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給与計算ソフトにはいくつかの種類がありますが、導入ハードルが低く中小企業やベンチャー企業でも導入しやすいのがクラウド型のサービスです。
クラウド給与計算ソフトはインストールして運用するものと比較してもメリットが多く、給与計算を手動で対応している場合には積極的に活用すべきでしょう。
この記事では、クラウド給与計算ソフトを導入するメリットや、ベンチャー向けの製品を選定するための比較ポイントについて、解説します。

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目次
クラウド給与計算ソフトとは
クラウド給与計算ソフトは、給与計算業務を従業員の勤怠情報と紐づけることにより、自動で給与計算を実行できるツールです。勤怠管理データを参考にしながら手動で入力する必要がなく、ほぼ全ての業務を自動化できます。
また、クラウド給与計算ソフトでは給与計算に付帯する様々な業務の遂行や、情報管理の効率化においても役立ちます。
既存の従業員情報と紐付けてマイナンバーを管理したり、社会保険料や各種税金の計算なども行い、年末調整の効率化が行える製品もあります。
中小・ベンチャー企業における給与計算の課題
中小・ベンチャー企業では、給与業務を専門の担当者が担うケースが少なく、経理や総務が兼任していることが一般的です。そのため、手作業での集計や確認が増え、ミスや業務負担の増加が懸念されます。
また、勤怠管理との連携が不十分な場合、二重入力の手間が発生することもあります。さらに、法改正や年末調整への対応が求められる中で、必要な知識の習得が追いつかない状況も見受けられます。給与データは機密性が高いため、情報管理体制の強化も欠かせません。
給与計算ソフトのインストール型とクラウド型の違い
これまで主流だった給与計算ソフトは、多くの場合インストール型が選ばれていました。インストール型の給与計算ソフトは、いわゆる買い切り型で運用ができる製品です。導入に際してはソフトの購入費用を一括で支払う必要があり、運用するPCに直接インストールする手間が発生していました。
一方でクラウド型の給与計算ソフトは、このような初期費用や導入に伴う負担の発生がありません。クラウド型の製品は月額課金制で提供されるのが一般的ですが、初期費用が無料、あるいは低価格で運用を開始できるのが強みです。
また、サービスを利用するためのインストールが不要であるため、契約後すぐに製品を利用したり、PCやスマホなどデバイスを選ばず利用できたりといったメリットも得やすいと言えます。
クラウド給与計算ソフトの導入メリット
クラウド給与計算ソフトの導入によって、企業はどのようなメリットが期待できるのでしょうか。ここでは主な導入効果を6つ紹介します。
作業負担の削減
クラウド給与計算ソフトの導入は、作業負担の削減に大きく貢献します。給与計算業務は多くのデータ入力作業が発生しますが、その大半を自動化し、担当者の負担削減につながるのが魅力です。
給与計算後の明細書発行に際しても、Webで従業員に一斉送信を行えるようになります。明細書を印刷したり、郵送したりする業務負担や郵送コストそのものの削減が実現するでしょう。
ヒューマンエラーの削減
データ入力の自動化は、業務負担の削減に加えヒューマンエラーの削減にも役立ちます。入力作業を自動化することで、手動入力で発生していたミスを解消したり、それに伴う修正作業や確認作業の時間を削減することができます。
コストパフォーマンスの改善
クラウド給与計算ソフトの導入により、業務のコストパフォーマンス改善につながります。業務に必要な人員や時間を削減し、担当者の残業や休日出勤発生のリスクを抑え、人件費の高騰を防ぐことが可能です。
少ない人数でも高い生産性を維持することで、少数精鋭の働き方が実現するでしょう。
属人化の解消につながる
