採用・労務・経理に関するお役立ち情報

売り手市場である介護業界において自社に合った採用手法の選択が成功の鍵です。
介護の現場で働く方が職場に何を求めているのかを把握したうえで採用手法を選択し適切な対策を講じる必要があります。
本記事では、介護職の採用実態をみつつ、効果的な10の採用手法や人材確保のための施策について解説します。
以下の記事では、人手不足の解消に向けた自社の採用力強化、採用した人材の定着率向上やアウトソースの活用といった視点から人材確保について解説しています。

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介護職の採用は難しい?実態を解説
離職率は改善傾向にあるものの、「採用が困難」と挙げている事業所は9割にものぼります。
年代・施設別ごとの離職率や退職に至る理由、離職率を下げるための取り組みについて以下の記事で解説しています。
有効求人倍率
全職種の有効求人倍率は概ね1倍で横ばいに推移しているのに対し、介護関係職種は3倍以上と「売り手市場」です。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
現在、介護業界は人手不足に悩まされていますが、2040年には現状よりもさらに69万人の介護職員を必要としています。少子高齢化の進行と共にその必要性は増す一方、国の取り組みにもかかわらず、採用競争は激化の一途をたどっています。
求職者の現状
コロナ禍で収入が減った人や失業をきっかけに「未経験・無資格」でできる介護業界や看護助手への流入が多い傾向にあります。
また、就職時には無資格でも会社からの資格取得支援制度があればキャリアアップも可能であり、長期的に昇給も見込めるのが魅力にうつります。
また、離職率も高水準が続いており、以下を見ると「給与」「仕事内容」「人間関係」が転職理由として多いことを把握しておきましょう。
出典:https://career-research.mynavi.jp/reserch/20240312_71344/
介護士・求職者が働く上で重要視していること
未経験者・経験者の両者で求められる内容は収入面と人間関係であるといえます。
給与が低いと思われがちな介護業界だからこそ、高給与・高待遇がアピールできれば人は集まりやすいでしょう。
下記の3つを満たす事業所であれば求職者から見て魅力的な企業と感じられ採用活動も加速するはずです。
- 高給与
- 成長ができ正当に評価される職場環境
- 人間関係がよくワークライフバランスのとれる職場
求職者が事業所に求めることを把握しなければ効果的な採用計画・戦略はたてられないといってもいいでしょう。
未経験者は自分にも安心してできるか
「本当に自分にできるか」「一人でできるか」といった不安に対して、どこまで応えられるかが肝心です。
「体力的にも精神的にもきつそう」といったネガティブなイメージが強い介護業界だと、親や家族が反対するケースも珍しくありません。
出典:https://career-research.mynavi.jp/reserch/20230726_55443/
実際に未経験で就職した人の具体的な働き方やキャリアビジョンを提示するのも効果的です。
経験者は職場環境と正当な評価がされるか
介護業界の離職理由は以下の離職理由ランキングをみると、職場環境と将来性について問題があることがわかります。- 第1位 職場の人間関係に問題があった
- 第2位 法人や施設・事業所の理念や運営のあり方に不満があった
- 第3位 他に良い仕事・職場があった
- 第4位 収入が少なかった
- 第5位 将来の見込みが立たなかった
出典:https://www.kaigo-center.or.jp/content/files/report/2023_jittai_chousagaiyou.pdf
介護職へのネガティブなイメージが多い一方で、仕事内容自体を離職理由にあげる人は多くなく、人間関係や事業所の方針などの不満や悩みが離職につながっています。
特に、20代の勤続年数が短いため、キャリアビジョンや評価指標を可視化し、モチベーションが維持できるような取り組みが必要でしょう。
出典:https://www.mhlw.go.jp/content/12300000/001144293.pdf
採用手法9つのメリット・デメリット
介護業界の採用で効果的な手法9つを以下の表にまとめました。
採用手法 | 特徴 | メリット | デメリット | 介護業界の採用におけるポイント |
---|---|---|---|---|
ダイレクトリクルーティング | 企業自らが求職者に直接スカウトメールを送信 | 「攻め」の姿勢で求職者に自社アピールが可能 | 工数が多くリソースが必要 | 売り手市場である介護業界の採用に効果的 |
