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毎日の仕入れや業務で金銭のやり取りが発生する飲食店経営では、経理業務も複雑です。しかし個人事業主が経営する店舗等では、経理専門の従業員がいないことも珍しくありません。
専門的な人材の確保が難しいときは、経理アウトソーシングの活用がおすすめです。また経理業務のアウトソーシングを成功させるには同時にDXも進めていくことがポイントとなります。
今回は飲食店の経理業務の特徴や課題、DXを活用した経理アウトソーシングのメリットを紹介します。
目次
経理業務のアウトソーシングとは?
経理業務のアウトソーシングとは、自社の経理業務を外部の専門業者に委託するサービスです。日々の仕訳入力や伝票処理といった日常業務から、月次決算の作成、年末調整や法定調書作成などの年次業務まで、幅広い業務を委託できます。
近年ではクラウド会計ソフトの普及により、委託先と企業とで、リアルタイムでのデータ共有も容易になりました。
経理業務はアウトソーシングしづらい?
従来の紙ベースの経理業務は、物理的な書類のやり取りが必要です。こうした業務は、リモートやアウトソーシングがしづらいのが問題となっていました。
ハンコ文化をはじめ、領収書や請求書といった紙の証憑書類の管理や、手書きの帳簿など、デジタル化が進んでいない業務プロセスがアウトソーシングの障壁となっていたのです。
DX化が進むと、経理業務のアウトソーシングも容易に
人材不足や働き方の多様化が進む現代において、経理業務のペーパーレス化やアウトソーシングの需要は高まっています。DX化による業務効率の向上は、従業員の負担を軽減し、本来の業務へ集中できるようになるメリットもある取組です。
またペーパーレス化やデジタル化が進めば、外部パートナーとの連携がスムーズになり、業務委託もしやすくなります。
経理業務のDX化は担当者の業務改善だけでなく、アウトソーシングによるさらなる効率化を目指せる取組なのです。そのため最近では経理業務のDX化は、飲食店でも広がっています。
飲食店の経理業務の特徴

飲食店の経理業務には、他業種とは異なる特徴があります。適切なアウトソーシングを選択するためにも、まずは飲食店特有の経理業務の特徴を見ていきましょう。
特徴①現金主義が主流
飲食店の経理では、「現金主義」が主流です。現金主義とは、現金の支払いや受け取りをした時点で取引があったものとして会計処理を行う方法です。
日々の仕入れと売上が現金で行われることが多く、「現金が出ていき(仕入)、現金が入ってくる(売上)」という流れが一般的です。毎日の現金の出入りが複雑で、正確な記録と定期的な確認が求められます。領収書などの書類も多くなりがちです。
特に多店舗を展開している場合は、店舗ごとの現金管理の統一ルールの策定と運用も課題となります。
特徴②減価償却できる設備が多い
飲食店では、冷暖房器具や電子レンジ・オーブンなど、多くの大型設備が必要です。多くの場合、こうした設備は減価償却の対象となります。
減価償却とは、高額な設備などを数年に分割して経理計上する会計処理です。設備投資の費用を複数年に分散させることができ、節税効果や、財政状況を調整しやすくなるメリットがあります。
しかし減価償却資産の申請には、場合によっては専門的な知識が必要です。特に経理専門の従業員がいない場合、こうした手続きが大きな負担となっています。
特徴③経理専門の担当者がいないケースも
一般的に飲食店、特に個人経営の店舗では、家族だけで経営しているケースも多くあります。店主や家族が本来の業務とは別に、業務時間外に経理業務を行っている店舗も少なくありません。
経理の専門知識がない職員が、空いた時間に経理業務を行う状況では、法改正などへの対応が大きな負担になります。また繁忙期には経理業務が後回しになりがちです。
専門的な経理知識を持つ人材の確保・育成は、特に中小規模の飲食店にとって大きな課題となっています。
飲食店の経理業務によくある課題
飲食店の経理業務には、いくつかの課題が存在します。次は飲食店の経理でよくある課題や不安を見ていきましょう。
課題①紙資料の管理が大変
飲食店では現金売上が多く、現金出納帳などの帳簿を整えて管理しなくてはなりません。各資料をきちんと管理されていないと、領収書などの紛失リスクも高まります。万が一、税務調査の際に適切な資料がないと、経費として認められないかもしれません。