給与業務を特定の担当者が抱える状態が続くと、急な退職や長期不在時に支障が出やすくなります。給与計算ソフトを導入すれば、業務の流れや履歴がシステム上で共有されるため、属人化を回避しやすくなります。
操作がシンプルな製品であれば、誰が引き継いでもスムーズに対応できる点も大きなメリットです。
多様な雇用形態に対応できる
正社員だけでなく、パート・アルバイト・業務委託など、雇用形態が多様になる現代では給与体系も複雑化しています。給与計算ソフトには、雇用形態ごとのルールを事前設定できる機能があり、個別対応にかかる手間を減らせます。
あらゆる働き方に柔軟に対応できる、環境整備にもつながるでしょう。
法改正に対応できる
社会保険料率や税制は毎年のように見直されるため、都度の手動対応では負担が増大しやすいものです。クラウド型の給与計算ソフトであれば、最新の法改正内容が自動で反映されるため、担当者が都度内容を確認・反映する手間を軽減できます。
法令順守のリスクを軽減できる点でも、安心です。

会計システム導入のポイント
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給与計算ソフト導入における4つのデメリット

給与計算ソフトは業務効率を高める一方で、導入前に確認しておくべき課題も存在します。ここでは、主な4つのデメリットを整理して解説します。
初期コストがかかる
多くの給与計算ソフトでは、初期設定や導入サポートに費用が発生します。クラウド型であっても月額料金が必要なことが多く、無料プランでは、使用できる機能が限定されていることも少なくありません。
ソフト選定時には、必要な機能と予算のバランスを見極めることが重要です。将来的なアップグレードや追加オプションの費用も事前に確認しておきましょう。
設定・データ移行に時間がかかる
現在の勤怠管理や給与体系に合わせて各種設定を行うには、それなりの時間と労力が必要です。過去の給与データを移す作業も発生し、形式が異なる場合には手動で調整する場面も出てきます。
作業手順をあらかじめ整理しておくことで、スムーズな移行を目指せます。
操作の会得期間が必要になる
新しいソフトを導入すると、操作方法に慣れるまで一定の時間を要します。とくに、従来の手作業や表計算ソフトに慣れている担当者にとっては、インターフェースや機能への理解に時間がかかる可能性があります。
導入後のサポート体制や、マニュアルの充実度も確認しておくと安心です。
データ紛失・セキュリティリスクがある
クラウド型の給与計算ソフトを利用する場合、インターネット接続環境や提供元のセキュリティ対策に依存することになります。万が一の通信障害やサービス停止、または情報漏えいのリスクも考慮が必要です。
定期的なバックアップの実施や、信頼性の高い事業者の選定が対策として有効です。
おすすめのクラウド給与計算ソフト10選
クラウド給与計算ソフトには、どのような製品があるのでしょうか。ここでは人気の高いクラウド給与計算ソフトをピックアップして紹介します。
マネーフォワードクラウド給与
マネーフォワードクラウド給与は、大企業はもちろん中小企業や個人事業主に至るまで、あらゆるスケールの事業者向けにサービスを提供している給与計算ソフトです。
従業員数に応じて柔軟にプランを切り替えられるため、今後の事業拡大が期待されるベンチャー企業にとって、魅力的な使いやすさを備えます。クラウド上で給与計算業務のほとんどを完結できるため、リモートワークを推奨している現場にとって魅力的な製品でもあります。
▼詳しくはこちら:https://biz.moneyforward.com/payroll/
ジンジャー給与
ジンジャー給与は、1万8,000件を超える導入実績を有する人気のクラウド給与計算ソフトです。ボタン操作だけで計算が行える優れたユーザビリティで、これまでツールを使ったことがないという方にも優しい仕組みを採用しています。
