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2025.04.15 更新日:2025.04.15
この記事の監修者:小林 美希

この記事の監修者:小林 美希

【エクセルで実施する従業員管理方法】法定三帳簿を例に徹底解説

【エクセルで実施する】従業員管理方法を法定三帳簿を例に徹底解説

労務管理業務では、従業員が適切に働けるようにするためにも従業員管理を実施しなければなりません。

従業員管理にはさまざまな方法があり、どの企業でも導入しやすい方法として、エクセルを用いてデータを管理する方法が挙げられます。

しかし、エクセルを用いた管理方法は自社でフォーマットを用意しなくてはならないため、労務管理業務の経験が少ない人は、対応に困ってしまう場合も珍しくありません。

本記事では、従業員管理をエクセルで対応する方法を解説します。

法定三帳簿を具体例に解説しているので、従業員管理をエクセルで効率よく対応したい人は参考にしてみてください。

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従業員管理とは

従業員管理とは

従業員管理は、企業が従業員の情報や働き方を総合的に管理・運用することを指し、主に法定三帳簿を管理する業務になります。

法定三帳簿は、企業が労働基準法に基づいて作成・保管しなければならない、以下の3つの帳簿です。

帳簿名

内容

保管期間

労働者名簿

従業員の氏名・生年月日・住所・雇用開始日・雇用形態などの基本情報を記載した名簿

退職後5年間

賃金台帳

各従業員の賃金、手当、控除内容、支給日などを記載する帳簿

支払日から5年間(源泉徴収簿を兼ねている場合は7年間)

出勤簿

出勤・退勤の時刻、労働時間、休日、休暇などの記録する帳簿(タイムカードや勤怠システムのデータも該当する)

最後の記載があった日から5年間

労働保険などの手続きや労働基準監督署の調査に使用されるため、従業員を雇って事業をしている企業は必ず作成・管理しなければなりません。

適切な管理をしていないと罰金を課されるペナルティがあるため、企業によってはエクセルで効率よく管理していることも多いです。

ただしエクセルで管理する場合は、適切なフォーマットで管理していないと、不適切な管理状態だとみなされてしまうので注意が必要です。

【エクセルで実施する】従業員管理方法を法定三帳簿を例に徹底解説

【エクセルで実施する】従業員管理方法

ここでは法定三帳簿の管理方法を例に、エクセルで従業員管理する方法を解説します。

それぞれの帳簿で必要な項目を一覧でまとめているので、参考にしてみてください。

従業員名簿

従業員名簿は、企業が従業員一人ひとりについて基本的な情報を記載・管理する帳簿です。

従業員名簿に記載する内容は、労働基準法第107条にて以下のように定められています。

  • 労働者氏名:戸籍上の名前をフルネーム
  • 生年月日:西暦または和暦で記載
  • 性別:男・女・その他
  • 住所:現住所を正確に記載
  • 履歴:社内の役職の遍歴を記載
  • 従事する業務の種類:業務内容が分かるように記載
  • 雇入年月日:雇用開始日
  • 退職年月日:解雇の場合は年月日とともに理由も記載
  • 死亡年月日:労災の場合は年月日とともに原因を記載

従業員名簿は事業場ごとに必要になるので、複数活動拠点がある企業は事業所ごとに保管することを意識しましょう。

また、全ての従業員が従業員名簿の記載対象となっています。

正社員はもちろん、アルバイトやパートも対象になるので注意が必要です。

賃金台帳

賃金台帳は、従業員に支払った賃金の詳細を記録する帳簿です。

賃金台帳に記載する内容は、労働基準法第108条にて以下のように定められています。

  • 労働者氏名:戸籍上の名前をフルネーム
  • 性別:男・女・その他
  • 賃金計算期間:給与を計算する開始日から締め日
  • 労働日数:勤務した日数
  • 労働時間数:法定労働時間内での労働時間数(1日8時間、週40時間まで)
  • 時間外労働時間数:法定労働時間外での労働時間数
  • 深夜労働時間数:夜22時から翌5時の時間帯での労働時間
  • 休日労働時間数:法定休日での労働時間
  • 基本給、所定時間外割増賃金、各種手当
  • 控除額:保険料や源泉所得税など

賃金台帳の記載対象は全従業員です。

ただし、従業員の働き方や役職によって記載すべき内容が変化することもあります。

賃金台帳を管理するうえで、注意したい記載対象は以下のとおりです。

  • 日雇い労働者:継続勤務日数が1ヶ月未満の日雇い労働者は、賃金計算期間を書かなくても問題ありません。
  • 管理職:労働基準法第41条により時間外労働の適用外とされますが、企業には労働時間の状況を把握する義務があるため、適切な記録が求められます。