また紙の資料では、申請内容を訂正すると金額の正誤確認がしづらくなるというデメリットもあります。
課題②売掛金の種類が複雑
現代の飲食店では、現金以外にも、クレジットカードやQRコード決済などの多様な支払い方法が導入されています。支払い方法毎に締め日や回収日が異なるため、処理は複雑です。また、手数料の計算も支払方法によって異なります。
売掛金の管理が不十分だと、資金繰りの悪化や未回収リスクの増大につながります。
課題③修正作業の負担が多い
飲食店では、勘定科目の判断が複雑になることがあります。適切な勘定科目の設定には、徹底したルール管理と責任者の配置が必要です。適切な担当者がいない店舗では、最終的な確認作業の負担も大きくなります。
特に紙ベースで管理された資料は、後から申請内容に不備が発覚した際、該当の領収書を探すだけでも重労働です。
課題④経理の専門知識に不安があることも
飲食店の経営者や従業員は、必ずしも経理の専門家とは限りません。経理担当者に専門知識がないこともあり、会計処理や税務申告の適正性に不安を抱える店舗もあるでしょう。
特に月末は、通常の飲食業務に加えて経理業務も行わなければならず、本来の職務に専念できないという問題もあります。業務効率の面でも、これは大きな課題です。
飲食店が経理アウトソーシングを利用する3つのメリット
飲食店が経理業務をアウトソーシングすることには、主に3つのメリットがあります。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①業務効率が上がる
経理業務をアウトソーシングすると、スタッフは本来の飲食サービスに専念できるようになります。接客や料理の質向上に注力でき、顧客満足度の向上にもつながるでしょう。
特に月末や決算期の経理業務がなくなれば、売上機会損失を防ぐ効果もあります。
また専門家のサポートにより処理スピードが向上すれば、経営判断に必要な財務情報を迅速に入手できるようになります。
月次の売上や利益率の把握が早まり、タイムリーな経営判断が可能になるのです。
②専門知識がなくても安心
アウトソーシングでは、プロのスタッフが業務を行います。税法改正や会計基準の変更にも適切に対応し、コンプライアンスリスクも低減できます。
また、複雑な会計処理にもスムーズに対応。飲食店特有の減価償却資産の処理や、多様な決済方法の管理など、専門性の高い業務も適切に処理されます。
税務リスクの低減や節税にもつながるうえ、経営判断に必要な財務分析や経営アドバイスを受けられることもあるのです。
③担当者の入れ替わりがあっても大丈夫
アウトソーシングを活用すれば、企業内で人材の入れ替わりがあっても安心です。引継ぎや教育コストが必要なく、一貫した処理ルールとノウハウが維持されます。内部で経理担当者を育成する負担も軽減されます。
家族経営で高齢者が引退した場合なども、アウトソーシングならスムーズです。それまでの知識やノウハウが適切に管理され、長期的に安定した経理体制の構築に貢献します。
業務の属人化を防ぎ、継続的な経営基盤を整えることができるのです。
飲食店の経理業務はまるごと管理部がおすすめ!
飲食店の経理業務は、独自の課題を抱えています。こうした課題には、DXの活用が有効です。経理のDX化が進めば、アウトソーシングを活用したさらなる効率化も実現できます。経理の負担を減らし、料理の提供やサービスに集中できる環境を整えることは、飲食店の競争力強化につながります。
経理のDX化とアウトソーシングを活用し、本来の業務に経営資源を集中させて、飲食店の持続的な成長を目指しましょう。
飲食店の経理業務をアウトソーシングするなら、「まるごと管理部(経理プラン)」がおすすめです。経理のプロフェッショナルチームが、効率的な経理サービスを提供します。さらにシステムの提案や導入もサポート。導入するシステムの指定はありません。業務状況に合ったシステムで、DX化をお手伝いします。
アウトソーシングが不要になった場合でも、脱属人化したシステムやフローで引継ぎもスムーズ。マニュアル作成からフロー整備まで、ワンストップでお引き受けします。
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