各種保険手続きや年末調整といった、負担の大きい年次業務も完全対応しているので、給与計算業務をくまなく効率化する上で強力なサービスと言えます。
▼詳しくはこちら:https://hcm-jinjer.com/payroll/
PCAサブスク給与
PCAサブスク給与は、中小企業向けに特化したサービス提供を進めているクラウド給与計算ソフトです。設定可能な給与項目は100を超えており、細かくカスタマイズが必要な現場にも嬉しいツールと言えます。
各種外部ツールともAPI連携が行えるので、すでに外部システムを導入している企業でも安心して導入を進められるでしょう。
▼詳しくはこちら:https://pca.jp/area_product/subsc/prokyu_subsc_top.html
PCA給与DX
HP:https://pca.jp/area_top/supportendx2/supportendx_kyu.html
クラウドとオンプレミスの両運用に対応しており、自社環境に合わせた柔軟な導入が可能です。複雑な就業規則にも対応できる設計でありながら、業務ごとの権限管理やワークフローも充実しています。
長期的に安心して使える高性能な給与計算ソフトとして、多くの企業に導入されています。
ジョブカン給与計算
HP:https://payroll.jobcan.ne.jp/
誰でも直感的に使える操作性と、充実した自動計算機能が魅力です。勤怠・労務・申請管理など、ジョブカンシリーズとの連携性も高く、複数業務を一本化したい企業に適しています。
給与明細のWeb配信や社会保険料の自動計算も可能で、バックオフィス業務を効率化できます。
freee人事労務
HP:https://www.freee.co.jp/hr/
給与計算から明細発行、年末調整、保険手続きまでをひとつの画面で完結できます。従業員数10名〜50名ほどの中小企業でもスムーズに導入できる操作設計が魅力です。
スマートフォンからの操作にも対応しており、時間や場所を問わずに作業できる柔軟さも備えています。
給与奉行クラウド
HP:https://www.obc.co.jp/bugyo-cloud/kyuyo
高い信頼性と機能性を持ち、法改正にも迅速に対応できるクラウド型給与計算ソフトです。人事・会計との連携機能が充実しており、管理体制を一元化したい企業に適しています。
セキュリティも厳重に整備されており、重要なデータを安心して扱える環境が構築されています。
フリーウェイ給与計算
HP:https://freeway-kyuuyo.net/
5名以下であれば永久無料で利用可能なクラウド型ソフトで、コスト重視の中小企業に人気です。Web明細の出力や所得税の自動計算機能も標準装備されており、業務効率の向上に貢献します。
操作もわかりやすく、初めて給与計算ソフトを導入する企業にも扱いやすい構成となっています。
KING OF TIME 給与
HP:https://www.kingoftime.jp/function/payroll/
勤怠管理で知られる「KING OF TIME」との連携により、打刻データをスムーズに給与へ反映できる仕組みです。煩雑になりがちな勤怠入力や集計作業を効率化できるため、人的ミスの削減にも役立ちます。
給与業務の自動化とスピード化を目指す企業にとって、有力な選択肢といえるでしょう。
COMPANY
HP:https://www.works-hi.co.jp/products/payroll
中堅〜大手企業向けのイメージがあるものの、従業員数が増えつつある中小企業にも対応可能な拡張性を備えています。
給与計算だけでなく人事・勤怠・申請管理までを一括で行えるため、組織成長とともに運用を広げたい企業に最適です。高い処理性能により、大量データの扱いにも強みがあります。

会計システム導入のポイント
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重視すべきクラウド給与計算ソフトの機能は?