求人広告 | 自社の募集要項を求人サイトなどに掲載し、候補者からの応募を待つ方法 | 自社の魅力をアピールしやすい | 掲載期間に応じてコストがかかる場合も 予算オーバーするケースも | 求職者はまず求人広告を見ることが多く、介護職を探していない層にもアピールできる |
人材紹介 | 希望する人材の条件を伝え、マッチする人材を紹介してもらう | 人材紹介会社が効率的に人材を発見 スクリーニングの手間を削減し、優秀人材とマッチングしやすい | 採用単価は高め | |
ハローワーク | 厚生労働省が設置する公共職業安定所(職業紹介・求職相談・雇用保険手続きのサポート) | いますぐ働きたい人にアプローチが可能 | 介護への志望度が低い可能性がある | 介護業界の採用はハローワークからの紹介が多い |
リファラル採用 | 社員の人脈から友人・前職のつながりなどを紹介してもらう | 自社にマッチする人材に出会いやすい | 人間関係や業務上のトラブルがあると紹介者にも影響 | 人間性があらかじめ分かり、職場の雰囲気を乱されにくい |
SNS採用 | SNSを採用に活用する方法 | ネットで情報収集するZ世代に有効 | 広報活動の手間がかかる | 認知度が上がり、母集団形成に役立つ |
採用オウンドメディア運用 | 自社のウェブサイトやブログを運用して採用活動を行う | 掲載内容の制限が少なく、多くのコンテンツを届けられる | コンテンツ制作のノウハウが必要 | 介護や事業所の魅力を最大限伝えられる |
就職・転職イベントへの参加 | 会場で各社ブースを設置し、求職者が説明を聞くスタイル | 直接候補者に魅力を伝えられる | 会社紹介パンフレットやプレゼン資料の準備が必要 | 介護のネガティブイメージを払拭しやすい |
インターンシップ | 学生が実際の職場の雰囲気を体験できる | 6月より前から採用選考に移行できるケースもある | 介護への興味が薄い層はほとんど参加しない | 介護のネガティブイメージを払拭しやすい |
外国人採用 | 在留外国人を採用する | 人材確保がしやすい | 高齢者の受け入れに課題が生じる可能性/言語面の影響/在留期間の制約 | 外国人採用を活用する事業所が増えてきている |
採用戦略やコスト、リソースを踏まえて自社に合った採用手法を選びましょう。
以下の記事では、おすすめの求人サイトや効果を出すポイントについて解説しています。
介護人材確保のための施策
ここでは、介護業界の人材確保のために「コスト」「キャリア形成」の側面から必要な施策を紹介します。
人材確保等支援助成金
厚生労働省は、介護事業主の方に向けた助成金を6つ打ち出しています。
- 雇用管理制度助成コース:研修、メンター、健康づくり
- 介護福祉機器助成コース:特殊浴槽、の装着型移乗介助機器
- 介護・保育労働者雇用管理制度助成コース:職責や資格等に応じた賃金表の整備
- 中小企業団体助成コース:早期離職への改善計画立案
- 人事評価改善等助成コース:人事評価制度や賃金制度
- 設備改善等支援コース:高性能な設備に更新
いずれも離職率の低下や人員確保のために助成されるものであるため、要件に該当するか確認しましょう。
介護に関する入門的研修
人材確保につなげる取り組みとして、無料の介護入門研修が設けられている都道府県もあります。
都道府県ごとに異なりますが、実際には仲介の市職員や人材派遣会社などが受講生と事業所をマッチングさせるといった取り組みです。
入門研修の受講料は無料であり、実際の介護の仕事について知識を深めつつ、体験が可能です。
参考:https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001512735.pdf
介護事業所に合った採用手法で人材獲得を
数多くの中から自社に合った採用手法を選択するのは簡単にできることではありません。
ですが採用課題や採用ターゲット、採用戦略を明確にすると自然と見えてくるはずです。
リソースやノウハウが不足していて採用課題や戦略の立案に不安がある事業所の方は「まるごと人事」へ一度相談してみてはいかがでしょうか。
「まるごと人事」なら、採用戦略の立案へのアドバイスから採用手法の選択など、企業ごとに専任のサポートチームが支援します。
採用に関する相談を無料で受け付けています。自社の魅力を最大限に打ち出し、企業の採用担当者の負担や工数を減らしながら、効率的な介護の採用を進めましょう。無料相談の申し込みは、下のリンクをチェックしてください。

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