なお働き方改革により、雇用者に労働者の「労働時間の状況を把握する義務」が課せられた影響で、管理職の労働時間も把握する必要があります。

もしタイムカードなどを使用しておらず、記録する媒体に困っている場合は、賃金台帳を活用するとよいでしょう。

出勤簿

出勤簿は、従業員の出勤・退勤や労働時間などを記録する帳簿です。

賃金台帳に記載する内容は、労働基準法にて以下のように定められています。

  • 労働者氏名
  • 出勤日
  • 労働日数
  • 総労働時間
  • 始業・終業時刻
  • 休憩時間
  • 時間外労働日数
  • 休日出勤日数・時間
  • 深夜労働日数・時間

出勤簿台帳の記載対象は、アルバイトやパートなどの非正規雇用者も含めた全従業員です。

1日の勤務時間は「終業時刻-始業時刻-休憩時間」で計算できるため、エクセル内の数式を利用して計算するとよいでしょう。

なお、出勤簿の書式は特に指定されていないので、タイムカードの集計や勤怠管理システムを活用しても問題ありません。

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従業員管理をエクセルで行うメリット

従業員管理をエクセルで行うメリット

従業員管理をエクセルで実施するメリットは、以下のとおりです。

  • 導入コストが抑えられる
  • データ移行が簡単
  • テンプレートを利用してすぐに始められる

PCにMicrosoftofficeさえあれば誰でも使えるソフトであるため、導入コストがほとんどかからない場合が多いです。

テンプレートをダウンロードすればすぐに始められるので、小規模の職場であればエクセルで十分対応できるでしょう。

また、エクセルの数式を使いこなせる知識があれば、自社の働き方や運用に合わせてフォーマット調整できるので、カスタマイズ性が高い強みもあります。

従業員管理をエクセルで行うデメリット

従業員管理をエクセルで行うデメリット

従業員管理をエクセルで実施するデメリットは、以下のとおりです。

  • セキュリティ面が弱い
  • 業務効率の低下
  • 閲覧権限の設定が難しい
  • データの一元管理が困難

個人情報管理の重要性が上がっていることもあり、エクセルだとどうしてもセキュリティ対策を万全にしにくい傾向があります。

また、従業員数が多いと管理が難しい、管理したデータを業務改善で活用するには手間がかかってしまうなど、柔軟な対応がしにくいデメリットも目立ちます。

従業員管理をより厳重なセキュリティで実施したい、また、従業員管理の情報を駆使して業務改善に役立てたいと考えている場合は、労務管理システムの導入を検討することをおすすめします。

従業員管理をエクセルで行う3つの注意点

従業員管理をエクセルで行う3つの注意点

ここでは、従業員管理をエクセルで実施する際に注意したいポイントを、3つ解説します。

誤った管理方法で、法律違反しないためにも、以下の注意点を意識することをおすすめします。

自己申告制ならではのリスクを把握する

エクセルでの労働時間管理は、企業によっては自己申告制で運用されることもありますが、自己申告でデータを入力できるがゆえに、データを改ざんし、不正申告やサービス残業が発生しやすい傾向があります。

また、厚生労働省が公開しているガイドラインの方法にも該当しないため、何か違反が起きた際には、不適切な管理方法だとみなされる恐れもあります。

個人情報の取り扱いに注意

社員の氏名や住所といった個人情報が記載されているので、エクセルで管理する際には、個人情報保護法に基づき、適切に取り扱う必要があります。

社外へ情報漏洩しないためにも使用するPCを限定し、外へは持ち出さないなど、ルールを定めておくとよいでしょう。

法改正における対応が必須

働き方改革が実施されてから、残業時間や労働時間に関するルールが改正される機会も増えているため、法改正における対応も重要です。

エクセルの場合は担当者が自ら法改正の内容をチェックし、更新する必要があるため、担当者の業務量が増える恐れがあります。

労務管理システムの中には、法改正に対応して自動でアップデートされるものもあり、手作業の負担を軽減できます。法改正の対応に不安な人は、導入を検討するとよいでしょう。

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エクセルで従業員管理を徹底するには多大な労力が必要

エクセルで従業員管理を徹底するには多大な労力が必要

本記事では、従業員管理をエクセルで対応する方法を解説しました。

企業のコンプライアンスが重要視されていたり、働き方が多様化しているなど、従業員管理業務に求められるレベルが上がってきているので、エクセルでの対応が難しくなっている傾向があります。

従業員管理業務に課題を感じている場合は、外部にアウトソーシングすることが効果的です。

まるごと労務」では従業員管理業務のサポートに加え、効率の良い管理方法の提案も対応できるので、従業員管理にお悩みの担当者は相談してみてはいかがでしょうか。

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この記事の監修者:小林 美希
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マルゴト株式会社まるごと管理部 マネージャー
新卒で地方自治体向けのSIerに入社し、主に営業SEや校正を担当。その後福祉系ITベンチャー企業にて、一人目人事・広報として部署立ち上げに携わる。
2021年にマルゴトに入社し、まるごと人事事業部にてプロジェクトリーダー、マネージャーを経て、現在はまるごと管理部事業部のマネージャーとして従事。
事業拡大を推進し、より良いサービス提供に努めています。

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