クラウド給与計算ソフトには多様な製品がありますが、ベンチャー企業はどのような機能を優先してサービス選択を行うべきなのでしょうか。ポイントとして、以下の3つの機能の充実度合いを確認するのが良いでしょう。
外部ソフトとのデータ連携
1つ目は、外部ソフトとのデータ連携機能の有無です。現在運用中の勤怠管理システムや、これから導入を予定している製品がある場合は、それらとクラウド給与計算ソフトが連携して扱えるかどうかを確認しましょう。
これらの製品を、可能な限り連携して運用することにより、データ共有の負担を減らし、より効果的な自動化や効率化を進めることができます。合わせて給与計算以外の業務効率化にも貢献するため、積極的に検討しましょう。
勤怠管理
2つ目のポイントは、勤怠管理機能の有無です。クラウド給与計算ソフトには、勤怠管理機能を備えた製品も存在します。勤怠管理と給与計算はセットで運用できるのが理想であるため、外部の勤怠管理システムと連携ができない、あるいは未実装の場合、勤怠管理機能搭載型の製品を選びましょう。
セキュリティ機能
3つ目はセキュリティ機能です。近年多くの企業で懸念されているのが、サイバー攻撃やヒューマンエラーに伴う個人情報や会社の機密情報の流出です。
クラウド給与計算ソフトは、従業員の個人情報と密接に結びついているだけでなく、セキュリティ対策の大半をクラウド提供事業者に依存することとなります。インシデントを回避する上では、高度な暗号化を実装しているサービスを優先して選ぶことが大切です。
クラウド給与計算ソフトの比較ポイント
ベンチャー企業がクラウド給与計算ソフトを導入する場合、各製品をどのように比較すれば良いのでしょうか。ここでは押さえておきたい比較ポイントを紹介します。
課題解決に適した機能を備えているか
まず、クラウド給与計算ソフトが自社業務の課題解決へ確実に貢献できるかどうかを見極めることが大切です。
せっかくソフトを導入しても、自社に必要な機能が備わっていないと、高い導入効果を発揮することはできません。あらかじめ導入課題を整理の上、それらの解決に貢献する機能を備えたツール選びを意識しましょう。
コストパフォーマンスに優れているか
ベンチャー企業は、コストパフォーマンスの良し悪しにも注目すべきです。クラウド給与計算ソフトによっては大企業への導入を想定しているものもあり、運用コストが高く期待しているような費用対効果が得られないこともあります。
あらかじめ自社で許容できる予算を設定し、その中でコストパフォーマンスが期待できる製品に限定して選定を進めましょう。
導入・運用支援が得られるか
クラウド給与計算ソフトの導入が初めての場合、導入前後でトラブルや不明点が出てくることも少なくありません。
その際に適宜丁寧なサポートが得られるサービスを選ぶことで、スムーズな導入と短期での導入効果獲得が期待できます。メールや電話、チャットサポートなど支援形態が充実しているものがおすすめです。
操作性の相性が良いか
日常的に使用するツールであるため、実際の操作感は非常に重要です。導入前には試用期間やデモ画面を活用して、自社の業務フローとマッチするかを検証しましょう。
表示のわかりやすさや操作ステップの少なさ、担当者のITリテラシーに合うかなど、現場目線での確認がスムーズな運用につながります。
他システムとの連携は可能か
勤怠管理や会計ソフトと連携できる給与計算ソフトを選ぶことで、業務の効率化とデータの一元化が期待できます。
連携の形式や対応サービスの種類も製品によって異なるため、将来的な拡張性を視野に入れて選ぶと安心です。特に、勤怠・人事・経費など複数システムを扱う企業は、この連携性が大きな選定ポイントになります。
まとめ
この記事では、クラウド給与計算ソフトをベンチャー企業が導入するメリットや、導入に際して知っておきたい製品の比較ポイントを解説しました。クラウド給与計算ソフトの導入効果は確かなものが期待できますが、導入前後の手続きをスムーズに進められるか、現場で迅速に成果が得られるかは、自社に適したサービスを選べるかによって変わってくるものです。
人事労務の月額代行サービス「まるごと労務」は、そんなクラウド給与計算ソフト導入に伴う負担を回避しながら、人事労務管理業務を丸ごと効率化できるサービスです。自社の業務環境を刷新する手間をかけることなく、業務フローはそのままに現場の効率化を進められます。
1ヶ月単位で業務を専門会社に任せられるため、給与計算ソフト導入に伴う過渡期にのみ適用するような使い方も可能です。このような業務代行サービス等も上手く利用しながら、クラウド給与計算ソフトを導入し、人事労務業務の自動化・効率化を進めていきましょう。

会計システム導入のポイント
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