行サービス比較表
経理代行サービスの活用の基本を解説。8社のサービスが一気に比較できます!
CATEGORYカテゴリ
TAGタグ
関連記事
札幌で依頼したい記帳代行サービス4選。選び方のポイントを解説
- バックオフィス業務
経理が退職したら?原因・緊急対応・再発防止策をまとめて解説
- バックオフィス業務
経理業務を効率化するには?効率化できる方法とメリットを複数解説!
- バックオフィス業務
福岡のおすすめ経理代行業者4選!経理代行を導入する流れも徹底解説
- バックオフィス業務
勤怠管理のアウトソーシング(代行)サービス10選!業務内容やメリットを徹底解説
- バックオフィス業務
経理代行の相場とは?業務内容ごとに費用相場を徹底解説!
- バックオフィス業務





